
レインボー移動平均とは|期間の違う線を重ねる指標

図は、2024年4月23日〜29日(UTC)のUSD/JPYです。期間5〜50の10本の指数移動平均が、短い線を一番上にして順に並んだ足は、図の96本のうち86%でした。そろった並びが長く続いた時間帯を選んだ1例で、典型的な動きではありません。
レインボー移動平均の作り方
作り方は、期間の違う移動平均線を5本〜10本以上、同じチャートに重ねるだけです。短い線を橙、長い線を濃い青のように、期間の順に色を変えると、虹のような束に見えます。名前の由来はこの見た目です。考案者としてMel Widnerの名前が挙げられ、元の版は移動平均をさらに移動平均にかけて線を増やすと説明されています。ただし、原典は確認できていません。この記事の測定は、期間を5刻みで変えた指数移動平均を重ねる形で行いました。配布しているインジケーターの初期の本数や期間は、この記事では確認していません。
ふつうの移動平均線との違い
ふつうは移動平均線を1〜3本使い、線と価格の位置や、2本の交差を見ます。レインボー移動平均は、線の本数を増やし、全体の並び方と束の広がりを見ます。線が多いぶん、見る項目は増えます。
GMMA(グッピー複合型移動平均)との違い
GMMAも、多くの移動平均線を重ねる指標です。一般には、短い期間のグループと長い期間のグループの2つに分けて、グループ同士の関係を見ると説明されています。レインボー移動平均は、全部の線を1つの束として、並び方と広がりを見ます。この記事で測ったのはレインボー移動平均の形だけで、GMMAとの優劣は測っていません。
アドバイスレインボー移動平均は、期間の違う線を重ねた束だよ。名前は、色を変えた束が虹に見えるところから来ているよ。
レインボー移動平均の見方|そろった並びと束の幅

図は、2022年8月17日〜23日(UTC)のEUR/USDです。10本の線が、短い線を一番下にして順に並んだ足は、図の96本のうち84%でした。こちらも、そろった並びが長く続いた時間帯を選んだ1例です。
そろった並びと、上そろい・下そろい
この記事では、10本の線が、隣り合う線すべてで期間の順に並ぶことを「そろった並び」と呼び、そろった並びの足を「並びきった足」と呼びます。短い線が一番上にそろった足は上そろい、一番下にそろった足は下そろいです。そろっていない足は、線同士が入れ替わったり重なったりしている足です。
線が重なり合うとき

図は、2025年11月20日〜26日(UTC)のUSD/JPYです。図の96本のうち、上そろいは20%、下そろいは17%で、残りの63%は並びがそろっていませんでした。線が1か所に集まって束が細くなり、順番が入れ替わっています。並びのそろわない足が多い時間帯を選んだ1例です。
束の幅の見方
束の幅は、最も短い線と最も長い線の差を、その足のATRで割った値です。ATRは、直近14本の真の値幅の平均で、値動きの大きさの目安です。ATRで割ると、通貨や時期が違っても幅を比べられます。束が広がるのは線の間隔が開く場面、細くなるのは線が集まる場面です。
2本の線の交差との違い

2本の線だけを見るなら、短い線が長い線を下から上へ抜ける交差が目印です。図は、期間5と期間20の指数移動平均が、2026年9月24日に交差したUSD/JPYの例です。レインボー移動平均は、この「短い線が長い線の上にある」関係を、10本の全部の組で見るものです。全部の組でそろった足を数えた結果は、後の節で示します。
アドバイス10本が順に並んだ足を「並びきった足」と呼ぶよ。短い線が上なら上そろい、下なら下そろいだよ。
レインボー移動平均の設定|線の本数と平均の種類

図は、先ほどの2025年11月20日〜26日のUSD/JPYを、期間5〜20の4本で見たものです。図の96本のうち、4本の線が並びきった足は75%(上そろい29%、下そろい46%)でした。同じ時間帯が、10本では37%(上そろい20%、下そろい17%)でした。
本数を増やすと、並びきる足は減る

同じ時間帯を、期間5〜100の20本で見たものです。20本が並びきった足は、図の96本のうち20%(上そろい20%、下そろい0%)でした。線を増やすと、すべての隣り合う線で順に並ぶ条件が厳しくなるため、並びきる足は減ります。

