Stochastic RSIの設定と使い方|MT4・MT5には標準で入っている?5通貨で測った帯の性質

Stochastic RSIの使い方と設定方法を解説するアイキャッチ

Stochastic RSI(ストキャスティクスRSI)は、RSIが直近の高値と安値の間のどこにいるかを0〜100で表す指標です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。70以上か30以下にいたRSIの足は11.5%、80以上か20以下にいたStochastic RSIのKの足は50.7%で、帯に入る回数は1,000本あたり31.3回から95.0回に増えました。帯を出たあとに価格がサインの向きへ進んだ割合は49.2〜50.8%で、ランダムの範囲とほぼ重なりました。MT4・MT5には標準では入っていません。

目次

Stochastic RSIとは|RSIの位置を0〜100で表した指標

USD/JPYの1時間足96本のローソク足の下に、RSIと、Stochastic RSIのKとDを重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年6月16日0時から4日間)に、RSIとStochastic RSIを並べた図。

Stochastic RSIの計算式

Stochastic RSIは、トゥシャール・シャンデとスタンレー・クロールが、1994年の著書『The New Technical Trader』で紹介した指標です。株価のチャート分析サイトStockChartsの解説では、式は次のとおりです。

StochRSI=(今のRSI − 直近N本のRSIの最安値)÷(直近N本のRSIの最高値 − 直近N本のRSIの最安値)

RSIの期間と、RSIの最高値・最安値を見る本数Nは、どちらも14が初期値として使われます。値は0〜1で出る場合と、100倍して0〜100で出る場合があります。この記事は0〜100で書きます。この値を、この記事では「平滑前」と呼びます。0はいまのRSIが直近N本の最安値にあること、100は最高値にあることを表します。

平滑前の値は上下に大きく振れるので、ならした線を使うのが一般的です。この記事では、平滑前を3本の単純平均でならした線をK、Kをさらに3本の単純平均でならした線をDと呼びます。TradingViewのヘルプでも、KとDのならしの初期値は3です。80以上を買われすぎ、20以下を売られすぎの目安に使います。この記事では、80以上か20以下の範囲を「帯」と呼びます。

RSI・ストキャスティクスとの違い

図は、USD/JPYの1時間足96本に、RSIとStochastic RSIを重ねたものです。この4日間で、RSIが70以上へ上がる、または30以下へ下がる動きは3回でした。Kが80以上へ上がる、または20以下へ下がる動きは11回でした。RSIが37〜84の間にあった期間でも、Kは0〜100の端まで何度も届いています。

指標入力にするもの値の範囲
RSI終値の上げ幅と下げ幅0〜100
ストキャスティクス価格の高値・安値・終値0〜100
Stochastic RSIRSIの値0〜100(0〜1で出る場合もある)

ストキャスティクスは、直近の価格の高値と安値の間に、いまの終値がどこにあるかを表します。Stochastic RSIは、その価格の部分を、RSIの値に置き換えたものです。RSIの基本はRSIの記事にまとめています。

アドバイス

Stochastic RSIは、RSIの位置を0〜100で表した線だよ。図の4日間では、RSIが70/30に入る動きは3回、Kが80/20に入る動きは11回だったね。

Stochastic RSIの設定|MT4・MT5・TradingViewでの使い方と期間

RSIの期間と見る本数を変えたときの、80/20にいる足の割合・帯に入る回数・平滑前の値が0か100の割合をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、設定ごとの帯にいる割合と回数。

MT4・MT5・TradingViewで使えるか

プラットフォーム標準で入っているか公式ヘルプの記載
MT4入っていないRSIとStochastic Oscillatorは別の指標として載っている
MT5入っていないオシレーター15種類の中にない
TradingViewあるヘルプにStochastic RSIの解説がある

MT4・MT5の公式ヘルプのオシレーター一覧には、RSIとStochastic Oscillatorはありますが、Stochastic RSIはありません。MT4・MT5で表示するには、カスタムインジケーターのファイルを自分で用意して入れる必要があります。TradingViewでは、指標の一覧から追加できます。

MT4・MT5にカスタムインジケーターを入れる手順

  1. 入手したファイルを取り出します。MT4はex4かmq4、MT5はex5かmq5のファイルです。
  2. 「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、MT4は「MQL4」、MT5は「MQL5」の中の「Indicators」にファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4・MT5を再起動します。
  4. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、置いたファイルをチャートに出します。

入手先は、ソースコードを読めるものを選んでください。表示される線が、上の式と同じかどうかは、期間を設定する画面の項目(RSIの期間・見る本数・Kのならし・Dのならし)で見分けられます。

