スパイクハイ・スパイクローとは?定義と出現回数・その後の値動きを実測

スパイクハイ・スパイクローとは?トレンド転換を見極める方法の画像

スパイクハイ・スパイクローは、前後の足より高値(安値)が突き出して、終値は足の反対側に戻った足を指す言葉です。公式な定義はないので、この記事では「突き出しがATRの0.25倍以上」「終値が足の30%以内」「直前5本でATRの1倍以上動いた」の3つを全部満たした足と決めて、Dukascopy のティックから作った足で測りました。5通貨(USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPY)の1時間足316,767本(2016年1月〜2026年10月)では、スパイクハイが3,131回、スパイクローが3,574回でした。確定した足の終値から4本後に反対へ動いた割合は49.5%と50.4%で、同じ時刻の足を無作為に選んだ場合の範囲に入りました。

目次

スパイクハイ・スパイクローとは|出典ごとの定義の違い

スパイクの定義を、TradingViewのPorcupine、OANDA証券のピンバー解説、MyForexのスパイク解説の3つで比べた表
出典: 各ページの記載を要約(2026年10月に確認)。出来高の欄の「なし」は、その出典が出来高に触れていないという意味。

言葉の意味

スパイクは、価格が短い時間にぐっと突き出す動きです。MyForexの用語集は、瞬間的に突き出した高値・安値のことで、ローソク足では実体が小さく、ヒゲが長くなると説明しています。高値が突き出して下に戻った足がスパイクハイ、安値が突き出して上に戻った足がスパイクローです。

形としては、OANDA証券のピンバー解説と同じものです。実体が小さく、高値や安値が実体から大きく離れた足で、直前の上昇や下落が長く強いほど転換の示唆も強い、と書かれています。ピンバーとの違いは、この記事では扱わないので、先にピンバーの記事を見てください。

数字の定義は、どの出典にも書かれていない

TradingViewの公開スクリプトPorcupineは、Schwagerの『A Complete Guide to the Futures Market』の定義にもとづいて、スパイクハイを次のように決めています。当日の高値が前日と翌日の高値より大きく上にあり、終値は当日の安値寄りで、直前に大きな上昇がある足です。スパイクローは、これを逆にした形です。3つの出典を並べると、次の点が分かります。

・高値(安値)が、前後の足から突き出す点は、どの出典にも共通しています。
・ヒゲの長さを何倍・何pipsと決める数字は、どの出典にもありません。
・出来高(ティック数)の条件は、どの出典にも書かれていません。為替は取引所の出来高がないので、この記事では、スパイクの条件には使わず、あとの節で「スパイクの足はティック数が多いか」だけを測りました。

数字がないままでは、人によって「スパイク」の数が変わります。次の節で、機械で判定できる条件に決めました。

実例:USD/JPYの1時間足

USD/JPYの1時間足16本のローソク足で、決めた条件を満たしたスパイクハイを黄色で示した図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足で、日本時間2025年11月4日10時の足が、この記事の条件を満たしたスパイクハイ。

図は、条件を満たした実例です。この足は、高値が前後の足より8.5pips(ATRの0.77倍)突き出し、終値は足の下から15%の位置で、直前5本で、ATRの1.34倍上がっていました。このあと、確定した足の終値154.108円から4本後の終値153.623円まで、48.5pips下がりました。ただし、次の節のとおり、スパイクのあとに下がる割合は、全体では半分ほどでした。

アドバイス

スパイクは、突き出した高値や安値のことだよ。どのくらい突き出せばスパイクかは、出典に数字がなかったから、次で自分たちで決めたよ。

スパイクハイ・スパイクローの判定条件|3つの数字で決める

突き出し、終値の位置、直前の動きの3つの条件ごとと、3つ全部を満たした足の数を、スパイクハイとスパイクローで並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足316,767本のうち、条件を満たした足の数。

スパイクハイの条件

足iが、次の3つを全部満たしたとき、スパイクハイとします。ATRは、足iの直前10本の真の値幅(TR)の平均です。

① 突き出し:足iの高値 − 前後の足の高値の高いほう ≥ ATR × 0.25
② 終値の位置:(終値 − 安値) ÷ (高値 − 安値) ≤ 0.3(終値が、足の下から30%以内にある)
③ 直前の上昇:1本前の終値 − 6本前の終値 ≥ ATR × 1.0(直前5本の終値が、ATRの1倍以上上がっている)

