
マスインデックスの計算|高値と安値の差から作る

計算の手順
マスインデックスは、Donald Dorsey が考案した指標で、高値と安値の差だけで作ります。手順は図の5つです。値幅を9本のEMAでならして単純EMAを出し、その単純EMAをもう一度9本のEMAでならして二重EMAを出します。単純EMAを二重EMAで割った比を、直近25本ぶん足したものが、マスインデックスです。EMA(指数平滑移動平均)は、古い足ほど重みが指数的に小さくなる平均で、詳しくはEMAの記事にまとめています。
指数の値の目安
値幅がずっと同じなら、単純EMAと二重EMAは等しくなり、比は1、25本足した指数は25です。値幅が最近広がると、単純EMAのほうが二重EMAより先に動いて、比が1を超え、指数は25より大きくなります。測った足では、指数の中央値は1時間足・4時間足・日足のどれも24.9でした。
アドバイスマスインデックスは、高値と安値の差だけで作る指標だよ。測った足の中央値は、どの時間足も24.9だったね。
マスインデックスの日足の実例|リバーサルバルジの見方

バルジの条件
リバーサルバルジ(反転の膨らみ)は、マスインデックスが27を超えたあとに、26.5を下回ることです。この記事では、27を超えた状態から26.5を下回った足を、バルジ1回と数えます。26.5の代わりに26を使う解説もありますが、この記事は27と26.5で数えました。
マスインデックスは向きを出さないので、StockCharts の解説では、9日のEMAの向きを組み合わせます。9日EMAが上向きのときにバルジが出たら下落へ、下向きのときなら上昇へ転じると読みます。この読み方で測った結果は、後の節に載せています。
USD/JPYの日足の例
図のUSD/JPYでは、2024年7月31日に指数が27.3となって27を超え、2024年8月27日に26.4となって26.5を下回りました。この間の最大は29.0です。8月27日を含む12日間の値幅は5.95円、翌日からの12日間は6.50円でした。この1回だけでは、バルジのあとに値幅が広がるかどうかは言えないので、次の節から5通貨で数えています。
アドバイス27を超えて26.5を下回るまでが、バルジ1回だよ。図の例は、2024年7月31日から8月27日までだね。
マスインデックスのMT4・MT5での表示|画面の見方と入れ方

表示した画面
画面は、USD/JPYの1時間足の下に、MT4でマスインデックスを表示した例です。左上のラベルは「Mass Index(9,9,25)」で、9本のEMAを2回かけて、25本を足す設定を表します。27と26.5の位置に、青い横線が引かれています。
MT4とMT5の入れ方

MT4は、ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の MassIndex_systre.ex4 を取り出します。MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」にex4ファイルを置きます。
MT5も同じ手順で、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。MT5フォルダの中の MassIndex_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。どちらも、置いたあとにナビゲーターで更新するか、再起動してから、「挿入」「インディケータ」「カスタム」で表示します。
ダウンロードと初期設定
ZIPには、MT4用のex4とMT5用のex5が、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。初期値は、EMAの期間が9、足す本数が25で、27と26.5に線が出ます。この記事のバルジも、同じ設定で数えました。このファイルは、シストレ.COMに登録した口座でだけ動きます。
無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。
アドバイス置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。
マスインデックスのバルジが出た回数|5通貨で数えた結果

回数と比べ方
USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYを、2016年1月から2026年10月まで測りました。各通貨の最初の100本は、計算の助走として除いています。足の数は、1時間足が336,413本、4時間足が86,587本、日足が13,576本です。4時間足はUTCの0・4・8・12・16・20時区切り、日足はニューヨーク17時区切り(夏時間あり)です。
バルジは、1時間足が1,097回、4時間足が290回、日足が48回でした。1,000本あたりにすると、3.3回・3.3回・3.5回です。比べる相手には、各通貨で足の形を保ったまま順番だけを入れ替えた価格を作り、同じ数え方でバルジを数えました。くり返しは、1時間足が100回、4時間足と日足が200回で、5〜95%の範囲は、1時間足が2.96〜3.20回、4時間足が2.43〜2.90回、日足が0.59〜1.33回です。実際の回数は、3つとも範囲を上回りました。順番の入れ替えで変わるのは足の並び順だけですが、実際の回数が多い理由までは測っていません。
通貨ごとの回数

