OBVとは|計算式とFXの出来高・MT4・MT5の入れ方・5通貨の実測

OBV(On Balance Volume)完全ガイド|計算方法からトレード戦略の画像

OBV(On Balance Volume)は、終値が前の足より上がった足の出来高を足し、下がった足の出来高を引いて、積み上げていく指標です。FXには取引所の出来高がないので、MT4・MT5では、足の間に価格が動いた回数(ティック数)を出来高に使います。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの4時間足87,087本・日足14,040本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。価格だけが直前20本の高値・安値を更新した足(更新せず)のあと、反対へ進んだ割合は、4時間足の4本後で50.4%、12本後で51.0%です。OBVも更新した足(更新あり)は50.5%と51.3%で、差は0.1〜0.3ポイントでした。

目次

OBVとは|ティック数を足し引きして積み上げる指標

USD/JPYの4時間足30本のローソク足の下に、ティック数で計算したOBVの線を並べたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの4時間足30本(2026年10月5日〜9日)に、ティック数で計算したOBVを並べた図。

OBVの計算

OBVは、終値が前の足より上がった足は、前のOBVにその足の出来高を足し、下がった足は引きます。終値が前の足と同じ足は、足しも引きもしません。MetaQuotesのMT4・MT5のヘルプにも、同じ式が載っています。考案者は、ジョセフ・グランビルです。

上の図は、USD/JPYの4時間足30本(2026年10月5日〜9日、世界標準時の区切り)で、下の線がOBVです。この30本のうち、終値が前の足より上がった足は17本、下がった足は13本でした(最初の足は、図に入らない1本前の足と比べています)。1本あたりのティック数は平均約18,200で、OBVは−60,680から71,314の間を動き、最後は32,650でした。

計算の例として、同じ4時間足の最初の6本を表にしました。最初の足は比べる相手がないので、OBVを0にそろえています。2本目は終値が158.110から157.663に下がったので、ティック数28,905を引いて−28,905です。3本目は157.663から158.209に上がったので、24,764を足して−4,141になります。

USD/JPYの4時間足6本について、終値・足し引きするティック数・OBVを順に並べたOBVの計算表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの4時間足の最初の6本(2026年10月5日から)で、OBVを計算した表。

FXの出来高はティック数

株式は、取引所が売買された数量を出来高として出しています。FXには取引所がありません。国際決済銀行(BIS)は、FXのスポットとほとんどのFXデリバティブは、ディーラーを仲立ちにした相対取引(OTC)で行われると説明しています(BIS Quarterly Review、2025年12月)。市場全体の出来高がないので、MT4・MT5のヘルプでは、FXの「ボリューム」は、その足の間に価格が動いた回数(ティック数)だとされています。

この記事のOBVも、足の間のティック数を出来高として積み上げています。ティックは、配信元が出す価格の更新なので、会社ごとに数が違います。この記事の数字はDukascopyのティックから作った足のもので、お使いの口座の足とは一致しません。

アドバイス

OBVは、上がった足のティック数を足して、下がった足の分を引く指標だよ。FXの出来高は、価格が動いた回数だよ。

OBVの見方|価格の向きとOBVの向き

5通貨の4時間足と日足で、価格の向きとOBVの向きが同じだった割合を、ティック数・出来高1・並べ替えの3種類で比べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の4時間足と日足で、価格の向きとOBVの向きが同じだった割合。

価格の向きとOBVの向きの一致

OBVは、足の向きにティック数を足し引きして作るので、価格が上がり続ければOBVも上がりやすく、もともと価格と向きがそろいやすい作りです。実際に、5通貨の4時間足87,087本(2016年1月〜2026年10月)で、20本前と比べて、価格が上がったか下がったかと、OBVが上がったか下がったかが同じだった足は、86,953本のうち78.6%でした。日足14,040本では、13,939本のうち76.0%です。どちらかが20本前と同じ値の足は、数えていません。日足は世界標準時(UTC)0時の区切りで、1時間足が12本未満の日は除きました。

比べる相手として、2つのOBVも作りました。1つは、ティック数を全部1にしたOBVで、足の数を足し引きします。4時間足で79.7%、日足で80.5%でした。20本前とOBVが同じ値になる足が増えるので、対象は4時間足71,728本、日足11,559本です。もう1つは、ティック数を足の間でばらばらに並べ替えて作ったOBV(100回の合計)で、4時間足で69.5%、日足で72.4%でした。

ティック数の大きさを入れると、全部1の場合より一致が少し下がり、並べ替えた場合より上がりました。理由は測っていません。

ダイバージェンスの例|価格だけが高値を更新

ダイバージェンスは、価格とOBVの向きがずれることです。この記事では、価格が直前20本の高値を上回ったのに、OBVが直前20本のOBVの最大以下だった足を「更新せず」、OBVも最大を上回った足を「更新あり」と呼びます。安値側は、価格が直前20本の安値を下回った足を、OBVの最小を基準に、同じように分けます。ダイバージェンスの一般的な説明は、ダイバージェンスの記事にあります。MT5のヘルプには、OBVの変化は価格の変化に先行するという前提が書かれています。次の節で、更新せずのあとの価格の向きを測ります。

