WMA(加重移動平均線)とは?計算式とSMA・EMAとの違いを5通貨で実測

WMA(加重移動平均線)の計算方法と取引戦略の画像

WMA(加重移動平均線)は、直近の終値ほど重みを大きくして平均した移動平均線です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。20期間で比べると、終値が線の上下を入れ替わる回数は1,000本あたり、SMAが116.8回、WMAが150.5回、EMAが128.7回でした。山や谷から5本以内に線の向きが変わった割合は、SMAが34.6%、WMAが49.8%、EMAが56.5%です。

目次

WMA(加重移動平均線)とは|直近の終値ほど重く数える移動平均

USD/JPYの1時間足96本のローソク足に、20期間のSMAとWMAとEMAを重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年7月7日0時から4日間)に、20期間のSMA・WMA・EMAを重ねた図。

WMAの計算式

WMAは、n本の終値に、新しい順にn・n−1・…・1の重みをかけて足し、重みの合計で割った値です。MetaQuotesの公式ヘルプでは、線形加重移動平均(LWMA)として、終値に1からNまでの重みをかけた合計を、重みの合計で割る式が載っています。重みの合計は、n×(n+1)÷2です。5期間なら、新しい順に5・4・3・2・1の重みで、合計は15になります。

下の表は、USD/JPYの1時間足の終値5本で、5期間のWMAを計算した例です。日本時間の2026年7月9日12時から16時の足を使いました。

スクロールできます
足(日本時間)終値重み終値×重み
12時162.4501162.450
13時162.4302324.860
14時162.3703487.110
15時162.2974649.188
16時162.3475811.735
合計―152,435.343

終値×重みの合計2,435.343を、重みの合計15で割ると、WMAは162.356です。同じ5本の単純平均(SMA)は162.379で、最も古い12時の終値が高く、直近の16時の終値が低いぶん、WMAのほうが下にあります。「重み」は、足を新しい順に並べたときの係数で、いちばん新しい16時の足が5、いちばん古い12時の足が1です。

SMA・EMAとの重みの違い

10期間のSMAとWMAとEMAについて、直近10本の足がそれぞれ何%の重みで使われるかを並べた棒グラフ
10期間のSMA・WMA・EMAが、直近10本の終値を使う割合を式から作った図。

SMAは、n本の終値を同じ重みで平均します。10期間なら、10本とも10%です。WMAは、重みが1本古くなるごとに同じ幅ずつ減り、10期間では直近の足が18.2%、10本前の足が1.8%です。EMAは、古い足ほど重みが指数的に小さくなり、10期間では直近の足が18.2%、10本前の足が3.0%です。EMAは10本より前の足にも、合計で13.4%の重みが残ります。

直近の足の重みは、10期間ではWMAとEMAが同じ18.2%です。違いは、古い足の重みの減り方で、WMAはまっすぐに減り、10本より前の足は使いません。EMAは減り方が急で、10本より前の足にも重みが残ります。

アドバイス

WMAは、新しい終値ほど重いSMAだよ。5期間なら重みは5・4・3・2・1で、合計15で割るんだね。

WMAの反応の速さと横切り回数|SMA・EMAと同じ期間で測った結果

1時間足と日足で、10・20・50期間のSMAとWMAとEMAが、山や谷から5本以内に向きを変えた割合をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。5通貨の1時間足・日足で、山や谷から5本以内に線の向きが変わった割合。

線の向きが変わる速さ

速さは、価格の山と谷を基準に測りました。山は、前後6本のどの終値よりも高い終値の足、谷は、前後6本のどの終値よりも安い終値の足です。山があったら、その足以降で、線が最初に下向きへ変わった足までの本数を数えます。谷なら、上向きへ変わった足までです。山と谷は、1時間足が34,514個、日足が1,322個で、1つを1件と数えました。各通貨の最初の600本(日足は300本)は、計算の助走として除いています。

5本以内に線の向きが変わった割合は、1時間足の20期間で、SMAが34.6%、WMAが49.8%、EMAが56.5%でした。10期間では55.3%、78.1%、79.9%で、50期間では20.1%、27.6%、32.7%です。日足の20期間も、SMAが34.6%、WMAが53.4%、EMAが63.2%で、同じ並び順でした。同じ期間なら、反応が速い順に、EMA、WMA、SMAです。

