USD/JPY
9月27日金曜日、米ドルは下落し、主要通貨に対するドルの価値を示すドル指数は0.17%下がって100.43を記録しました。特に円は対ドルで1.88%上昇し、ドル/円は142.12で取引を終えました。日中高値は142.09でした。
この日の米国の8月個人消費支出(PCE)物価指数は、前月比で0.1%上昇し、ロイター調査のエコノミスト予測と一致しました。7月の上昇率は0.2%と確認されています。また、8月のPCE物価指数は前年同月比で2.2%の上昇となり、7月の2.5%から減少しました。
さらに、アメリカ経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出は、8月に前月比0.2%の増加を示し、7月の増加率0.5%から減速しています。これらのデータは、物価圧力の緩和が続いていることを示しており、連邦準備制度理事会(FRB)が25ベーシスポイント(0.25%)ではなく50ベーシスポイント(0.50%)の利下げを選択した判断を裏付けています。
この状況は、11月にさらに50ベーシスポイントの利下げが行われるとの市場予測を強め、米ドルに圧力をかけています。
一方、日本では自民党総裁選で石破茂氏が僅差で勝利し、新しい首相に就任することが決まりました。元防衛大臣であり、以前から金融緩和政策に批判的だった石破氏は、これまでの日本銀行の利上げは「正しい政策の道を進んでいる」と述べています。この発言を受け、円は金曜日に急上昇しました。
ドル/円の日足チャートでは、木曜・金曜にかけて144.86のフィボナッチリトレースメント(7月から9月の161.96から139.58までの下落の23.6%戻し)を一時突破したものの、木曜の終値ではその水準を上回れず、金曜の終値は大幅に下回りました。現在、ドル/円はボリンジャーバンドの中軌道の下に位置し、ドルの売り圧力が強まっていることを示唆しています。さらなる下落が続けば、140付近のサポートを再度テストする可能性があります。
AUD/USD
9月27日金曜日、オーストラリアドル(豪ドル)は対米ドルで20か月ぶりの高値0.6937を記録しました。豪ドルを支援する好材料がいくつかありました。まず、中国の刺激策の影響で金属価格が急騰し、鉄鉱石は週間で10%以上、銅価格は5.9%の上昇を見せました。
また、最新の米国インフレデータがFRBによる追加の大幅な利下げを支持する内容だったことも豪ドルに追い風となりました。一方で、市場は豪州準備銀行(RBA)が11月の次回政策会合で緩和措置を取る可能性を20%に留めており、豪州の金利安定が豪ドルを支えています。
豪ドル/米ドルの日足チャートでは、引き続きボリンジャーバンドの上軌道を維持しており、テクニカル指標は明確な上昇トレンドを示しています。これは豪ドルの強気な動きが続いていることを意味しています。上方の強いレジスタンスは0.6950付近にあり、突破すれば0.70を目指す動きが期待されます。一方、下方の強いサポートは0.68付近に位置しています。