
「EA 自作」を初心者向けに、必要な準備から作り方の3パターン、検証、注意点までを1本で整理しました。読み終える頃には、コードを書ける人も書けない人も、自分に合った自作の入口と最初の一歩が具体的にイメージできます。

EA 自作とは?結論と全体像を先に押さえる
EA 自作とは、MetaTrader(MT4/MT5)で動く自動売買プログラム(EA=Expert Advisor)を自分で作ることを指します。結論から言うと、入口は「ノーコードで作る」「MQL言語で書く」「外注・改造する」の3つで、初心者はノーコードとバックテスト検証から始めるのが現実的です。
EAって結局、プログラミングできないと自作できないんじゃないの…?
EA 自作はプログラミング必須ではありません。ノーコードのビルダーを使えばコードを書かずに作れます。ただし、作った後の検証と段階運用こそが本番です。
EA 自作の結論(3つの入口)
自作の入口は大きく3つです。1つ目はノーコードEAビルダーで、MAやRSIといったパーツを並べてつなぐだけでMQLコードが生成されます。2つ目はMQL4/MQL5を自分で書く方法で、自由度は最大ですが学習コストがかかります。3つ目は既製EAの改造や外注で、費用はかかるものの早く形になります。まずコードを書かずに形にしたい初心者は、シストレ.COMのEAビルダー(β)のようなノーコードツールから触ると入口の負担が軽くなります。
自動売買とEAの関係
自動売買は「あらかじめ決めた売買ルールを機械が自動で実行する仕組み」で、そのルールを実装したものがEAです。例えば「USD/JPY 1時間足で移動平均が上抜けたら買い、下抜けたら決済」という裁量判断をコード化すれば、感情に左右されず24時間ルール通りに執行できます。より詳しい作成の全体像はMT4 EAの作り方の記事も参考になります。次は、実際に自作を始める前に用意すべきものを見ていきます。
EA 自作に必要なものと準備の手順
EA 自作を始める前に、土台となる環境と「作るルール」を先に整えておくと、作成中に迷いません。ここでは準備するものと、作る前に決めておくべきことを順に解説します。
MT4/MT5とデモ口座の準備
まず必要なのはMT4またはMT5本体と、検証用のデモ口座です。デモ口座は多くの海外FX業者で無料開設でき、仮想資金で実運用に近い挙動を試せます。いきなり本番資金を使わず、まずデモで動作確認する流れが安全です。
自作前に決める売買ルールの言語化
コードやビルダーに触る前に、エントリー条件・決済条件・ロット・稼働時間帯を紙やメモに書き出して言語化します。例えば「20期間EMAを終値が上抜けたらエントリー、SLはATRの1.5〜2倍、1トレードのロットは資金の1〜2%」のように、曖昧さが残らないレベルまで具体化するのがコツです。ルールが曖昧なままだと、どんなツールを使っても作れません。
開発環境(MetaEditor/ビルダー)の選択
実装手段は2択です。コードを書くならMetaEditor(MT4/MT5に標準付属するエディタ)、書かないならノーコードビルダーを使います。どちらを選んでも、最終的にはMQLの.ex4/.ex5にコンパイルしてチャートへ適用する点は共通です。次章では、この2つに外注を加えた3パターンを具体的に比較します。
EA 自作の作り方3パターンの比較と選び方
EA 自作の手段は「ノーコード」「MQL自作」「外注・改造」の3つに整理できます。それぞれ学習コスト・自由度・費用・所要時間が異なるため、まず全体像を早見表で比較してから選ぶと失敗が減ります。
| 作り方 | 学習コスト | 自由度 | 費用の目安 | 形になるまで |
|---|---|---|---|---|
| ノーコードビルダー | 低い | 中 | 無料〜 | 数十分〜数時間 |
| MQL4/MQL5で自作 | 高い | 最も高い | 無料(学習時間) | 数日〜数週間 |
| 外注・既製EA改造 | 低い | 依頼内容次第 | 数千円〜数万円以上 | 数日〜 |
ノーコードEAビルダーで作る
ノーコードは、あらかじめ用意されたパーツ(移動平均・RSI・MACDなど)を並べてつなぐだけでMQLコードが自動生成される方式です。プログラミング未経験でも作れるのが最大の利点で、自由度は中程度ながら「まず形にして検証する」入口として最適です。シストレ.COMのEAビルダー(β)のようにMT4/MT5両対応・テンプレ付きのツールなら、定番戦略の雛形から始められます。
MQL4/MQL5で自分でコードを書く
MetaEditorでMQLを直接書く方法は、自由度が最も高い反面、文法や関数の学習コストがかかります。複雑な条件分岐や独自ロジックを細かく作り込みたい人向けです。基礎構造(OnTick関数など)は後半の章で解説します。
