- 初心者でも勝てるFX取引成功への方法
- 初心者からベテランまで得られるFXの知見
外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査
本調査では、FX取引顧客の取引行動や傾向について詳細に分析されています (金融庁, 2018,外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査)。
FX取引において初心者が上達するためには、他のトレーダーの行動パターンや傾向を理解することが重要です。この記事では、金融庁の実態調査を基に、FX取引を行う顧客の行動パターンや傾向を分析し、初心者が効率的に上達するためのヒントを提供します。
1⃣. 利益額と損失額の実態
「FXで実際にどれくらい利益を上げている人が多いの?」
2018年の調査によると、FX取引で得られる利益額にはかなりの幅があることがわかりました。
- 利益額が20万円未満のトレーダーは全体の35.6%を占めており、比較的小額で安定した利益を上げている方が多いことがわかります。
- 一方で、損失額も20万円未満が28.4%を占めており、多くのトレーダーが比較的小さな損失で済んでいることがわかります。
このように、利益と損失の額は幅広く、安定した利益を上げているトレーダーも多い一方で、損失を抑えることも重要なポイントです。
昨年の利益・損失額(年代・職業別)
利益額/損失額 | 全体 | 男性30代 | 役員・管理職 |
---|---|---|---|
利益20万円未満 | 35.6% | 28.4% | 27.1% |
損失額20万円未満 | 28.4% | 14.3% | 11.4% |
利益を出している割合(計) | 66.4% | 73.6% | 73.6% |
2⃣ . FX取引年数の傾向
「長く続けているトレーダーってどれくらいいるの?」
FX取引の年数に関する調査によると、多くのトレーダーが長期間にわたって取引を続けていることがわかります。
- 取引歴が5年以上のトレーダーは全体の44.9%を占めています。特に、男性50代以上では6割以上が5年以上の取引歴を持っており、経験豊富なトレーダーが多いことがわかります。
- 職業別では、役員・管理職や無職・年金受給者が長期にわたって取引を続けている割合が高いです。
FX取引年数の割合(性別・職業別)
年数 | 全体 | 男性 | 女性 | 役員・管理職 | 無職・年金受給者 |
---|---|---|---|---|---|
5年以上 | 44.9% | 47.3% | 37.1% | 51.2% | 50.7% |
1年以上3年未満 | 21.4% | 20.0% | 23.5% | 19.1% | 18.8% |
3⃣. 新規建玉の保有期間と取引通貨
「新規建玉の保有期間ってどれくらい?」
新規建玉の平均的な保有期間については、以下のような傾向が見られます。
- 1日以上~1週間未満の保有期間が21.3%で最も多く、次いで1週間以上~1か月未満が16.1%という結果でした。
- 取引通貨では、米ドルが85.0%で圧倒的に多く、次いで豪ドル・ニュージーランドドル(43.7%)、**ユーロ(40.8%)**が続きます。
新規建玉の保有期間と取引通貨(性別・通貨別)
保有期間 | 全体 | 米ドル | 豪ドル/ニュージーランドドル | ユーロ |
---|---|---|---|---|
1日以上~1週間未満 | 21.3% | 85.0% | 43.7% | 40.8% |
1週間以上~1か月未満 | 16.1% |
4⃣. 取引額とロスカットの経験
「1回の取引でどれくらいの額を動かしているの?」
1回あたりの取引金額については以下のようなデータがあります。
- 10万円未満で取引しているトレーダーが42.8%と最も多く、ロスカットの経験については、過半数(52.4%)が「1回未満(何年かに1回程度)」と回答しています。
- 特に、女性や専業主婦・主夫ではロスカット経験が少ない傾向が見られます。
取引額とロスカット経験(性別・職業別)
取引額 | 全体 | 男性 | 女性 | 専業主婦・主夫 |
---|---|---|---|---|
10万円未満 | 42.8% | 40.6% | 49.8% | 53.5% |
ロスカット1回未満 | 52.4% | 50.3% | 38.8% | 37.1% |
5⃣ . 情報収集方法と投資方針
「FXの情報はどこで集めているの?」
情報収集の方法や投資方針については、以下のような傾向があります。
- FXに関する情報収集方法としては、**ウェブサイトが62.9%**と最も多く、男性(65.4%)が女性(54.9%)よりも高い傾向にあります。
- 投資方針としては、短期間の値幅による利益重視が46.7%と最も多く、自営業主でその傾向が強いことがわかりました。