スパイクローは、上下を逆にします。安値が前後の足の安値の低いほうより、ATRの0.25倍以上下に出ていて、終値が足の上から30%以内にあり、直前5本でATRの1倍以上下がっている足です。ATRの0.25倍は、この足のATRが12pipsなら3pipsです。

スパイクかどうかは、足iの次の足が確定するまで分かりません(高値が前後の足より高いかは、次の足の高値を見ないと決まらないため)。そこで、足i+1の終値を「確定」の時点とし、あとの値動きは、この確定足の終値から測りました。1件は、足iが3つの条件を満たしたときの1回です。近い時期に続けて出た件も、別々に数えました。

条件を3つにした理由と、数字の決め方

図のとおり、突き出し(①)だけなら、1時間足で20,324回(ハイ)と23,925回(ロー)ありますが、そのうち、終値も足の端に寄り、直前の動きもあるものは、3,131回と3,574回で、全体の約1%です。①と②だけ(9,325回・11,308回)では、ヒゲが長いだけの足も入ります。③を入れたのは、出典が「直前の大きな上昇(下落)」を条件に挙げていたからです。

0.25倍・30%・1倍は、「ヒゲがあり、終値が戻り、直前に動きがある」が、1,000本あたり10回前後で出る大きさに決めた数字です。ほかの数字でも測れますが、数字を変えながら結果のよいものを選ぶと、偶然の当たりを拾うことになります。この記事は、先にこの数字を決め、変えずに測りました。ATRの使い方は、ATRの記事にまとめています。

測る材料と、実例(スパイクロー)

測ったのは、Dukascopy のティックから作った足(bid)です。通貨はUSD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの5つ、期間は2016年1月〜2026年10月で、1時間足・4時間足・日足を使いました。直前10本と前後1本がそろわない足(週明けなど)は、判定から除いています。スプレッドは含まない値です。

USD/JPYの1時間足16本のローソク足で、決めた条件を満たしたスパイクローを黄色で示し、4本後までの値動きを示した図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足で、日本時間2026年4月14日14時の足が、この記事の条件を満たしたスパイクロー。

こちらは、スパイクローの実例です。安値が前後の足より5.2pips(ATRの0.41倍)下に出て、終値は足の上から13%の位置、直前5本はATRの1.51倍下がっていました。ところが、確定足の終値159.158円から4本後は158.824円で、さらに33.4pips下がりました。スパイクのあとに反対へ動いた例と、動かなかった例が、どちらもあります。

アドバイス

3つの条件を全部満たす足は、全体の約1%だけだったよ。条件は先に決めて、あとから変えていないよ。

スパイクハイ・スパイクローが出る回数|1,000本に10回ほど

1時間足・4時間足・日足ごとの、足の数、スパイクハイとスパイクローの件数、1,000本あたりの回数を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の合計。1件は、足が3つの条件を満たしたときの1回。

時間足ごとの回数

1時間足316,767本では、スパイクハイが3,131回、スパイクローが3,574回でした。1,000本あたりでは、9.9回と11.3回です。4時間足66,986本では738回と812回(11.0回と12.1回)、日足14,007本では144回と146回(10.3回と10.4回)でした。時間足が変わっても、1,000本あたり10回前後で、大きな差はありません。

通貨ごとの1時間足では、スパイクハイが576〜707回、スパイクローが683〜740回でした。足の数が約63,000本ずつなので、通貨によって数字は少し違いますが、どの通貨でもローのほうが多めでした。日足でスパイクが出るのは、1通貨あたり10年で約30回、つまり年に3回ほどです。

出やすい時間帯

日本時間の時刻ごとの、1時間足1,000本あたりのスパイクハイとスパイクローの回数を並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。時刻は、足が始まる日本時間。

1時間足を、足が始まる日本時間の時刻で分けると、1,000本あたりの回数は、日本時間の6〜8時が少なく(ハイ1.3〜2.3回、ロー1.7〜7.8回)、15〜17時と21〜0時が多めでした(ハイ13.8〜18.6回、ロー14.9〜19.2回)。最も多い16時は、ハイが18.6回、ローが19.2回です。値動きの小さい早朝は、条件の「ATRの0.25倍の突き出し」を満たしにくいことが、少なさの理由のひとつと考えられます。ただし、この理由は測っていません。

