ADXの設定と計算式|MT4・MT5の入れ方と25以上のあとの動きを実測

ADXの使い方を徹底解説!トレンド分析とトレード戦略の画像

ADX(Average Directional Index)は、トレンドの強さを0〜100で表す指標で、向きは示しません。この記事では、計算式とMT4・MT5での入れ方を整理し、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。数えた単位は、ADXで分けた足1本です。ADX(期間14)が25以上の足の24本後は、一方向に動いた度合いも、直前の向きが続いた割合(49.3%、範囲50.0〜50.4%)も、ランダムに選んだ足の範囲の下でした。ADXが高いほど動きが続く、とは言えませんでした。

目次

ADXとは|トレンドの強さを測る指標

USD/JPYの1時間足96本のローソク足の下に、ADXと+DIと−DIの3本の線を重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年4月28日0時から4日間)に、ADX・+DI・−DIを重ねた図。

ADX・+DI・−DIの3本の線

ADXは、J. Welles Wilderが作ったDMI(Directional Movement Index)の一部です。DMIは、+DI、−DI、ADXの3本の線で表示されます。+DIは上げる力、−DIは下げる力を表し、ADXは、その2つの差から、トレンドの強さを0〜100で表します。

ADX・+DI・−DIの3本の線が、それぞれ何を示し、どう読むかをまとめた表
出典: StockCharts ChartSchool と MQL5リファレンスの iADX の説明。3本の線の役割。

ADXが示すのは強さだけで、上げか下げかは分かりません。向きは+DIと−DIの大小で見ます。上のチャートでは、ADXが25を超えた足(日本時間の4月29日22時)で、+DIが−DIより上にありました。ところが、そのあと価格は160円台から155円台まで下がり、−DIが+DIを上回りました。ADXが25を超えたことは、上げが続くことを意味しません。

25と20の目安

よく使われる目安は、ADXが25より上なら強いトレンド、20より下なら弱いトレンド(トレンドなし)、20〜25は判断しにくい範囲、というものです。StockChartsのChartSchoolは、これをWilderの提案として紹介しています。この記事では、20未満・20〜25・25〜40・40以上の4つに分けて、そのあとの値動きを測っています。

アドバイス

ADXは強さだけで、向きは+DIと−DIで見るよ。チャートの4日間では、25を超えたあとに160円台から155円台まで下がったね。

ADXの計算式|+DM・TR・+DI・−DI・DXからADXを作る

TR、+DM・−DM、+DI・−DI、DX、ADXを順に求める5つの手順をまとめた表
出典: StockChartsとMetaQuotesのADXW.mq5の説明にある手順。ADXの計算の5手順(期間14)。

ADXの計算の5手順

期間は14が基本です。まず、1本ごとにTR(真の値幅)と+DM・−DM(上げた幅・下げた幅)を出します。次に、それぞれを14本ぶんならして、+DIと−DIを出します。+DIと−DIの差の大きさを、2つの合計で割って100をかけた値がDXで、DXを14本ぶんならした値がADXです。

「ならす」は、Wilder式では、新しい値=前の値×13/14+今の値×1/14です。期間を14とした場合の式で、前の値には、1つ前の足のならした値を使います。

実際の足の+DM・−DM・TR

USD/JPYの1時間足6本について、+DMと−DMとTRをpips単位で並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足6本(日本時間の2026年4月29日19時〜30日0時)の+DM・−DM・TR。

表は、さきほどのチャートの6本について、1本ごとの値を出したものです。29日22時の足は、高値が前の足より21.1pips高く、安値は前の足より下がっていないので、+DMが21.1、−DMが0です。TRは23.9pipsでした。この1本ごとの値を14本ぶんならすと、+DIと−DIになります。

ならし方の違い|Wilder式とEMA

Wilder式とEMAで、何本前の足にどれだけの重みがかかるかを比べた階段状の折れ線グラフ
出典: MetaQuotesのADX.mq5とADXW.mq5の計算式から出した重み。期間14で、何本前の足にかかる重さか。

同じ「14本」でも、ならし方で、新しい足にかける重さが変わります。Wilder式は新しい足の重みが約7.1%、EMA(係数2÷15)は約13.3%です。最新の14本分の重みの合計は、Wilder式が64.6%、EMAが86.5%です。EMAのほうが、新しい足に寄った計算になります。

