
OBVとは|ティック数を足し引きして積み上げる指標

OBVの計算
OBVは、終値が前の足より上がった足は、前のOBVにその足の出来高を足し、下がった足は引きます。終値が前の足と同じ足は、足しも引きもしません。MetaQuotesのMT4・MT5のヘルプにも、同じ式が載っています。考案者は、ジョセフ・グランビルです。
上の図は、USD/JPYの4時間足30本(2026年10月5日〜9日、世界標準時の区切り)で、下の線がOBVです。この30本のうち、終値が前の足より上がった足は17本、下がった足は13本でした(最初の足は、図に入らない1本前の足と比べています)。1本あたりのティック数は平均約18,200で、OBVは−60,680から71,314の間を動き、最後は32,650でした。
計算の例として、同じ4時間足の最初の6本を表にしました。最初の足は比べる相手がないので、OBVを0にそろえています。2本目は終値が158.110から157.663に下がったので、ティック数28,905を引いて−28,905です。3本目は157.663から158.209に上がったので、24,764を足して−4,141になります。

FXの出来高はティック数
株式は、取引所が売買された数量を出来高として出しています。FXには取引所がありません。国際決済銀行(BIS)は、FXのスポットとほとんどのFXデリバティブは、ディーラーを仲立ちにした相対取引(OTC)で行われると説明しています(BIS Quarterly Review、2025年12月)。市場全体の出来高がないので、MT4・MT5のヘルプでは、FXの「ボリューム」は、その足の間に価格が動いた回数(ティック数)だとされています。
この記事のOBVも、足の間のティック数を出来高として積み上げています。ティックは、配信元が出す価格の更新なので、会社ごとに数が違います。この記事の数字はDukascopyのティックから作った足のもので、お使いの口座の足とは一致しません。
アドバイスOBVは、上がった足のティック数を足して、下がった足の分を引く指標だよ。FXの出来高は、価格が動いた回数だよ。
OBVの見方|価格の向きとOBVの向き

価格の向きとOBVの向きの一致
OBVは、足の向きにティック数を足し引きして作るので、価格が上がり続ければOBVも上がりやすく、もともと価格と向きがそろいやすい作りです。実際に、5通貨の4時間足87,087本(2016年1月〜2026年10月)で、20本前と比べて、価格が上がったか下がったかと、OBVが上がったか下がったかが同じだった足は、86,953本のうち78.6%でした。日足14,040本では、13,939本のうち76.0%です。どちらかが20本前と同じ値の足は、数えていません。日足は世界標準時(UTC)0時の区切りで、1時間足が12本未満の日は除きました。
比べる相手として、2つのOBVも作りました。1つは、ティック数を全部1にしたOBVで、足の数を足し引きします。4時間足で79.7%、日足で80.5%でした。20本前とOBVが同じ値になる足が増えるので、対象は4時間足71,728本、日足11,559本です。もう1つは、ティック数を足の間でばらばらに並べ替えて作ったOBV(100回の合計)で、4時間足で69.5%、日足で72.4%でした。
ティック数の大きさを入れると、全部1の場合より一致が少し下がり、並べ替えた場合より上がりました。理由は測っていません。
ダイバージェンスの例|価格だけが高値を更新
ダイバージェンスは、価格とOBVの向きがずれることです。この記事では、価格が直前20本の高値を上回ったのに、OBVが直前20本のOBVの最大以下だった足を「更新せず」、OBVも最大を上回った足を「更新あり」と呼びます。安値側は、価格が直前20本の安値を下回った足を、OBVの最小を基準に、同じように分けます。ダイバージェンスの一般的な説明は、ダイバージェンスの記事にあります。MT5のヘルプには、OBVの変化は価格の変化に先行するという前提が書かれています。次の節で、更新せずのあとの価格の向きを測ります。

例は、USD/JPYの4時間足で、2026年5月12日(世界標準時0時)の足です。高値は157.651で、直前20本の高値157.272を上回りました。ところが、20本前の足を0としたOBVは−31,062で、直前20本のOBVの最大19,244に届きませんでした。この足の終値は157.612で、4本後の終値は157.637、12本後は157.969と、価格はそのあとも上がりました。この例は、図が見やすい1件を選んだものです。1件では、あとの向きは分かりません。
アドバイスOBVの向きは、価格の向きとそろいやすい作りだよ。4時間足では、20本前と比べた向きが78.6%同じだったよ。
OBVのダイバージェンスを測った結果|更新せずのあと