回数は通貨で違い、1時間足では、USD/JPYが308回、GBP/USDが163回でした。5通貨の合計は、1時間足が1,097回(308+199+163+224+203)、4時間足が290回、日足が48回です。日足は通貨ごとに5〜14回と少ないので、値幅と向きの測定は、1時間足と4時間足で行いました。
日足は、区切りを変えると回数も変わります。区切りをUTCの21時にすると49回、22時にすると61回、0時にすると62回で、ニューヨーク17時区切りの48回と差があります。足の数も、13,576本から15,045〜16,823本に増えます。日足の回数は、区切りの決め方で大きく変わるので、目安として見てください。
アドバイスバルジは、1時間足で1,097回、4時間足で290回、日足で48回出たよ。どの時間足も、順番を入れ替えた範囲より多かったね。
マスインデックスのバルジのあとの値幅|広がったかを測った結果

値幅の測り方と結果
バルジの足から先のN本の値幅(N本の最高値と最安値の差)が、手前のN本(バルジの足を含む)の値幅より大きかった割合を、Nが3・6・12のときに数えました。比べる相手は、全ての足から同じ件数を選び直した4,000回の5〜95%の範囲(ランダムの範囲)です。1時間足の範囲は、3本先が46.0〜51.0%、6本先が47.6〜52.4%、12本先が46.3〜51.1%で、どれも50%を含みます。
1時間足(1,097回)の割合は、3本先が48.6%、6本先が45.8%、12本先が36.0%でした。3本先は範囲に入り、6本先と12本先は範囲を下回りました。4時間足(290回)は、3本先が48.3%、6本先が49.3%、12本先が31.7%で、12本先だけが範囲(43.4〜53.4%)を下回りました。12本先では、広がらなかった足が、1時間足で64.0%、4時間足で68.3%です。
順番を入れ替えた価格との違い
順番を入れ替えた価格(1時間足100回、4時間足200回)でも、12本先で広がった割合は、1時間足が22.1〜26.1%、4時間足が19.5〜28.2%と、50%を大きく下回りました。順番を入れ替えただけで狭くなる傾向が出るので、実際の12本先の狭まりの少なくとも一部は、指数の作り方から出ています。
実際の割合と入れ替えた範囲の関係は、3本先と6本先では実際のほうが低く(4時間足の6本先は範囲に入る)、12本先では実際のほうが高くなりました。向きがそろっていないので、狭まりの理由までは測っていません。
週末の空きを除いたとき
1時間足で、バルジの前後N本の中に、足が2.5本ぶん以上抜けた所(週末など)がある窓を除いても、傾向は同じでした。広がった割合は、3本先が48.2%(1,048回)、6本先が47.2%(1,000回)、12本先が37.8%(918回)です。4時間足は、12本先の窓が4日分にあたり、290回のうち231回が週末をまたぐため、除いた数字は出していません。
アドバイスバルジのあと12本先で、値幅が広がらなかった足は、1時間足で64.0%、4時間足で68.3%だったよ。順番を入れ替えても、狭くなる傾向は出たね。
マスインデックスのバルジのあとの向き|変わるかを測った結果

向きの測り方と結果
バルジの足の終値からN本前の終値を引いた値を手前の動き、N本後の終値からバルジの足の終値を引いた値を先の動きとし、2つの符号が逆なら、向きが逆になったと数えました。どちらかが0の場合は除くので、件数は、1時間足が3本1,095回・6本1,094回・12本1,097回、4時間足が3本290回・6本289回・12本290回です。ランダムの範囲は、全ての足から同じ件数を選び直した4,000回の5〜95%です。
1時間足の割合は、3本が47.8%(範囲48.8〜53.7%)、6本が51.5%(範囲48.0〜53.0%で、50%を含む)、12本が49.1%(範囲47.8〜52.8%で、50%を含む)でした。4時間足は、3本が55.9%(範囲45.5〜55.2%)、6本が51.2%(範囲45.3〜54.7%で、50%を含む)、12本が53.1%(範囲45.2〜54.8%で、50%を含む)です。
6つの割合のうち、範囲を外れたのは、1時間足の3本(1.0ポイント下)と4時間足の3本(0.7ポイント上)の2つです。範囲は90%の幅なので、6つを比べれば、偶然でも0.6個ほどは外れる計算です。外れた2つは向きが逆で、バルジのあとに向きが逆になる、またはならない、という一貫した偏りは見られませんでした。
EMAの向きで決めた方向