MT4・MT5のADXの式

MT5付属のADX.mq5とADXW.mq5、iADX関数の、ならし方と出所を並べた表
出典: MetaQuotesのMT5付属サンプルADX.mq5・ADXW.mq5と、MQL4・MQL5リファレンスのiADX。計算式の種類(期間14)。

MT5には、付属のサンプルが2種類あります。ADX.mq5は、ならし方にEMAを使い、ADXW.mq5は、Wilder式を使います。ADXW.mq5の名前は、MT5のヘルプでは「ADX Wilder」です。MT4・MT5に最初から入っているADXがどちらの式で動くかは、ここでは確かめていません。配布しているADX_systreが、どちらの式にあたるかも、確かめていません。

同じUSD/JPYの足でWilder式とEMA式のADXを重ね、25以上になる範囲の違いを示したチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年7月28日0時から4日間)に、2つの式のADX(期間14)を重ねた図。

2つの式が、どれだけ違う値になるかを、同じ96本で見ました。ADXが25以上だった足は、Wilder式が49本、EMA式が29本です。最大値は、Wilder式が56.0、EMA式が41.1で、同じ足での差は、最大で29.9ありました。式が違うと、25を超える足も、超えている長さも変わります。この記事の測定は、全てWilder式の期間14(ADXW.mq5と同じ式)です。

アドバイス

式が違うと、ADXの値も変わるよ。96本では、25以上の足がWilder式で49本、EMA式で29本だったね。

ADXのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と初期値

ADXのファイルをMT4とMT5に入れる5つの手順と、置くフォルダの違いを並べた表
シストレ.COMで配布しているADX_systreを、MT4とMT5に入れる手順。

MT4の入れ方

MT4・MT5には、標準のADXも入っています。「挿入」「インディケータ」「トレンド」にある「Average Directional Movement Index」で、期間の初期値は14です。ここでは、配布しているADX_systreを入れる手順を説明します。

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の ADX_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  4. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、ADX_systreをチャートに出します。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の ADX_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。

ダウンロードと初期値

ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。シストレ.COMの登録口座で使えます。認証が行われていない口座では使えません。

ADX_systreのパラメーター入力画面で、変数ADXPeriodの値が14になっている様子
出典: シストレ.COMで掲載していたMT4の実画面。ADX_systreを出したときの、パラメーターの入力画面。

表示すると、入力できる項目は、ADXPeriod(期間)の1つで、初期値は14です。この記事の測定も、期間14を基本にしています。

MT4のUSD/JPY1時間足チャートの下に、ADX_systreの3本の線を表示した実際の画面
出典: シストレ.COMで掲載していたMT4の実画面。USD/JPYの1時間足に、ADX_systre(期間14)を表示した例。

チャートの下の枠に、3本の線が出ます。左上のラベルには、ADX_systre(14)と、3つの数字が表示されます。

アドバイス

ファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。期間の初期値は14だね。

ADXの期間設定|7・14・21・28で25以上の割合が変わる

ADXの期間を7・14・21・28にしたときの、25以上の足の24本後の動きの効率と続いた割合を、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、ADXの期間ごとの25以上の足の24本後の動き。

期間と25以上になる割合

期間は、Wilderの基本の14のほか、7・21・28でも測りました。ADXが25以上だった足の割合は、期間7が74.5%、期間14が45.6%、期間21が29.4%、期間28が19.7%でした。期間を短くすると、25以上になる足が増えます。同じ「25以上」でも、期間によって、足の何割が当てはまるかが違います。

期間と25以上のあとの動き

ADXが25以上の足の24本後を、動きの効率と、直前の向きが続いた割合で比べました。動きの効率は、24本後までの変化の大きさを、その間の足ごとの変化の合計で割った値で、1に近いほど一方向です。続いた割合は、直前24本の向きと、そのあと24本の向きが同じだった割合です。数え方は、次の節で詳しく書いています。

動きの効率(中央値)は、期間7が0.194、期間14が0.191、期間21が0.190、期間28が0.191でした。ランダムの範囲は、4つとも0.196〜0.199に収まり、4つとも範囲の下です。続いた割合は、期間7が50.0%で、範囲の50.0〜50.4%に入りました。期間14は49.3%(範囲50.0〜50.4%)、期間21は48.8%(範囲49.9〜50.5%)、期間28は48.8%(範囲49.8〜50.5%)で、3つとも範囲の下です。期間を変えても、25以上の足のあとに動きが続く、という結果にはなりませんでした。

