USD/JPY
8月21日(水)、ドル円は一時0.34%下落し、144.44円を記録しました。この値は8月7日以来の最低水準であり、終値は145.26円まで若干戻しました。同日、ドル指数も主要な非米通貨に対して下落しました。この背景には、水曜日に発表された雇用修正データがあり、米国の新規雇用件数が以前の推定よりも81.8万人少なかったことが影響しています。これにより、労働市場が当時の連邦準備制度理事会(FRB)の見解や表現ほど強くない可能性が示唆され、経済が景気後退に入る懸念が生じました。
さらに、FRBの7月30日~31日の会議議事録によると、政策決定者たちは9月の政策会合での利下げを強く支持しており、数名は即時の借入コスト引き下げにも賛成していました。この利下げ予想がドルの弱含みを引き起こしています。一方、円はこれを機に回復基調を続けています。市場では、日本銀行が引き続き利上げを実施する可能性が高いと見ており、この期待が円にさらなる買いを呼び込んでいる状況です。
長期の月足チャートを見ると、ドル円は明確なトップダイバージェンスを示しており、現在、価格はボリンジャーバンドの中軌線下に圧力をかけてきています。テクニカル指標も過熱圏から下向きに推移し始めており、ドル円の今後の下落余地は大きいと見られます。この通貨ペアは引き続き高値で売り圧力を受ける展開が予想されます。
AUD/USD
8月21日(水)、豪ドルは米ドルに対して最近の高値である0.6745付近を維持しました。米国の雇用データが大幅に下方修正されたことにより、ドルが引き続き軟調だったため、豪ドルは対米ドルでの強さを保っています。さらに、海外市場でのリスク選好の改善も豪ドル上昇の要因となっています。
さらに重要なのは、8月のJudo Bank製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値が47.5から48.7へ上昇し、サービス業PMIは50.4から52.2に、総合PMIは49.9から51.4へと改善したことです。これにより、投資家は豪州準備銀行が利下げを先送りするとの期待を強めています。金利差の要因も引き続き豪ドルのサポートとなるでしょう。
日足チャートでは、5日、10日、21日、および週の移動平均線が上昇し、MACDのシグナルラインも強く上昇しています。21日のボリンジャーバンドの幅もさらに拡大しており、全体的に豪ドルの上昇トレンドが確認されています。8月21日の高値0.6761ドルと7月のトレンド高値0.6798ドルが最初の抵抗ラインとなります。逆に、今週の安値0.6666/64と10日移動平均線を下回った場合、豪ドルの上昇トレンドは終了する可能性があります。