USD/JPY
6月4日(火曜日)、日元は対米ドルで3週間ぶりの高値に達し、米ドル/円は終値で0.8%下落し、154.74となりました。日元の急上昇は、日本銀行の関係者が日元の動向を注視していると警告したことと、彭博ニュースが日銀が来週の政策会議で債券購入の減速を議論するとの報道が要因です。日銀が債券購入の縮小に着手すれば、数週間以内に日本の指標的な債券利回りが上昇し、7月の利上げ前に日元の金利が正常化に向かう可能性があります。この報道を受けて、日元は空売りの買い戻しにより、すべてのキャリートレード通貨に対して大幅に上昇しました。
日足チャートでは、米ドル/円が連続して大幅に下落し、ボリンジャーバンドの中間線を割り込みました。技術指標は下向きの傾向を示しており、米ドル/円の売り圧力が強いことを示しています。短期の時間軸では、米ドル/円が著しく売られ過ぎの状態にあり、空売りの買い戻しによる修正が見られるかもしれません。ただし、この修正が156の水準を回復しない場合、米ドルが徐々に下落に転じるリスクに注意が必要です。
AUD/USD
6月4日(火曜日)、豪ドル/米ドルは0.6%下落し、終値は0.6644となりました。日元の急上昇によりキャリートレードの解消が進み、豪ドル/円の売りが豪ドル/米ドルの下落を引き起こしました。また、同日に発表されたアメリカの求人件数・労働移動率調査(JOLTS)によると、4月の求人件数が予想以上に減少し、3年以上ぶりの低水準となりました。アメリカの労働市場データが予想よりも弱く、世界経済の成長に対する懸念が高まりました。さらに、鉄鉱石価格の7週間ぶりの安値など、商品価格の下落も豪ドルに対する圧力となりました。
しかし、豪ドルの下落幅は限定的と見られます。これは、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が再燃し、米国債利回りが低下したことが背景にあります。先物市場では、豪ドルの利下げ幅は今後2年間で38ベーシスポイントと見込まれていますが、FRBの緩和幅は100ベーシスポイントを超えています。両国の中央銀行の金利動向の差異が豪ドルを支える要因となるでしょう。
日足チャートでは、豪ドル/米ドルはボリンジャーバンドの中間線(0.6650)付近でしっかりと支えられており、技術指標は均衡線の上方に位置しています。これにより、豪ドルの上昇の可能性が示唆されています。下方の0.66を明確に割り込むまでは、豪ドルが下落トレンドに転じることはないでしょう。