
「デマークピボット」は、前日が陽線か陰線かで計算式を変え、翌日の高値・安値の予測レンジを上限・下限の2本で示す、トム・デマーク氏が考案したピボット系の手法です。本記事では2026年時点の使い方を前提に、デマークピボットとは何か、計算方法、上限・下限の見方、反発と順張りのトレード手法、他のピボットとの使い分け、そして注意点までを順番に整理しました。読み終える頃には、翌日の値幅を意識した売買に組み込めるようになります。
デマークピボットとは?結論と基本概念
結論から言うと、デマークピボットは前日のローソク足の方向(陽線か陰線か)から翌日の上限・下限を予測する手法で、レンジの目安として使えます。まずは「どんな指標か」と「なぜ効くのか」を押さえましょう。土台となる通常のピボットポイントの基礎も先に確認しておくとスムーズです。
この手法の結論(どんな指標か)
デマークピボットは、他のピボットのようにR1〜R3と多くのラインを引くのではなく、上限(レジスタンス予測)と下限(サポート予測)の2本だけを示します。前日が上昇で終わったか下落で終わったかによって計算式そのものが切り替わるのが最大の特徴です。翌日の値動きの範囲を絞り込みたいときに向きます。
デマークピボットは「前日の陽線・陰線で計算が変わる」「上限・下限の2本で翌日のレンジを予測」。まずは前日が陽線か陰線かを確認するのが第一歩です。
陽線・陰線で計算が変わる
デマークピボットは、前日の終値が始値より高い(陽線)か低い(陰線)かで使う式が変わります。陽線なら高値を、陰線なら安値を重く見るイメージで、前日の勢いの方向を翌日の予測に織り込みます。条件によって式が分岐する点が、他のピボットにはない個性です。
上限・下限の2本だけ
表示されるのは上限と下限の2本だけで、シンプルに翌日の想定レンジを示します。ラインが少ないぶん迷いにくく、上限で売り・下限で買いといった判断がしやすいのが利点です。次は、その計算方法を見ていきます。
デマークピボットの計算方法
デマークピボットの正体は「前日の陽線・陰線で分岐する予測レンジ」です。計算の考え方を順に整理します。
前日の陽線/陰線で場合分け
まず基準値Xを、前日の高値H・安値L・終値C・始値の関係で求めます。陰線(終値<始値)ならX=H+2L+C、陽線(終値>始値)ならX=2H+L+C、同値ならX=H+L+2Cです。前日の方向によって高値と安値のどちらを重く見るかが切り替わります。
X値と上限・下限の出し方
求めたXを使い、上限=X÷2-安値、下限=X÷2-高値で2本を計算します。中心となるピボットはX÷4で求められますが、実際の売買では上限・下限の2本を中心に見ます。実際はツールが自動計算するので、式を覚える必要はありません。
通常ピボットとの違い
通常ピボットが高値・安値・終値を等しく扱い複数のサポレジを引くのに対し、デマークは前日の方向で式を分岐させ、2本だけを引きます。多くのラインより翌日の予測レンジを重視する考え方です。次は、チャートでの見方を解説します。
デマークピボットの見方
デマークピボットは3つの視点で読むと判断しやすくなります。上限、下限、レンジ内の値動き。この順に見ていきましょう。

上限=レジスタンスの予測
上限は翌日の高値のメド=レジスタンスの予測です。価格が上限に近づくと売り圧力が出やすく、反発を狙う逆張りの目安になります。前日が陽線か陰線かで上限の位置が変わる点を意識しましょう。
下限=サポートの予測
下限は翌日の安値のメド=サポートの予測です。価格が下限に近づくと買いが入りやすく、反発を狙う目安になります。上限と下限のあいだが、その日の想定レンジになります。
レンジ内での値動き
多くの日は価格が上限と下限のあいだで推移します。レンジの中央付近は方向感が出にくく、上限・下限に近いほど反発か抜けかの判断ポイントになります。どちらかを明確に抜けたら、レンジ拡大のサインです。次は、これらを使った具体的な手法を紹介します。
デマークピボットを使ったトレード手法
見方が分かったら、エントリーへの落とし込みです。デイトレードで扱いやすい3つの使い方を紹介します。
上限・下限の反発逆張り
レンジ相場で扱いやすいのが、下限で買い・上限で売りの逆張りです。ラインでローソク足が反転を示してからエントリーすると、ダマシを減らせます。利確は反対側のラインやレンジの中央を目安にします。
ライン抜けの順張り
価格が上限を上抜け、または下限を下抜けたら、予測レンジを超える強い相場のサインです。抜けた方向への順張りを狙い、抜けの確定を終値で確認してから入るとダマシを避けられます。レンジは逆張り、抜けは順張りと切り替えるのが攻略の鍵です。