アドバイス

期間を短くすると、25以上の足は期間7で74.5%、期間28で19.7%と変わるよ。24本後の動きは、どの期間も範囲の下か中だったね。

ADXの使い方|25以上のあとの値動きを測った結果

ADXを20未満・20〜25・25〜40・40以上に分けたときの、12本後と24本後の動きの効率を、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、ADXの区分ごとのそのあとの動きの効率。

動きの効率|一方向に動いた度合い

ADXの値で足を4つに分け(20未満、20以上25未満、25以上40未満、40以上)、そのあとの価格が一方向にどれだけ動いたかを、動きの効率で比べました。動きの効率は、その足の終値から12本後(または24本後)の終値までの変化の大きさを、その間の足ごとの終値の変化の合計で割った値です。1に近いほど、行ったり来たりせずに一方向へ動いたことになります。ADXは、その足の終値で確定した値を使いました。各通貨の最初の600本は、計算の助走として除いています。

24本後の中央値は、全ての足が0.198で、20未満が0.206、20〜25が0.196、25〜40が0.194、40以上が0.185でした。比べる相手は、全ての足から同じ件数を無作為に選び直す作業を1,000回行った、5〜95%の範囲(ランダムの範囲)です。20未満は範囲(0.196〜0.199)の上、25〜40(範囲0.196〜0.199)と40以上(範囲0.195〜0.200)は範囲の下で、20〜25(範囲0.196〜0.199)は範囲の中でした。ADXが高い区分ほど、そのあとが一方向に動いたとは言えず、20未満のほうがやや高い結果です。

12本後でも、同じ傾向です。全ての足が0.273で、20未満が0.280(範囲0.271〜0.274)と範囲の上、40以上が0.261(範囲0.270〜0.276)と範囲の下でした。25〜40が0.272(範囲0.271〜0.274)は範囲の中、20〜25が0.270(範囲0.271〜0.275)は範囲のわずかに下でした。件数は、12本後が299,746件、24本後が265,661件で、4つの区分の件数の合計と一致します。

向きが続いた割合

ADXの区分ごとに、直前の向きがそのあとも続いた割合を、12本後と24本後でランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、ADXの区分ごとの直前の向きが続いた割合。

もう1つの数字は、直前の向きが、そのあとも続いた割合です。24本前の終値より上がっていた足が、24本後の終値で、さらに上がっていれば「続いた」、下がっていれば「続かなかった」と数えます。下げの場合も同じで、どちらかの差が0の足は除きました。12本のときも同じ数え方です。

24本後は、全ての足で50.2%でした。20未満が51.4%(範囲50.0〜50.5%)で範囲の上、20〜25が50.3%(範囲49.9〜50.6%)で範囲の中、25〜40が49.8%(範囲50.0〜50.5%)はわずかに下、40以上が47.8%(範囲49.7〜50.7%)は範囲の下でした。40以上の範囲は50%を含み、47.8%はそのはるか下にあります。ADXが大きいほど、そのあとも同じ向きに続く、という結果ではありませんでした。

12本後も、全ての足が49.9%で、20未満が50.7%(範囲49.7〜50.2%)、20〜25が50.3%(範囲49.6〜50.3%)、25〜40が49.3%(範囲49.7〜50.2%)、40以上が48.9%(範囲49.4〜50.4%)でした。20未満と20〜25は範囲の上、25〜40と40以上は範囲の下です。

4時間足での結果

4時間足でADXを4つに分けたときの、6本後・12本後の動きの効率と12本後に続いた割合を、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の4時間足で、ADXの区分ごとのそのあとの動き。

4時間足は、1時間足をUTCの0時・4時・8時・12時・16時・20時の区切りでまとめた足です。日本時間では、9時・13時・17時・21時・1時・5時の区切りにあたります。24本後だと、多くの組み合わせが週末をまたぐため、後の足の数は6本と12本にしました。6本後が67,590件、12本後が51,147件です。

4時間足では、1時間足のような差は、はっきりしませんでした。12本後に続いた割合は、40以上が49.6%で、範囲の49.3〜51.6%の中にあります。20未満が51.0%、20〜25が51.6%、25〜40が49.8%で、20〜25が範囲(49.8〜51.4%)のわずかに上、25〜40が範囲(50.0〜51.2%)のわずかに下で、20未満と40以上は範囲の中です。6本後・12本後の動きの効率は、20未満が範囲のわずかに上、25〜40が12本後で範囲のわずかに下にあり、ほかは範囲の中でした。