情報収集方法と投資方針(性別・職業別)
情報収集方法 | 全体 | 男性 | 女性 | 自営業主 |
---|---|---|---|---|
ウェブサイト | 62.9% | 65.4% | 54.9% | 50.0% |
短期決済の利益重視 | 46.7% | 48.1% | 42.2% | 53.6% |
6⃣ 自動売買の経験と取引業者の選択理由
. 自動売買の経験と取引業者の選択理由
「自動売買をやっている人は多いの?」
自動売買に関する経験については、以下のような傾向が見られます。
- 自動売買の経験については、未経験者が多数を占めています。
- 取引業者を選ぶ理由としては、**信用のある業者を選ぶ傾向が41.8%**と最も高く、次いで「注文のしやすさ」(41.1%)が続きます。
取引業者の選択理由と自動売買経験(性別・職業別)
選択理由 | 全体 | 信用のある業者 | インターネット取引のしやすさ |
---|---|---|---|
信用のある業者を選ぶ | 41.8% | 41.8% | 41.1% |
自動売買の未経験者 | 40.5% |
初心者のための最初の3ステップ
ステップ1: チャート分析の習得
チャート分析を通じて、市場のトレンドや取引タイミングを判断するスキルを身につけましょう。テクニカル指標やローソク足のパターンを理解します。
ステップ2: 取引手法の確立
さまざまな取引手法を学び、自分に合った戦略を確立しましょう。取引手法には、スキャルピングやデイトレード、スイングトレードなどがあります。
ステップ3: デモトレードで練習
実際の資金を使う前に、デモ口座でリスクフリーな環境で練習しましょう。実際の市場条件に基づく取引感覚を養い、スキルを向上させます。
ステップ1: チャート分析の習得
チャート分析を通じた市場の理解
まずは、市場の動向やインジケーターの使い方、トレンドの見極めについての基本的な考え方を学習しましょう!
FX取引の第一歩は、チャート分析の習得です。チャートは市場の動向を視覚的に把握するための強力なツールであり、過去の価格動向を基に未来の価格変動を予測することができます。このステップでは以下の点に焦点を当てます。
- テクニカル指標の理解: 移動平均線、RSI(相対力指数)、MACD(移動平均収束拡散法)などのテクニカル指標を学び、どのように使用するかを理解します。
- ローソク足のパターンの習得: ローソク足のパターン(例えば、ハンマー、逆ハンマー、エンガルフィングパターンなど)を学び、価格の反転や継続のサインを見つける方法を習得します。
- トレンドの認識: 上昇トレンド、下降トレンド、レンジ相場など、市場のトレンドを見極める技術を身につけます。
チャート分析の習得は、FX取引の基本的なスキルを確立するための重要なステップです。
関連記事
FX チャート完全ガイド!分析から活用法までをわかりやすく説明。初心者の方向けにFXのチャートの種類と正確な分析方法を解説します‼
Read Moreステップ2: 取引手法の確立
取引手法8種類徹底解説!!
取引手法って沢山あって分からない、、
難易度別にわかりやすく解説しています!
取引手法ガイド
初級者向け
スキャルピング
スキャルピングは、1回の取引が非常に短時間で完了する取引手法です。取引の頻度が高く、少しの価格変動から利益を得ることを目的とします。
メリット: 短時間で利益を上げる可能性が高い。高い取引頻度でリスク分散が可能。
デメリット: 取引手数料が積み重なる可能性がある。高い集中力と迅速な意思決定が求められる。
続きを読むデイトレ
デイトレードは、一日のうちに取引を完結し、翌日にポジションを持ち越さない取引手法です。
メリット: 長期的なリスクを回避できる。日々の市場の変動を活かしやすい。
デメリット: 短期間での取引なので利益が少ないことも。高い取引頻度により、ストレスが溜まる可能性がある。
続きを読む朝スキャ
朝スキャは、取引開始直後の短い時間で価格の小さな変動を狙う取引手法です。市場のオープニング時に発生する動きを利用します。
メリット: 市場オープニングの動きを利用できる。短時間での取引が可能。
デメリット: 高い取引頻度で注意力が必要。市場のボラティリティが影響することがある。
続きを読む中級者向け
アノマリー
アノマリーは、特定の期間における相場の異常な値動きのパターンです。例えば、「ゴトー日」と呼ばれる5日と10日に関連する相場変動がその一例です。
メリット: 特定の時期に予測可能な価格変動を利用できる。統計的に有効なパターンを活かすことができる。
デメリット: 常に一定のパターンが見られるわけではない。経済指標やニュースの影響でパターンが変わることがある。
続きを読むグリッド
グリッドトレードは、価格が一定の範囲(グリッド)の中で動くことを前提に、その範囲内で自動的に売買を行う手法です。