アドバイス

どの時間足でも、1,000本に10回ほどだよ。日本時間の朝6〜8時は少なくて、夕方16時ごろが多かったよ。

スパイクハイ・スパイクローのあとの値動き|反対へ動いた割合は約半分

スパイクのあと4本後・12本後に反対へ動いた割合を、1時間足・4時間足・日足ごとに、無作為に選んだ場合の範囲と並べたグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。確定足の終値から4本後・12本後の終値が、反対向きなら1件。範囲は、同じ時刻の足から同じ件数を無作為に選ぶ作業を2,000回くり返した結果の5〜95%。

測り方

確定足(足i+1)の終値と、そのN本後の終値を比べました。スパイクハイなら下がっていれば、スパイクローなら上がっていれば、「反対へ動いた」1件です。Nは4本と12本にしました(1時間足なら4時間後と12時間後、日足なら4日後と12日後)。同じ価格だった場合は、反対へ動いていないとして数えています。

この割合だけでは、多いのか少ないのか分かりません。そこで、同じ時刻(日足は曜日)の足から、スパイクと同じ数の足を無作為に選び、同じ向きに動いた割合を出す作業を2,000回くり返しました。そのうち5〜95%の範囲が、図の薄い青です。点が範囲の中にあれば、スパイクのあとの動きは、無作為に選んだ足のあとの動きと、見分けがつかないということです。

結果

1時間足では、反対へ動いた割合は、ハイが4本後49.5%(3,090件)・12本後49.7%(2,790件)、ローが4本後50.4%(3,499件)・12本後51.3%(3,151件)でした。どれも、無作為の範囲(約47〜53%)に入りました。1時間足・4時間足・日足の12の組み合わせ(ハイとロー、4本後と12本後)のうち、11が範囲の中で、範囲の外は、4時間足のスパイクハイ4本後53.4%(616件、範囲は46.3〜52.9%)の1つだけでした。範囲を5〜95%にしているので、12のうち1つほどは、偶然でも外に出ます。

つまり、この条件で見るかぎり、スパイクのあとに反対へ動く割合は、約半分で、無作為に選んだ足と区別できませんでした。「スパイクが出たら転換する」という使い方を裏づける数字は、この測定では出ませんでした。損益を調べたものではなく、スプレッドや決済の条件も入れていません。日足は、件数が144〜146件と少なく、範囲も広いので、差があるかどうかは、この数字では分かりません。

突き出しが大きいと反転しやすいか

1時間足のスパイクを突き出しの大きさ別に分けて、4本後に反対へ動いた割合を、無作為に選んだ範囲と並べたグラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足。突き出しは、スパイクの高値(安値)が前後の足の高値(安値)より何ATR分はみ出したか。

突き出しが大きいほど転換しやすい、とよく言われます。1時間足のスパイクを、突き出しの大きさで3つに分けて、4本後に反対へ動いた割合を見ました。ハイは、ATRの0.25〜0.5倍で49.7%(1,913件)、0.5〜1倍で50.3%(952件)、1倍以上で45.3%(225件)でした。ローは、50.0%(1,965件)、50.6%(1,244件)、52.4%(290件)です。6つとも、無作為の範囲に入りました。突き出しが大きいほど反転しやすい、という並び方にはなっていません。

アドバイス

スパイクのあと4本後・12本後に反対へ動いた割合は、約半分で、無作為に選んだ足と同じだったよ。突き出しが大きくても同じだったね。

スパイクハイ・スパイクローとボリンジャーバンド・ATR・ティック数の関係

1時間足の全ての足、直前の動きだけを満たす足、スパイクの足で、バンドの外に出た割合、値幅とATRの比、ティック数の比を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足。値幅÷ATRとティック数比は、5通貨それぞれの中央値の最小〜最大。

ボリンジャーバンドの外に出るか

ボリンジャーバンド(終値20本の平均±2σ。その足を含む)の外に、ハイは高値、ローは安値が出た割合を見ました。1時間足の全ての足では、ハイ側14.7%、ロー側14.6%です。スパイクの足では、ハイ側66.3%、ロー側68.3%と、大きく上がりました。

