
RCIとは|日付の順位と価格の順位から出す指標

RCIの計算式
RCIは、スピアマンの順位相関係数を相場に当てはめた指標です。式は、RCI=〔1−(6×d)÷(nの3乗−n)〕×100です。nは期間の足の数、dは「日付の順位」と「価格の順位」の差を2乗して合計した値です。大和証券の用語解説(順位相関指数)に同じ式があります。順位相関係数そのものは、スピアマンの順位相関係数(Wikipedia)にあります。
この記事では、日付の順位は新しい足ほど大きく、価格の順位は終値が高いほど大きくしました。大和証券の用語解説は、最新の足と最高値を1位としますが、両方の順位を逆にしても順位の差は変わらないので、RCIの値は同じです。同じ終値が2本以上あるときは、順位を平均にしています。終値は、足の最後の価格です。
RCIの計算例(期間9)

図は、USD/JPYの1時間足9本の終値で、期間9のRCIを出した例です。日付の順位は、1が日本時間の2026年7月7日11時の足で、9が8時間後の足です。価格の順位は、安い終値を1、高い終値を9としました。順位の差を2乗して合計すると64で、RCI=(1−6×64÷720)×100=46.7%です。720は、9×(9×9−1)です。
RCIの値の読み方
RCIは、新しい足ほど終値が高い順に並ぶと+100になり、新しい足ほど終値が低い順に並ぶと−100になります。上の図の計算例は、新しい足ほど終値が高いとは限らない並びなので、46.7%です。+80以上は、上昇の順位がほぼ揃った状態、−80以下は、下落の順位がほぼ揃った状態です。図のチャートでは、陽線を緑、陰線を赤にし、+80以上と−80以下を薄いオレンジの帯にしました。この96本で、帯へ入る動きは、期間9が7回、期間26が3回、期間52が2回でした。
アドバイスRCIは、順位の揃い具合を見る指標だよ。図の96本では、帯へ入る動きが期間9で7回、期間52で2回だったね。
RCIの設定|期間9・26・52で±80に入る回数と滞在が変わる

期間と±80に入る回数
RCIの期間を、9・26・52に変えて、±80に入る回数を数えました。「入る」は、RCIが+80未満から+80以上へ上がる、または−80超から−80以下へ下がることです。起きた1回を1件と数え、5通貨の1時間足333,913本で、1,000本あたりに直しています。各通貨の最初の600本は、計算の助走として除きました。
1,000本あたりの回数は、期間9が74.3回(24,819件)、期間26が24.4回(8,144件)、期間52が12.4回(4,144件)でした。期間9のほうが、期間26より回数が多く、期間26のほうが期間52より多くなります。期間9から26で回数は3.0分の1、26から52で2.0分の1です。±80以上の足の割合は、期間9が29.2%、期間26が26.6%、期間52が28.0%で、3つとも約3割でした。
±80以上の足の割合は、RCIが+80以上または−80以下だった足の割合です。1回の滞在は、±80以上の足の数を、入った回数で割った本数で、期間9が3.9本、期間26が10.9本、期間52が22.6本でした。期間を長くすると、入る回数は減り、1回で±80以上にいる長さは増えます。
時間足を変えたときの回数

時間足を変えても、1,000本あたりの回数はほぼ同じでした。期間9は74.3〜77.0回、期間26は23.9〜25.2回、期間52は12.2〜12.8回です。足の数は、15分足が1,344,482本、1時間足が333,913本、4時間足が84,087本、日足が11,040本です。4時間足は、世界標準時の0・4・8・12・16・20時の区切り(日本時間の9・13・17・21・1・5時)でまとめた足です。日足は、ニューヨーク時間の17時で区切った足です。
回数は、時間足よりも期間で決まります。ただし、これは回数の話です。サインとして使える時間足かどうかは、この表からは言えません。
+80に入ったあとの滞在の例

