USD/JPY
9月20日(金)、ドル円は一時144.50まで上昇し、9月初め以来の高値を記録しました。ニューヨーク市場の終値では143.92となり、0.92%の上昇を見せました。
同日、日本銀行の金融政策決定会合では、利率を据え置くことが決定され、追加の利上げには急がない方針が示されました。会合後の記者会見で、日本銀行総裁の植田和男氏は、日本銀行が世界経済の不確実性に十分な注意を払い、時間をかけて対応する能力があることを強調しました。また、政策決定は「経済、物価、金融の動向」に基づいて行われると付け加えました。日本銀行は利率を0.25%に据え置きました。
植田総裁のハト派的な姿勢が強まったことにより、さらなる利上げが急がれないとの見方が日銀から示されたことで、円は一部の弱気材料となりました。その結果、ドル円は反発基調にあるものの、上昇の勢いは限定的です。米連邦準備制度理事会(FRB)が今後、中立的な金利政策に戻るという市場の期待が高いため、過去のキャリートレードの魅力が弱まり、大規模な円売り投機は減少する可能性が高いです。
日足チャートを見ると、ドル円は全体として下降チャネル内にありますが、短期的なテクニカル指標では上昇修正の兆しが見られ、ドル円は売られ過ぎの反発局面にあることを示しています。上値の初期抵抗線は145、さらに146が注目されています。一方、下値の初期サポートは142、重要なサポートは140付近です
AUD/USD
9月20日(金)、豪ドル/米ドルは一時0.6828まで上昇しましたが、終値ではわずかに0.13%下落し、0.6806で取引を終了しました。
9月18日(水)のFRBによる利下げの発表後、市場は11月にさらに50ベーシスポイントの利下げが行われる可能性が49%と示唆されており、年末までに合計74.8ベーシスポイントの利下げが織り込まれています。2025年末までにはFRBの政策金利が2.85%となると予想されており、これがFRBの中立金利の見積もりとされています。
このようなハト派的な見通しは、米国経済の持続的な成長への期待を高め、リスク資産の大幅な反発を引き起こしました。特に、世界経済の成長や商品価格に関連する豪ドルのような通貨は、この流れから恩恵を受けています。さらに、オーストラリアの雇用市場が引き締まった状態を維持しているため、利下げが遅れる可能性が高まり、豪ドルは金利差の優位性から米ドルに対して一定の強さを保っています。
しかし、先週金曜日の豪ドルの上昇は持続せず、さらなる上昇には新たな推進力が必要です。今週火曜日のオーストラリア準備銀行(RBA)の決定が、その推進力を提供するかもしれません。RBAが政策を据え置き、タカ派的な姿勢を再確認すれば、翌日のオーストラリアの消費者物価指数(CPI)インフレが粘着性を示す場合、豪ドル/米ドルは引き続き上昇する可能性があります。
日足チャートでは、豪ドル/米ドルは2週間以上の反発を経て年内高値に抵抗を受けていますが、各テクニカル指標は上昇傾向を保っており、豪ドルの強気な勢いはまだ衰えていないことを示しています。上値の目安としては、0.6850を突破すれば0.70への動きが期待されます。一方、下値のサポートは0.6770と0.6736にあります。