10年分で数えると、並びきった足の割合は、4本が77.2%、6本が66.3%、10本が54.7%、15本が47.0%、20本が42.2%でした。並べ替えた価格でも、77.4%、66.8%、55.4%、47.8%、43.1%で、ほぼ同じです。割合の高さは、価格の性質というより、線を何本重ねたかで決まる部分が大きいといえます。続いた本数の中央値は、どの本数でも10本でした。
平均の種類で、並びきる足は変わる

単純移動平均は、直近の終値を同じ重さで平均します。加重移動平均は、新しい足ほど重くします。指数移動平均は、古い足ほど重みを指数の形で小さくします。10本とも期間5〜50の5刻みで、種類だけを変えると、並びきった足は、指数が54.7%、加重が36.9%、単純が20.8%でした。続いた本数の中央値は、指数10本、加重6本、単純4本です。並べ替えた価格は、55.4%、37.8%、21.0%で、これも本物に近い値でした。種類によって、そろいやすさが大きく違います。どの種類が優れているかは、測っていません。
期間の組み立ては、測っていません
「本数の多さより、期間の組み立てのバランスが大切」という説明を見かけますが、この記事では測れていません。測ったのは、期間を5刻みで等間隔に増やした場合の本数と、平均の種類の違いだけです。短い期間に線を寄せる、長い期間に寄せるといった組み立ての違いと、値動きの関係は、確かめていません。
移動平均線そのものの基本は、移動平均線の使い方の記事にまとめています。
アドバイス線を増やすほど、並びきる足は減るよ。並べ替えた価格でも同じ形になったから、価格の特別な性質とは言えないんだ。
レインボー移動平均と時間足|1時間足・4時間足・日足を比べる

同じ10本の線(期間5〜50の指数移動平均)で、時間足を変えて数えました。並びきった足は、1時間足が54.7%、4時間足が54.2%、日足が54.9%で、ほぼ同じです。4時間足と日足は、1時間足をUTCで区切って作りました。
時間足を変えても、そろう割合は変わらない
そろった状態が続いた回数は、1時間足が7,801回、4時間足が1,955回、日足が369回です。続いた本数の中央値は、1時間足と4時間足が10本、日足が9本でした。日足は369回と少ないので、割合の小さな差は偶然でも生じえます。時間足を長くすると、同じ本数の足でも、カバーする期間が長くなります。
時間足ごとのおすすめ設定は、測っていません
測ったのは、並びきる足の割合と、続く長さだけです。時間足ごとに、どの本数や期間が値動きの見やすさにつながるかは、測っていません。
アドバイス並びきる割合は、1時間足でも日足でも54%台だったよ。日足は回数が少ないから、細かい差は気にしすぎないでね。
レインボー移動平均を10年分のティックで測る|並びきる割合と続く長さ

ここからは、レインボー移動平均が示す並びが、ふつうの値動きより特別かどうかを、数えて確かめます。
測り方
- 期間と通貨: 2016年1月〜2025年12月の10年分で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USDの3通貨です。Dukascopy のbid(売値)のティックから、UTCの1時間足を作りました。
- 線: 終値の指数移動平均で、期間5〜50を5刻みにした10本です。最初の300本は、線が安定していないため数えていません。
- 1件の数え方: 並びきった足の割合は、足1本を1件として数えました。3通貨の合計は185,768本です。
- 続いた本数: そろった並びが、同じ向き(上そろいどうし、または下そろいどうし)で続いた足の数です。続いた回数は、全部で7,801回でした。
- 崩れていた本数: 2つのそろった並びの間にある、そろっていない足の数です。
- 並べ替えた価格: 足ごとの終値の差を、通貨ごとに全期間で1回入れ替えて作った価格です。値動きの大きさの分布は同じで、並び方の順序だけが壊れます。本物と同じ数え方で、同じ数を数えました。
並びきった足の割合

本物の価格で、10本が並びきった足は54.7%で、上そろいが28.7%、下そろいが26.1%でした。並べ替えた価格は55.4%(上そろい28.2%、下そろい27.2%)で、差は0.7ポイントです。そろった並びは、ふつうの値動きの順序と関係なく、同じ割合で現れました。