前の節で書いた読み方のとおり、バルジの足の終値の9本EMAが、1本前より下がっていれば上、上がっていれば下へ進むと予想しました。N本後の終値が、バルジの足の終値より予想の向きにあった割合を数えています。ランダムの範囲は、前の節と同じく、全ての足から同じ件数を選び直した4,000回の5〜95%です。
1時間足は、3本が51.1%、6本が51.9%、12本が51.4%で、範囲(3本48.7〜53.5%、6本48.2〜53.1%、12本47.9〜53.0%)に入りました。4時間足は、3本・6本・12本とも53.1%で、範囲(3本45.5〜55.2%、6本45.2〜55.2%、12本44.8〜54.5%)に入りました。6つの範囲は、どれも50%を含みます。
測っていないこと
この記事で測ったのは、バルジの回数と、バルジのあとの値幅・向きの割合です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、ほかの指標との組み合わせは測っていません。日足は、バルジが48回と少なく、区切りで回数も変わるため、値幅と向きの割合は出していません。通貨ごとの違いも、割合では比べていません。
アドバイスバルジのあとの向きが逆になった割合は、1時間足の6本後で51.5%、12本後で49.1%だったよ。範囲は、どちらも50%を含んでいたね。
マスインデックスと近い指標|ATR・ボリンジャーバンドとの違い

見るものの違い
マスインデックスは値幅の広がりと縮みを、ATRは値幅の平均を、ボリンジャーバンドは終値のばらつきを見ます。表の「向き」は、その指標だけで上下どちらかがわかるかどうかです。マスインデックスとATRは、どちらも値幅だけを使うので、向きはわかりません。ボリンジャーバンドは、終値が帯のどこにあるかで見ます。ボリンジャーバンドはボリンジャーバンドの記事にまとめています。
MT4・MT5の標準指標との違い
MT4・MT5の標準指標には、ATRとボリンジャーバンドはありますが、マスインデックスはありません(MetaQuotes の一覧、2026年10月29日確認)。向きを見る指標としては、移動平均線の記事で書いた移動平均や、EMAがあります。この記事の測定では、バルジのあとの向きは、ランダムの範囲とほとんど変わらなかったため、マスインデックスは値幅を見る道具として使い、向きは別の指標で見ることになります。
アドバイスマスインデックスもATRも、向きはわからないよ。向きは、別の指標で見ることになるね。
要点
・マスインデックスは、高値と安値の差を9本のEMAで2回ならした比を、25本足した指標。27を超えたあと26.5を下回る形を、バルジと数える
・5通貨で、バルジは1時間足1,097回・4時間足290回・日足48回。1,000本あたり3.3回・3.3回・3.5回で、順番を入れ替えた価格の範囲を上回った
・バルジのあと12本先で値幅が広がった割合は、1時間足36.0%(ランダムの範囲46.3〜51.1%)、4時間足31.7%(範囲43.4〜53.4%)で、範囲を下回った。順番を入れ替えた価格でも、同じ向きに狭くなった
・バルジのあとに向きが逆になった割合は、1時間足の6本後51.5%・12本後49.1%など、6つのうち4つが範囲に入った。外れた2つは1.0ポイントと0.7ポイントで、向きは逆
・9本EMAの向きで決めた方向へ進んだ割合は、1時間足が51.1〜51.9%、4時間足が53.1%で、6つとも範囲(50%を含む)に入った
・測っていないのは、売買の損益、勝率、日足の値幅と向き
マスインデックスのよくある質問
マスインデックスとは何ですか?
高値と安値の差の広がりを見る指標です。価格の向きは出ないので、向きは別の指標で見ます。
バルジとは何ですか?
指数が27を超えたあと、26.5を下回る形です。この記事では、1回の形を1回と数え、5通貨の1時間足では1,097回ありました。
バルジが出たあと、向きは変わりますか?
測った範囲では、一貫した偏りは見られませんでした。手前と先の向きが逆になった割合は、1時間足の6本後で51.5%、ランダムの範囲は48.0〜53.0%で、50%を含みます。
MT4とMT5のどちらでも使えますか?
どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。
MT4・MT5に最初から入っていますか?
入っていません。標準指標にATRとボリンジャーバンドはありますが、マスインデックスはないので、ファイルを入れる必要があります。
マスインデックスのまとめ
マスインデックスは、高値と安値の差から作る、値幅の広がりを見る指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の足(2016年1月〜2026年10月)では、27を超えて26.5を下回るバルジが、1時間足で1,097回、4時間足で290回、日足で48回出ました。バルジのあと12本先の値幅は、手前の12本より広がらなかった足が、1時間足で64.0%、4時間足で68.3%でした。順番を入れ替えた価格でも同じ向きに狭くなったので、指数の作り方も関わっています。
バルジのあとの向きは、逆になった割合も、9本EMAの向きで決めた方向へ進んだ割合も、ほとんどがランダムの範囲に入りました。範囲を外れた2つは1ポイント以内で、向きも逆でした。測った範囲では、マスインデックスは値幅を見るのに向いた指標で、向きを決める根拠にはなりませんでした。測っていない売買の損益は、自分のデータで確かめてから使ってください。
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