USD/JPYの4時間足で価格が直前20本の高値を上回ったが、OBVは直前20本の最大に届かなかった例のチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの4時間足で、価格だけが高値を更新した2026年5月の例。

例は、USD/JPYの4時間足で、2026年5月12日(世界標準時0時)の足です。高値は157.651で、直前20本の高値157.272を上回りました。ところが、20本前の足を0としたOBVは−31,062で、直前20本のOBVの最大19,244に届きませんでした。この足の終値は157.612で、4本後の終値は157.637、12本後は157.969と、価格はそのあとも上がりました。この例は、図が見やすい1件を選んだものです。1件では、あとの向きは分かりません。

アドバイス

OBVの向きは、価格の向きとそろいやすい作りだよ。4時間足では、20本前と比べた向きが78.6%同じだったよ。

OBVのダイバージェンスを測った結果|更新せずのあと

新高値・新安値のあとに反対へ進んだ割合を、更新せず・更新ありと4時間足・日足に分け、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の4時間足と日足で、新高値・新安値のあとに反対へ進んだ割合。

4時間足で測った割合

測り方は、価格が直前20本の高値を上回った足は、その足の終値より4本後(または12本後)の終値が下、安値を下回った足は上のときに、「反対へ進んだ」と数えました。足1本を1件とします。5通貨の4時間足87,087本のうち、判定できる86,987本で、新高値の足が10,995本、新安値の足が9,054本、合計20,049本でした。4本後の終値を使えるのは20,036件で、更新せずが9,609件(高値側5,201件・安値側4,408件)、更新ありが10,427件(高値側5,787件・安値側4,640件)です。12本後は20,029件で、更新せずが9,606件、更新ありが10,423件でした。

比べる相手には、全ての足から同じ数の足を、高値側・安値側の同じ内訳で選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。反対へ進んだ割合は、更新せずが4本後50.4%(範囲48.8〜50.5%)、12本後51.0%(範囲48.8〜50.5%)です。更新ありは、4本後50.5%(範囲48.8〜50.4%)、12本後51.3%(範囲48.8〜50.4%)でした。範囲はどれも50%を含みます。

更新せずと更新ありの差は、4本後で0.1ポイント、12本後で0.3ポイントです。12本後は、2つとも範囲の上限を0.5〜0.9ポイント上回りましたが、更新ありの4本後も上限を0.1ポイント上回っており、OBVが更新したかどうかで差があるとは言えません。なお、足の動きが重なる足が近くにあると、実際の範囲はこの計算より広がります。

高値側と安値側に分けると、高値のあとに下がった割合は48.9〜50.2%、安値のあとに上がった割合は52.2〜53.2%で、安値側のほうが高くなりました。全ての足で、4本後に上がった割合は51.6%、下がった割合は48.3%と、上に偏っています。ランダムの範囲は、この偏りを入れて計算しています。5通貨のうち円がつく3通貨は、期間の最初の足の終値から最後の足の終値まで、27〜35%上がりました。

日足で測った割合

日足は、世界標準時0時(日本時間9時)の区切りで、14,040本のうち判定できる13,940本です。新高値の足が1,898本、新安値の足が1,450本、合計3,348本でした。4本後の終値を使えるのは3,344件で、更新せずが1,731件、更新ありが1,613件です。12本後は3,339件で、更新せずが1,729件、更新ありが1,610件でした。

反対へ進んだ割合は、更新せずが4本後51.1%(範囲47.4〜51.3%)、12本後51.5%(範囲47.2〜51.1%)、更新ありが4本後54.1%(範囲47.4〜51.5%)、12本後53.8%(範囲47.2〜51.3%)です。範囲はどれも50%を含みます。更新ありは、2つとも範囲の上限を2ポイント以上上回りました。更新せずは、12本後だけ上限を0.4ポイント上回っています。

日足の区切りを変えた結果

日足を切る時刻を世界標準時0時と21時にしたときの、20本の一致と更新せず・更新ありの12本後の割合を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の日足で、日足の区切りを世界標準時0時と21時にしたときの結果。

日足は、1日の切れ目を決める時刻で足の形が変わります。切る時刻を世界標準時0時(日本時間9時)から、21時間ずらした世界標準時21時(日本時間6時)に変えて、同じ測りをしました。12本後に反対へ進んだ割合は、更新せずが51.5%から49.2%(−2.3ポイント)、更新ありが53.8%から55.6%(+1.8ポイント)に動きました。20本前と比べた向きの一致は、76.0%から77.4%です。件数は、更新せずが1,729件から1,751件、更新ありが1,610件から1,615件でした。