外注・既製EA改造という選択肢
自分で作る時間がない場合は、クラウドソーシング等での外注や、既製EAのパラメータ改造という手もあります。費用は数千円〜数万円以上と依頼内容で幅がありますが、要件を言語化できていれば早く形になります。ただし中身がブラックボックスになりやすいので、受け取り後の検証は自作時以上に重要です。次章では、最も入口として人気のノーコードで実際に作る手順を具体的に見ていきます。

EA 自作をプログラミング不要のノーコードで進める手順
ここでは最も入口として人気の高いノーコードで、実際に移動平均クロス型のEAを作る流れを具体的な番号手順で示します。プログラミング不要でも、この順番どおりに進めれば1本のEAが形になります。
ノーコードビルダーの基本操作フロー
ノーコードビルダーの操作は、大まかに次の順序で進みます。パーツを画面に置き、条件をつないで、最後にコードを書き出すという流れです。
- 作りたい売買ルール(例:MAクロスで売買)を1文で決める
- ビルダーでインジケーター(移動平均など)のパーツを配置する
- エントリー条件・決済条件・ロット・SL/TPを設定する
- MQL4/MQL5コードを自動生成(書き出し)する
- MetaEditorでコンパイルし、チャートに適用して動作確認する
移動平均クロス型EAを組む具体例
入門の定番は移動平均(MA)クロス型です。例えば「短期EMA(20)が長期EMA(50)を上抜けたら買い、下抜けたら売り・決済」というルールをビルダー上で組みます。具体的には、短期MAと長期MAの2つのパーツを置き、クロス条件をエントリーに、逆クロスを決済に割り当てるだけです。ロットは資金の1〜2%を目安に、SLは直近安値やATRの1.5〜2倍で設定すると、最初の1本として扱いやすくなります。コードが書けなくても、シストレ.COMのEAビルダー(β)のようにMAやRSIのパーツとテンプレートが用意されたツールなら、この雛形から始められます。
生成したコードのコンパイルと反映
ビルダーが書き出したMQLファイル(.mq4/.mq5)は、そのままでは動きません。MetaEditorでコンパイルして.ex4/.ex5に変換し、MT4/MT5の「ナビゲーター」からチャートにドラッグして適用します。適用後は「自動売買」ボタンをオンにし、まずデモ口座で数日動かして、想定どおりに発注・決済されるかを確認しましょう。次は、より自由に作り込みたい人向けにMQL言語の基礎を押さえます。
EA 自作でMQL言語を使うときの基礎知識
ノーコードで物足りなくなったら、MQL言語に踏み込むと作り込みの幅が一気に広がります。ここでは自作に最低限必要なMQLの基礎を、初心者がつまずきやすい順に整理します。
MQL4とMQL5、どっちを覚えればいいの?
MQL4とMQL5はどちらを選ぶべき?
MQL4はMT4用、MQL5はMT5用で、文法や関数の一部が異なります。目安として、シンプルなEAや既存資産が多い環境ならMQL4、板情報や複数ポジション管理など高度な機能を使いたいならMQL5が向きます。これから新規に学ぶなら、対応が続くMQL5を選ぶ人が増えています。
OnTick関数と売買命令の基本
EAの心臓部はOnTick関数です。価格が更新されるたびに呼ばれるこの関数の中に、売買ロジックを書きます。基本構造は「①インジケーター値を取得 → ②条件を判定 → ③条件を満たせば発注(OrderSend/trade関数)」という3ステップです。まずはこの流れを1つ通すことを目標にすると、全体像がつかめます。
よく使うインジケーター関数
移動平均はiMA()、RSIはiRSI()、MACDはiMACD()のように、標準関数でインジ値を取得できます。これらの戻り値を条件式に使えば、裁量でチャートを見て判断していた内容をコードに置き換えられます。同じ系統の指標を試したい場合は、100種類以上のMT4/MT5対応インジケーターを無料配布しており、会員登録だけでDLできます。次章では、作ったEAを実運用前に検証するバックテストの進め方を解説します。
EA 自作後のバックテストと検証の進め方
EA 自作でいちばん大事なのは、作った後の検証です。バックテスト(過去データでの再現テスト)で優位性を確かめてから、はじめて実運用を検討します。ここでは手順と、見るべき指標の合格ラインの目安を示します。
ストラテジーテスターでの基本手順
MT4/MT5にはストラテジーテスターが標準搭載されています。EA・通貨ペア・時間足・期間・スプレッドを設定して実行すると、損益曲線や各種指標が算出されます。まずは1〜2年程度の期間で回し、損益曲線が右肩上がりに近いか、極端なドローダウンがないかを確認します。
PF・最大DDはどこまでなら合格?