ADXが上向きの足と下向きの足

ADXの区分ごとに、ADXが上向きの足と下向きの足に分けた、24本後の動きの効率と続いた割合の表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足、24本後。ADXが上向きの足と下向きの足の動きの効率と続いた割合。

ADXが3本前より高い足を「上向き」、3本前と同じか低い足を「下向き」として、24本後の動きを分けました。結果は、40以上で、上向きが動きの効率0.185・続いた割合48.3%、下向きが0.185・47.0%でした。20未満は、上向きが0.206・52.4%、下向きが0.206・50.9%です。上向きと下向きで、動きの効率はほとんど変わらず、続いた割合は、20未満と40以上では上向きが1〜2ポイント高く、20〜25では下向きがわずかに高くなっています。この分け方では、ランダムの範囲は計算していません。

通貨ごとの結果

5通貨それぞれで、ADXが25以上の足の24本後の動きの効率と続いた割合を、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。通貨ごとの1時間足で、ADXが25以上の足の24本後の動き。

5通貨を合わせたのではなく、1通貨ずつ、ADXが25以上の足の24本後を測りました。動きの効率は、USD/JPYが0.192(範囲0.198〜0.202)、EUR/USDが0.191(範囲0.197〜0.202)、GBP/USDが0.199(範囲0.198〜0.203)、EUR/JPYが0.191(範囲0.194〜0.199)、AUD/JPYが0.185(範囲0.190〜0.194)でした。GBP/USDだけが範囲の中で、4通貨は範囲の下です。

続いた割合も、USD/JPYが48.7%(範囲49.5〜50.5%)、EUR/USDが49.6%(範囲49.7〜50.7%)、GBP/USDが49.6%(範囲49.5〜50.5%)、EUR/JPYが49.4%(範囲50.0〜51.1%)、AUD/JPYが49.2%(範囲49.7〜50.8%)で、GBP/USDだけが範囲の中でした。通貨ごとに見ても、25以上の足のあとに動きが続く通貨はありませんでした。25以上の件数の合計は121,030件です。

ADXで分かることと測った結果

ADXで分かること(強さ・向き・遅れ・期間)と、それぞれ測った結果をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で測った、ADXで分かることと結果。

表は、見たいことごとに、ADXの役割と測った結果を並べたものです。ADXから分かるのは、強さの目安と、25を超える足が増える・減るといった特徴で、そのあとの動きを当てるものではありませんでした。+DIと−DIがクロスしたときの動きは、DMIの別の記事で測っています。

測っていないこと

この記事で測ったのは、ADXの区分ごとの、24本後と12本後の動きの効率と、向きが続いた割合です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、ほかの指標との組み合わせは測っていません。時間帯や値動きの大きさの違いも取り除いていません。後ろの動きが週末をまたぐ組み合わせは除きましたが、直前の動きの窓が週末をまたぐかどうかは確かめていません。また、ランダムの範囲は、近い足が重なることを考えていないので、実際の範囲はもっと広く、20未満の「範囲の上」などの差が、偶然に収まる可能性もあります。

アドバイス

40以上のあとに向きが続いた割合は、24本後で47.8%(範囲49.7〜50.7%)だったよ。ADXが高いほど続く、とは言えなかったね。

ADXの遅れ|25を超えた足は大きな動きのあと

ADXが25を超えた足の、前の14本と次の24本(12本)の値動きを、ATRの何倍かでランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨で、ADXが25を超えた足の前後の値動き(ATRの何倍か)。

25を超えた足の前と後

ADXは、過去の値幅から計算するので、動きが出たあとに高くなります。これを測るため、ADXが25未満から25以上になった足(1時間足4,660件、4時間足885件)について、前と後の値動きを、ATR(Wilder式の期間14)の何倍かで数えました。値動きは、その足の終値と、14本前(または24本後・12本後)の終値の差の大きさです。

1時間足では、直前14本の値動きの中央値が3.12倍でした。全ての足は1.62倍(範囲1.57〜1.67倍)で、その約2倍です。ところが、次の24本は2.17倍で、全ての足の2.18倍・範囲2.11〜2.24倍と変わりません。4時間足も、直前14本が3.26倍(範囲1.56〜1.78倍)、次の12本が1.47倍(範囲1.49〜1.71倍)で、後ろは範囲のわずかに下でした。25を超えた時点で、大きな動きは、すでに終わっていることが多い、という結果です。

実例|25を超えた足の前後

USD/JPYの1時間足96本で、ADXが25を超えた足の前後の価格とADXを重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年8月18日0時から4日間)に、ADXを重ねた図。

