
Projection Oscillatorとは|終値の位置を0〜100で示す指標

バンドとPOとシグナル線
Projection Oscillatorは、Mel Widnerが考えたProjection Bands(プロジェクション・バンド)から作る指標です。まず、直近の高値と安値それぞれについて、一定の期間の傾きを求めます。その傾きで過去の高値と安値を今の足まで延ばした線から、上のバンドと下のバンドを作ります。POは、終値がこの2本のバンドの間のどこにあるかを、下のバンドが0、上のバンドが100として表した値です。
POのほかに、POをならしたシグナル線を表示する使い方があります。MotiveWaveの資料では、シグナル線はPOの3期間のEMA(指数平滑移動平均)です。ProRealCodeでは、80と20の位置に横線が引かれています。この記事で「80入り」と書くときは、POが80未満から80以上に上がった足、「20入り」は、20超から20以下に下がった足のことです。「50を横切る」は、50を上へも下へもまたぐことです。
実際のチャートで見たPOの動き
図は、USD/JPYの1時間足96本に、期間14のPOを重ねたものです。上の段の薄い青い線が上下のバンド、下の段の青い線がPO、オレンジの線がシグナル線です。この4日間で、POは1.9から98.3まで動きました。80以上に入った回数は8回、20以下に入った回数は6回、50を横切った回数は16回です。
POは、バンドの幅に合わせた位置を示します。同じ値幅の動きでも、バンドが広いときはPOの動きが小さく、バンドが狭いときは大きくなります。
アドバイスPOは、終値がバンドのどこにいるかを0〜100で見る指標だよ。図の4日間では、50を16回横切ったね。
Projection Oscillatorの計算式|回帰の傾きでバンドを延ばす

上のバンドと下のバンドの作り方
計算式は、ProRealCode、MotiveWaveの資料、LuxAlgoのProjection Bandsの説明の記載をもとにしています。期間をnとします。
- 直近n本の高値を、時間に対して直線で近似し(最小二乗法)、1本あたりの傾き(高値の傾き)を求めます。安値も同じように、安値の傾きを求めます。
- iを1からnまで変えて、「i本前の高値 + i × 高値の傾き」を出します。これは、i本前の高値を、傾きの向きに今の足まで延ばした値です。今の足の高値とこのn個の値のうち、最も大きい値が上のバンドです。
- 下のバンドは、「i本前の安値 + i × 安値の傾き」と今の足の安値のうち、最も小さい値です。
- POは、「100 × (終値 − 下のバンド)÷(上のバンド − 下のバンド)」です。
上のバンドは今の足の高値以上、下のバンドは今の足の安値以下になるので、終値は必ず2本のバンドの間に入り、POは0〜100になります。今の足の終値が上のバンドと同じなら100、下のバンドと同じなら0です。測定でも、最小は0、最大は100でした。
計算例|2026年5月7日15時の足
図は、USD/JPYの1時間足で、日本時間の2026年5月7日15時の足を今の足として、期間14の計算をそのまま示したものです。直近14本の高値の傾きは1本あたり−0.006円、安値の傾きは−0.011円でした。上のバンドは156.49円で、6本前の高値を傾きぶん延ばした値で決まっています。下のバンドは155.96円、終値は156.287円です。POは100 ×(156.287 − 155.96)÷(156.49 − 155.96)で、約61になります。
確かめられていないこと
上の式は、複数の資料で一致していた内容です。ただし、資料はどれも取引ツールや指標の解説ページで、Mel Widnerが1995年に発表した元の記事(Technical Analysis of Stocks & Commodities誌)そのものは確かめられていません。ツールによって、傾きの符号の扱いや、バンドの作り方の細部が違う可能性もあります。配布しているex4・ex5ファイルの中の計算も、中身は確かめていません。この記事の測定結果は、上の式で自分で計算したPOの値によるものです。
アドバイスバンドは、高値と安値の傾きを延ばして作るんだね。POは終値の位置で、0〜100に収まるよ。
Projection Oscillatorの設定|期間で回数が変わる