期間を長くすると、どの線も割合は下がります。1時間足の50期間では、SMAは山と谷の5分の1しか、5本以内に向きが変わっていません。

終値が線を横切る回数

1時間足の10・20・50期間で、SMAとWMAとEMAを終値が横切った回数を1,000本あたりで並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。5通貨の1時間足で、期間別の横切り回数(1,000本あたり)。

横切りは、終値が線の上にいた足から、線の下にいる足(またはその逆)へ入れ替わった足を、1回と数えます。1時間足の20期間では、SMAが39,013回、WMAが50,269回、EMAが42,969回で、1,000本あたりでは116.8回、150.5回、128.7回です。10期間と50期間でも、同じ並び順でした。1,000本あたりでは、10期間がSMA 178回・WMA 220回・EMA 186回、50期間が69回・90回・79回です。

通貨別に見ても、10・20・50期間のどれも、5通貨ともWMAが最も多く、次がEMA、SMAが最も少なくなりました。たとえば20期間では、SMAが115.2〜118.1回、EMAが127.1〜131.0回、WMAが149.2〜153.1回の範囲です。日足の20期間でも、SMAが119.8回、WMAが153.3回、EMAが136.9回でした。

すぐ戻った横切りの割合

横切ったあと、3本以内にまた横切り返した割合も数えました。次の横切りが3本以内にあった横切りを「すぐ戻った横切り」とし、次の横切りがある横切りに対する割合です。比べる相手には、各通貨の終値の変化率(対数)の順番をばらばらに入れ替えて作った価格を使いました。入れ替えは各通貨20回で、表の範囲は、20回の最小〜最大です。

線(20期間)実際の価格順番を入れ替えた価格
SMA48.3%43.6〜44.8%
WMA51.8%46.5〜47.4%
EMA52.4%47.4〜48.3%

1時間足の20期間では、横切りの約半分が、3本以内に元へ戻っています。実際の価格は、順番を入れ替えた価格より約4〜5ポイント高くなりました。横切り回数も、実際の価格のほうが、入れ替えた価格より約8〜10%多くなっています(20期間のSMAは116.8回に対して106.9〜109.7回)。ただし、戻ったあとの損益は測っていません。

アドバイス

同じ20期間だと、向きが変わる速さはEMA、WMA、SMAの順だったよ。横切りの回数も、WMAのほうがSMAより多かったね。

WMAの期間設定|同じ速さにそろえて横切り回数を比べる

反応の速さがほぼ同じになるSMA・WMA・EMAの期間を選んで、1時間足の横切り回数を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。5通貨の1時間足で、速さをそろえたときの横切り回数。

速さをそろえて比べる

同じ期間で比べると、WMAはSMAより速く、横切りも多くなります。速いぶん回数が増えただけなのかを見るため、1時間足で期間を5〜60まで1つずつ変えて測り、5本以内に向きが変わった割合がほぼ同じになる期間を選びました。割合が約50%になるのは、SMAが12期間、WMAが20期間、EMAが25期間です。約40%になるのは、SMAが16期間、WMAが28期間、EMAが36期間でした。

横切りは、1,000本あたり、割合約50%の3本が、SMA 12期間で160回、WMA 20期間で151回、EMA 25期間で114回です。約40%の3本は、SMA 16期間で134回、WMA 28期間で124回、EMA 36期間で94回でした。速さをそろえると、WMAの横切りはSMAより約6〜7%少なくなります。EMAはSMAより約3割少なく、WMAよりも少なくなりました。

WMAの期間をSMAに換算すると、速さの上では、約1.7倍の期間のSMAにあたります(WMA 20期間がSMA 12期間、WMA 28期間がSMA 16期間)。5通貨の1時間足での結果で、ほかの時間足や通貨では測っていません。

期間を決めるときの見方

期間を短くすると、線は速く向きを変えますが、横切りも増えます。WMAの1時間足では、横切りが1,000本あたり、5期間で317回、10期間で220回、20期間で151回、50期間で90回でした。5期間では3本に1回近く、終値が線を入れ替わっています。

