市場動向と要因分析
金市場は過去最高値を更新する歴史的な上昇トレンドが継続しています。米ドル高が進む中でも、金価格は1オンス当たり2,300ドルの新たな節目となる心理的レジスタンスライン越えに向けて上昇を続けています。過去最高値2,305ドルのレジスタンスラインまで値を伸ばし、6日間にわたる連続上げ足となりました。
投資家らは、パウエルFRB議長の最近の発言を好感し、米経済の勢いとFRBの金融政策スタンスに対する影響を評価しています。パウエルは最近、経済が予想通りに推移すれば「今年のある時点で」利下げが適切となる公算が高いと示唆し、6月の利下げ観測を高めました。現在の市場予想では、6月の利下げ確率が63%と見られています。一方で、3月の米サービス部門の業況は予想以上に減速し、インプットプライスは4年ぶりの低水準まで下がりました。しかし、米ADP雇用統計は民間企業が18万4000人の採用超過と予想を上回る結果となりました。
さらに、中東やウクライナ情勭の地政学リスクの高まりから安全資産への需要が根強く、金価格は2024年に入り11%を超える値上がりとなっています。
テクニカル分析とサポート
日足チャートのパフォーマンスを基に見ると、金価格は強力な上昇トレンドにあり、過去最高値の更新で全ての技術的指標が買い越しの水準に達しています。そのため、いつ売り越しの値ごろ売りが発生してもおかしくありません。特に、もし米雇用統計が予想を上回れば米ドル高が加速する可能性があり、そうなれば値ごろ売りが一層強まるでしょう。日足チャートのパフォーマンスに基づけば、2100ドル、そして2000ドルの各レベルを試さない限り、現在の上昇トレンドが反転することはないと見られます。
トレード戦略
現在の強力な上げ momentum を考えれば、売り位置は控えめが賢明でしょう。一方で、いつ売り越しの反転が起こるかにも注意が必要です。ショートを視野に入れる際は、上記の2100ドル、2000ドルといった主要レジスタンスラインを把握し、陣取りのタイミングとエントリーポイントを見極めましょう。
まとめ
金相場は歴史的な上値を更新するパフォーマンスとなっていますが、米経済指標次第では売り越しの反転が起こりうる局面でもあります。中長期的には地政学リスクの高まりから金への資金シフトは続くと見られ、上値を試す展開が予想されますが、当面は主要レジスタンスラインを注視し、適切なエントリーポイントを見極める必要があります。
