出来高オシレーター(ボリュームオシレーター)の設定とMT4・MT5の入れ方|5通貨で測った結果

Chandelier Exit

出来高オシレーター(ボリュームオシレーター、Volume Oscillator、VO)は、出来高の短期の平均と長期の平均の差を%で表し、出来高が増えているか減っているかを見る指標です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足335,913本(2016年1月〜2026年10月、1本を1件と数えました)について、足に入ったティックの数からVOを、短期5・長期10と短期14・長期28の2組で計算して測りました。VOが0を下から上へ横切る回数は、1,000本あたり71.1回(5/10)と48.2回(14/28)で、ティック数を並べ替えた場合より約3割少なく、0を横切ったあとの価格の向きは、ランダムの範囲とほぼ同じでした。一方で、VOが大きい足の次の足は値幅が大きくなり、5/10でVOが30以上のとき、次の足の値幅の中央値は、直前20本の値幅の平均の1.73倍でした。

目次

出来高オシレーターとは|ティック数の短期と長期の差

USD/JPYの1時間足96本のローソク足の下に、ティック数の棒グラフと、出来高オシレーターの5/10と14/28の線を並べたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年7月7日0時から)に、ティック数とVOを並べた図。

VOの計算

VOは、出来高の短期の平均から長期の平均を引き、その差を長期の平均で割って、%で表した値です。短期の平均が長期の平均より大きければ0より上、小さければ0より下に出ます。出来高が増えている局面で上がり、減っている局面で下がります。価格は計算に使いません。この記事の平均は、直近の足を重くみるEMA(指数平滑移動平均)です。単純移動平均を使う実装もあります。

FXの出来高はティック数

FXには、株のような取引所の出来高がありません。MT4・MT5のVolumesは、その足の間に価格が更新された回数(ティック数)で、この記事の「出来高」もティック数のことです。測定では、Dukascopy のティック(bid・askの更新)を1時間ごとに数えました。業者ごとにティックの数え方は違うので、ほかの業者のチャートでは、数が同じにはなりません。

図は、USD/JPYの1時間足96本です。この4日間のティック数は、731〜10,838でした。ティック数が10,000を超えた足の前後で、VOは5/10・14/28とも0より上へ上がっています。0を下から上へ横切った回数は、5/10が9回、14/28が6回でした。短い組(5/10)の方が細かく動き、長い組(14/28)の方がなめらかです。

アドバイス

VOは、ティック数の短期と長期の差だよ。図の4日間では、0を上へ横切ったのが5/10で9回、14/28で6回だったね。

出来高オシレーターの設定|短期・長期の期間は実装ごとに違う

MT4のUSD/JPY1時間足チャートの下に、Volume Oscillator (12, 20) を表示した実際の画面
出典: シストレ.COMで掲載していたMT4の実画面。USD/JPYの1時間足に、Volume Oscillator (12, 20) を表示した例。

短期と長期の組み合わせ

VOには、全ての実装に共通の初期値がありません。Microsoftのチャートコントロールのボリュームオシレーターは、短期5・長期10が初期値で、%の表示にもできます。出来高の比率で出すPVO(Percentage Volume Oscillator)は、短期12・長期26(シグナル9)が標準として紹介されています。上の画面は、MT4に表示したVolume Oscillatorの例で、ラベルに(12, 20)とあり、短期12・長期20の設定です。

そこでこの記事は、決まった1組をすすめず、短い組の5/10と、長い組の14/28の2つを同じ条件で測りました。期間を長くするほど、VOはなめらかになり、0を横切る回数は減ります。どれくらい減るかは、次の図で測っています。

0より上にいる割合と横切る回数

VOが0より上にいる足の割合と、0を上へ横切る回数を、5/10と14/28で、ティック数を並べ替えた場合と並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、VOが0より上にいる割合と0を上へ横切る回数。

5通貨の1時間足を、各通貨の最初の200本(計算の助走)を除いて合計335,913本で数えました。VOが0より上にいた足の割合は、5/10が48.3%(162,273本)、14/28が44.9%(150,958本)でした。ティック数を、同じ曜日・同じ時刻(世界標準時)の足どうしで入れ替えて同じ計算をした100回では、5/10が45.1〜45.2%、14/28が44.1〜44.3%でした。実際の方が、5/10で約3ポイント、14/28で約0.7ポイント大きい割合です。

0を下から上へ横切る回数は、1,000本あたり、5/10が71.1回(23,893回)、14/28が48.2回(16,198回)です。並べ替えでは、5/10が103.3〜104.1回、14/28が65.6〜66.4回でした。実際の回数は、並べ替えより約3割少なくなります。並べ替えるとティック数の増減が入れ替わるので、実際の並びは、増減がある程度続いている並びだと言えます。期間を長くすると、実際の回数は71.1回から48.2回に減りました。