ただし、これはスパイクの形のためだけとは言えません。直前5本でATRの1倍以上動いた足(条件③だけを満たす足)でも、ハイ側42.4%、ロー側45.0%がバンドの外に出ていました。直前の動きが大きいと、バンドの外に出やすくなるので、スパイクの条件のうち、その分は直前の動きの影響です。スパイクの形(突き出しと終値の戻り)が、さらに23〜24ポイントほど上乗せしています。

足の大きさとティック数

スパイクの足の値幅(高値−安値)は、ATRの何倍だったかを、5通貨それぞれの中央値で見ると、ハイは1.17〜1.49倍、ローは1.31〜1.56倍でした。全ての足は0.89〜0.92倍なので、スパイクの足は、ほかの足より大きめです。

為替には取引所の出来高がないので、足の中のティック数(価格が更新された回数)を、出来高のかわりに見ました。直前20本の中央値に対する倍率は、全ての足で1.01〜1.02倍、スパイクの足は、ハイが1.28〜1.67倍、ローが1.36〜1.72倍でした。スパイクの足は、ティック数が3〜7割ほど多めです。ただし、条件③だけを満たす足も、1.01〜1.31倍と、少し多めでした。ティック数は、ブローカーごとに違うので、この数字は、Dukascopy のティックについてのものです。

アドバイス

スパイクの足は、バンドの外に出ることが多くて、ティック数も多めだったよ。ただ、その多くは直前に大きく動いたことの影響だったよ。

要点
・スパイクハイ・スパイクローに、数字の定義はない。この記事では、突き出しがATRの0.25倍以上、終値が足の30%以内、直前5本でATRの1倍以上動いた足、と決めた。
・5通貨の1時間足316,767本で、スパイクハイは3,131回、スパイクローは3,574回(1,000本あたり9.9回と11.3回)。4時間足・日足も、1,000本あたり10回前後。
・確定足の終値から4本後・12本後に反対へ動いた割合は約半分で、無作為に選んだ足の範囲に入った(12のうち11)。
・スパイクの足は、バンドの外に出た割合が66〜68%で高いが、直前の動きだけでも42〜45%まで上がる。

スパイクハイとスパイクローは、どう違いますか?

スパイクハイは、高値が前後の足から突き出して、終値は足の下側に戻った足です。スパイクローは、その逆で、安値が前後の足から突き出して、終値は足の上側に戻った足です。形はピンバーと同じで、どちらも公式な数字の定義はありません。

スパイクが出たら、トレンドは転換しますか?

この記事の測定では、はっきりした傾向は出ませんでした。5通貨の1時間足で、確定足の終値から4本後に反対へ動いた割合は、スパイクハイが49.5%、スパイクローが50.4%で、同じ時刻の足を無作為に選んだ場合の範囲に入りました。

スパイクはどのくらいの頻度で出ますか?

この記事の条件では、1,000本あたり10回前後です。1時間足なら、ハイが9.9回、ローが11.3回です。日足では、1通貨で年に3回ほどでした。日本時間の6〜8時は少なく、15〜17時が多めです。

スパイクの判定に、出来高は使いますか?

この記事では、使っていません。見た3つの出典にも、出来高の条件はありませんでした。かわりに、足の中のティック数を測ると、スパイクの足は、直前20本の中央値の1.28〜1.72倍と、多めでした。ただし、直前に大きく動いた足も、少し多めです。

ヒゲ狩り(ストップ狩り)と同じものですか?

形は似ていますが、同じとは言えません。スパイクは、足の形から決めた言葉で、誰かが意図して価格を動かしたかどうかは、足からは分かりません。この記事の測定も、足の形だけを使っています。

スパイクハイ・スパイクローのまとめ

スパイクハイ・スパイクローは、高値(安値)が突き出して、終値が戻った足です。どの出典にも数字の定義がないので、突き出しがATRの0.25倍以上、終値が足の30%以内、直前5本でATRの1倍以上動いた足と決めて、Dukascopy のティックから作った足で測りました。1時間足316,767本で、スパイクハイは3,131回、スパイクローは3,574回でした。確定足の終値から4本後・12本後に反対へ動いた割合は約半分で、無作為に選んだ足と区別できませんでした。

ローソク足の形を見るなら、ピンバーやATRと合わせて、確かめてみてください。

この記事の数字は、過去のデータを、決めた条件で数えた結果です。将来の値動きや利益を示すものではありません。スプレッドや手数料、スリッページは含んでいません。取引の判断は、ご自身でお願いします。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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