期間と回数
期間(n)を5・14・30に変えて、5通貨の1時間足で回数を数えました。各通貨の最初の200本は、計算の助走として除いています。足の数は、5通貨の合計で335,913本です。起きた1回を1件と数えています。
50を横切る回数は、1,000本あたり、期間5が438.5回、期間14が235.8回、期間30が145.4回でした。80/20に入る回数は、期間5が219.1回、期間14が149.5回、期間30が103.5回です。合計では、期間14の50を横切る回数が79,221件、80/20に入る回数が50,220件です。期間を短くするほど、回数は増えます。
80以上と20以下にいる足の割合
POが80以上か20以下にいる足の割合は、期間5が26.2%、期間14が29.2%、期間30が30.8%でした。期間14では、80以上が15.5%、20以下が13.7%です。期間を短くすると、80/20に入る回数は増えますが、80以上や20以下にいる時間は短くなります。1回あたりの滞在が短く、すぐに出入りを繰り返すということです。
サインのあとに、サインの向きへ進んだ割合も、期間ごとに比べました。サインから4本後で、50を横切ったあとは、期間5が49.5%、期間14が49.1%、期間30が49.1%です。80入りのあと下がった割合は49.7%、49.8%、50.1%、20入りのあと上がった割合は52.4%、51.9%、51.8%でした。期間を変えても、どれも約49〜52%で、大きな違いは見えませんでした。
アドバイス期間を短くすると、回数は増えるよ。期間14の50を横切る回数は235.8回で、期間5の約半分だったね。
Projection OscillatorのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
ProjectionOscillator_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、ProjectionOscillator_systreをチャートに出します。
MT5の入れ方
MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の ProjectionOscillator_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。
ダウンロードと表示の例
ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。下の画面は、MT4のUSD/JPY1時間足に、POを表示した例で、期間14です。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。シストレ.COMの登録口座で使えます。認証が行われていない口座では使えません。
アドバイスファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。
Projection Oscillatorの使い方|80/20と50のあとの値動きを測った結果

1時間足でサインのあとに進んだ向き
よく使われる4つのサインを、期間14のPOで数えました。50を上へ横切ったら上、下へ横切ったら下、80入りは下、20入りは上、シグナル線を上へ抜けたら上、下へ抜けたら下を、サインの向きとします。その足の終値から4本後と12本後の終値が、サインの向きに進んだ割合を数えました。件数は、50の上抜け・下抜けが約79,200件、80入りが約25,800件、20入りが約24,400件、シグナル線との交差が約116,400件です。
比べる相手には、同じ時刻(世界標準時)の全ての足から同じ数の足を選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(無作為の範囲)を使いました。割合は、50の上抜け・下抜けが4本後49.1%・12本後49.8%、80入りが49.8%・49.1%、20入りが51.9%・51.7%、シグナル線との交差が49.6%・49.9%です。どれも49.1〜51.9%に収まっています。
8つのうち4つは、範囲の外でした。50の上抜け・下抜けの4本後は、範囲49.6〜50.1%に対して49.1%で、下側です。80入りの4本後(範囲48.1〜49.1%)と12本後(47.8〜48.8%)、20入りの4本後(50.6〜51.6%)は上側でした。範囲の外へ出た幅は、最大でも0.6ポイントです。基準とした割合との差も、最大1.2ポイントでした。80入りの基準は、全ての足で下がった割合が48.6%(4本後)と、50%より低いためです。
ただし、この範囲は、足が1本ずつ別々に選ばれると仮定した計算です。サインが近い足で続くと、実際の範囲はもっと広がります。4つの外れも、差は1ポイント未満と小さく、80/20や50のあとに、サインの向きへ大きく偏って進むとは言えませんでした。
通貨ごとの違い

5通貨に分けても、4本後の割合は似た値でした。50の上抜け・下抜けは、5通貨とも48.9〜49.3%で、50%を下回りました。80入りは48.2〜51.3%、20入りは50.7〜52.9%です。通貨ごとの範囲と比べると、15の比べ方のうち、範囲の外は6つで、50の上抜け・下抜けのEUR/USD・EUR/JPY・AUD/JPYと、80入りのUSD/JPY・GBP/USD・AUD/JPYでした。20入りの5通貨は、全て範囲に入っています。外れた幅は、最大0.5ポイントです。
日足で測ったとき