アドバイス

期間を長くすると、0を横切る回数は減るよ。5/10は71.1回、14/28は48.2回だったね。

出来高オシレーターと他の出来高系インジケーターの違い

MT5に最初から入っているVolumes・OBV・A/D・MFIと、VOの形と出し方を並べた表
MT5に最初から入っている出来高系の4本と、VOの違い。

Volumes・OBV・A/D・MFIとの違い

MT5には、出来高を使う標準インジケーターが4本あります。Volumesは足ごとのティック数を棒グラフで出し、OBVとA/Dは、出来高を足していく累計の線です。MFIは、価格とティック数の両方から0〜100の線を出します。VOは、この4本と違い、ティック数だけで出し、0を中心に上下する線です。足ごとの大きさではなく、「最近のティック数が、長めの平均より多いか少ないか」を見ます。

VOはMT4・MT5に最初から入っていないので、ファイルを入れる必要があります。入れ方は、このあとの節に書きました。累計型の出来高指標は、チャイキンマネーフローとEOMの記事、出来高の見方の全体はFXの出来高分析の記事にまとめています。

アドバイス

VOは、価格を使わずに、ティック数の増え方だけを見る指標だよ。

出来高オシレーターの使い方|0の横切りと値幅を測った結果

VOが0を横切った足の4本後・12本後に、価格がその足の向きに進んだ割合を、5/10と14/28で、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、VOが0を横切ったあとに同じ向きへ進んだ割合。

VOが0を横切ったあとの向き

「VOが0より上に出たら買い」という使い方を確かめるため、VOが0を下から上へ、または上から下へ横切った足を1件として、そのあとの価格の向きを数えました。横切った足が陽線なら、その足の終値から4本後・12本後の終値が上がっていれば、陰線なら下がっていれば、同じ向きに進んだとします。始値と終値が同じ足は除きました。件数は、5/10が4本後45,088件・12本後42,675件、14/28が4本後30,232件・12本後28,018件です。

同じ向きに進んだ割合は、5/10が4本後48.7%・12本後49.6%、14/28が4本後48.5%・12本後49.8%でした。比べる相手のランダムの範囲は、対象の全ての足から同じ数を選ぶ操作を4,000回行った5〜95%の範囲で、順に48.8〜49.5%、49.3〜50.1%、48.7〜49.6%、49.2〜50.2%です。4本後の2つは、範囲の下端を約0.1ポイント下回り、12本後の2つは範囲に入りました。50%を上回ったものはありません。VOが0を横切った足の向きが、そのあとも続くとは言えませんでした。

VOが大きい足・小さい足の次の足の値幅

VOが大きい足と小さい足の次の足の値幅が、直前の値幅の平均の何倍かを、5/10と14/28で、ランダムの範囲と並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、VOの大小別の次の足の値幅。

向きではなく、値幅(高値−安値)はどうでしょうか。VOが条件を満たした足の次の足1本を1件として、その値幅が、条件を満たした足までの20本の値幅の平均の何倍かを、中央値で出しました。しきい値は設定ごとに決め、5/10は30、14/28は15です。全ての足(275,297件)の中央値は0.87倍でした。

5/10でVOが30以上の1,895件は、中央値が1.73倍で、ランダムの範囲0.84〜0.89倍を上回りました。1.5倍以上になった割合は62.3%で、ランダムの16.3〜19.1%より大きくなります。VOが−30以下の10,734件は0.57倍で、範囲0.85〜0.88倍を下回り、1.5倍以上は4.2%(ランダムは17.1〜18.3%)でした。14/28は、VOが15以上の17,933件が1.07倍(範囲0.86〜0.87倍、1.5倍以上は26.6%)、−15以下の19,404件が0.75倍(範囲0.85〜0.87倍、1.5倍以上は11.2%)で、2つの設定とも、範囲の外でした。

5/10でVOが30以上の件数と中央値を通貨別に見ると、USD/JPYが326件で1.61倍、EUR/USDが586件で1.93倍、GBP/USDが499件で1.79倍、EUR/JPYが149件で1.76倍、AUD/JPYが335件で1.52倍で、合計が1,895件です。5通貨とも、全ての足の通貨別の中央値(0.85〜0.89倍)を上回りました。VOが大きい足の次の足は、値幅が大きくなりやすく、VOが小さい足の次は小さくなりやすい、という結果です。これは値幅の大きさの話で、価格の向きは示しません。

20本の高値・安値を抜けたときのVO

直前20本の高値・安値を抜けた足の12本後に抜けた向きにいた割合を、VOが0より上の足と0以下の足に分けて、ランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、20本の高値・安値を抜けたあとに同じ向きにいた割合。