図は、+80に入ったあとも価格が上がった場面の例です。期間9のRCIが+80以上へ入ったのは、日本時間の2026年4月29日14時の足で、そこから17本のあいだ+80以上にとどまりました。その足の終値は159.708円で、12本後の終値は160.204円と、0.50円上がっています。これは1つの場面です。次の節の測定では、+80に入ったあとに下がった場合も、上がった場合も、全て数えています。
アドバイス期間を長くすると、±80に入る回数は減るよ。1,000本あたり、期間9は74.3回、期間52は12.4回だったね。
RCIのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
RCI_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、RCI_systreをチャートに出します。
MT5の入れ方
MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の RCI_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。
ダウンロードと初期設定
ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。入れる先を間違えないでください。RCI_systreは、チャートの下の別ウィンドウに、終値で計算したRCIの線を1本出します。入力の項目は「RCI期間」だけで、初期値は9です。80・−80・0の位置に横線が引かれます。下の画面は、MT4で期間9を表示した実画面です。

アドバイスファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。
RCIの使い方|±80と期間の交差のあとの値動きを測った結果

±80に入ったあとの値動き
RCIが+80以上に入った足は売りのサイン、−80以下に入った足は買いのサインとして、その足の終値から4本後と12本後の終値で、逆向きへ進んだ割合を数えました。売りは下がれば、買いは上がれば、逆向きに進んだとします。サイン1回を1件と数え、件数は、期間9が約24,800件、期間26が約8,140件、期間52が約4,140件です。
比べる相手には、同じ時刻(世界標準時の時)の全ての足から、同じ数の足を選んだときの割合を中心に、二項分布の正規近似で計算した90%の範囲(ランダムの範囲)を使いました。5通貨を合わせて計算しています。逆向きに進んだ割合は、期間9・4本後が51.3%(範囲49.4〜50.4%)、期間9・12本後が50.8%(範囲49.5〜50.6%)、期間26・4本後が51.0%(範囲49.2〜51.0%)、期間26・12本後が49.9%(範囲49.2〜51.0%)、期間52・4本後が48.3%(範囲48.9〜51.4%)、期間52・12本後が49.4%(範囲49.1〜51.7%)でした。
6つの範囲は、全て50%を含みます。割合が範囲に入ったのは3つで、範囲の上を超えたのが期間9の2つ(差は0.9と0.2ポイント)、範囲の下を割ったのが期間52・4本後(差は0.6ポイント)です。ただし、この範囲は、足が1本ずつ独立に選ばれると仮定した計算です。4本後・12本後までの動きが重なる足が近くにあると、実際の範囲は広がります。±80に入ったあとの向きに、偏りがあるとは言えませんでした。

日足でも、同じ求め方で5本後と10本後を数えました。サインの件数は、期間9が約835件、期間26が275件、期間52が139〜141件と少なく、範囲は広くなります(期間52・10本後で41.5〜55.5%)。6つとも範囲に入り、範囲は全て50%を含みます。件数が少ないので、割合の数字は書きません。
平均線の上と下で分けた結果

±80に入った足の終値が、100本の単純移動平均(平均線)より上か下かで、12本後の結果を分けました。比べる範囲は、同じ時刻・同じ平均線の位置の全ての足から、同じ数を選んだときの割合です。件数は、期間9が上12,955件・下11,861件、期間26が上4,301件・下3,841件、期間52が上2,192件・下1,951件で、上と下の合計は、前の節の12本後の件数(24,816件・8,142件・4,143件)と同じです。
逆向きに進んだ割合は、期間9で上が50.0%(範囲48.8〜50.3%)、下が51.6%(範囲49.9〜51.4%)、期間26で上が48.8%(範囲47.8〜50.4%)、下が51.2%(範囲49.9〜52.6%)、期間52で上が47.8%(範囲47.1〜50.6%)、下が51.3%(範囲50.3〜54.0%)でした。6つのうち5つが範囲に入り、期間9の下だけが範囲の上を0.2ポイント超えました。平均線の位置で分けても、差があるとは言えませんでした。
通貨ごとの結果

