FRAMA(フラクタル適応移動平均)の計算式と使い方|EMA・SMAと遅れを測った結果

FRAMA徹底解説|計算方法と実践活用ガイドの画像

FRAMA(Fractal Adaptive Moving Average、フラクタル適応移動平均)は、値動きの複雑さを測って、新しい価格へ寄る速さを足ごとに変える移動平均です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。10期間のFRAMAは、線の遅れが2.2本で、EMAの2.9本・SMAの4.5本より小さく、終値が線を横切る回数は1,000本あたり186回で、EMAと同じでした。一方で、期間を30にすると横切りは169回で、EMAの104回より多くなりました。

目次

FRAMAとは|値動きの複雑さで追従の速さを変える移動平均

USD/JPYの1時間足96本のローソク足に、10期間のFRAMAとEMAとSMAを重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年9月15日0時から4日間)に、FRAMA・EMA・SMAを重ねた図。

FRAMAの考え方

FRAMAは、John Ehlers氏が2005年に発表した移動平均です。名前のFRAは「フラクタル」で、値動きの複雑さ(フラクタル次元)を表します。EMAは、新しい価格への寄り方(係数α)が期間で決まり、ずっと同じです。FRAMAは、このαを足ごとに計算し直します。

4日間のチャートで見る

上の図は、同じ4日間に、10期間のFRAMA・EMA・SMAを重ねたものです。終値がFRAMAを横切った回数は14回、EMAとSMAは10回ずつでした。この4日間だけでは、FRAMAの横切りがEMAより少ないとは言えません。全体の数え方は、後の節で書きます。EMAはEMAの記事、SMAはSMAの記事にまとめています。

アドバイス

FRAMAは、EMAのαを足ごとに変える線だよ。まず、αがどう決まるかを見ていこう。

FRAMAの計算方法|フラクタル次元Dからαまで

フラクタル次元Dが1から2へ大きくなると係数αが1から0.01へ下がる曲線と、実測のDの中央値の点
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。5通貨の1時間足(10期間)で測ったDの中央値と、αの曲線。

計算の手順

期間をNとすると、FRAMAは次の順に計算します。Ehlers氏の原典の式です。

  1. 直近N本を、前半(N/2本)と後半(N/2本)に分けます。それぞれの「最高値−最安値」を本数で割った値が、N1(後半)とN2(前半)です。
  2. N本全体の「最高値−最安値」をNで割った値が、N3です。
  3. フラクタル次元は、D=(ln(N1+N2)−ln(N3))÷ln(2)です。
  4. 係数は、α=exp(−4.6×(D−1))で、上限1・下限0.01で切ります。
  5. FRAMA=α×終値+(1−α)×1本前のFRAMAです。

Dは、値動きが一直線に近いと1に近づき、行ったり来たりが多いと2に近づきます。Dが1ならαは1で、FRAMAは終値と同じ位置に来ます。Dが2ならαは0.01で、ほとんど動きません。上の図の点は、5通貨の1時間足で測ったDの中央値の1.50で、αは0.10です。EMAの10期間のα(0.18)より小さい値です。Dが1未満になった足は0.06%、2を超えた足は0.001%で、ほとんどの足が1〜2の中に入りました。

実際の高値・安値で計算した例

USD/JPYの1時間足の高値と安値から、N1とN2とN3、次元D、係数α、新しいFRAMAを順に求めた計算表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足で、日本時間の2026年9月17日12時の足のFRAMA(10期間)を計算した表。

表の足では、前の5本の高低差が1.577円(1本あたり0.315円)、後の5本が0.413円(1本あたり0.083円)、10本全体が1.577円(1本あたり0.158円)でした。ここからDは1.336、αは0.214になります。1本前のFRAMAが156.090円、終値が156.119円なので、新しいFRAMAは156.096円です。この値は、プログラムで計算した系列の値と一致しています。

アドバイス

Dが大きい(ギザギザ)ほどαが小さくなって、線はゆっくり動くよ。式は5行だけだね。

FRAMAのαを測る|値動きの種類で係数はどれだけ変わるか

USD/JPYの1時間足96本のローソク足とFRAMAの下に、足ごとの係数αの動きとEMAのαを並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年9月29日0時から4日間)のFRAMAと、1本ごとのα。

上の図の4日間で、αは最小0.01、最大0.85、96本の中央値は0.08でした。EMAの10期間のα(0.18)より小さい足は、96本のうち66本です。αは足ごとに大きく動きます。

進み率で分けたαの中央値

進み率で3等分した足ごとの、FRAMA(10期間)のαの中央値と10%から90%の範囲を並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。5通貨の1時間足333,913本で、進み率ごとのαの中央値。

全体で見るために、足を進み率で3等分しました。進み率は、20本前の終値からの変化の大きさを、1本ごとの変化の大きさの20本合計で割った値です。一直線に進めば1、行ったり来たりなら0に近くなります。小さい方から3分の1を「横ばい寄り」、真ん中を「中間」、大きい方を「一方向寄り」と呼びます。区切りは0.14と0.30です。