通貨ごとの合計は、USD/JPYが54.9%、EUR/USDが54.2%、GBP/USDが55.1%で、3通貨とも54〜55%台でした。USD/JPYだけは、上そろいが30.8%、下そろいが24.1%で、上そろいが多い値でした。ここでの比べる相手は、同じ通貨の下そろいです。続いた回数は、USD/JPYが2,554回、EUR/USDが2,615回、GBP/USDが2,632回で、合計は7,801回です。
続いた本数と、崩れていた本数

そろった並びが続いた本数の中央値は、本物も並べ替えた価格も10本でした。24本以上続いたのは、本物が15.4%、並べ替えた価格が15.6%です。1本だけで終わったのは、本物が8.8%、並べ替えた価格が7.7%でした。続いた回数は、本物が7,801回、並べ替えた価格が7,776回です。

崩れていた本数の中央値は、本物が7本、並べ替えた価格が8本でした。5本以内に戻ったのは、本物が40.8%、並べ替えた価格が37.9%です。回数は、本物が7,798回、並べ替えた価格が7,773回です。本物のほうが、少し早く戻る結果でした。差は3ポイント弱で、大きくはありません。
年ごとの割合

年ごとの並びきった足は、最も低い2023年が53.3%、最も高い2020年が56.1%で、どの年も53〜56%の範囲でした。年ごとの足数は、17,692〜18,741本です(3通貨の合計)。年によって大きく変わる形は、見えませんでした。
アドバイス本物は54.7%、並べ替えた価格は55.4%だったよ。そろった並びは、ふつうの値動きでも同じ割合で出てくるんだ。
レインボー移動平均の束の幅と、その後24本の動き

束の幅を、足数が同じになるよう5つに分けて、並びきった足の割合と、その後24本の動きを数えました。24本後がある185,696本を分けたので、足数は各区分で37,139〜37,140本です。
束の幅と、並びきった足の割合
並びきった足の割合は、最も狭い区分が14%、狭いが33%、中が56%、広いが78%、最も広いが92%でした。束が広いほど、10本の線がそろう足が多くなります。束の幅(ATRの0.0〜0.7倍から2.7〜10.6倍)と、並びの有無は、同じ線の間隔を別の見方で表したものなので、重なる情報です。
束の幅ごとの、その後24本の値幅

その後24本の値幅は、次の24本の最高値と最安値の差を、その足のATRで割った値です。区分ごとの中央値は、最も狭いが5.2倍、狭いが5.2倍、中が5.1倍、広いが5.1倍、最も広いが5.3倍で、全体の中央値5.2倍とほぼ同じでした。束が広くても細くても、その後24本の値幅は変わりませんでした。
並びの状態ごとの、24本後の向き

24本後の終値が、今の終値より高かった割合は、上そろいが50.3%、下そろいが50.8%、そろわずが51.6%、全体が51.0%でした。低かった割合は、49.6%、49.1%、48.3%、48.9%です。24本後の終値が今の終値と同じ足は数えていません。上そろいのあとでも、下そろいのあとでも、高かった割合は約50%で、どちらかに偏る形は見えませんでした。24本後の値幅も、上そろいが5.2倍、下そろいが5.0倍、そろわずが5.3倍で、近い値です。数が多い区分の1ポイント前後の差は、偶然でも生じえます。
各区分の足数は、上そろいが53,209本、下そろいが48,376本、そろわずが84,111本で、合計は185,696本です。並びきった足の割合の測定(185,768本)との差の72本は、各通貨の最後の24本です。24本後がまだ存在しないため、この数え方からは外しました。
この測定で言えないこと
- 売買の損益: 並びを見て売買した場合の損益は、測っていません。
- 測った範囲: 1時間足を中心に、3通貨、期間5〜50の10本です。ほかの通貨、ほかの期間の組み立てでは、数字が変わりえます。
- ほかの使い方: 押し目や戻りでの入り方、2本の線の交差での入り方、レンジ相場での使い分け、RSIやボリンジャーバンドなど別の指標との組み合わせ、短い時間足での設定は、測っていません。数字のない推奨設定は、この記事には書いていません。
- 数え方の違い: 線の本数、平均の種類、24本という長さを変えると、結果は変わりえます。
アドバイス上そろいのあとも、下そろいのあとも、24本後に高かった割合は約50%だったよ。並びだけでは、向きは決められないね。
レインボー移動平均のダウンロードと入れ方|MT4とMT5

