
Ultimate Oscillatorとは|3つの期間を4:2:1で混ぜる指標

UOの考え方
UOは、1985年にラリー・ウィリアムズが発表した指標です。RSIなどは1つの期間で計算するため、期間を短くすると細かい上下が増え、長くすると反応が遅くなります。UOは、短期の7本・中期の14本・長期の28本の3つで同じ割合を出し、短い期間ほど重くして混ぜます。値は0〜100で、30以下を売られすぎ、70以上を買われすぎの目安にします。
ローソク足と並べた見え方
図は、USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年3月17日0時から4日間)です。陽線は緑、陰線は赤で描いています。この96本の中で、UOが30以下だった足は7本、70以上だった足は3本で、最小は22.3、最大は74.0でした。96本の大半は、30と70のあいだにあります。
アドバイスUOは、3つの期間を混ぜた0〜100の線だよ。図の96本では、30以下が7本、70以上が3本だったね。
Ultimate Oscillatorの計算式|買い圧力と真の値幅

5つの手順
足ごとに、買い圧力と真の値幅を出します。買い圧力は、終値から「安値と前の終値の低い方」を引いた値です。真の値幅は、「高値と前の終値の高い方」から「安値と前の終値の低い方」を引いた値です。前の終値を使うので、窓(ギャップ)が空いた足でも、値幅に入ります。
次に、直近の7本・14本・28本それぞれで、買い圧力の合計を真の値幅の合計で割ります。これが3つの割合です。最後に、7本の割合を4倍、14本の割合を2倍、28本の割合を1倍して足し、7で割って100をかけたものがUOです。重みの4・2・1を足すと7になるので、UOは0〜100に収まります。
なお、MetaQuotes社のサンプルコード(mql5.com)は、真の値幅の合計の代わりにiATR(平均真の値幅)を使っています。期間の中身の足し方が少し違う可能性がありますが、公式のターミナルに入っているものとの突き合わせは、していません。この記事の測定は、上の式で自分で計算しました。
3つの割合とUOの動き

図は、USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2025年6月24日0時から4日間)で、3つの割合(100倍した値)とUOを重ねたものです。96本での最大と最小の差は、7本の割合が63.3、14本が45.6、28本が23.4で、期間が短いほど大きく振れました。UOの差は49.8で、7本と14本のあいだです。UOは、短い期間の動きを多めに取り入れた線になります。
アドバイス期間が短い割合ほど、よく動くよ。図の96本では、7本が63.3、28本が23.4の振れ幅だったね。
Ultimate Oscillatorの入れ方|MT4・MT5の手順と配布ファイル

最初から入っているか
MT5の公式ヘルプ(MetaQuotes社)には、オシレーターが15種類並んでいます。ATR・MACD・RSI・ストキャスティクスなどで、Ultimate Oscillatorは入っていません。MT4については、公式の一覧で確認できていません。ナビゲーターに見当たらない場合は、下の配布ファイルを入れてください。
MT4の入れ方
- ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の
UltimateOsc_systre.ex4を取り出します。 - MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
- ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
- 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、UltimateOsc_systreをチャートに出します。
MT5の入れ方
MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の UltimateOsc_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。
ダウンロードと初期設定
ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。入力の初期値は、短期期間7・中期期間14・長期期間28です。線は緑で、70・50・30の位置に水平線が出ます。この記事の測定も、7・14・28で行いました。起動時には、シストレ.COMに登録した口座かどうかの確認が入り、通らないと警告が出て表示されません。
無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。
MT4での表示例

アドバイスファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。
Ultimate Oscillatorの売買ルール|ウィリアムズのダイバージェンス

ウィリアムズの規則
ウィリアムズの売買は、30や70に触れただけでは出ません。出発点は、価格とUOの向きが逆になる「ダイバージェンス」です。買いは、価格が安値を更新したのに、UOは安値を切り上げた形です。その間にUOが30を下回っていて、UOが2つの安値の間の高値を上抜けた足が、買いのサインです。手じまいは、UOが70を超えたとき、または50を超えたあとに45を割ったときです。
売りは、買いの逆です。価格が高値を更新したのに、UOは高値を切り下げ、UOが2つの高値の間の安値を下抜けた足がサインです。TradingViewの解説は、この売りの形で、高値のUOが70を超えている必要があるとしています。一方、mql5.comの解説は50を超えていればよいとしており、資料で数字が違います。1985年の原典そのものは確認できていないので、この記事の測定では70超を使いました。
買いのダイバージェンスの実例