αの中央値は、横ばい寄りが0.08、中間が0.09、一方向寄りが0.15でした。10%〜90%の範囲は、横ばい寄りが0.02〜0.29、一方向寄りが0.03〜0.50です。一方向寄りの方が約2倍大きいものの、横ばい寄りでも0.01まで下がる足は少なく、中央値は0.08です。EMAの10期間のα(0.18)と比べると、全体の70%の足でFRAMAのαが小さくなりました。αを同じ速さのEMAの期間に直すと、横ばい寄りで約25、一方向寄りで約12です。

つまり、横ばい寄りで線がほぼ止まる、とは言えませんでした。測れたのは、横ばい寄りの方がαが小さく、一方向寄りの方が大きいという傾向です。

アドバイス

αの中央値は、横ばい寄りが0.08で、一方向寄りが0.15だったよ。差は約2倍だね。

FRAMAとEMA・SMA・KAMAの比較|線の遅れと横切り回数

10期間のFRAMAとEMAとSMAとKAMAについて、線の遅れ本数を並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。5通貨の1時間足333,913本で測った、10期間の線の遅れ。

線の遅れ

線の遅れは、線を終値の系列に重ねたとき、最もよく重なるのが何本前の終値か、で測りました(0.5本刻みの補間つき)。10期間の遅れは、FRAMAが2.2本、EMAが2.9本、KAMAが3.4本、SMAが4.5本でした。FRAMAが最も小さく、同じ10期間のEMAより約0.7本、SMAより約2.3本速く追いつきます。KAMAは、効率の期間10・速い側2・遅い側30で計算しています。KAMAの記事もあわせてどうぞ。

終値が線を横切る回数

10期間のFRAMAとEMAとSMAとKAMAについて、終値が線を横切る回数を1000本あたりで並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。5通貨の1時間足333,913本で数えた、1,000本あたりの横切り回数。

横切り回数は、終値が線の上から下、または下から上へ入れ替わった回数です。1,000本あたりでは、FRAMAが186回、EMAが186回、SMAが178回、KAMAが141回でした。FRAMAとEMAは同じ回数です。横切りが少ないのはKAMAで、FRAMAではありませんでした。

2つを合わせると、10期間のFRAMAは、EMAと横切り回数が同じで、遅れが小さい線でした。「ダマシが減る」といった差は、この測定では出ていません。

通貨ペア別の結果

5つの通貨ペアごとに、FRAMAとEMAとSMAの遅れ本数と横切り回数を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。通貨ペア別の10期間の遅れと、1,000本あたりの横切り回数。

5通貨とも、遅れはFRAMAが2.1〜2.4本、EMAが2.9〜3.0本、SMAが4.5本で、順位は変わりませんでした。横切り回数は、FRAMAが181〜191回、EMAが185〜188回、SMAが176〜181回で、通貨ごとの差は小さい範囲です。

アドバイス

10期間だと、FRAMAは遅れが小さくて、横切りはEMAと同じ回数だったよ。KAMAは横切りが少ない代わりに、遅れが大きいね。

FRAMAの期間の決め方|6・10・16・30期間で測った結果

期間を6・10・16・30に変えたときの、FRAMAとEMAとSMAの遅れ本数と横切り回数の動きを結んだ図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月3日〜2026年10月27日。5通貨の1時間足333,913本で、期間を変えたときの遅れと横切り回数。

期間を変えた結果

期間を6・10・16・30に変えて、同じ測り方で並べました。各セルは「遅れ(本)/横切り回数(1,000本あたり)」です。例えば1.8/194は、遅れ1.8本・横切り194回を表します。

スクロールできます
期間FRAMAEMASMA
61.8/1941.6/2432.5/243
102.2/1862.9/1864.5/178
162.5/1805.0/1457.5/134
303.4/1699.8/10414.5/93

FRAMAは、期間を6から30へ5倍にしても、遅れは1.8本から3.4本までしか増えませんでした。EMAは1.6本から9.8本、SMAは2.5本から14.5本です。FRAMAの期間は、EMAやSMAほど遅れに効きません。

横切り回数は逆の結果です。期間を30にしても、FRAMAは169回で、EMAの104回、SMAの93回より多くなりました。期間を長くしても、FRAMAの線は終値と何度も入れ替わります。期間を伸ばして線を滑らかにする使い方には、向いていませんでした。6期間では、FRAMAの194回がEMAの243回より少なく、遅れは1.8本と1.6本で近い値です。

初期値と期間の選び方

原典の例は16期間で、配布ファイルFRAMA_systreの初期値は10です。どの期間がよいかは、この測定からは決められません。遅れと横切り回数の組み合わせを見て、使う時間足で確かめてください。

アドバイス

期間を5倍にしても、FRAMAの遅れは1.8本から3.4本だったよ。横切りは30期間でも169回で、あまり減らなかったね。

FRAMAのダウンロードとMT4・MT5への入れ方

MT4とMT5のそれぞれで、ZIPから取り出すファイルとIndicatorsフォルダの場所を並べた表
出典: シストレ.COMの配布ファイル frama-moving-average.zip(2026年3月6日付)の中身と、MT4・MT5のデータフォルダの構成。

