
エルダーレイインデックスとは|高値・安値とEMAの差を2本で見る指標

ブルパワーとベアパワーの計算
エルダーレイインデックス(Elder Ray Index)は、アレキサンダー・エルダー氏が考案した指標です。終値の13期間のEMAを基準にして、足ごとに2つの値を出します。ブルパワーは、足の高値からEMA(13)を引いた値です。ベアパワーは、足の安値からEMA(13)を引いた値です。
図は、USD/JPYの日足で、最後の足(2026年10月19日)の値を示しています。EMA(13)は158.05、高値は158.551なので、ブルパワーは+50 pipsです。安値は157.701なので、ベアパワーは−35 pipsです。ブルパワーが0より上なら高値がEMAより上、ベアパワーが0より下なら安値がEMAより下にあります。
EMA(13)の重み

EMAは、古い足ほど重みが指数的に小さくなる平均です。13期間のEMAでは、最新の終値の重みが14.3%で、1本古くなるごとに約0.857倍(6/7)になります。最新から5本分の重みの合計は53.7%、13本分の合計は86.5%です。直近の数本の終値で、EMAの大半が決まります。
ブルパワーとベアパワーの形

図は、USD/JPYの日足40本(2026年8月6日〜9月30日)です。この40本のうち、ブルパワーが0より上の足は25本、ベアパワーが0より下の足は34本でした。価格が下がった期間は、ベアパワーが深いマイナスになり、最も深い所で−446 pipsです。価格が戻した期間は、ブルパワーが大きくなり、最大で+211 pipsです。
MT4での実際の画面

MT4の画面では、チャートの下のウィンドウに、0を境にした緑と赤のヒストグラムが並びます。ウィンドウ名のあとの2つの数字が、その足のブルパワーとベアパワーで、この画面では−0.2366と−0.6036です。
ほかの指標との違い
RSIは、上げ幅と下げ幅から買いの勢いと売りの勢いを0〜100で表す指標です。MACDは、2本のEMAの差で表す指標です。エルダーレイインデックスは、高値と安値がEMAから離れた距離を、価格の単位のまま出します。そのため、通貨や時間足が変わると、数字の大きさも変わります。
アドバイスエルダーレイは、高値と安値がEMAからどれだけ離れているかを2本で見る指標だよ。図の日は、ブルパワーが+50 pips、ベアパワーが−35 pipsだったね。
エルダーレイインデックスの見方|EMAの向きとパワーの符号

買いの形と売りの形
MetaQuotesのヘルプやIncredible Chartsの説明では、EMAが上向きのときは、ベアパワーが0より下から上へ転じた所が買いの目安です。EMAが下向きのときは、ブルパワーが0より上から下へ転じた所が売りの目安です。価格の安値が下がるのにベアパワーが上がる、または高値が上がるのにブルパワーが下がる逆行(ダイバージェンス)が出ると、条件が強まるとされています。
この記事では、数えられるように、条件を次のとおり決めました。条件がそろった足を、買いの形・売りの形と呼びます。逆行は数えていません。
- 買いの形は、EMA(13)が前の足より上で、ベアパワーが0より下の足です。1本前でベアパワーが下がり、この足で上がっていることも条件です。
- 売りの形は、その逆です。EMA(13)が前の足より下で、ブルパワーが0より上の足です。1本前でブルパワーが上がり、この足で下がっていることも条件です。
EMAの向きとパワーの符号

EMAは、その足の終値と1本前のEMAの間の値になります。EMAが上がった足では、終値が1本前のEMAより上なので、EMAは終値より下です。終値は高値以下なので、ブルパワーは必ず0より上になります。EMAが下がった足では、同じ理由で、ベアパワーが必ず0より下になります。
測っても、そのとおりでした。日足でEMAが上向きの7,287本は、すべてブルパワーが0より上でした。EMAが下向きの6,253本は、すべてベアパワーが0より下でした。4時間足も、上向きの45,367本と下向きの41,220本で同じです。つまり「EMAが上向きで、ブルパワーが0より上」は、EMAが上向きと言い換えただけで、新しい情報ではありません。反対側は、日足でEMAが上向きの足のうちベアパワーが0より下は37.8%、4時間足は37.0%でした。
条件がそろった足の例

