
はらみ足とは|2本目の実体が1本目の実体の内側に収まる形

はらみ足の形
実体は、始値と終値の間の部分です。はらみ足は2本のローソク足でできていて、前の足を1本目、あとの足を2本目と呼びます。2本目の実体が、1本目の実体の内側に収まっていれば、はらみ足です。ヒゲは、実体の外に出てもかまいません。松井証券の用語集は、はらみ足を「前のローソク足の実体部分に次のローソク足がすっぽりと収まっているパターン」と書いています。色の条件は、定義の中にはありません。
同じ用語集は、高値圏で1本目が陽線のはらみ足は下降への転換の可能性、安値圏で1本目が陰線のはらみ足は上昇への転換の可能性がある、と説明しています。この記事では、その読み方が当たるかどうかを、数えて確かめます。
実例|4時間足

図は、2本目の前10本と後10本に、2本目を加えた21本です。上段は、USD/JPYの2016年10月12日16時(UTC)に始まる足が2本目で、上昇のあとの例です。1本目は陽線(103.755→104.478)、2本目は陰線(104.478→104.253)で、実体が1本目の内側に収まっています。2本目の始値は、1本目の終値と同じ値です。5本後の終値は103.622で、2本目の終値より低く、流れと逆向きに動きました。下段は、GBP/USDの2018年2月27日16時(UTC)に始まる足が2本目で、下落のあとの例です。1本目は陰線(1.39493→1.38808)、2本目は陽線(1.38811→1.39143)です。5本後の終値は1.37803で、2本目の終値より低く、下落が続きました。定義に当てはまる例を選んだもので、あとの動きの代表ではありません。
アドバイスはらみ足は、2本目の実体が1本目の実体の内側に収まる形だよ。ヒゲは数えないんだ。
はらみ足とインサイドバー・包み足の違い|比べる範囲で見分ける

インサイドバーとの違い
インサイドバーは、2本目の高値が1本目の高値以下で、安値が1本目の安値以上の形です。比べるのは、ヒゲを含む高値と安値の範囲です。はらみ足は、ヒゲを除いた実体どうしを比べます。はらみ足の2本目はヒゲが外に出ていてもよく、インサイドバーの2本目は、実体が1本目の実体より大きくてもかまいません。解説によっては、はらみ足を高値・安値の範囲で見ているものもあります。この記事では、実体どうしで数えたものを「はらみ足」、高値・安値で数えたものを「インサイドバー」と呼び、重なる場合も別に測ります。
包み足との違い
包み足は、はらみ足と反対の関係です。包み足は2本目の実体が1本目の実体を包み、はらみ足は1本目の実体が2本目の実体を包んでいます。包み足の数え方と実測は、包み足の記事にあります。
アドバイス実体どうしを見るのがはらみ足、高値と安値を見るのがインサイドバーだよ。
はらみ足を5通貨11年のティックで測る|出た回数