期間を変えたときの性質

初期値は、RSIの期間14・見る本数14・Kのならし3・Dのならし3です。図では、RSIの期間と見る本数を変えて、Kの性質を測りました。Kのならしは3本の単純平均のまま変えていません。設定は「RSIの期間・見る本数」の順に書いています。

RSIの期間を14に固定して、見る本数を5・9・14・21・30にすると、Kが帯(80以上か20以下)に入る回数は、1,000本あたり151.6回・116.0回・95.0回・78.8回・67.4回と、見る本数を長くするほど減りました。平滑前の値が0ちょうどか100ちょうどになる足の割合も、53.7%・37.2%・28.0%・20.9%・15.7%と減りました。帯にいた足の割合は、48.3%・51.9%・50.7%・47.2%・43.6%で、増減が一定ではありません。

見る本数を14に固定して、RSIの期間を7・14・21にすると、帯に入る回数は102.8回・95.0回・92.1回、帯にいた足の割合は45.8%・50.7%・52.5%でした。RSIの期間を変えても、見る本数を変えたときほどは回数が動きません。どの設定でも、帯にいる足は半分前後です。

アドバイス

MT4・MT5には最初から入っていないんだ。見る本数を長くすると、帯に入る回数は5本の151.6回から30本の67.4回まで減ったよ。

Stochastic RSIの見方|80/20の帯にいる時間と入る回数

RSI 70/30・RSI 80/20・平滑前の80/20・Kの80/20について、帯にいた足の割合と1,000本あたりに帯へ入った回数を並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、帯にいた足の割合と、帯へ入った回数。

帯にいる足の割合と入る回数

帯は、上側が70以上(または80以上)、下側が30以下(または20以下)の範囲です。「帯に入る」は、上側では下から上へ70(または80)に届くこと、下側では上から下へ30(または20)に届くことで、起きた1回を1件と数えました。各通貨の最初の600本は、計算の助走として除いています。

帯にいた足の割合は、RSIの70/30が11.5%、RSIの80/20が1.3%でした。Stochastic RSIは、平滑前の80/20が56.5%、Kの80/20が50.7%です。1,000本あたりに帯へ入った回数は、RSIの70/30が31.3回、RSIの80/20が5.0回、平滑前の80/20が162.2回、Kの80/20が95.0回でした。333,913本での合計は、RSIの70/30が10,442回、Kの80/20が31,729回です。

RSIの40〜60は、買われすぎでも売られすぎでもない中立の範囲です。RSIが40〜60だった188,465本のうち、Kが帯(80以上か20以下)にいた足は85,589本で、45.4%でした。RSIが中立でも、Kは帯にいることが多い指標です。

0と100に張り付く足と、帯に居続ける長さ

平滑前の値が0ちょうどだった足は13.6%、100ちょうどだった足は14.5%で、合わせて28.0%でした。いまのRSIが直近14本の最安値か最高値と同じになった足が、4本に1本以上あります。

帯に入ってから出るまでの、続けて帯にいた足の数も数えました。上側と下側を別々に数え、1回の連続を1件としています。Kは中央値が4本で、5本以上続いた割合が45.6%、10本以上が16.2%、最長は34本でした。RSIの70/30は、中央値が2本で、5本以上続いた割合が24.5%、10本以上が9.0%です。Kは、帯に入ると、RSIより長く帯にとどまります。

時間足を変えたとき

15分足・1時間足・4時間足について、RSIの70/30とKの80/20にいた足の割合と、RSIが40〜60のときにKが帯にいた割合を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の時間足別に、帯にいた足の割合。

15分足と4時間足でも、傾向は同じでした。RSIの70/30にいた足は、15分足が9.2%、4時間足が11.9%です。Kの80/20にいた足は、15分足が49.2%、4時間足が52.6%でした。4時間足は、1時間足を日本時間の9時・13時・17時・21時・1時・5時の区切りでまとめた足で、足の数は84,087本です。15分足の足の数は1,344,482本でした。

アドバイス

Kは、1時間足の50.7%で80/20の帯にいたよ。RSIの70/30は11.5%だったから、帯にいる時間がかなり長いんだね。

Stochastic RSIの使い方|サインのあとに進んだ向きを測った結果

Kが帯を出た・KがDと交差・RSIが帯を出た、それぞれ4本後と12本後に価格がサインの向きへ進んだ割合を、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、サインのあとにサインの向きへ進んだ割合。

80/20の帯を出たあと・KとDが交差したあと

よく使われるサインを3つ測りました。1つ目は、Kが帯を出た足です。Kが80以上から80を下回った足を売り、20以下から20を上回った足を買いとします。2つ目は、KがDと交差した足です。Kが80以上のままDを上から下へ抜けた足を売り、20以下のままDを下から上へ抜けた足を買いとします。3つ目は、RSIが70以上から70を下回った足を売り、30以下から30を上回った足を買いとするサインです。

