
Fractal Chaos Bandsとは|確定したフラクタルの高値・安値を階段状に結ぶ線

Fractal Chaos Bandsの線の見方
Fractal Chaos Bandsは、価格の上と下に、2本の線を引く指標です。上バンドは、確定した上フラクタルの高値、下バンドは、確定した下フラクタルの安値を結んだ線で、新しいフラクタルが確定するまでは同じ高さが続くため、階段のような形になります。上バンドから下バンドを引いた値を、この記事では「帯の間隔」と呼びます。
図の48時間(2025年6月24日0時から、UTC)では、2025年6月25日6時(UTC)の足の終値が、直前の足の上バンドを25.4 pips上回りました。図の▼が、その足です。日本時間は、UTCに9時間を足した時刻です。図は見やすいように、上バンドをオレンジ、下バンドを青で描いています。MT4の初期色は、上バンドがコーラル(赤みのあるオレンジ)、下バンドがライムグリーンです。MT5の初期色は、上バンドがドジャーブルー(青)、下バンドが赤です。
ドンチャンチャネル・ボリンジャーバンドとの違い

形が近い線に、ドンチャンチャネルとボリンジャーバンドがあります。ドンチャンチャネルは、直近N本の最高値と最安値を結ぶ線で、期間Nを決める必要があります。ボリンジャーバンドは、移動平均線に標準偏差を足し引きした曲線で、期間と倍率を決めます。Fractal Chaos Bandsは、確定したフラクタルの高値と安値を結ぶだけなので、決める項目がありません。ボリンジャーバンドの考え方はボリンジャーバンドの記事、直近の高値・安値を抜ける考え方はブレイクアウトの記事にまとめています。
アドバイスFractal Chaos Bandsは、確定したフラクタルの高値と安値を結んだ階段状の線だよ。決める項目がないのが特徴なんだ。
Fractal Chaos Bandsの計算方法|フラクタルが確定してから2本あとに反映

フラクタルの決め方
上フラクタルは、中心の足の高値が、前の2本の高値より高く、後ろの2本の高値以上であるものです。下フラクタルは、その逆で、中心の足の安値が、前の2本の安値より低く、後ろの2本の安値以下であるものです。図の左が2026年10月26日0時(UTC)の上フラクタル、右が2026年10月27日10時(UTC)の下フラクタルです。点線が、中心の足の高値と安値で、これが線の高さになります。
フラクタルが線に反映されるのは2本あと

フラクタルは、中心の足の後ろ2本が出そろうまで確定しません。そのため、線が新しい高さになるのは、中心の足の2本あとの足からです。図では、2026年10月26日15時(UTC)の足が中心で、上バンドは、その2本あとの足から157.22円から157.641円に変わっています。中心の足より前の足の線は、書き換わりません。
設定項目はない
配布しているFractalChaosBands_systre(バージョン2.01)には、入力項目がありません。期間も本数も決めず、前後2本というフラクタルの定義だけで線が決まります。最初のフラクタルが確定するまでは、線は表示されません。5通貨の1時間足では、上フラクタルが1,000本あたり約136〜138本できて、上バンドの値が変わる間隔の中央値は6〜7本でした。
アドバイス線が新しい高さになるのは、フラクタルの中心の足の2本あとだよ。それまでの足の線は変わらないんだ。
Fractal Chaos BandsのEAでの読み方|バッファ番号とシフト1

バッファ番号
EAからこの線の値を読むときは、iCustomでバッファ番号を指定します。番号0が上バンド、番号1が下バンドです。MT4ではそれぞれ「FCB Upper」「FCB Lower」、MT5では「FractalUpper」「FractalLower」という名前で表示されます。入力項目がないので、iCustomに渡すのはバッファ番号とシフトだけです。MT5では、iCustomでハンドルを作ったあと、CopyBufferの開始位置を1にして値を取ります。
形成中の足の値は動く

この線は、未来の足を使いません。ただし、今の足(形成中の足)の値は、足が終わるまで動くことがあります。中心の足の2本あとにあたる足の高値と安値で、フラクタルかどうかの判定が変わりうるためです。足が終わったあとの値は動きません。5通貨それぞれで無作為に選んだ100か所について、そこから後ろの足を切り落として計算し直しても、線の値は同じになりました。EAで読むときは、直前に終わった足のシフト1を使います。
アドバイスEAで読むのは、上バンドが番号0、下バンドが番号1で、シフトは1だよ。今の足の値は、終わるまで動くからね。
Fractal Chaos Bandsの帯の間隔|値幅・通貨・時刻でどれくらい変わるか

値幅が大きい期間と小さい期間
図の上は、2025年5月7日0時(UTC)から48時間で、値幅(この48本の最高値と最安値の差)が343 pips、帯の間隔の中央値が56 pipsでした。下は、2026年5月18日0時(UTC)から48時間で、値幅が64 pips、帯の間隔の中央値が35 pipsでした。値幅が大きい期間は、価格が階段を上がるように動き、上バンドも下バンドも、高い位置へ移っています。下の期間は、価格が158.6〜159.3円ほどの範囲で上下しています。この2つは、並べて見るために選んだ例です。
通貨ごとの帯の間隔