この4日間では、ADXが25を超えた足(日本時間の8月19日14時)の前に、すでに価格が下がっていました。直前14本の動きは、ATR(11.8pips)の2.5倍です。そのあと24本後までの動きは5.6倍で、この例では、25を超えたあともまだ大きく動きました。ただし、これは1つの例です。4,660件全体では、前の節のとおり、次の24本の動きは全ての足とほぼ同じでした。

25以上が続く長さ

ADXが25を超えてから、25を下回るまでに25以上だった足の数を、4つの区間に分けた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、ADXが25以上だった足の数の分布。

ADXが25を超えてから、25を下回るまでの足の数を数えました。25を超えた4,660件のうち、そのあと25未満へ戻った4,658件が対象です(データの最後まで戻らなかった2件は除きます)。1〜5本が19.4%、6〜11本が15.7%、12〜23本が21.9%、24本以上が42.9%でした。中央値は19本で、下から4分の1が8本、上から4分の1が約39本です。長く続くこともありますが、5本以内に戻る場合も、約5件に1件あります。

アドバイス

25を超えた足の直前14本は、ATRの3.1倍動いていたよ。全ての足は1.6倍(範囲1.57〜1.67倍)だったね。

要点
・ADXは、トレンドの強さを0〜100で表す指標。向きは示さず、向きは+DIと−DIで見る。基本の期間は14
・計算は、TR・+DM・−DMを14本ならして+DI・−DIを出し、その差からDXを作り、さらにならす。MT5付属のADX.mq5はEMA、ADXW.mq5はWilder式
・5通貨の1時間足333,913本で、ADX(期間14)が25以上の足の24本後の動きの効率は0.191(範囲0.197〜0.199)と、範囲の下
・直前の向きが続いた割合は、25〜40が49.8%(範囲50.0〜50.5%)、40以上が47.8%(範囲49.7〜50.7%)。範囲は50%を含み、40以上はその下
・ADXが25を超えた足の直前14本は、ATRの3.12倍動いていた(全ての足は1.62倍、範囲1.57〜1.67倍)。次の24本は2.17倍で、全ての足の2.18倍(範囲2.11〜2.24倍)と同じ
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ

ADXのよくある質問

ADXの数値は、どう読めばよいですか?

強さの目安で、向きは示しません。25より上を強い、20より下を弱いとする目安が使われます。向きは、+DIと−DIのどちらが大きいかで見ます。

ADXが25を超えたら、トレンドは続きますか?

続くとは言えませんでした。5通貨のうち4通貨で、25以上の足の24本後の動きの効率が、ランダムの範囲の下でした。続いた割合も、4通貨が範囲の下です。

ADXが20未満のときは、レンジですか?

断定はできません。20未満の足は、24本後の動きの効率が0.206(範囲0.196〜0.199)で、25以上より高めでした。ただし、差は小さく、ランダムの範囲は近い足の重なりを含みません。

MT4とMT5のADXは、同じ値になりますか?

式が同じとは確かめられていません。MT5付属のADX.mq5はEMA、ADXW.mq5はWilder式で、同じ96本でも、25以上の足は29本と49本に分かれました。

ADXの期間は、いくつがよいですか?

おすすめは測っていません。基本は14です。期間を短くすると25以上の足が増え、期間7は74.5%、期間28は19.7%でした。期間21と28の続いた割合は、どちらも48.8%で、範囲の下でした。

+DIと−DIのクロスは、どう使いますか?

この記事では測っていません。クロスのあとの動きは、DMIの別の記事にまとめています。

ADXのまとめ

ADXは、+DIと−DIの差から、トレンドの強さを0〜100で表す指標です。向きは示さず、基本の期間は14です。ならし方は、Wilder式とEMAで違い、MT4・MT5に最初から入っているADXの式は、説明に書かれていません。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、ADXが25以上の足の24本後の動きの効率は、ランダムの範囲の下でした。

40以上の足の24本後に向きが続いた割合は、47.8%(範囲49.7〜50.7%)でした。ADXが25を超えた足は、直前14本がATRの3.12倍動いたあとで、次の24本の動きは全ての足と同じでした。ADXは、いま動きが大きい足を見つけるのには向きますが、そのあとの動きを当てるものではありませんでした。売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。値動きがランダムかどうかを見るRWIや、トレンドかもみ合いかを見るチョピネスインデックスも、あわせて参考にしてください。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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