シストレ.COM会員なら無料でダウンロードできます
ZIPの中に、MT4用の「RainbowMA_systre.ex4」とMT5用の「RainbowMA_systre.ex5」が入っています。使うほうのファイルだけを置いてください。
MT4への入れ方
- ダウンロードしたZIPを解凍し、MT4フォルダの
RainbowMA_systre.ex4を取り出す - MT4で「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Indicators」フォルダにコピーする
- MT4を再起動するか、ナビゲーターで右クリックして「更新」を選ぶ
- ナビゲーターの
RainbowMA_systreを、チャートにドラッグ&ドロップする
MT5への入れ方
手順はMT4と同じです。ZIPの中のMT5フォルダにある RainbowMA_systre.ex5 を、MT5の「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL5」→「Indicators」にコピーします。
注意事項
- このインジケーターは、シストレ.COMの登録口座でご利用いただけます。認証が行われていない口座では、ご使用いただけません。
- 無料配布のサンプルです。商用利用と再配布は禁止とさせていただきます。
- この記事の数字は、期間5〜50の指数移動平均10本で測った値です。配布版の本数や期間の初期値と同じとは限りません。
アドバイスZIPにはMT4用とMT5用の両方が入っているよ。使うほうを、MQL4かMQL5のIndicatorsに置いてね。
要点
・レインボー移動平均は、期間の違う線を重ね、並び方と束の幅を見る指標。10本が期間の順に並んだ足を、この記事では並びきった足と呼ぶ
・3通貨・10年・185,768本で、10本(期間5〜50の指数移動平均)が並びきった足は54.7%。並べ替えた価格は55.4%で、ほぼ同じ
・続いた本数の中央値は、本物も並べ替えた価格も10本。崩れていた本数の中央値は、本物7本、並べ替えた価格8本
・線を4本から20本に増やすと、並びきった足は77.2%から42.2%に減る。平均の種類では、指数54.7%、加重36.9%、単純20.8%
・時間足は、1時間足54.7%、4時間足54.2%、日足54.9%で、ほぼ同じ
・束の幅の5区分で、その後24本の値幅の中央値は5.1〜5.3倍。24本後に終値が高かった割合は、上そろい50.3%、下そろい50.8%、そろわず51.6%
・測っていないのは、売買の損益、3通貨以外、期間の組み立て、ほかの指標との組み合わせ
レインボー移動平均のよくある質問
レインボー移動平均とは何ですか?
期間の違う移動平均線を何本も重ねた指標です。短い線から長い線までの並び方と、束の広がりを見ます。
線は何本重ねるのがよいですか?
最適な本数は、測っていません。本数を増やすと並びきる足は減り、4本は77.2%、20本は42.2%でした。
線がそろったら、その向きに動き続けますか?
そろった向きに偏る形は、見えませんでした。24本後に終値が高かった割合は、上そろいが50.3%、下そろいが50.8%でした。
どの時間足で使うのがよいですか?
向き不向きは、測っていません。並びきる足の割合は、1時間足・4時間足・日足とも54%台でした。
移動平均の種類は、何を選べばよいですか?
種類で、そろいやすさが大きく変わります。指数が54.7%、加重が36.9%、単純が20.8%でした。どれが優れているかは、測っていません。
MT4とMT5のどちらで使えますか?
どちらでも使えます。ZIPにMT4用のex4とMT5用のex5が入っています。置く場所は、MQL4またはMQL5のIndicatorsです。
GMMAとは何が違いますか?
線をグループに分けるかどうかが違います。GMMAは短期と長期の2グループで見るとされ、レインボー移動平均は全部を1つの束で見ます。優劣は測っていません。
レインボー移動平均のまとめ
レインボー移動平均は、期間の違う線を重ねて、並び方と束の広がりを見る指標です。Dukascopy のティックから作った1時間足の10年分で、3通貨の185,768本を数えると、10本が並びきった足は54.7%で、並べ替えた価格の55.4%とほぼ同じでした。並びの状態を分けて、24本後に終値が高かった割合を見ても、50.3〜51.6%の範囲で、どちらかに偏る形は見えませんでした。そろいやすさは、線の本数と平均の種類で大きく変わります。測っていないのは、売買の損益、3通貨以外、期間の組み立て、ほかの指標との組み合わせです。
移動平均線の基本は移動平均線の使い方の記事、ほかの指標は、テクニカル分析の基本、ボリンジャーバンドの使い方、RSIの使い方、MACDの使い方、EA始め方ガイドにあります。
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