帯の間隔の中央値は、EUR/USDが30 pips、USD/JPYとAUD/JPYが37 pips、GBP/USDが40 pips、EUR/JPYが43 pipsでした。1本の値幅(高値から安値を引いた値)の中央値は、EUR/USDが11.2 pips、USD/JPYとAUD/JPYが14.3 pips、GBP/USDが15.5 pips、EUR/JPYが17.1 pipsで、帯の間隔は、5通貨とも、1本の値幅の約2.5〜2.6倍でした。上バンドの値が変わる間隔の中央値は、USD/JPYとGBP/USDが6本、ほかの3通貨が7本です。1 pipsは、円が付く通貨が0.01円、ほかが0.0001です。
時刻ごとの帯の間隔

帯の間隔を、その通貨の1本の値幅の中央値で割った倍率は、時刻によって変わります。5通貨の中央値で、最小は2時(UTC)の2.0倍、最大は18時(UTC)の3.3倍でした。0〜9時(UTC)は2.0〜2.3倍、16〜21時(UTC)は3.0〜3.3倍です。通貨ごとの線を見ると、最大は5通貨とも18〜19時(UTC)、最小は1〜7時(UTC)でした。倍率は、通貨ごとに、最小が1.7〜2.2倍、最大が2.9〜3.8倍と幅があります。
アドバイス帯の間隔は、1本の値幅の約2.5〜2.6倍だったよ。時刻でみると、2時(UTC)の2.0倍から18時(UTC)の3.3倍まで変わったね。
Fractal Chaos Bandsの上抜け・下抜け|そのあとの値動きを測った結果

上抜け・下抜けを数える条件
上抜けは、直前の足の終値が、直前の足の上バンド以下で、その足の終値が、直前の足の上バンドを上回った足です。下抜けは、その逆で、直前の足の下バンドを下回った足です。どちらも、起きた1回を1件と数えました。5通貨の合計は、上抜けが19,361件、下抜けが17,867件です。通貨ごとの上抜けと下抜けは、USD/JPYが3,950件と3,420件、EUR/USDが3,767件と3,771件、GBP/USDが3,782件と3,805件、EUR/JPYが3,953件と3,455件、AUD/JPYが3,909件と3,416件でした。
円が付く3通貨は、上抜けが下抜けより約14〜16%多く、EUR/USDとGBP/USDは、ほぼ同数でした。同じ期間に、この3通貨の価格は上がっていました。たとえばUSD/JPYは、最初の足の終値が120.283円、最後の足の終値が157.938円です。上抜けが多い理由は、測っていません。
抜けたあとに同じ向きへ動いた割合

上抜けの足の終値より、4本後・12本後・24本後の終値が高ければ、同じ向きに動いたと数えました。下抜けは、終値が低ければ同じ向きです。同じ終値は含めていません。週末などをはさみ、4本後の足が6時間より先になる件(12本後は14時間、24本後は26時間より先になる件)は除きました。件数は、4本後が上抜け19,072件・下抜け17,491件、12本後が17,683件・16,000件、24本後が15,548件・14,042件です。
比べる相手は、上抜けや下抜けの足と同じ時刻(UTC)の足の中から、同じ件数を無作為に選ぶ作業を1,000回くり返した割合です。その中央95%を「無作為の範囲」と呼びます。結果は、上抜けの4本後が49.7%(範囲50.3〜51.7%)、12本後が51.0%(範囲50.7〜52.1%)、24本後が52.1%(範囲50.8〜52.4%)でした。下抜けの4本後が46.8%(範囲48.0〜49.5%)、12本後が48.0%(範囲47.8〜49.3%)、24本後が48.9%(範囲47.7〜49.3%)です。
6つのうち4つが範囲に入り、上抜け・下抜けの4本後の2つは、範囲を下回りました。同じ時刻の足の割合から見ると、4本後は、上抜けが1.3ポイント、下抜けが2.0ポイント低くなっています。12本後と24本後は、範囲に入りました。範囲は、上抜けや下抜けが時間的に近くに集まることを考えていない計算です。全ての足でも、4本後に上がった割合は約51%、下がった割合は約49%で、50%ずつではありません。この期間の価格の動きの偏りを含むため、50%ではなく、同じ時刻の足と比べています。
通貨・年ごとのばらつき