損切りと利確の置き方
逆張りの損切りは反発を狙ったラインのすぐ外側、順張りの損切りは抜けたラインの内側に置くのが基本です。利確は逆張りなら反対側のラインや中央、順張りなら次のサポートライン・レジスタンスを目安にします。入る前に損切りと利確を決めておくことが大切です。次は、他のピボットとの使い分けを整理します。
他のピボットとの違い・使い分け
ピボットには通常・カマリラ・フィボ・ウッディー・デマークなど複数あります。違いと使い分けを整理します。

本数とコンセプトの違い
多くのピボットが複数のサポレジを引くのに対し、デマークは上限・下限の2本に絞って翌日のレンジを予測します。カマリラの8本やフィボの7本と比べ、情報を絞ってシンプルに使いたい人に向きます。
陽線・陰線条件が独自
終値を重視するウッディーなどと違い、デマークは前日が陽線か陰線かで計算式が分岐します。前日の方向感を翌日の予測に直接織り込むのが独自の発想です。前日の勢いが続きやすい相場で力を発揮します。
サポレジ・移動平均との確認
デマークの上限・下限を、水平線のサポレジや移動平均線と重ねるのも有効です。複数の根拠が同じ価格を示すときだけ動くと、ダマシを減らせます。移動平均の向きでトレンドの有無を確認すれば、逆張りか順張りかの判断もぶれません。次は、注意点を整理します。
ダマシ・注意点と対策
便利なデマークピボットにも弱点があります。機能しにくい場面を理解して、対策とセットで使いましょう。
FXは前日の区切り・始値が業者依存
デマークは前日の始値と終値の関係を使いますが、FXは24時間動くため「前日」の区切りや始値が業者(サーバー時間)によって違います。基準が異なると陽線・陰線の判定もラインの位置も変わるため、自分の使う業者の区切りを把握しておくことが大前提です。
2本だけゆえの情報量
ラインが上限・下限の2本だけなので、レンジ内の細かい節目は分かりません。シンプルさは利点ですが、中間の目安が欲しいときは他のピボットや水平線を併用しましょう。情報を絞る手法だと理解して使うことが大切です。
単独で使わない(損切り・資金管理)
デマークピボットは便利な予測レンジですが、それだけで方向は決められません。サポレジや移動平均、上位足の流れと合わせ、損切りと資金管理をセットにして初めて武器になります。1つの手法に頼り切らない姿勢が大切です。
よくある質問(FAQ)
デマークピボットについて、初心者がつまずきやすい疑問をまとめました。
計算とライン数が違います。通常ピボットは高値・安値・終値を等しく扱い複数のサポレジを引きますが、デマークは前日が陽線か陰線かで計算式を分岐させ、上限・下限の2本だけを引きます。翌日の予測レンジをシンプルに示すのが特徴で、前日の方向感を織り込める点が独自です。
レンジの逆張りとブレイクの順張りに使います。上限は翌日の高値のメド(レジスタンス)、下限は安値のメド(サポート)の予測です。レンジ相場なら下限で買い・上限で売り、どちらかを明確に抜けたら抜けた方向へ順張り、と切り替えます。反転を確認してから入るとダマシを減らせます。
ラインを絞ってシンプルに使いたい人に向きます。カマリラの8本やフィボの7本と違い、デマークは2本だけなので迷いにくいのが利点です。一方で中間の細かい節目は分からないため、必要に応じて水平線や移動平均を併用すると、より精度の高い判断ができます。
デマークピボットと通常ピボットはどう違う?
上限・下限はどう使えばいいですか?
デマークピボットはどんな人に向く?
まとめ|活用する3つの要点
2026年もデイトレードで役立つデマークピボットについて、要点を振り返ります。これからチャートに入れてみる方は、次の3点を意識してください。
- 手法の正体:前日が陽線か陰線かで計算式を変え、翌日の上限・下限の2本を予測する。
- 見方:上限はレジスタンス、下限はサポートの予測。あいだが想定レンジ。
- 使い方:レンジは上限・下限の逆張り、抜けは順張り。損切りと資金管理を徹底する。
デマークピボットは単独で万能な手法ではありません。土台となるピボットポイントやサポレジ、上位足の流れと組み合わせ、資金管理とセットで使うことで、デイトレードの心強い武器になります。まずはデモ環境で挙動を確かめてから本番に取り入れてみてください。
シストレ.COM編集部|FXテクニカル分析・システムトレード専門メディア。200種類以上のEAをフォワード計測している運営3年の検証メディアで、MetaTrader(MT4/MT5)を実運用してきた編集部が監修・執筆しています。
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