USD/JPY
8月20日(火)、ドル円は145.36まで下落し、前日には145.20の8月7日以来の最安値を記録しました。火曜日の外国為替市場では、ドル指数のさらなる下落が非米通貨の集団的な上昇を後押ししました。これは、投資家が水曜日に発表される米国の雇用データの修正と、週後半に予定されているジャクソンホール経済会議でのパウエル米連邦準備制度理事会議長の発言を待ち望んでいるためであり、そこから利下げに関するより明確な手がかりを得ようとしています。
一方、日本では、植田和男日銀総裁が金曜日に国会での質疑に応じる予定であり、先月の利上げ決定について議論される見込みです。ロイターが18人のエコノミストを対象に行った調査によれば、来週のデータでは、日本の7月の消費者インフレが3か月連続で上昇したことが示されると予測されています。これにより、日銀が先月の短期金利を0.25%に引き上げた後、再度利上げを検討する可能性が出てきました。日米の金利調整の方向性が異なることから、円は次第に買い戻される見込みです。
日足チャートでは、ドル円は先週、149.43(7月から8月にかけての下落幅161.96-141.68の38.2%フィボナッチリトレースメント)を超えられなかったほか、前日のアジア市場での145.86からの反発も、ロンドン市場では147.34で反落しました。これは、ドルの反撃が失敗した可能性を示唆しています。最近の安値である145.30-145.00を割り込むと、ドル円はさらに大幅に下落する恐れがあります。
AUD/USD
8月20日(火)、豪ドルは対米ドルで買いが継続し、0.6741で高値引けしました。前夜の為替市場では、翌日発表される米国の年間雇用データの大幅な修正予想がドルを圧迫しました。ゴールドマン・サックスは、雇用増加数が以前の報告より60万~100万人少なくなると予想しています。もしこの予想が正しければ、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に50ベーシスポイントの利下げを行うとの期待が再燃する可能性があります。
最近の米国債利回りの低下やFRBの利下げに対する楽観的な見方がドルの広範な弱さを引き起こしており、豪ドル/米ドルもこの流れに乗じて強い反発を見せています。火曜日には、オーストラリア準備銀行が議事録を発表し、当面の間利下げは考えにくいとの見解を再確認しました。FRBに比べて豪準備銀行の利下げがゆっくりと進むとの見通しが、豪ドル反発の主要な要因の一つとなっています。
ただし、週末に控えるジャクソンホール世界中央銀行会議を前に、期待が実現した後の利益確定売りによる下落リスクには注意が必要です。近くの抵抗線としては、7月中旬の日中高値0.6755-0.6764、さらなる強い抵抗線は0.6788-0.6798があります。下方の支持線は、初期段階で0.6695-0.6700、さらに0.6660-0.6630の区域となります。