VW-MACDの使い方|計算式・MT4/MT5の入れ方と交差の実測

Squeeze Momentum Indicator(LazyBear)

VW-MACDは、MACDの移動平均を、出来高で重みをつけた移動平均(VWMA)に置きかえた指標です。FXの出来高は、取引された量ではなく、価格が更新された回数(ティック数)です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。本線がシグナル線と交わる回数は、1,000本あたり81.1回で、出来高を同じにした線の69.7回、MT4標準のMACDの83.3回と近い値でした。交差のあとに交差の向きへ進んだ割合は、4本後が49.3%、12本後が50.2%で、ランダムの範囲との差は0.1ポイント以内でした。

目次

VW-MACDとは|出来高で重みをつけたMACD

USD/JPYの1時間足96本のローソク足の下に、ティック数の棒とVW-MACDの本線・シグナル線・ヒストグラムを重ねたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年10月6日0時から4日間)に、ティック数とVW-MACDを重ねた図。

VW-MACDの計算式と考案者

VW-MACD(Volume Weighted MACD、出来高加重MACD)は、Buff Dormeier氏が、Gerald Appel氏のMACDを作り変えた指標です。MACDが指数平滑移動平均(EMA)の差を使うのに対し、VW-MACDは、出来高で重みをつけた移動平均(VWMA)の差を使います。

VWMAは、各足の終値にその足の出来高をかけて合計し、期間内の出来高の合計で割った平均です。出来高の多い足の終値ほど、平均に強く効きます。VW-MACDの本線は、短い期間のVWMAから長い期間のVWMAを引いた値で、その本線をならした線がシグナル線、本線とシグナル線の差がヒストグラムです。図の下段で、青い線が本線、オレンジの線がシグナル線、灰色の棒がヒストグラムです。

シストレ.COMで配布しているVW-MACD_systreは、短い期間が12、長い期間が26、シグナル線が本線の9期間の単純平均です。実装によっては、シグナル線にEMAを使うものもあります。この記事で「VW-MACD」と書くときは、この12・26・9の設定のことです。

FXの出来高はティック数

株式には取引所があり、売買された数量を出来高として数えます。FXには、すべての取引が集まる取引所がないため、MT4・MT5の出来高は、その足の間に価格が更新された回数(ティックボリューム)です。取引された量そのものではありません。この記事でも、出来高はティック数のことです。

測定に使ったティック数は、Dukascopy のティックから足ごとに数えた値です。MT4・MT5が表示するティックボリュームは、使っているFX会社の価格の配信から数えるため、同じ足でも数が同じとは限りません。

MT4・MT5の標準インジケーターとの違い

MT4・MT5の標準インジケーターの一覧に、VW-MACDはありません。標準のMACDは、12期間のEMAと26期間のEMAの差が本線で、シグナル線は本線の9期間の単純平均です(MT4のヘルプの定義)。VW-MACDを使うには、カスタムインジケーターのファイルを入れる必要があります。入れ方は、あとの節にまとめています。

アドバイス

VW-MACDは、MACDの平均を出来高で重みづけしたものだよ。FXの出来高は、価格が更新された回数だね。

VW-MACDの出来高|ティック数は時間帯で4.4倍変わる

日本時間の0時から23時までの時刻ごとに、1時間足1本あたりの平均ティック数を、全体の平均を1として並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、日本時間の時刻ごとの平均ティック数。

時間帯ごとのティック数

5通貨の1時間足(計333,913本)で、日本時間の時刻ごとに平均ティック数を出し、各通貨の全体の平均を1として並べました。いちばん多いのは23時から始まる足の1.83、いちばん少ないのは6時から始まる足の0.41で、差は4.4倍です。0時(1.58)、22時(1.69)、21時(1.42)も多く、5時から8時と12時・13時は0.7以下です。

VW-MACDは、この出来高を重みにします。同じ価格の動きでも、ティック数の多い時間帯の足は、平均に強く効きます。

26本の中で重みが偏る度合い

26期間のVWMAで、直近26本の中で最もティック数の多い足の重みは、中央値で7.6〜8.8%でした(通貨ごとの範囲)。全ての足が同じ重みなら1本あたり3.8%なので、重みは約2倍に偏ります。12期間では、13.9〜15.5%でした(全て同じ重みなら8.3%)。出来高の重みは、平均を作る足の中で、ティック数の多い足に寄せる効果があります。

アドバイス

ティック数は、時間帯で4.4倍も違うんだね。VW-MACDは、その多い足の終値を強く見るよ。

VW-MACDの交差|出来高を同じにした線・MT4標準のMACDとの違い

VW-MACD・出来高を同じにした線・MT4標準のMACDの本線とシグナル線の作り方を並べた表
出典: シストレ.COMで配布しているVW-MACD_systreの設定と、MT4標準のMACDの定義。測定で比べた3本の線。

比べた3本の線

出来高の重みで線がどう変わるかを見るため、3本の線を同じ足で計算しました。VW-MACDは、ティック数を重みにしたVWMAの12期間と26期間の差です。出来高を同じにした線は、VWMAのティック数をすべて1にした線で、12期間と26期間の単純平均の差です。VW-MACDと違うのは、出来高の重みだけです。MT4標準のMACDは、12期間と26期間のEMAの差です。シグナル線は、3本とも本線の9期間の単純平均です。