期間26の12本後を、通貨ごとに分けました。件数は、USD/JPYが1,623件、EUR/USDが1,638件、GBP/USDが1,572件、EUR/JPYが1,655件、AUD/JPYが1,654件で、合計は8,142件です。逆向きに進んだ割合は、USD/JPYが48.9%(範囲47.8〜51.9%)、EUR/USDが52.6%(範囲48.4〜52.5%)、GBP/USDが49.7%(範囲48.3〜52.5%)、EUR/JPYが49.0%(範囲48.0〜52.0%)、AUD/JPYが49.3%(範囲47.9〜51.9%)です。
5つのうち4つが範囲に入り、EUR/USDだけが範囲の上端を0.1ポイント未満だけ超えました。範囲は90%なので、5つの比べ方のうち、偶然でも0.5個ほどは外れる計算です。通貨によって差があるとは言えませんでした。
期間9と期間26の交差のあと

短い期間のRCIが長い期間のRCIを抜ける動きも測りました。期間9のRCIが期間26のRCIを下から上へ抜けたら上、上から下へ抜けたら下のサインとして、抜けた足の終値から、1時間足は4本後と12本後、日足は5本後と10本後の終値で、抜けた向きへ進んだ割合を数えました。件数は、1時間足が約34,950件、日足が1,182件です。
抜けた向きへ進んだ割合は、1時間足の4本後が49.8%(範囲49.5〜50.4%)、12本後が49.7%(範囲49.5〜50.4%)でした。日足は、5本後・10本後とも範囲が47.6〜52.4%で、範囲に入りました。4つとも50%を含む範囲に入り、交差のあとに抜けた向きへ進むとは言えませんでした。
測っていないこと
この記事で測ったのは、サインの回数・滞在と、サインのあとの価格の向きです。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、ほかの指標との組み合わせは測っていません。期間9・26・52以外の期間や、サインを出す±80以外の水準も測っていません。測った範囲では、期間を長くすると±80に入る回数が減り、サインのあとの向きの割合は、ランダムの範囲と大きく変わりませんでした。
アドバイス±80に入ったあとに逆向きへ進んだ割合は、1時間足で48.3〜51.3%だったよ。50%を含む範囲との差は、最大0.9ポイントだったね。
要点
・RCIは、期間内の日付の順位と終値の順位の差から出す指標。−100〜+100で、配布ファイルの初期値は期間9
・5通貨の1時間足333,913本で、±80に入る回数は1,000本あたり、期間9が74.3回、期間26が24.4回、期間52が12.4回
・時間足を15分足・4時間足・日足に変えても、1,000本あたりの回数はほぼ同じ
・±80に入った4本後・12本後に逆向きへ進んだ割合は、1時間足で48.3〜51.3%。6つの範囲は全て50%を含み、範囲の外の3つも差は最大0.9ポイント
・平均線の上下、通貨ごと、期間9と26の交差で分けても、差があるとは言えなかった
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ
RCIのよくある質問
RCIとは何ですか?
順位の揃い具合を表す指標です。期間内の終値の順位と日付の順位から、−100〜+100の値を出します。
RCIのおすすめの設定はありますか?
おすすめは測っていません。配布ファイルの初期値は期間9です。期間を長くすると、±80に入る回数は、1,000本あたり74.3回(期間9)から12.4回(期間52)に減りました。
RCIが+80や−80に入ったら、逆向きに動きますか?
そうとは言えませんでした。1時間足で、4本後・12本後に逆向きへ進んだ割合は48.3〜51.3%で、50%を含む範囲との差は最大0.9ポイントでした。
RCIはMT4とMT5のどちらでも使えますか?
どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。
RCIの計算式は何ですか?
〔1−(6×d)÷(nの3乗−n)〕×100です。nは期間、dは日付の順位と価格の順位の差を2乗して合計した値です。
RCIのまとめ
RCIは、日付の順位と終値の順位の差から出す、−100〜+100の指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、±80に入る回数が、1,000本あたり期間9で74.3回、期間26で24.4回、期間52で12.4回でした。時間足を変えても、回数はほぼ同じでした。
±80に入った4本後・12本後に逆向きへ進んだ割合は、1時間足で48.3〜51.3%で、6つの範囲は全て50%を含みました。範囲の外にあった3つも、差は最大0.9ポイントです。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。RCIと組み合わせる指標は、ADX、ストキャスティクス、ボリンジャーバンドの記事にまとめています。価格とのずれはダイバージェンスの記事を見てください。
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