4時間足で測った割合
測り方は、価格が直前20本の高値を上回った足は、その足の終値より4本後(または12本後)の終値が下、安値を下回った足は上のときに、「反対へ進んだ」と数えました。足1本を1件とします。5通貨の4時間足87,087本のうち、判定できる86,987本で、新高値の足が10,995本、新安値の足が9,054本、合計20,049本でした。4本後の終値を使えるのは20,036件で、更新せずが9,609件(高値側5,201件・安値側4,408件)、更新ありが10,427件(高値側5,787件・安値側4,640件)です。12本後は20,029件で、更新せずが9,606件、更新ありが10,423件でした。
比べる相手には、全ての足から同じ数の足を、高値側・安値側の同じ内訳で選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。反対へ進んだ割合は、更新せずが4本後50.4%(範囲48.8〜50.5%)、12本後51.0%(範囲48.8〜50.5%)です。更新ありは、4本後50.5%(範囲48.8〜50.4%)、12本後51.3%(範囲48.8〜50.4%)でした。範囲はどれも50%を含みます。
更新せずと更新ありの差は、4本後で0.1ポイント、12本後で0.3ポイントです。12本後は、2つとも範囲の上限を0.5〜0.9ポイント上回りましたが、更新ありの4本後も上限を0.1ポイント上回っており、OBVが更新したかどうかで差があるとは言えません。なお、足の動きが重なる足が近くにあると、実際の範囲はこの計算より広がります。
高値側と安値側に分けると、高値のあとに下がった割合は48.9〜50.2%、安値のあとに上がった割合は52.2〜53.2%で、安値側のほうが高くなりました。全ての足で、4本後に上がった割合は51.6%、下がった割合は48.3%と、上に偏っています。ランダムの範囲は、この偏りを入れて計算しています。5通貨のうち円がつく3通貨は、期間の最初の足の終値から最後の足の終値まで、27〜35%上がりました。
日足で測った割合
日足は、世界標準時0時(日本時間9時)の区切りで、14,040本のうち判定できる13,940本です。新高値の足が1,898本、新安値の足が1,450本、合計3,348本でした。4本後の終値を使えるのは3,344件で、更新せずが1,731件、更新ありが1,613件です。12本後は3,339件で、更新せずが1,729件、更新ありが1,610件でした。
反対へ進んだ割合は、更新せずが4本後51.1%(範囲47.4〜51.3%)、12本後51.5%(範囲47.2〜51.1%)、更新ありが4本後54.1%(範囲47.4〜51.5%)、12本後53.8%(範囲47.2〜51.3%)です。範囲はどれも50%を含みます。更新ありは、2つとも範囲の上限を2ポイント以上上回りました。更新せずは、12本後だけ上限を0.4ポイント上回っています。
日足の区切りを変えた結果

日足は、1日の切れ目を決める時刻で足の形が変わります。切る時刻を世界標準時0時(日本時間9時)から、21時間ずらした世界標準時21時(日本時間6時)に変えて、同じ測りをしました。12本後に反対へ進んだ割合は、更新せずが51.5%から49.2%(−2.3ポイント)、更新ありが53.8%から55.6%(+1.8ポイント)に動きました。20本前と比べた向きの一致は、76.0%から77.4%です。件数は、更新せずが1,729件から1,751件、更新ありが1,610件から1,615件でした。
区切りの時刻を動かすだけで、割合が2ポイント前後動きました。21時区切りの4本後は、更新せずが50.9%(範囲47.5〜51.4%)、更新ありが53.4%(範囲47.4〜51.5%)です。更新せずは、4つの測り方のうち3つが範囲に入り、更新ありは4つとも範囲の上限を上回りました。ただし、件数は約1,600件で、動きが重なる足があるため、範囲は広めに見る必要があります。4時間足では、更新ありの上限との差は0.1〜0.9ポイントでした。理由は測っていません。
測っていないこと
この記事で測ったのは、価格とOBVの向きの一致と、更新せず・更新ありのあとの価格の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。20本以外の期間、1時間足や15分足、OBVの移動平均、ほかの指標との組み合わせも測っていません。OBVが価格に先行するかどうかも、直接は測っていません。測った範囲では、4時間足で、更新せずのあとに反対へ進んだ割合は50.4〜51.0%で、更新ありの50.5〜51.3%とほぼ同じでした。
アドバイス4時間足では、更新せずが50.4〜51.0%、更新ありが50.5〜51.3%で、ほとんど同じだったよ。日足は、区切りを変えると2ポイントほど動いたよ。
OBVのMT4・MT5での入れ方|標準のOBVと配布ファイル