5通貨の1時間足333,913本を使い、各通貨の最初の600本は、計算の助走として除きました。交差は、本線からシグナル線を引いた値(ヒストグラム)の符号が変わった足を、1回と数えます。上へ抜けるのがゴールデンクロス、下へ抜けるのがデッドクロスです。

交差の回数

VW-MACD・出来高を同じにした線・MT4標準のMACDで、シグナル線と交わった回数を1,000本あたりで並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、シグナル線との交差の1,000本あたりの回数。

1,000本あたりの交差は、VW-MACDが81.1回、出来高を同じにした線が69.7回、MT4標準のMACDが83.3回でした。333,913本での合計は、27,082回、23,288回、27,814回です。VW-MACDは、出来高を同じにした線より、16%ほど多く交差しました。MT4標準のMACDとは、2.2回の差です。

図の実例の96本では、VW-MACDの交差が9回、出来高を同じにした線が10回でした。

向きが食い違う足

VW-MACDと、出来高を同じにした線・MT4標準のMACDで、ヒストグラムと本線の符号が違う足の割合をまとめた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、2本の線の符号が違った足の割合。

同じ足で、2本の線のヒストグラムの符号(本線がシグナル線より上か下か)が違っていた割合は、VW-MACDと出来高を同じにした線で12.1%、VW-MACDとMT4標準のMACDで25.0%でした。本線がプラスかマイナスかで見ると、違った割合は3.9%と14.1%です。向きが一致した足は、出来高を同じにした線とは87.9%、MT4標準のMACDとは75.0%です。

交差の位置のずれ

VW-MACDの交差の足から、出来高を同じにした線とMT4標準のMACDの同じ向きの交差が何本ずれて出たかを並べた棒グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、交差が出る位置のずれの分布。

VW-MACDの27,082回の交差のそれぞれについて、同じ向きで最も近い、別の線の交差までの本数を数えました。12本以内にあったものだけが対象で、出来高を同じにした線は25,136回(92.8%)、MT4標準のMACDは25,103回(92.7%)です。

出来高を同じにした線との比較では、同じ足で交差したのが26.2%、別の線が先が38.2%、あとが35.6%で、どちらかに偏っていません。MT4標準のMACDとの比較では、同じ足が10.5%、MT4標準のMACDが先が66.0%、あとが23.5%でした。VW-MACDの交差は、MT4標準のMACDより、遅く出る足が多くなります。出来高の重みだけを変えた線との比較では、先後が偏っていません。MT4標準のMACDとの差には、移動平均の種類(VWMAとEMA)の違いも含まれます。

アドバイス

交差の回数は、VW-MACDが81.1回、MT4標準が83.3回で近いよ。ただ、MT4標準のほうが先に交差する足が66.0%あったね。

VW-MACDの使い方|出来高が多い足の交差のあとを測った結果

VW-MACDの交差のあと4本後・12本後に、価格が交差の向きへ進んだ割合を、ティック数の多い足・ふつう・少ない足に分けてランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、VW-MACDの交差のあとに交差の向きへ進んだ割合。

ティック数が多い足・少ない足の分け方

「出来高が多い足の交差は信頼できる」という使い方を、交差のあとの価格の向きで測りました。交差した足のティック数を、直前26本の平均ティック数で割り、1.5倍以上を「多い」、約0.67倍(1.5分の1)以下を「少ない」、その間を「ふつう」としました。区分は、測る前に決めています。

27,082回の交差のうち、多いが4,831回(17.8%)、ふつうが15,057回(55.6%)、少ないが7,194回(26.6%)です。ティック数は時間帯で大きく変わるため、多い足の交差は、日本時間で21時・22時・23時・0時から始まる足に、4,831回のうち2,497回(51.7%)が集まっています。

交差のあとに進んだ向き

本線がシグナル線を上へ抜けたら買い、下へ抜けたら売りの向きとして、交差した足の終値から4本後・12本後の終値が、その向きに進んだ割合を数えました。売りは下がれば、買いは上がれば、進んだとします。交差1回を1件と数え、4本後・12本後の先の足がある件だけが対象です(4本後は27,081件、12本後は27,077件)。

比べる相手には、同じ区分の全ての足から、同じ数・同じ向きの足を選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。4本後は、全ての交差が49.3%、多いが49.9%、ふつうが48.9%、少ないが49.7%でした。12本後は、全ての交差が50.2%、多いが50.8%、ふつうが50.0%、少ないが50.2%です。

8つの割合のうち6つがランダムの範囲に入り、2つ(4本後の全ての交差とふつう)は範囲の下側に、0.1〜0.3ポイント外れました。ティック数が多い足の割合は、4本後が範囲の48.7〜51.0%、12本後が48.7〜51.1%に入り、ふつう・少ない足との差は、4本後で最大1.0ポイント、12本後で最大0.8ポイントです。範囲は90%なので、8つのうち1つほどは偶然でも外れる計算です。また、この範囲は、足が1本ずつ独立に選ばれると仮定した計算で、交差のあとの動きが重なる足が近くにあると、実際の範囲は広がります。