通貨と年ごとに、上抜けの12本後に上がった割合から、同じ時刻の全ての足で上がった割合を引いた差を出しました。件が20件以上ある通貨・年の55組のうち、差がプラスだったのは20組で、中央値はマイナス1.1ポイントです。4本後は55組のうち17組がプラスで中央値マイナス1.5ポイント、24本後は29組がプラスで中央値プラス0.4ポイントでした。通貨と年ごとの差は、マイナス5ポイント近くからプラス5ポイント余りまで、ばらつきました。
測っていないこと
この記事で測ったのは、抜けた足の数と、抜けたあとの終値の向きだけです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。上バンドと下バンドで囲まれた帯の中で反転する場合や、ほかの指標との組み合わせ、時間足を変えた場合も測っていません。測った範囲では、終値が上バンドを上回ったあとに、同じ向きへ動く割合は、4本後が同じ時刻の足より低く、12本後・24本後は同じ時刻の足の範囲に入りました。
アドバイス上抜けの4本後に上がった割合は49.7%で、範囲の50.3〜51.7%より低かったよ。12本後と24本後は範囲に入ったね。
Fractal Chaos Bandsと組み合わせる指標|移動平均線・RSI・ATRの役割

3つの指標が足せる情報
Fractal Chaos Bandsは、直近の確定した高値と安値の位置を示す線です。移動平均線は、終値の平均の向きを足せます。RSIは、上げ幅と下げ幅の比で、上げ下げの偏りを足せます。ATRは、値幅の平均で、値幅の大きさを足せます。移動平均線は移動平均線の記事、RSIはRSIの記事にまとめています。
この記事では、これらを組み合わせた結果は測っていません。表は、それぞれの指標の定義から、足せる情報を整理したものです。帯の間隔は、1本の値幅の倍率で見ると、時刻によって2.0〜3.3倍と変わります。
アドバイス移動平均線は平均の向き、RSIは上げ下げの偏り、ATRは値幅の大きさを足せるよ。組み合わせた結果は、まだ測っていないんだ。
Fractal Chaos BandsのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
FractalChaosBands_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、FractalChaosBands_systreをチャートに出します。
MT5の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT5フォルダの中の
FractalChaosBands_systre.ex5を取り出します。 - MT5の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL5」の中の「Indicators」に、ex5ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT5を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、FractalChaosBands_systreをチャートに出します。
ダウンロード
ZIPには、MT4フォルダのex4ファイルと、MT5フォルダのex5ファイルが入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。表示しても、入力画面に設定項目は出ません。線の色と太さは、チャートの表示設定で変えられます。
無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。
アドバイス置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、ナビゲーターで更新してね。
要点
・Fractal Chaos Bandsは、確定したフラクタルの高値と安値を結んだ階段状の線。配布のバージョン2.01に入力項目はなく、期間の設定もない
・線が新しい高さになるのは、フラクタルの中心の足の2本あとの足から。EAで読むときは、バッファ番号0(上)・1(下)のシフト1
・5通貨の1時間足336,913本で、帯の間隔の中央値は30〜43 pips(1本の値幅の約2.5〜2.6倍)。時刻別では、2時(UTC)の2.0倍から18時(UTC)の3.3倍まで変わった
・上抜けは19,361件、下抜けは17,867件。上抜けの4本後に上がった割合は49.7%(範囲50.3〜51.7%)、下抜けの4本後に下がった割合は46.8%(範囲48.0〜49.5%)で、どちらも範囲を下回った。12本後・24本後は範囲に入った
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ
Fractal Chaos Bandsのよくある質問
Fractal Chaos Bandsとは何ですか?
確定したフラクタルの高値と安値を結んだ、階段状の2本の線です。上バンドが高値、下バンドが安値です。
期間などの設定値は変えられますか?
配布のバージョン2.01には、入力項目がありません。色と太さは、表示設定で変えられます。
EAで読むときのシフトは、いくつですか?
シフト1です。今の足の値は、足が終わるまで動くことがあります。
上バンドを上抜けたら、上がりますか?
測った範囲では、4本後に上がった割合が49.7%で、同じ時刻の足より低くなりました。売買の損益は測っていません。
MT4とMT5のどちらでも使えますか?
どちらでも使えます。ZIPに、MT4用とMT5用のファイルが入っています。
Fractal Chaos Bandsのまとめ
Fractal Chaos Bandsは、確定したフラクタルの高値と安値を結んだ階段状の線で、配布のバージョン2.01には入力項目がありません。線が新しい高さになるのは、中心の足の2本あとで、EAでは、シフト1で読みます。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、336,913本)では、帯の間隔の中央値は30〜43 pipsで、1本の値幅の約2.5〜2.6倍、時刻で2.0〜3.3倍に変わりました。
終値が直前の足の上バンドを上回った上抜けの1回を1件と数えると、4本後まで測れた19,072件のうち、上がった割合は49.7%で、同じ時刻の足を無作為に選んだ範囲(50.3〜51.7%)を下回りました。下抜けの4本後に下がった割合も46.8%で、範囲(48.0〜49.5%)を下回り、12本後・24本後は範囲に入りました。売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは測っていないので、使うときは、自分の通貨と時間足のデータで確かめてください。
この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