メリット: 相場の上下動に対して安定して利益を上げることが可能。自動的に売買を行うため、手間が少ない。
デメリット: 相場が大きく動いた場合、損失が拡大する可能性がある。設定に誤りがあると、リスクが高まる。
続きを読む上級者向け
スイング
スイングトレードは、数日から数週間の比較的長い期間、ポジションを保有し続ける取引スタイルです。価格の大きな変動を狙います。
メリット: 短期間の小さな値動きに左右されにくい。比較的大きな価格変動から利益を得やすい。
デメリット: ポジションを長期間保有するため、リスクが高まることがある。経済指標やニュースの影響を受けやすい。
続きを読むマーチン
マーチンゲール戦略は、ポジションが予想に反して動いた際に、損失が出る前にポジションを追加購入し、さらに新規の買い増し分も倍増させていく手法です。
メリット: 逆張りの際に迅速にリカバリーができる可能性がある。利益が出た場合、損失をカバーすることができる。
デメリット: 高リスクであるため、資金管理が重要。大きな損失が発生する可能性が高い。
続きを読む上級者向け (複雑度高)
ヘッジ
ヘッジ戦略は、通貨ペアで買い注文と売り注文の両方を同時に出す手法です。リスクを最小限に抑えることを目的としています。
メリット: リスクを最小限に抑えながら安定収益を狙える。経済指標や市場変動による影響を緩和できる。
デメリット: 利益が限定的になる可能性がある。トレードの複雑さが増し、管理が難しくなる。
続きを読む取引手法
自分のトレードスタイルに合った手法を選びましょう。
ステップ3: デモトレードで練習
まずはデモトレードから実践してみましょう
リスクフリーな環境でのスキル向上
▶デモ口座とリアル口座の違い
比較項目 | デモ口座 | リアル口座 |
---|---|---|
資金 | 仮想資金を使用 | 実際の資金を使用 |
心理的な影響 | ストレスやプレッシャーが少ない | 資金を失う可能性があるため、心理的な影響が大きい |
スリッページ | 少ない | 実際の市場条件によってスリッページが発生することがある |
▶デモトレードのメリットデメリット
- ◎リスクフリー
- 実際の資金を使わずに取引できるため、リスクを負うことなく取引の練習ができる
- ◎リアルな市場環境の体験
- 実際の市場データを使用して取引を行うため、リアルな市場環境での取引感覚を養える
- ◎取引プラットフォームの使い方習得
- プラットフォームの機能や操作方法を学ぶための良い機会となる
- ◎取引戦略のテスト
- 様々な取引戦略や手法を試すことで、自分に合った方法を見つけることができる
- ◎メンタルの準備
- リアルマネーを使う前に、取引に対するメンタル的な準備ができる
- ☒リアルな感情の不足
- リアルマネーを使わないため、取引に対する感情的なプレッシャーが欠けており、実際の取引時に異なる心理状態になる可能性がある。
- ☒スリッページの感覚の欠如
- デモ取引ではスリッページや注文執行の遅れを体験しにくいため、リアル取引での対応が難しくなることがある
FX取引を始めたばかりの初心者の方々にとって、実際の資金を使う前にデモトレードで練習することは非常に重要です。デモトレードでは仮想の資金を使ってリアルな取引環境を体験できるため、リスクを負わずにスキルを磨くことができます。
デモトレードでの練習は、リアルマネーを使う前に自信をつけるための重要なステップです。
5,まとめ
この記事では、金融庁の実態調査に基づくFX取引顧客の行動パターンと、FX初心者向けのアドバイスを紹介しました。
実際のFX利用者の傾向を見ると、経験豊富なトレーダーが多く、特に中高年層や管理職での継続率が高いことがわかります。また、利益を上げる人と損失を被る人の両方が存在し、FX取引のリスクと機会の両面が浮き彫りになりました。
一方で、FX初心者には段階的なアプローチが推奨されます。チャート分析の基礎を学び、様々な取引手法を理解し、デモトレードで実践的な経験を積むことが重要です。これらのステップを踏むことで、リスクを最小限に抑えながら、FX取引のスキルを着実に向上させることができるでしょう。
FX取引は高度な金融リテラシーを要する投資方法です。経験者の傾向を参考にしつつ、自己の資金管理能力や市場分析スキルを磨きながら、慎重に取り組むことが成功への近道となります。
最後に、FX取引は常に変化する市場環境の中で行われるものです。継続的な学習と情報収集、そして自己の取引スタイルの確立が、長期的な成功につながる鍵となるでしょう。初心者の方々も、この記事で紹介した情報を出発点として、自身のFX取引の旅を始めてみてはいかがでしょうか。
脚注や参考文献リストでの引用例:
金融庁. (2018). 外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査