USD/JPY
7月2日(火曜日)、米ドル/円はニューヨーク市場の終値で161.48となり、前日からほぼ変わらずでした。取引中には161.74まで上昇し、1986年以来の最高値を更新しました。
この日、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、ポルトガルで開催された一連の通貨政策会議での発言が注目されました。パウエル議長は、インフレ抑制の進展に満足しているものの、利下げを開始する前にさらなる進展を確認する必要があると述べました。市場では、この発言は比較的ハト派的(穏健な金融政策を支持する立場)と受け取られましたが、米ドルへの影響は限定的でした。
また、BNPパリバとSMBC日興証券の経済学者が、日本の今年の経済成長予測を大幅に下方修正し、2024年には2020年のパンデミック以来初の年間経済縮小が予想されるとの報道がありました。これに加え、日本の第1四半期GDPデータの大幅な下方修正が発表され、日本の金融政策に対する不確実性が増しています。
日本の利上げの見通しが不透明な状況では、日銀が利上げや債券購入の縮小に慎重である限り、日本当局の市場介入が日円を持ち上げる効果は限られる可能性があります。さらに、米ドルの強気と日円の弱気のオプション取引が増加しているため、日銀の介入に対する市場の期待も高まっています。
AUD/USD
7月2日(火曜日)、豪ドル/米ドルは0.1%の上昇で、0.6668ドルで取引を終えました。パウエル議長がポルトガルでの会議で述べた、米国がインフレ問題で大きな進展を遂げているとの発言が市場に影響を与えました。この発言はハト派的と解釈され、米ドルは夜間の外国為替市場でやや下落し、豪ドルの上昇を支援しました。
また、トレーダーはオーストラリア準備銀行(RBA)の会議記録を評価しています。この記録によれば、インフレが予想通りに鈍化するかどうかを巡って、現在の政策が十分に引き締まっているかどうかについて多くの議論が行われています。今後、オーストラリアの建築許可と5月の小売売上高の最終データが注目されており、これらはオーストラリアのインフレリスクに対する主要な指標となります。
技術的には、21日ボリンジャーバンドの幅が拡大し、5日、10日、21日の移動平均線が中立的な位置にあります。日足チャートのモメンタム指標も明確な方向性を示しておらず、豪ドル/米ドルは引き続き狭い範囲で横ばいの動きを見せています。
主要なサポートレベルとしては、先週の安値0.6620と6月の安値0.6575が挙げられます。一方、抵抗レベルは、月曜日の高値0.6689と6月の高値0.6705が初期の抵抗ラインとなります。