図の点線の足(2025年3月21日)が、買いの形です。EMA(13)は前の足の148.84から148.90に上がっています。ベアパワーは、2本前が−25 pips、1本前が−66 pips、この足が−32 pipsで、1本前で下がり、この足で上がりました。ベアパワーは0より下のままです。
三重スクリーンでの位置づけ

三重スクリーンは、エルダー氏の取引の方法で、3つの画面を順に使います。第1画面は、長い足でトレンドの向きを決めます。第2画面は、中くらいの足で、トレンドに逆らった動きを探します。エルダーレイインデックスは、この第2画面で使う道具の1つです。第3画面は、入る注文の置き方を決めます。この記事で測ったのは、第2画面にあたる、買いの形・売りの形だけです。
アドバイス買いの形は、EMAが上向きで、ベアパワーが下がったあとに上がった足だよ。EMAが上向きなら、ブルパワーは必ず0より上になるね。
エルダーレイインデックスのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
ElderRay_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- ナビゲーターのインディケータ一覧から、ElderRay_systreをチャートへドラッグします。
MT5の入れ方
MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の ElderRay_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、一覧からチャートへドラッグします。
ダウンロード
ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。
無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。
アドバイスファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。
エルダーレイインデックスの回数と大きさ|5通貨の足で測った結果

測った足と数え方
Dukascopy のティックから作った足(bid)で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの5通貨、2016年1月〜2026年10月を使いました。日足は、1時間足を米東部時間17時区切りでまとめた足です。4時間足は、日本時間の9時・13時・17時・21時・1時・5時(UTCの0時・4時・8時・12時・16時・20時)区切りでまとめた足です。各通貨の最初の100本は、EMAの助走として除き、日足13,540本、4時間足86,587本を対象にしました。
買いの形・売りの形は、前の節の条件で数え、条件がそろった足1本を1件としました。その足の終値から、5本後・10本後・20本後の終値が、買いは足の終値より上、売りは下にあるかを見ています。5本後などの足が無い最後の足は除くので、件数は何本後かで少し変わります。
形が出る回数
1,000本の足の中の回数は、日足が買い50.7回・売り49.7回、4時間足が買い48.1回・売り44.1回でした。合計は、日足が買い686件・売り673件、4時間足が買い4,164件・売り3,822件です。日足は、1通貨あたり1年に12〜13回ほどしか出ないため、測れる件数が少なくなります。
パワーの大きさ

パワーの大きさは、0からの距離(pips)の中央値で見ました。日足のブルパワーは、EUR/USDの50.9 pipsからEUR/JPYの78.4 pipsまで、ベアパワーは50.8〜68.7 pipsでした。4時間足のブルパワーは19.3〜29.4 pips、ベアパワーは19.9〜27.5 pipsです。通貨によって大きさが違うので、ある通貨で決めたpipsの数字を、ほかの通貨にそのまま当てはめることはできません。
アドバイス形が出る回数は、日足が1,000本あたり約50回、4時間足が約44〜48回だったよ。パワーの大きさは、通貨ごとに違うんだね。
エルダーレイインデックスの使い方|形のあとの値動きを測った結果

買いの形のあとの割合
買いの形の足の終値から、5本後・10本後・20本後に、価格が上がった割合を数えました。比べる相手は、ランダムの範囲です。EMAが上向きの足から、同じ件数の足を選ぶ作業を2,000回繰り返し、その割合の5〜95%の範囲としました。EMAが上向きの足だけの割合は、日足が51.2%・52.7%・52.1%、4時間足が51.6%・52.3%・51.8%です。
日足の買いの形は、5本後が50.9%(ランダムの範囲は47.9〜54.0%)、10本後が55.9%(49.2〜55.7%)、20本後が55.2%(48.7〜54.9%)でした。10本後と20本後は、範囲の上に出ました。4時間足は、5本後が52.5%(50.3〜53.0%)、10本後が53.0%(51.1〜53.5%)、20本後が51.6%(50.5〜53.0%)で、3つとも範囲に入りました。
売りの形のあとの割合

