
サイコロジカルラインとは|12日のうち上がった日の割合

サイコロジカルラインの計算式
OANDA証券の解説ページは、式を「対象期間内の終値が上昇した日数÷対象期間の日数×100(%)」と書いています。期間は12日が一般的です。カブコム証券の解説ページも「12日間の内上昇した日÷12×100(%)」としています。
たとえば直近12日のうち、前日より終値が高かった日が9日なら、9÷12×100で75%です。3日なら25%です。楽天証券のMarketSpeed FXの解説は、75%を「9勝3敗」、25%を「3勝9敗」と書いています。
75%と25%の見方
4社の解説ページは、どれも75%と25%を目安にしています。上側の75%は、OANDA証券が「買われすぎ」、大和証券が「過熱圏」、カブコム証券が「上がり過ぎ」と呼ぶ水準です。下側の25%は、OANDA証券が「売られすぎ」、大和証券が「ボトム圏」、カブコム証券が「下落し過ぎ」と呼ぶ水準です。楽天証券のページは、75%以上を売り、25%以下を買いの目安として載せています。
この記事では、75%以上か25%以下の範囲を「範囲」と呼びます。範囲の境界の書き方は会社ごとに違い、OANDA証券は「75%を上回る・25%を下回る」、ほかの3社は「以上・以下」です。この記事の測定は「以上・以下」で数えました。12日のうち9日以上上がると75%以上、3日以下だと25%以下です。
図は、USD/JPYの日足70本です。この期間に、サイコロジカルラインが75%未満から75%以上へ入った日は4回、25%超から25%以下へ入った日は0回でした。ラインの最大は75.0%、最小は33.3%でした。上がる日が続くと上へ、下がる日が続くと下へ動きますが、25%以下までは届いていません。
アドバイスサイコロジカルラインは、12日のうち上がった日の割合だよ。図の70日間で75%以上に入ったのは4回、25%以下に入ったのは0回だったね。
サイコロジカルラインの設定|期間・MT4・MT5での表示方法

期間を変えたときの性質
期間は12日が基本ですが、変えることもできます。5通貨の日足13,890日で、期間を5日・10日・12日・20日にして、範囲にいた日の割合と、範囲に入った回数を測りました。範囲は、上がった日の割合が75%以上か25%以下です。
範囲にいた日の割合は、5日が37.1%、10日が10.1%、12日が13.6%、20日が3.7%でした。1,000日あたりの入った回数は、125.8回・33.2回・38.4回・11.3回です。期間が長いと範囲に入りにくく、20日では11.3回と少なくなります。10日が12日より少ないのは、10日だと75%ちょうどが作れず、8日以上(80%以上)と2日以下(20%以下)になるためです。5日も同じ理由で、4日以上(80%以上)と1日以下(20%以下)です。
MT4・MT5で表示するには
OANDA証券の解説ページは、「サイコロジカルラインは、MT4やMT5にはデフォルトで実装されていません」と書いています。同社は「OANDA Psychological」というオリジナルのインジケーターを提供していますが、ダウンロードには会員の条件があると記載されています。カスタムインジケーターのファイルは、次の手順で入れます。
- 入手したファイルを取り出します。MT4はex4かmq4、MT5はex5かmq5のファイルです。
- 「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、MT4は「MQL4」、MT5は「MQL5」の中の「Indicators」にファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4・MT5を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、置いたファイルをチャートに出します。
入手先は、ソースコードを読めるものを選んでください。期間の初期値が12か、上がった日を「前日より高い日」と数えているか、同値の日をどう扱うかは、設定画面と説明で確かめられます。
会社によって違う同値の扱い

前日と終値が同じ日(同値)を、上がった日として数えるかどうかは、解説によって違います。大和証券は「上昇日数を0.5日として計算することがある」、カブコム証券は「勝ちとしているケースが多い」と書いています。OANDA証券と楽天証券のページには記載がありません。
この違いが結果を変えるかを測りました。5通貨の日足の前日比14,035件のうち、同値は12件(0.09%)しかありません。同値を0日・0.5日・1日と数えたとき、範囲にいた日の割合は13.6%・13.5%・13.5%、1,000日あたりの入った回数は38.4回・37.8回・38.2回でした。為替の日足は小数点以下の細かい価格で比べるので、同値はほとんど起きず、扱いの違いは結果にほぼ響きませんでした。
アドバイスMT4・MT5には最初から入っていないんだ。期間を12日から10日に変えると、範囲に入る回数は1,000日あたり38.4回から33.2回に減ったよ。
サイコロジカルラインの見方|上がった日数の分布と範囲にいる日数