検証で最低限チェックすべき指標と、実用上の目安レンジは次のとおりです。数値は絶対基準ではなく、あくまで「これを下回ると採用しにくい」という現実的な目安として使ってください。
| 指標 | 意味 | 目安(初心者の判断ライン) |
|---|---|---|
| プロフィットファクター(PF) | 総利益÷総損失 | 1.3以上あると安定寄り |
| 最大ドローダウン(最大DD) | 資産の最大下落幅 | 口座資金の10〜20%以内に収めたい |
| 勝率 | 勝ちトレード比率 | 手法次第(低勝率でもRR次第で可) |
| 取引回数 | 検証期間中の約定数 | 少なすぎ(数十件未満)は評価が不安定 |
カーブフィッティングを避ける検証設計
検証で最も怖いのがカーブフィッティング(過剰最適化)です。例えば直近2年だけに合わせて最適化したEAは、テストでは好成績でも、2024年のような急変局面で一気に含み損が膨らみやすくなります。対策は、最適化に使う期間と検証する期間を分けるアウトオブサンプル検証です。結果の数値が多くて読み解きづらい時は、シストレ.COMの無料バックテスト解析ツールにMT4/MT5の結果HTMLを読み込ませると、PFや最大DD、モンテカルロまで自動で算出してくれます(登録不要・ブラウザ完結)。次は、実運用でつまずきやすい注意点を整理します。

EA 自作でつまずきやすい注意点とリスク対策
EA 自作は「作れたら終わり」ではありません。実運用で失敗しやすいポイントを先に知っておくと、無駄な損失を避けられます。ここでは代表的な3つの落とし穴と対策を整理します。
バックテストは好成績だったのに、本番だと全然勝てないのはなぜ…?
過剰最適化と実運用の乖離
最も多い失敗が過剰最適化(カーブフィッティング)です。過去データに合わせ込みすぎたEAは、テストでは右肩上がりでも、未知の相場では機能しないことがあります。対策は、最適化と検証の期間を分けること、そしてパラメータを増やしすぎないこと(変数が多いほど過剰最適化しやすい)です。
スプレッド・スリッページの考慮
バックテストでは軽視されがちですが、実運用ではスプレッド拡大やスリッページで想定コストが増えます。特に指標発表時や早朝はスプレッドが広がりやすく、短期売買のEAほど影響を受けます。テスト時は実際の口座に近いスプレッド設定にし、コストを織り込んで評価しましょう。
資金管理とVPS運用の前提
1トレードのロットは資金の1〜2%を目安に。24時間の自動売買はPCを常時起動するかVPS(月1,000〜3,000円程度が目安)で安定稼働させます。
複数のEAを組み合わせてリスクを分散する場合、合算の挙動は感覚では掴みにくいものです。無料のポートフォリオ作成ツールなら、EAを選んでロット比率を変えるだけで合算の損益曲線と最大DDを無料でシミュレーションできます。次は、ここまでの疑問をQ&A形式で補足します。
EA 自作に関するよくある質問
EA 自作を始める前に多く寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。
- EA 自作にプログラミングは必須ですか?
必須ではありません。ノーコードのEAビルダーを使えば、パーツを並べてつなぐだけでMQLコードが生成され、未経験でも作成できます。複雑なロジックを作り込みたくなった段階でMQLを学べば十分です。
- 自作したEAは本当に勝てますか?
作れることと勝てることは別です。優位性はバックテストとフォワード検証で確かめる必要があり、検証を省くと実運用で乖離します。まずは小さく検証する前提で臨みましょう。
- 作ったEAの安全な運用開始手順は?
デモ→少額本番の段階運用が基本です。まずデモ口座で数週間動かし、想定どおり発注・決済されるかを確認してから、失っても許容できる少額でリアル運用を始めます。
- MQL4とMQL5はどちらを学ぶべきですか?
これから新規に学ぶならMQL5を選ぶ人が増えています。ただし既存のMT4資産を活かしたい場合はMQL4も現役です。使いたい機能とプラットフォームで選びましょう。
最後に、この記事の要点をまとめます。
まとめ|EA 自作は準備・検証・段階運用が要点
EA 自作は、コードが書ける人だけのものではありません。入口はノーコード・MQL自作・外注の3つで、初心者はノーコードで形にし、バックテストで検証してから段階的に運用するのが現実的です。
①作る前に売買ルールを言語化する ②ノーコードならプログラミング不要で作れる ③PF・最大DDで検証し過剰最適化を避ける ④デモ→少額の段階運用でリスクを抑える。
2026年時点でも、EA 自作の王道は「まず小さく作って試す」姿勢です。作った後に戦略タイプから既存EAと比べたい時は、EAランキングが200+のEAを0.01ロット統一のフォワード成績でスコア化しており、自作EAの立ち位置を客観的に測る参考になります。まずは1本、移動平均クロス型から作ってみることをおすすめします。
シストレ.COM編集部|FXテクニカル分析・システムトレード専門メディア。200種類以上のEAをフォワード計測している運営3年の検証メディアで、MetaTrader(MT4/MT5)を実運用してきた編集部が監修・執筆しています。
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