ZIPには、MT4用のex4(MT4フォルダ)とMT5用のex5(MT5フォルダ)が1つずつ入っています。使うソフトの側のファイルだけを取り出します。

MT4の入れ方

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の FRAMA_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  4. ナビゲーターに出たFRAMA_systreを、チャートへドラッグします。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の FRAMA_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、FRAMA_systreをチャートへドラッグします。

入力欄と注意事項

MT4でFRAMA_systreを開いたときの入力欄の画面。PeriodFRAMAとPriceTypeの2つがある
出典: シストレ.COMで配布するFRAMA_systreのMT4の入力画面(画像の登録は2025年5月)。

入力欄は、PeriodFRAMAとPriceTypeの2つで、初期値は10と0です。この記事の「10期間」は、この初期値と同じ数字です。ただし、測定に使った線は、前の節の式から自分で計算したFRAMAで、配布ファイルの表示値そのものではありません。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布は禁止です。本インジケーターは、シストレ.COMの登録口座でご利用いただけます。認証が行われていない口座では使用できません。

アドバイス

ファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。

FRAMA_systreの表示と使うときの注意

MT4のチャートに、配布版のFRAMA_systreを表示した実際の画面
出典: シストレ.COMで配布するFRAMA_systreをMT4のチャートに表示した画面(画像の登録は2025年5月)。

表示のしかた

FRAMA_systreは、価格に重ねて表示する1本の線です。使い方は、ほかの移動平均と同じで、終値との位置関係や、線の傾きを見ます。この記事で測ったのは、線の遅れ・横切り回数・αの3つだけです。

測っていないこと

売買の損益、勝率、損切りや利確の幅は測っていません。FRAMAと、RSI・MACD・ボリンジャーバンドなどを組み合わせた場合も測っていません。RSI、MACD、ボリンジャーバンドは、それぞれの記事にまとめています。

測定は、1時間足の5通貨に限っています。15分足・4時間足・日足は測っていません。また、測定に使ったFRAMAは原典の式で自分で計算した線で、MT5標準のiFrAMAとの一致は確かめていません。

アドバイス

測ったのは、遅れ・横切り・αだけだよ。損益は測っていないから、自分のデータで確かめてから使ってね。

要点
・FRAMAは、値動きの複雑さ(フラクタル次元D)から、係数αを足ごとに決める移動平均
・5通貨の1時間足333,913本で、10期間の遅れは、FRAMA 2.2本・EMA 2.9本・KAMA 3.4本・SMA 4.5本
・10期間の横切り回数は、1,000本あたりFRAMA 186回・EMA 186回・SMA 178回・KAMA 141回
・αの中央値は、横ばい寄り0.08・中間0.09・一方向寄り0.15。EMAの10期間のα(0.18)より小さい足は全体の70%
・期間を6から30へ変えると、FRAMAの遅れは1.8本から3.4本、EMAは1.6本から9.8本。30期間の横切りは、FRAMA 169回・EMA 104回
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの時間足、ほかの指標との組み合わせ

FRAMAのよくある質問

FRAMAとは何ですか?

値動きの複雑さで係数αを変える移動平均です。EMAと同じ形の式で、αだけが足ごとに変わります。

期間はいくつがよいですか?

おすすめは測っていません。配布ファイルの初期値は10です。6から30へ変えると、遅れは1.8本から3.4本までしか動きませんでした。

横ばいのとき、線は止まりますか?

止まるとは言えませんでした。横ばい寄りのαの中央値は0.08で、一方向寄りの0.15の約半分です。

EMAよりダマシが少ないですか?

10期間では同じ回数でした。終値が線を横切る回数は、どちらも1,000本あたり186回です。違いが出たのは遅れの方でした。

MT4とMT5のどちらでも使えますか?

どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。

FRAMAのまとめ

FRAMAは、値動きの複雑さから、EMAのαを足ごとに決める移動平均です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、10期間の遅れが2.2本で、EMAの2.9本より小さく、横切り回数は同じ186回でした。αの中央値は、横ばい寄りが0.08、一方向寄りが0.15で、横ばいで線が止まるほどの差ではありませんでした。

期間を30にしても、横切りはEMAの104回より多い169回でした。期間を伸ばして滑らかにする使い方は、測った範囲では確かめられていません。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。適応型の移動平均は、適応型移動平均の記事にもまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

\シストレ.COMで実績のあるEAが使い放題!/
無料会員登録はこちら
FX自動売買でEAを探すなら
シストレ.COM 記事下バナー
実績あるEAが無料
厳格な審査を乗り越えた実績のあるEAが無料で使えます!
自由な口座選び
有料版を購入し柔軟な口座選びが可能!
フォワードテスト公開
全EAのフォワードテスト結果を公開中!
FX初心者も安心
初心者の方も安心して取引を始められます。
多様なEA選択肢
様々な種別のEAをご用意!自分の手法にあった取引が可能です。
信頼のFX会社と提携
人気のFX会社と提携中!様々なFX会社から選べます。
\1分で登録完了!EA探すならシストレ.COM!/
無料会員登録はこちら
FRAMA徹底解説|計算方法と実践活用ガイドの画像

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

お役立ち情報をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

目次