区切りの時刻を動かすだけで、割合が2ポイント前後動きました。21時区切りの4本後は、更新せずが50.9%(範囲47.5〜51.4%)、更新ありが53.4%(範囲47.4〜51.5%)です。更新せずは、4つの測り方のうち3つが範囲に入り、更新ありは4つとも範囲の上限を上回りました。ただし、件数は約1,600件で、動きが重なる足があるため、範囲は広めに見る必要があります。4時間足では、更新ありの上限との差は0.1〜0.9ポイントでした。理由は測っていません。

測っていないこと

この記事で測ったのは、価格とOBVの向きの一致と、更新せず・更新ありのあとの価格の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。20本以外の期間、1時間足や15分足、OBVの移動平均、ほかの指標との組み合わせも測っていません。OBVが価格に先行するかどうかも、直接は測っていません。測った範囲では、4時間足で、更新せずのあとに反対へ進んだ割合は50.4〜51.0%で、更新ありの50.5〜51.3%とほぼ同じでした。

アドバイス

4時間足では、更新せずが50.4〜51.0%、更新ありが50.5〜51.3%で、ほとんど同じだったよ。日足は、区切りを変えると2ポイントほど動いたよ。

OBVのMT4・MT5での入れ方|標準のOBVと配布ファイル

OBVのファイルをMT4とMT5に入れる5つの手順と、置くフォルダの違いを並べた表
シストレ.COMで配布しているOBV_systreを、MT4とMT5に入れる手順。

標準で入っているOBV

MT4・MT5には、最初からOBVが入っています。「挿入」から「インディケータ」を選ぶと出てくる一覧の中に、On Balance Volumeがあり、チャートの下の別ウィンドウに表示されます。ファイルを入れる必要はありません。下の画面は、MT4のUSD/JPY1時間足の下に、OBV_systreを表示した例です。

MT4のUSD/JPY1時間足チャートの下に、OBV_systreを表示した実際の画面
出典: シストレ.COMで配布しているOBV_systreを、MT4のUSD/JPY1時間足に表示した実画面。

MT4の入れ方

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の OBV_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選びます。
  3. 「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  4. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  5. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、OBV_systreをチャートに出します。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の OBV_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。

ダウンロード

ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。

アドバイス

MT4とMT5には、OBVが最初から入っているよ。配布ファイルを使うときは、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsに置いてね。

要点
・OBVは、終値が前の足より上がった足のティック数を足し、下がった足の分を引いて積み上げる指標。FXの出来高は、足の間に価格が動いた回数(ティック数)
・5通貨の4時間足87,087本で、20本前と比べた価格とOBVの向きが同じだった割合は78.6%(86,953本中)。ティック数を並べ替えたOBVは69.5%
・価格だけが20本の高値・安値を更新した足(更新せず)のあと、反対へ進んだ割合は、4時間足の4本後50.4%・12本後51.0%(範囲はどちらも48.8〜50.5%で、50%を含む)
・OBVも更新した足(更新あり)は、4本後50.5%・12本後51.3%(範囲はどちらも48.8〜50.4%で、50%を含む)。更新せずとの差は0.1〜0.3ポイント
・日足は、区切りを世界標準時0時から21時に変えると、12本後の割合が2ポイント前後動いた(更新せず51.5%から49.2%、更新あり53.8%から55.6%)
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ

OBVのよくある質問

OBVとは何ですか?

出来高を足し引きして積み上げる指標です。終値が前の足より上がれば足し、下がれば引きます。

OBVの計算式はどうなっていますか?

上がった足は足し、下がった足は引きます。終値が同じ足は、OBVが変わりません。足し引きする量は、その足の出来高です。

FXのOBVの出来高は何ですか?

ティック数です。FXには取引所がないので、MT4・MT5では、足の間に価格が動いた回数を出来高に使います。

OBVはMT4・MT5に最初から入っていますか?

入っています。「挿入」の「インディケータ」の一覧にあります。配布しているOBV_systreは、ファイルを入れて使う別のインジケーターです。

OBVのダイバージェンスは使えますか?

売買の損益は測っていません。4時間足で、OBVが更新しなかった足のあとに反対へ進んだ割合は、50.4〜51.0%でした。OBVが更新した足と、ほぼ同じです。

「obv」のスラングは何の意味ですか?

英語のobviously(明らかに)の略です。チャットやSNSで使われる略語で、この記事の指標のOBVとは別の意味です。

OBVのまとめ

OBVは、終値が前の足より上がった足のティック数を足し、下がった足の分を引いて積み上げる指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の4時間足87,087本(2016年1月〜2026年10月)では、20本前と比べた価格とOBVの向きが同じだった割合が78.6%でした。ティック数を並べ替えたOBVでは69.5%です。

価格だけが高値・安値を更新した足(更新せず)のあと、反対へ進んだ割合は、4時間足の4本後50.4%・12本後51.0%で、OBVも更新した足(50.5%・51.3%)とほぼ同じでした。日足は、区切りの時刻を変えると2ポイント前後動きました。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。ボリュームの指標は、ボリュームオシレーターの記事とVW-MACDの記事にもまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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