標準で入っているOBV
MT4・MT5には、最初からOBVが入っています。「挿入」から「インディケータ」を選ぶと出てくる一覧の中に、On Balance Volumeがあり、チャートの下の別ウィンドウに表示されます。ファイルを入れる必要はありません。下の画面は、MT4のUSD/JPY1時間足の下に、OBV_systreを表示した例です。

MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
OBV_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選びます。
- 「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、OBV_systreをチャートに出します。
MT5の入れ方
MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の OBV_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。
ダウンロード
ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。
無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。
アドバイスMT4とMT5には、OBVが最初から入っているよ。配布ファイルを使うときは、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsに置いてね。
要点
・OBVは、終値が前の足より上がった足のティック数を足し、下がった足の分を引いて積み上げる指標。FXの出来高は、足の間に価格が動いた回数(ティック数)
・5通貨の4時間足87,087本で、20本前と比べた価格とOBVの向きが同じだった割合は78.6%(86,953本中)。ティック数を並べ替えたOBVは69.5%
・価格だけが20本の高値・安値を更新した足(更新せず)のあと、反対へ進んだ割合は、4時間足の4本後50.4%・12本後51.0%(範囲はどちらも48.8〜50.5%で、50%を含む)
・OBVも更新した足(更新あり)は、4本後50.5%・12本後51.3%(範囲はどちらも48.8〜50.4%で、50%を含む)。更新せずとの差は0.1〜0.3ポイント
・日足は、区切りを世界標準時0時から21時に変えると、12本後の割合が2ポイント前後動いた(更新せず51.5%から49.2%、更新あり53.8%から55.6%)
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ
OBVのよくある質問
OBVとは何ですか?
出来高を足し引きして積み上げる指標です。終値が前の足より上がれば足し、下がれば引きます。
OBVの計算式はどうなっていますか?
上がった足は足し、下がった足は引きます。終値が同じ足は、OBVが変わりません。足し引きする量は、その足の出来高です。
FXのOBVの出来高は何ですか?
ティック数です。FXには取引所がないので、MT4・MT5では、足の間に価格が動いた回数を出来高に使います。
OBVはMT4・MT5に最初から入っていますか?
入っています。「挿入」の「インディケータ」の一覧にあります。配布しているOBV_systreは、ファイルを入れて使う別のインジケーターです。
OBVのダイバージェンスは使えますか?
売買の損益は測っていません。4時間足で、OBVが更新しなかった足のあとに反対へ進んだ割合は、50.4〜51.0%でした。OBVが更新した足と、ほぼ同じです。
「obv」のスラングは何の意味ですか?
英語のobviously(明らかに)の略です。チャットやSNSで使われる略語で、この記事の指標のOBVとは別の意味です。
OBVのまとめ
OBVは、終値が前の足より上がった足のティック数を足し、下がった足の分を引いて積み上げる指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の4時間足87,087本(2016年1月〜2026年10月)では、20本前と比べた価格とOBVの向きが同じだった割合が78.6%でした。ティック数を並べ替えたOBVでは69.5%です。
価格だけが高値・安値を更新した足(更新せず)のあと、反対へ進んだ割合は、4時間足の4本後50.4%・12本後51.0%で、OBVも更新した足(50.5%・51.3%)とほぼ同じでした。日足は、区切りの時刻を変えると2ポイント前後動きました。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。ボリュームの指標は、ボリュームオシレーターの記事とVW-MACDの記事にもまとめています。
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