「出来高が増えているブレイクは続きやすい」という見方も確かめました。終値が直前20本の高値を上抜けた足か、安値を下抜けた足を1件とし(計26,043件)、その足の終値から12本後の終値が、抜けた向き(上抜けなら上、下抜けなら下)にあった割合を数えました。件数は、USD/JPYが5,370件、EUR/USDが4,979件、GBP/USDが5,064件、EUR/JPYが5,201件、AUD/JPYが5,429件です。全体では49.9%が、12本後も抜けた向きにいました。

これを、抜けた足のVOが0より上だった件と、0以下だった件に分けました。5/10は、0より上が18,437件で50.3%(ランダムの範囲49.2〜50.4%)、0以下が7,606件で48.7%(範囲48.9〜50.8%)です。14/28は、0より上が15,428件で49.4%(範囲49.2〜50.5%)、0以下が10,615件で50.5%(範囲49.1〜50.7%)でした。2つの設定で、どちらが大きいかの向きが逆で、差は2ポイント以内です。5/10の0以下だけが、範囲を0.3ポイント下回りました。VOが0より上かどうかで、ブレイクの続きやすさを分けられるとは言えませんでした。

測っていないこと

この記事で測ったのは、VOが0を横切る回数、横切ったあとやブレイクのあとの価格の向き、次の足の値幅です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、シグナル線をつけた使い方、5/10と14/28以外の組、1時間足以外の時間足、通貨ごとの違い、価格とVOの向きのずれ(ダイバージェンス)は測っていません。測った範囲では、VOは価格の向きを示さず、次の足の値幅の大きさに差が出ました。

アドバイス

VOが0を横切ったあとの向きは、ランダムの範囲とほぼ同じだったよ。差が出たのは、次の足の値幅だったね。

出来高オシレーターのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

出来高オシレーターのファイルをMT4とMT5に入れる5つの手順と、置くフォルダの違いを並べた表
シストレ.COMで配布しているVolumeOscillator_systreを、MT4とMT5に入れる手順。

MT4の入れ方

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の VolumeOscillator_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  4. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、VolumeOscillator_systreをチャートに出します。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の VolumeOscillator_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。

ダウンロード

ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。

アドバイス

ファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。

要点
・VOは、ティック数の短期の平均と長期の平均の差を%で表した指標。FXの出来高は、足に入ったティックの数
・初期値は実装ごとに違い、短期5・長期10、短期12・長期26、短期12・長期20などがある
・5通貨の1時間足335,913本で、0を上へ横切る回数は1,000本あたり、5/10が71.1回、14/28が48.2回。ティック数を並べ替えた場合より約3割少ない
・VOが0を横切った足のあと、同じ向きに進んだ割合は48.5〜49.8%で、ランダムの範囲とほぼ同じ
・次の足の値幅は、5/10でVOが30以上のとき中央値が1.73倍、−30以下のとき0.57倍(全ての足は0.87倍)
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの設定・時間足

出来高オシレーターのよくある質問

出来高オシレーターとは何ですか?

出来高の増減を見る指標です。短期と長期の出来高の平均の差で、出来高が増えると0より上、減ると0より下に出ます。

FXの出来高は何を使いますか?

ティック数です。MT4・MT5のVolumesと同じ、足の間に価格が更新された回数を使います。

おすすめの設定値はありますか?

おすすめは測っていません。共通の初期値はなく、5/10や12/26などがあります。期間を長くすると、0を横切る回数が減ります。

0より上になったら買いですか?

測った範囲では、そうとは言えませんでした。VOが0を横切ったあとに同じ向きへ進んだ割合は、ランダムの範囲とほぼ同じで、50%を上回りませんでした。

MT4とMT5のどちらでも使えますか?

どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。

MT4・MT5に最初から入っていますか?

入っていません。標準の出来高系はVolumes・OBV・A/D・MFIなので、VOはファイルを入れて使います。

出来高オシレーターのまとめ

出来高オシレーターは、ティック数の短期の平均と長期の平均の差を%で出す指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、335,913本)では、0を上へ横切る回数が、1,000本あたり5/10で71.1回、14/28で48.2回でした。ティック数を並べ替えた場合より約3割少なく、期間を長くすると回数は減ります。

VOが0を横切ったあとに、その足の向きへ進んだ割合は、48.5〜49.8%でランダムの範囲とほぼ同じで、20本の高値・安値を抜けたあとの続きやすさも、VOが0より上かどうかでは分けられませんでした。差が出たのは値幅で、5/10でVOが30以上の次の足は、中央値が1.73倍でした。測っていない売買の損益や、ほかの設定・時間足は、自分のデータで確かめてから使ってください。EMAはEMAの記事、RSIはRSIの記事、ボリンジャーバンドはボリンジャーバンドの記事にまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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