この結果から言えるのは、反応の速さと横切りの少なさは、片方を取るともう片方が減る関係にあることです。どの期間がよいかは、売買の損益を測っていないので、決められません。同じ速さの線に置き換えるときは、上の期間の対応が目安になります。

測っていないこと

この記事で測ったのは、線の向きが変わる速さと、終値が線を横切る回数です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、押し目・戻りの判断、ほかの指標との組み合わせは測っていません。通貨ペアごとの違いや、4時間足など1時間足・日足以外の時間足も測っていません。測った範囲では、WMAはSMAより速く向きが変わり、横切りも多くなりました。

アドバイス

速さをそろえると、WMA 20期間とSMA 12期間が同じくらいだったよ。横切りは、WMAが151回、SMAが160回だったね。

WMAのMT4・MT5での表示方法とダウンロード

MT4のUSD/JPY1時間足チャートに、WMAを表示した実際の画面
MT4のUSD/JPY1時間足チャートに、WMAを表示した画面。

標準のMoving AverageでWMAを出す

MT4・MT5には、WMAを出す標準のインジケーターが入っています。「挿入」から「インディケータ」「トレンド」と進み、「Moving Average」を選びます。設定画面で、期間(Period)を入れ、MAの種類(MA method)を「Linear Weighted」にすると、WMAになります。ほかの種類は、Simple(SMA)、Exponential(EMA)、Smoothed(SMMA)です。MT4とMT5で、手順は同じです。

WMA_systreのダウンロード

シストレ.COMでは、WMA_systreを配布しています。ZIPに入っているのは、MT4用のex4ファイルだけで、MT5用のex5ファイルは入っていません。MT5では、標準のMoving Averageを使ってください。

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、WMA_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. MT4を再起動するか、ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選びます。
  4. ナビゲーターのWMA_systreを、チャートにドラッグ&ドロップします。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。

アドバイス

標準のMoving Averageで、MAの種類をLinear Weightedにすれば、WMAが出るよ。MT4でもMT5でも同じ手順だね。

要点
・WMAは、新しい順にn・n−1・…・1の重みをかけ、n×(n+1)÷2で割った移動平均線
・5通貨の1時間足333,913本で、20期間の横切り回数は1,000本あたり、SMAが116.8回、WMAが150.5回、EMAが128.7回
・山や谷から5本以内に線の向きが変わった割合は、20期間でSMAが34.6%、WMAが49.8%、EMAが56.5%。日足でも同じ順
・速さをそろえると(割合約50%)、横切りはSMA 12期間が160回、WMA 20期間が151回、EMA 25期間が114回
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ

WMAのよくある質問

WMAとは何ですか?

新しい終値ほど重くした移動平均線です。いちばん古い足の重みを1とし、1本新しくなるごとに1ずつ増やします。

WMAとSMA・EMAはどちらが速いですか?

同じ期間なら、EMA、WMA、SMAの順に速く向きが変わります。1時間足の20期間では、5本以内に向きが変わった割合が、56.5%、49.8%、34.6%でした。

WMAの期間は何がよいですか?

おすすめは測っていません。SMAの12期間と同じくらいの速さにしたいなら、WMAは20期間です。期間を短くするほど横切りは増えます。

WMAはSMAより、だましが少ないですか?

だましの多さは測っていません。測ったのは横切り回数で、同じ期間ならWMAのほうが多く、速さをそろえるとSMAより約6〜7%少ない結果でした。

MT4・MT5でWMAを出せますか?

出せます。標準のMoving Averageで、MA methodをLinear Weightedにします。

WMAのまとめ

WMAは、直近の終値ほど重みを大きくした移動平均線です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、20期間の横切り回数が1,000本あたり、SMAが116.8回、WMAが150.5回、EMAが128.7回でした。山や谷から5本以内に線の向きが変わった割合は、同じ20期間で34.6%、49.8%、56.5%です。

速さをそろえて比べると、WMAの横切りはSMAより約6〜7%少なく、EMAよりは多くなりました。売買の損益や勝率は測っていないので、期間は自分のデータで確かめてから決めてください。ほかの移動平均線は、インジケーターの解説とSMMAの記事にまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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