測り方
- 期間と通貨: 2016年1月〜2026年10月で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの5通貨です。Dukascopy のbid(売値)のティックから1時間足を作り、日足と4時間足は、その1時間足を束ねて作りました。
- 足の区切り: 4時間足はUTCで、0・4・8・12・16・20時に始まります。日足はニューヨーク17時区切りです。土日をまたぐ足も数えています。
- はらみ足: 2本目の実体の上端が1本目の実体の上端以下、下端が1本目の下端以上で、2本目の実体が1本目より小さく、1本目の実体が0でないものです。色は問いません。2本目の足1本を、1件と数えています。各通貨の最初の6本と、最後の5本は、前後の足が足りないため数えていません。
- 直前の流れ: 1本目の終値が、その5本前の終値より高ければ「上昇のあと」、低ければ「下落のあと」です。
- 流れと逆に動いた割合: 2本目の終値と、5本後の終値を比べ、上昇のあとは低く、下落のあとは高くなったものを数えました。同じ値は除いています。
- 値幅が小さくなった割合: 2本目の後の5本の高値と安値の差が、1本目を含む直前5本の高値と安値の差より小さいものを数えました。
- 無作為の足: 同じ流れで、はらみ足でない足から、はらみ足と同じ件数を選びました。1本目の実体の大きさ(直前14本の平均の値幅に対する比を、3つに等分した区分)ごとに同じ件数を選び、同じ足を重ねて選べる形で1,000回くり返して、割合の平均と5〜95%の範囲を出しています。平均の値幅が取れない各通貨の最初の14本ほどは、割合の計算から外れます。
出た回数
5通貨の合計で、はらみ足は日足が2,242件、4時間足が14,108件でした。判定できた足は、日足が13,985本、4時間足が83,188本で、割合は16.0%と17.0%です。通貨ごとの日足は、425〜484件(15.2〜17.3%)、4時間足は2,754〜2,863件(16.5〜17.2%)でした。年ごとの日足は、2026年(10月まで)の164件を除くと、185〜218件でした。
2本の色の内訳
色は条件に入れていませんが、数えると偏りがありました。4時間足は、陽線のあとの陰線が48.1%(6,789件)、陰線のあとの陽線が49.4%(6,975件)で、ほぼ同じです。日足は、陽線のあとの陰線が59.9%(1,343件)、陰線のあとの陽線が32.3%(724件)で、陽線のあとの陰線が多くなりました。残りは、同じ色の2本で、日足が175件、4時間足が344件です。
日足だけの偏りを、2本目の始値と1本目の終値の関係で調べました。日足は、始値が前の足の終値より低い足が、5通貨で54.2〜63.2%、高い足が20.4〜22.8%と偏っていて、4時間足は低い足が32.5〜35.0%、高い足が35.3〜36.2%で、ほぼ同じ割合です。日足の偏りは、陽線のあとの陰線が多い向きと同じでした。そのため、日足の上昇のあと・下落のあとの件数(1,294件と948件)の差は、足の区切りの影響を含むと考えられます。
アドバイスはらみ足は、判定できた足の16〜17%だったよ。日足で11年に2,242件、4時間足なら14,108件なんだ。
はらみ足のあとは逆向きに動くのか|無作為の足との比較

全体は無作為の足と変わらない
上昇のあと・下落のあとを合わせた、5本後に流れと逆向きに動いていた割合は、日足が51.1%(2,232件中1,140件)、4時間足が50.1%(14,082件中7,058件)でした。同じ流れの無作為の足の平均は、日足が52.6%(範囲50.9〜54.3%)、4時間足が50.0%(範囲49.3〜50.7%)で、どちらも実測は範囲の中です。はらみ足のあとに、無作為の足より多く逆向きに動く、とは言えない結果です。
上昇のあと・下落のあと
日足は、上昇のあとが48.8%(1,291件)、下落のあとが54.2%(941件)でした。無作為の足の平均は、50.4%(範囲48.1〜52.7%)と54.9%(範囲52.1〜57.8%)です。4時間足は、上昇のあとが48.8%(7,090件)、下落のあとが51.5%(6,992件)で、無作為の平均は48.5%(範囲47.5〜49.5%)と51.6%(範囲50.5〜52.6%)でした。4つとも範囲の中です。上昇のあとと下落のあとで割合が違うのは、無作為の足でも同じで、はらみ足に限った差ではありません。
年ごと・通貨ごと
11年に分けると、範囲より高い年は日足が2年(2018年・2019年)、4時間足が1年(2024年)、低い年は日足が3年(2020年・2023年・2025年)、4時間足が1年(2020年)で、残りは範囲の中でした。通貨ごとでは、範囲より高い通貨は日足で0、4時間足で1通貨(GBP/USD)、低い通貨は日足で1通貨(AUD/JPY)、4時間足で1通貨(EUR/USD)です。年や通貨に分けると件数が減って範囲が広くなり、偶然による差も含みます。
数え方の注意
近い時刻に出たはらみ足どうしは、5本後までの期間が重なることがあります。件数がそのまま独立な回数にはなりません。割合は件数で割った値で、1件あたりの値幅は含みません。
アドバイス5本後に逆向きだったのは、日足で51.1%、4時間足で50.1%。無作為の足と、ほぼ同じだったんだ。
はらみ足のあとは値幅が小さくなるのか|無作為の足との比較