サインの足の終値から4本後と12本後の終値で、サインの向き(売りは下、買いは上)に進んだ割合を数えました。サイン1回を1件と数え、件数は、Kが帯を出た足が約31,700件、KがDと交差した足が約29,300件、RSIが帯を出た足が約10,400件です。比べる相手には、全ての足から同じ数の足を、同じ売り買いの向きで選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。5通貨を合わせて計算しています。

進んだ割合は、Kが帯を出た足が4本後49.2%・12本後49.6%、KがDと交差した足が4本後49.5%・12本後49.7%、RSIが帯を出た足が4本後49.3%・12本後50.8%でした。6つのうち4つがランダムの範囲の中にあります。Kが帯を出た4本後は範囲(49.4〜50.3%)より0.2ポイント下、RSIが帯を出た12本後は範囲(49.0〜50.6%)より0.2ポイント上でした。最も50%から離れた値でも、差は0.8ポイントです。

この範囲は、足が1本ずつ独立に選ばれると仮定した計算です。4本後・12本後までの動きが重なる足が近くにあると、実際の範囲は広がります。測った範囲では、Kが帯を出たあと、KがDと交差したあとに、サインの向きへ進む割合が、ランダムの範囲から大きく偏るとは言えませんでした。

測っていないこと

この記事で測ったのは、線の性質と、サインのあとの価格の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。ダイバージェンス(価格と指標の向きのずれ)、移動平均線やボリンジャーバンドとの組み合わせ、上位足の方向に合わせた使い方、通貨ペアごとの違いも測っていません。

測った範囲で言えるのは、Kは帯にいる時間が長く、サインの回数が多いことです。回数が多い分、1回ごとの根拠は弱くなります。使う場合は、損切りの位置を先に決め、デモ口座や自分のデータで確かめてからにしてください。似た系統の指標には、Stochastic Momentum Index(SMI)や、Smoothed RSIがあります。

アドバイス

サインのあとに進んだ割合は、49.2〜50.8%だったよ。ランダムの範囲は49.0〜50.6%の前後で、50%に近いね。

要点
・Stochastic RSIは、RSIの直近14本の最高値と最安値の間に、いまのRSIがどこにあるかを0〜100で表す指標(1994年にシャンデとクロールが紹介)
・MT4・MT5には標準で入っておらず、TradingViewにはある
・5通貨の1時間足333,913本で、80/20の帯にいたKの足は50.7%。RSIの70/30は11.5%
・帯に入る回数は、1,000本あたり、RSIの70/30が31.3回、Kの80/20が95.0回。見る本数を長くするほど減る
・Kが帯を出たあと、KがDと交差したあと、RSIが帯を出たあとに、サインの向きへ進んだ割合は49.2〜50.8%で、ランダムの範囲とほぼ重なった
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ

Stochastic RSIのよくある質問

Stochastic RSIとRSIの違いは何ですか?

入力が違います。RSIは終値の上げ幅と下げ幅から作り、Stochastic RSIはそのRSIの値の、直近の高値・安値の間での位置です。

MT4・MT5に最初から入っていますか?

入っていません。公式ヘルプの指標一覧にないため、カスタムインジケーターを入れます。TradingViewには入っています。

おすすめの設定値はありますか?

おすすめは測っていません。初期値は、RSIの期間14・見る本数14・K3・D3です。見る本数を長くすると、帯に入る回数が減ります。

80と20を出たら売買してよいですか?

損益は測っていません。帯を出た足のあとにサインの向きへ進んだ割合は、4本後・12本後とも約50%で、ランダムの範囲と近い値でした。

線が0や100に張り付くのはなぜですか?

RSIが直近の端にあるときです。いまのRSIが直近14本の最安値か最高値と同じだと、平滑前の値は0か100になります。測った足の28.0%がそうでした。

Stochastic RSIのまとめ

Stochastic RSIは、RSIが直近の高値と安値の間のどこにいるかを0〜100で表す指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、80/20の帯にいたKの足は50.7%で、RSIの70/30の11.5%を大きく上回りました。帯に入る回数は、1,000本あたり31.3回から95.0回です。見る本数を長くすると、帯に入る回数は減ります。

Kが帯を出たあと、KがDと交差したあと、RSIが帯を出たあとに、サインの向きへ進んだ割合は49.2〜50.8%で、ランダムの範囲とほぼ重なりました。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。RSIの基本はRSIの記事、ならし方の違いはEMAの記事にまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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