範囲にいる日の割合と入る回数
5通貨の日足13,890日(各通貨の最初の30日は計算の助走として除外)で、12日のうち上がった日の数を数えました。上がった日が9日以上(75%以上)だった日は1,096日で7.9%、3日以下(25%以下)だった日は792日で5.7%です。合わせて1,888日、13.6%が範囲にいました。日足の区切りはニューヨーク時間の17時で、終値同士を比べて上がった日を数えています。
比べる相手として、1日ごとに上がる確率が日ごとに独立だとした二項分布を使いました。日足14,035件の前日比は、上がった日が7,204、下がった日が6,819、同値が12で、上がる確率は51.4%です。この確率で計算すると、9日以上は8.7%、3日以下は6.1%になります。実際の7.9%と5.7%は、これより0.8ポイントと0.4ポイント少ない値でした。分布の形は、ほぼ二項分布と重なっています。
範囲に入った回数は、75%未満から75%以上へ入った回数と、25%超から25%以下へ入った回数の合計で、533回でした。1,000日あたり38.4回で、約26日に1回の割合です。上がる日と下がる日がほぼ半々なので、12日のうち6日前後が上がる状態が、いちばん多くなります。
範囲にとどまる日数

範囲に入ってから出るまで、続けて範囲にいた日数も数えました。上側と下側を別々に数え、1回の連続を1件としています。533件のうち、1日で出た件が38.1%、2日が18.9%、3日が9.4%で、中央値は2日です。6〜9日が12.6%、10日以上が8.8%(47件)で、最長は25日でした。
範囲に入っても、半分以上は2日以内に出ます。一方で、21.4%は6日以上とどまりました。範囲に入ったことは、その日のうちに戻ることもあれば、長くとどまることもあり、1回ごとには分かりません。
アドバイス範囲に入った533回のうち、1日で出たのが38.1%、2日以内だと57.0%だったよ。10日以上とどまったことも8.8%あったんだ。
サイコロジカルラインの使い方|範囲に入ったあとの動きを測った結果

75%以上・25%以下に入った日のあと
解説ページが目安とするとおり、75%以上は売り側、25%以下は買い側として測りました。上側は、75%未満から75%以上へ入った日の終値から、1日・5日・10日後の終値が安かった割合を数えます。下側は、25%超から25%以下へ入った日の終値から、同じ日数後の終値が高かった割合です。1回を1件と数え、件数は5通貨で533件です。
比べる相手には、全ての日から同じ売り買いの向きで選んだときの割合(約49〜50%)を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。逆向きに動いた割合は、1日後が51.97%(277件)、5日後が55.7%(297件)、10日後が53.5%(285件)でした。ランダムの範囲は、1日後が46.0〜53.2%、5日後が45.8〜52.9%、10日後が45.7〜52.8%です。1日後と10日後は範囲の中で、5日後だけが範囲の上限を2.8ポイント上回りました。
5日後の55.7%を、通貨と期間で分けて確かめました。5通貨とも、基準を上回っています。
| 分け方 | 件数 | 逆向きに動いた割合 |
|---|---|---|
| USD/JPY | 117 | 53.0%(基準48.6%) |
| EUR/USD | 105 | 61.0%(基準49.7%) |
| GBP/USD | 103 | 51.5%(基準50.0%) |
| EUR/JPY | 111 | 56.8%(基準49.4%) |
| AUD/JPY | 97 | 56.7%(基準49.1%) |
| 2016〜2020年 | 244 | 55.3%(基準50.0%) |
| 2021〜2026年 | 289 | 56.1%(基準48.0%) |
上側(75%以上へ入った288件)は52.1%(基準47.2%)、下側(25%以下へ入った245件)は60.0%(基準51.8%)でした。4時間足でも測ると、範囲に入った約3,270件で、1本後が51.7%、5本後が51.3%、10本後が50.3%で、ランダムの範囲(約48.1〜51.0%)の上限を、1本後で0.7ポイント、5本後で0.3ポイント上回り、10本後は範囲の中でした。
範囲を出た日のあと
範囲から戻った日(75%以上から75%未満へ、25%以下から25%超へ)のあとも、同じやり方で測りました。上側は安く、下側は高く動いた割合は、1日後が52.5%、5日後が53.5%、10日後が49.3%で、3つとも範囲(1日後46.0〜53.2%、5日後45.8〜52.9%、10日後45.7〜52.8%)の中でした。
上がった日数と12日間の値動き