無作為の範囲より高かった
2本目の後の5本の値幅が、1本目を含む直前5本の値幅より小さかった割合は、日足が57.2%(2,235件中1,279件)、4時間足が55.4%(14,089件中7,803件)でした。同じ流れで1本目の実体の大きさをそろえた無作為の足の平均は、52.8%(範囲50.9〜54.6%)と53.1%(範囲52.4〜53.8%)で、実測はどちらも範囲より高くなっています。上昇のあと・下落のあと別でも、4つとも範囲より高い結果でした(日足は57.0%と57.5%、4時間足は54.2%と56.6%)。
1本目の実体の大きさをそろえないで選ぶと、無作為の平均は日足が50.1%、4時間足が50.6%で、そろえた場合(52.8%と53.1%)より低くなります。このため、この記事の比べは、大きさをそろえた無作為の足を使っています。
差の大きさ
実測と無作為の平均の差は、日足が4.4ポイント、4時間足が2.3ポイントです。後の5本の値幅を、1本目までの平均の値幅(直前14本)で割った値の中央値は、はらみ足が日足2.07・4時間足2.16、同じ大きさの無作為の足が2.14と2.19でした。値幅が小さくなる割合は高い一方で、値幅そのものの差は小さい結果です。
年ごとの割合

年ごとに見ると、無作為の範囲より高い年は、日足が11年のうち5年(2019年〜2021年・2023年・2024年)、4時間足が8年でした。範囲より低い年は、どちらも0です。範囲に入った年も、50%を下回った年はなく、日足は52.2〜63.6%、4時間足は52.0〜58.4%でした。通貨ごとでは、範囲より高い通貨が日足で3通貨、4時間足で3通貨、低い通貨はどちらも0です。
アドバイス後の5本の値幅が小さくなったのは、日足で57.2%、4時間足で55.4%。無作為の足の範囲より高かったよ。でも、差は小さいんだ。
はらみ足の条件を分けて測る|実体の大きさとインサイドバーとの重なり

2本目の実体の大きさ別
2本目の実体が1本目の実体の何分の1かで、1/3未満・1/3以上2/3未満・2/3以上の3つに分けました。値幅が小さくなった割合は、日足が59.6%(1,062件)・54.1%(740件)・56.8%(433件)、4時間足が56.6%(6,548件)・55.5%(4,576件)・52.5%(2,965件)でした。日足は1/3未満(範囲50.8〜55.8%)と2/3以上(範囲47.8〜55.7%)が範囲より高く、真ん中は範囲の中です。4時間足は、1/3未満と1/3以上2/3未満が範囲より高く、2/3以上は範囲の中でした。4時間足は大きくなるほど低い並びですが、日足は並びがそろいません。
インサイドバーとの重なり別

はらみ足のうち、インサイドバーにも当てはまるものは、日足が748件(33.4%)、4時間足が5,381件(38.1%)でした。値幅が小さくなった割合は、両方に当てはまる場合が日足61.1%・4時間足58.7%、はらみ足のみが55.3%と53.4%、インサイドバーのみが58.0%と55.3%です。比べる足は、同じ流れで、はらみ足でもインサイドバーでもない足で、6つとも範囲より高くなりました。
逆に動いた割合は、この3つに分けても、6つとも範囲の中でした(日足は51.1%・51.1%・50.9%、4時間足は51.7%・49.2%・49.9%)。値幅が小さくなる割合は、インサイドバー(高値と安値の範囲)で見たほうが高い、という結果です。
アドバイス両方に当てはまるときは、日足で61.1%まで上がったよ。でも、逆に動く割合は変わらなかったんだ。
はらみ足の使い方|確認する点・ダマシ・測っていないこと