売りの形のあとに、価格が下がった割合は、日足が5本後48.6%(43.4〜49.6%)、10本後46.7%(42.5〜48.8%)、20本後45.2%(41.6〜47.9%)でした。4時間足は、47.7%(46.8〜49.5%)、47.6%(47.0〜49.7%)、46.7%(46.3〜49.0%)です。ランダムの範囲は、EMAが下向きの足から同じ件数の足を選ぶ作業を2,000回繰り返して出しました。6つとも範囲に入り、すべて50%を下回りました。EMAが下向きの足だけで数えた割合も、日足の10本後が45.7%、4時間足の10本後が48.3%で、50%を下回ります。
この範囲は、足を1本ずつ独立に選ぶ前提の計算です。5〜20本後の動きは、近くの足どうしで重なります。重なりがあると、実際のぶれは、この範囲より大きくなります。重なりを除いた結果は、あとの節で示します。
形のあとに動いた幅の平均

進んだ幅は、足の終値から5本後・10本後・20本後の終値までの差で、買いは上がった幅、売りは下がった幅です。売りのマイナスは、価格が上がったことを表します。日足の買いの形は、5本後が−0.7 pips(ランダムの範囲は−7.9〜10.1 pips)、10本後が+20.4 pips(−8.1〜17.2 pips)、20本後が+16.6 pips(−9.4〜25.3 pips)でした。10本後だけが範囲の上に出ました。売りの形は、−1.5 pips(−18.0〜2.0 pips)、−10.7 pips(−26.7〜0.0 pips)、−22.6 pips(−47.7〜−11.9 pips)で、3つとも範囲に入りました。

4時間足の買いの形は、5本後が+1.1 pips(−0.5〜2.6 pips)、10本後が+1.2 pips(−0.6〜3.7 pips)、20本後が+0.8 pips(−1.6〜4.3 pips)で、3つとも範囲に入りました。売りの形は、−1.0 pips(−1.8〜1.4 pips)、−2.7 pips(−3.3〜1.4 pips)、−7.1 pips(−6.9〜−0.4 pips)で、20本後だけが範囲の下に出ました。通貨ごとに値動きの大きさが違うため、5通貨を合わせた平均は、値動きの大きい通貨の影響を受けます。
EMAの向きだけとの比べ方

形の足は、近い足に続けて出ることがあり、10本後までの動きが重なります。そこで、前に残した形の足から10本以上あいた足だけを残して、重なりを除きました。日足の買いの形は、件数が681件から462件に減り、10本後の割合は55.9%から52.8%になりました。EMAが上向きの足だけの割合は52.7%です。日足の売りの形は、46.7%から46.0%で、EMAが下向きの足だけは45.7%でした。
4時間足の買いの形は、4,162件から2,849件に減り、53.0%のままでした。EMAが上向きの足だけは52.3%です。4時間足の売りの形は、47.6%から47.8%で、EMAが下向きの足だけは48.3%でした。間引いたあとの件数では、ランダムの範囲を計算していません。
形の足の割合と、EMAが同じ向きの足だけの割合との差は、日足の買い10本後と20本後が約3ポイントで、ほかの10通りは2.1ポイント以内でした。
通貨ごとの違い

日足の10本後の割合は、買いの形が通貨ごとに121〜144件で50.0%(EUR/USD)〜59.7%(AUD/JPY)、売りの形が118〜142件で37.3%(USD/JPY)〜55.6%(GBP/USD)でした。1通貨で120〜140件だと、割合が50%の場合でも、偶然で上下に7ポイントほどぶれます(90%の範囲、二項分布の正規近似)。通貨ごとに違う理由は測っていません。

4時間足は、買いの形が通貨ごとに770〜911件で51.4%(EUR/USD)〜55.3%(AUD/JPY)、売りの形が731〜816件で44.4%(AUD/JPY)〜51.1%(GBP/USD)です。件数が約800件だと、偶然のぶれは上下に3ポイントほどです。
年ごとの違い

4時間足の買いの形の10本後の割合を、年ごとに並べました。EMAが上向きの足だけの割合より上だった年は11年のうち7年(2017・2018・2019・2020・2024・2025・2026年)、下だった年は4年(2016・2021・2022・2023年)です。最も高いのは2024年の57.3%(EMAだけは55.3%)、最も低いのは2016年の49.0%(51.2%)でした。年ごとの件数は310〜429件で、2026年は10月27日までの348件です。
日足の区切りを変えたとき