測った範囲では、ティック数が多い足の交差のあとに、交差の向きへ進む割合が、ほかの足より高いとは言えませんでした。

測っていないこと

この記事で測ったのは、線の性質と、交差のあとの価格の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、0ラインの上下の使い分け、ほかの指標との組み合わせは測っていません。ダイバージェンス(価格と指標の向きのずれ)や、通貨ペアごとの違いも測っていません。MACDの基本はMACDの記事、ダイバージェンスはダイバージェンスの記事にまとめています。

アドバイス

交差のあとに進んだ割合は、ティック数が多い足で4本後49.9%・12本後50.8%だったよ。ランダムの範囲に入っているね。

VW-MACDのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

VW-MACDのファイルをMT4とMT5に入れる5つの手順と、置くフォルダの違いを並べた表
シストレ.COMで配布しているVW-MACD_systreを、MT4とMT5に入れる手順。

MT4の入れ方

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の VW-MACD_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  4. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、VW-MACD_systreをチャートに出します。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の VW-MACD_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。

ダウンロードと設定

ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。入力の初期値は、短い期間が12、長い期間が26、シグナル線が9です。この記事のVW-MACDは、この初期値と同じ設定です。

無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。シストレ.COMの登録口座で使えます。認証が行われていない口座では使えません。

アドバイス

ファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。

要点
・VW-MACDは、MACDの移動平均を、出来高で重みをつけた移動平均(VWMA)に置きかえた指標。Buff Dormeier氏の考案。配布ファイルの設定は12・26・9
・FXの出来高は、価格が更新された回数(ティック数)。ティック数は、日本時間の時刻で最大4.4倍(23時の1.83と6時の0.41)変わる
・5通貨の1時間足333,913本で、シグナル線との交差は1,000本あたり、VW-MACDが81.1回、出来高を同じにした線が69.7回、MT4標準のMACDが83.3回
・VW-MACDの交差に近いMT4標準のMACDの交差は、先に出た足が66.0%、同じ足が10.5%、あとに出た足が23.5%。出来高を同じにした線とは、先後が偏らなかった
・交差のあとに交差の向きへ進んだ割合は、4本後49.3%・12本後50.2%。ティック数が多い足は49.9%と50.8%で、ランダムの範囲(48.7〜51.1%)に入った
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ

VW-MACDのよくある質問

VW-MACDとは何ですか?

出来高で重みをつけたMACDです。EMAの代わりに、ティック数で重みをつけた移動平均(VWMA)の差を使います。

FXの出来高は何を使っていますか?

価格が更新された回数(ティック数)です。取引された量ではありません。使うFX会社によって、数は同じとは限りません。

MT4・MT5に最初から入っていますか?

入っていません。標準のインジケーターにVW-MACDはないので、ファイルを入れて使います。

MT4とMT5のどちらでも使えますか?

どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。

出来高が多いときの交差は信頼できますか?

測った範囲では、高いとは言えませんでした。ティック数が多い足の交差のあと、交差の向きへ進んだ割合は、4本後49.9%・12本後50.8%で、ランダムの範囲に入りました。

普通のMACDと、どちらが交差が早いですか?

MT4標準のMACDのほうが、先に交差する足が多くなります。近い交差で比べると、MT4標準のMACDが先が66.0%、VW-MACDが先が23.5%でした。

VW-MACDのまとめ

VW-MACDは、MACDで使う移動平均を、出来高で重みをつけたVWMAに置きかえた指標です。FXの出来高は、価格が更新された回数(ティック数)で、日本時間の時刻によって最大4.4倍変わります。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、シグナル線との交差は1,000本あたり81.1回で、出来高を同じにした線(69.7回)やMT4標準のMACD(83.3回)と近い値でした。

交差のあとに交差の向きへ進んだ割合は、4本後が49.3%、12本後が50.2%で、ティック数が多い足でも49.9%と50.8%で、ランダムの範囲に入りました。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。移動平均はEMAの記事、価格変化と出来高を掛け合わせる指標はフォースインデックスの記事にまとめています。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

\シストレ.COMで実績のあるEAが使い放題!/
無料会員登録はこちら
FX自動売買でEAを探すなら
シストレ.COM 記事下バナー
実績あるEAが無料
厳格な審査を乗り越えた実績のあるEAが無料で使えます!
自由な口座選び
有料版を購入し柔軟な口座選びが可能!
フォワードテスト公開
全EAのフォワードテスト結果を公開中!
FX初心者も安心
初心者の方も安心して取引を始められます。
多様なEA選択肢
様々な種別のEAをご用意!自分の手法にあった取引が可能です。
信頼のFX会社と提携
人気のFX会社と提携中!様々なFX会社から選べます。
\1分で登録完了!EA探すならシストレ.COM!/
無料会員登録はこちら
Squeeze Momentum Indicator(LazyBear)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

お役立ち情報をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

目次