サイコロジカルラインは、過去12日を数えた値です。上がった日が9日以上だった1,096日のうち、12日前より終値が高かったのは1,057日(96.4%)で、安かったのは39日でした。3日以下だった792日のうち、12日前より高かったのは1日だけでした。
75%以上は「12日でほぼ上がった」、25%以下は「ほぼ下がった」と同じ意味で、すでに起きた動きを表しています。これから価格がどちらへ動くかは、この数え方からは分かりません。先ほどの測定は、入った日より「あと」を数えたものです。
測った結果の読み方と、測っていないこと
5日後の55.7%には、読むときの注意が3つあります。1つ目は、比べた組み合わせが多いことです。90%の範囲は、何も差がなくても10回に1回は外れます。日足の6つの比較(入った日・出た日の1日・5日・10日後)のうち、範囲を外れたのは1つでした。2つ目は、範囲の計算が、足が1件ずつ独立だと仮定していることです。範囲に入った日は近い日が続くことがあり、5日後までの動きが重なると、実際の範囲は広がります。3つ目は、スプレッドやスワップを引いていないことです。
測ったのは、範囲に入った日・出た日のあとの終値の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率は測っていません。移動平均線やRSIなど、ほかの指標との組み合わせも測っていません。測った範囲で言えるのは、日足で範囲に入った5日後に逆向きへ動いた割合が、ランダムの範囲よりやや高かったことです。1日後と10日後は範囲の中で、はっきりした差ではありませんでした。
上がる日が続く強いトレンドでは、75%以上にとどまり続けることもあります。ダマシへの備えは、ダマシの記事にまとめています。似た考え方の指標には、RSIやボリンジャーバンドがあります。使う場合は、損切りの位置を先に決め、デモ口座や自分のデータで確かめてからにしてください。
アドバイス範囲に入った5日後に逆向きへ動いたのは55.7%で、ランダムの範囲の上限52.9%を超えたよ。でも1日後と10日後は範囲の中だったから、はっきりした差とは言えないね。
要点
・サイコロジカルラインは、直近12日のうち終値が前日より高かった日の割合(12日が一般的、75%以上・25%以下が目安)
・MT4・MT5には標準で入っていない(OANDA証券の解説ページ)
・5通貨の日足13,890日で、75%以上か25%以下にいた日は13.6%。入った回数は1,000日あたり38.4回
・範囲に入ったあと、2日以内に出た件が57.0%、10日以上とどまった件が8.8%
・入った日の5日後に逆向きへ動いた割合は55.7%で、ランダムの範囲(45.8〜52.9%)を上回った。1日後と10日後は範囲の中
・測っていないのは、売買の損益、勝率、スプレッドとスワップ、ほかの指標との組み合わせ
サイコロジカルラインのよくある質問
サイコロジカルラインとは何ですか?
12日のうち上がった日の割合です。終値が前日より高かった日の数を12で割って100をかけ、0〜100%で表します。
75%と25%は何を表しますか?
12日のうち9日上がった状態と、3日上がった状態です。解説ページは、75%以上を買われすぎ・過熱、25%以下を売られすぎ・ボトムの目安にしています。
MT4・MT5に最初から入っていますか?
入っていません。OANDA証券の解説ページは、MT4・MT5にはデフォルトで実装されていないと書いています。カスタムインジケーターを入れます。
前日と終値が同じ日はどう数えますか?
会社によって違います。0.5日と数える例も、勝ちと数える例もあります。測った5通貨の日足では、同値は14,035件中12件で、結果はほぼ変わりませんでした。
75%以上・25%以下になったら売買してよいですか?
損益は測っていません。範囲に入った5日後に逆向きへ動いた割合は55.7%でしたが、1日後と10日後はランダムの範囲の中でした。
サイコロジカルラインのまとめ
サイコロジカルラインは、直近12日のうち終値が前日より高かった日の割合で、75%以上と25%以下が目安です。Dukascopy のティックから作った5通貨の日足(2016年1月〜2026年10月、13,890日)では、範囲にいた日は13.6%、入った回数は1,000日あたり38.4回でした。範囲に入ったあとは、2日以内に出た件が57.0%、10日以上とどまった件が8.8%でした。
入った日の5日後に逆向きへ動いた割合は55.7%で、ランダムの範囲の上限を上回りました。1日後と10日後は範囲の中で、損益は測っていません。使う前に、自分のデータで確かめてください。環境の見方は環境認識の記事にまとめています。
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