確認する3つの点
はらみ足を見るときは、直前の流れ、2本目の実体の大きさ、インサイドバーとの重なりの3つを確認する方法があります。この記事では、それぞれを数えました。直前の流れは、上昇のあと・下落のあとで逆に動く割合が違いましたが、無作為の足でも同じ違いがありました。実体の大きさは、日足と4時間足で並びがそろいませんでした。インサイドバーとの重なりは、両方に当てはまる場合に、値幅が小さくなった割合が高くなりました(日足61.1%、4時間足58.7%)。
ダマシは、半分ほどある
はらみ足のあとに、5本後の終値が流れと逆向きに動かなかった足を、ここではダマシと呼びます。日足は、2,232件のうち1,092件(48.9%)、4時間足は14,082件のうち7,024件(49.9%)でした。逆に動く割合が約50%ということは、同じくらいの数の足が、動かなかったということです。
売買の損益は、測っていません
はらみ足で売買した場合の損益、損切りの置き場所、利確の目標、リスクリワードの数字は、この記事では測っていません。数字のない推奨は、書いていません。
この測定で言えないこと
- 測った範囲: 5通貨、2016年1月〜2026年10月、日足と4時間足、直前5本の流れ、実体どうしの形です。ほかの通貨、ゴールド、株価、1時間足などでは、数字が変わりえます。
- 測っていないこと: 時間帯や曜日による違い、サポートラインや移動平均線、RSIなどとの組み合わせ、出来高、売買の損益です。
- 数え方の違い: 直前の流れの長さ、5本後という見方、値幅の比べ方を変えると、結果は変わりえます。
アドバイスはらみ足のあとに逆向きに動かなかった足も、日足で48.9%、4時間足で49.9%あったよ。形だけで決めつけないでね。
要点
・はらみ足は、2本目の実体が1本目の実体の内側に収まる形。高値と安値で見るインサイドバーとは、比べる範囲が違う
・5通貨・2016年1月〜2026年10月で、はらみ足は日足が2,242件、4時間足が14,108件(判定できた足の16.0%と17.0%)
・5本後に流れと逆に動いたのは、日足が51.1%(2,232件中)、4時間足が50.1%(14,082件中)。無作為の足の平均は52.6%と50.0%で、範囲の中
・値幅が小さくなったのは、日足が57.2%(2,235件中)、4時間足が55.4%(14,089件中)。無作為の平均は52.8%と53.1%で、範囲より高い。差は4.4ポイントと2.3ポイント
・インサイドバーにも当てはまる場合は、値幅が小さくなった割合が日足61.1%(748件)、4時間足58.7%(5,381件)に上がった
・実体の大きさ別では、日足と4時間足で並びがそろわなかった
・測っていないのは、売買の損益、時間帯、ほかの通貨・時間足、ほかの指標との組み合わせ
はらみ足のよくある質問
はらみ足とは何ですか?
2本のローソク足でできる形です。2本目の実体が、1本目の実体の内側に収まります。ヒゲは問いません。
はらみ足とインサイドバーは同じですか?
比べる範囲が違います。はらみ足は実体どうし、インサイドバーは高値と安値です。5通貨の4時間足で、はらみ足のうちインサイドバーにも当てはまったのは38.1%でした。
はらみ足が出たら、流れは変わりますか?
変わるとは言えません。4時間足の14,082件で、5本後に逆向きだったのは50.1%で、無作為の足の平均50.0%と同じくらいでした。
はらみ足のあと、値動きは小さくなりますか?
小さくなる割合は、少し高めでした。4時間足は55.4%で、無作為の平均53.1%より高く、差は2.3ポイントです。
はらみ足と包み足の違いは何ですか?
どちらの実体が大きいかが違います。はらみ足は2本目が1本目の内側に収まり、包み足は2本目が1本目を包みます。
はらみ足は、何時間足で見るとよいですか?
向き不向きは、測っていません。出た回数は、日足が11年で2,242件、4時間足が14,108件と大きく違い、件数が少ない日足は結果の範囲が広くなります。
はらみ足のまとめ
はらみ足は、2本目の実体が1本目の実体の内側に収まる形です。Dukascopy のティックから作った足の2016年1月〜2026年10月で、5通貨を数えると、日足で2,242件、4時間足で14,108件でした。5本後に流れと逆向きに動いていた割合は、日足が51.1%、4時間足が50.1%で、同じ流れの無作為の足の平均(52.6%と50.0%)と、範囲の中で変わりませんでした。後の5本の値幅が小さくなった割合は、日足が57.2%、4時間足が55.4%で、無作為の範囲より高くなりましたが、差は4.4ポイントと2.3ポイントです。測っていないのは、売買の損益、時間帯、ほかの通貨・時間足、ほかの指標との組み合わせです。
はらみ足の条件は、数値で書けます。同じ条件を自動で回して確かめたい場合は、EA(自動売買)の記事と、EAの選び方の記事があります。
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