日足も同じ式で測りました。日足は、1時間足を世界標準時の21時区切りでまとめた足で、5通貨の合計で14,045本です。図は、USD/JPYの日足100本です。この100本で、80以上に入った回数は8回、20以下に入った回数は10回、50を横切った回数は35回でした。日足でも、POが極端な位置に入る足が、期間をまたいで何度も出ています。

日足の期間14では、1,000本あたりの50を横切る回数が236.1回、80/20に入る回数が155.7回でした。80以上にいる足が16.5%、20以下にいる足が15.3%です。件数は、50の上抜け・下抜けが約3,300件、80入りが約1,120件、20入りが約1,060件、シグナル線との交差が約4,870件です。
サインから1本後と5本後の割合は、50の上抜け・下抜けが50.7%・50.6%、80入りが51.7%・49.8%、20入りが47.4%・51.0%、シグナル線との交差が49.9%・50.8%でした。8つのうち範囲の外は2つで、80入りの5本後(範囲44.8〜49.7%)が上側に0.2ポイント、20入りの1本後(47.6〜52.7%)が下側に0.3ポイントです。日足は件数が少ないので、範囲が広くなります。日足でも、サインの向きへ大きく偏るとは言えませんでした。
測っていないこと
この記事で測ったのは、サインのあとの価格の向きと、サインの回数です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、ほかの指標との組み合わせは測っていません。ダイバージェンス(価格とPOの向きのずれ)、トレンドが強いときとレンジのときの違い、期間14以外の細かい設定、4時間足は測っていません。測った範囲では、期間を短くすると回数が増え、サインのあとの向きの割合は、無作為の範囲とほぼ変わりませんでした。
アドバイスサインのあとに進んだ割合は、1時間足で49.1〜51.9%だったよ。範囲の外は4つあったけれど、外れた幅は0.6ポイント以下だったね。
要点
・POは、上下のバンドの間で終値がどこにあるかを0〜100で表す指標。バンドは、高値と安値の傾きで過去の値を今の足まで延ばして作る
・5通貨の1時間足335,913本で、期間14の1,000本あたりの回数は、50を横切る235.8回、80/20に入る149.5回。期間5は438.5回と219.1回、期間30は145.4回と103.5回
・サインから4本後・12本後の割合は、1時間足で49.1〜51.9%。無作為の範囲との差は最大1.2ポイントで、範囲の外は8つのうち4つ(外れ幅は0.6ポイント以下)
・日足の1本後・5本後の割合は47.4〜51.7%で、範囲の外は2つ
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ、元の記事の式
Projection Oscillatorのよくある質問
Projection Oscillatorとは何ですか?
終値が上下のバンドの間のどこにあるかを示す指標です。バンドは、高値と安値の傾きから作ります。
値は−1から+1ですか?
いいえ、0から100です。下のバンドが0、上のバンドが100になります。
おすすめの設定値はありますか?
おすすめは測っていません。期間は、短くすると回数が増え、長くすると減ります。1,000本あたりの50を横切る回数は、期間5が438.5回、期間14が235.8回、期間30が145.4回でした。
MT4とMT5のどちらでも使えますか?
どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。
MT4・MT5に最初から入っていますか?
入っていません。カスタムインジケーターなので、ファイルを入れる必要があります。
Projection Oscillatorのまとめ
Projection Oscillatorは、高値と安値の傾きで作った上下のバンドの間で、終値の位置を0〜100で表す指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、335,913本)では、期間14の1,000本あたりの回数が、50を横切る235.8回、80/20に入る149.5回でした。期間を5にすると438.5回と219.1回、30にすると145.4回と103.5回です。
サインのあとに、サインの向きへ進んだ割合は、1時間足で49.1〜51.9%でした。無作為の範囲との差は最大1.2ポイントで、日足も同じ傾向です。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。似た指標は、フォーキャストオシレーターの記事やZスコアオシレーターの記事、RSIの基本はRSIの記事にまとめています。
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