日足は、1日の区切りの時刻で、足の形が変わります。ここまでは米東部時間17時区切りで、日本時間では夏冬で6〜7時です。UTCの0時(日本時間の9時)区切りで同じ数え方をすると、買いの形の10本後は54.2%(690件、ランダムの範囲49.4〜55.8%)で、範囲に入りました。米東部17時区切りでは55.9%(681件、49.2〜55.7%)で、範囲の上でした。売りの形は、UTC0時が47.7%(669件、42.6〜49.2%)、米東部17時が46.7%(670件、42.5〜48.8%)で、どちらも範囲に入ります。区切りを変えるだけで、日足の買いの形が範囲の外か中かが入れ替わりました。
測っていないこと
この記事で測ったのは、形のあとの価格の向きと、動いた幅の平均です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。13期間以外のEMA、日足・4時間足以外の時間足、5通貨以外の通貨も測っていません。ダイバージェンス、RSIやMACDなどほかの指標との組み合わせ、三重スクリーンの第1画面と第3画面も測っていません。測った範囲では、日足の買いの形の10本後と20本後が、ランダムの範囲の上に出ました。ただし、重なりを除くか日足の区切りを変えると、EMAが上向きの足だけの割合との差は小さくなりました。ほかの割合は、ランダムの範囲に入りました。
アドバイス日足の買いの形は、10本後で55.9%だったけれど、EMAが上向きの足だけでも52.7%だったよ。間引くと52.8%で、ほぼ同じだね。
要点
・エルダーレイインデックスは、ブルパワー(高値とEMA(13)の差)とベアパワー(安値とEMA(13)の差)の2本で表す指標
・EMAが上向きの足は、ブルパワーが必ず0より上。EMAが下向きの足は、ベアパワーが必ず0より下(日足13,540本・4時間足86,587本で確認)
・買いの形は日足で686件、4時間足で4,164件。10本後に上がった割合は、日足55.9%(ランダムの範囲49.2〜55.7%)、4時間足53.0%(51.1〜53.5%)
・売りの形のあとに下がった割合は、日足・4時間足とも50%を下回り、6つとも範囲に入った
・EMAが上向きの足だけの割合は、日足52.7%・4時間足52.3%。日足の買いの形を間引くと52.8%で、差は小さくなった
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ、13期間以外
エルダーレイインデックスのよくある質問
エルダーレイインデックスとは何ですか?
高値・安値と13期間のEMAの差を、2本で表す指標です。2本のうち、ブルパワーは高値側、ベアパワーは安値側の差です。
ブルパワーとベアパワーの計算式は?
ブルパワーは高値からEMA(13)を引いた値、ベアパワーは安値からEMA(13)を引いた値です。EMAは終値で計算します。
買いの形・売りの形は、どんな条件ですか?
買いはEMAが上向きで、ベアパワーが0より下から上へ転じた足です。売りはEMAが下向きで、ブルパワーが0より上から下へ転じた足です。MetaQuotesのヘルプなどの説明をもとに、数えられる形にしました。
期間は13のままでよいですか?
期間の違いは測っていません。この記事の測定は、すべて13期間のEMAです。
形のあとは、価格が進みますか?
買いの形のあとは5割を少し超え、売りの形のあとは5割を下回りました。EMAが同じ向きの足だけで数えた割合との差は、日足の買い10本後と20本後で約3ポイント、ほかの10通りは2.1ポイント以内です。
MT4とMT5のどちらでも使えますか?
どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。
エルダーレイインデックスのまとめ
エルダーレイインデックスは、高値と安値がEMA(13)からどれだけ離れているかを、ブルパワーとベアパワーで表す指標です。EMAが上向きの足では、ブルパワーが必ず0より上になるため、買いの形の条件で意味を持つのは、ベアパワーが0より下から上へ転じることです。Dukascopy のティックから作った5通貨の日足13,540本・4時間足86,587本(2016年1月〜2026年10月)では、日足の買いの形の10本後が55.9%でランダムの範囲(49.2〜55.7%)の上でした。ただし、EMAが上向きの足だけでは52.7%で、重なりを除くと52.8%でした。
4時間足の買いの形と、売りの形は、ランダムの範囲に入りました。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。EMAの基本はEMAの記事、逆行の見方はダイバージェンスの記事にまとめています。
この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