図は、USD/JPYの1時間足で、日本時間の2025年1月16日11時と1月17日9時の安値です。安値は155.206円から154.977円に下がりましたが、UOは21.6から44.4に上がりました。1つ目の安値のUOは30以下です。1月17日17時に、UOが間の高値(54.7)を上抜けて、サインが出ました。この足から12本後の終値は、サインの足より44.4pips高くなっています。ただし、これは1回の例で、毎回こうなるわけではありません。何回出て、そのあとどう動いたかは、あとの節で測っています。
アドバイスウィリアムズの買いは、価格が安値を更新して、UOは切り上げる形だったね。図の例では、UOが21.6から44.4に上がったよ。
Ultimate Oscillatorの30/70|入る頻度と居続ける本数を実測

入る回数
UOが30を超えている状態から30以下に入る、または70未満の状態から70以上に入る動きを、1回と数えました。各通貨の最初の600本は、計算の助走として除いています。5通貨の1時間足333,913本で、30以下に入ったのは2,235回、70以上に入ったのは3,070回でした。1,000本あたりでは、30以下が6.7回、70以上が9.2回です。
通貨ごとに見ると、30以下に入る回数は、USD/JPYが5.6回、EUR/USDが8.9回、GBP/USDが8.0回、EUR/JPYが5.2回、AUD/JPYが5.7回です。70以上は、USD/JPYが12.2回、EUR/USDが7.0回、GBP/USDが7.8回、EUR/JPYが9.5回、AUD/JPYが9.5回でした。通貨によって、30以下と70以上のどちらに寄るかが違います。理由は測っていません。
居続ける本数

入った足から出るまでの連続した足の数を、居続けた本数としました。30以下では、1本で出たものが55.2%、2本が19.8%、3本が9.2%、4〜5本が9.2%、6〜9本が6.0%、10本以上が0.6%(13回)でした。70以上では、1本が52.6%、2本が19.0%、3本が9.9%、4〜5本が9.1%、6〜9本が8.1%、10本以上が1.3%(41回)です。中央値はどちらも1本で、半分以上は1本で出ています。
最長は、30以下が13本、70以上が17本でした。70以上の17本は、EUR/USDの2023年7月13日(日本時間)20時から続いた例で、図のとおりです。UOは、30や70に入ってもすぐ戻る場合が多く、長く居続けるのはまれでした。

時間足を変えたとき

15分足と4時間足でも、同じ数え方で比べました。30以下に入る回数は、1,000本あたり15分足が6.9回、1時間足が6.7回、4時間足が6.7回で、ほぼ同じです。70以上は、8.2回、9.2回、13.5回と、時間足が長いほど多くなりました。居続けた本数の中央値は、4時間足の70以上だけ2本で、ほかは1本です。70以上が増える理由は、測っていません。
アドバイスUOが30以下や70以上に居続けるのは、まれだったよ。中央値は1本で、10本以上続いたのは30以下で0.6%、70以上で1.3%だったね。
Ultimate Oscillatorの30/70のあと|12本後・24本後の動きを実測

測り方
UOが30以下に入った足は買い、70以上に入った足は売りのサインとみなして、その足の終値から12本後と24本後の終値を比べました。買いは上がれば、売りは下がれば、サインの向きに進んだとします。サイン1回を1件と数え、30以下は2,235件、70以上は3,070件です。
比べる相手は、「ランダムの範囲」です。全ての足の中から、同じ数の足を選んだときに、上がった(下がった)割合がぶれる90%の範囲を、二項分布の正規近似で計算しました。中心は、全ての足の割合です。この期間は、12本後に上がった足が51.6%、下がった足が48.3%でした。
結果
30以下に入ったあとに上がった割合は、12本後が52.3%(範囲49.9〜53.3%)、24本後が49.4%(範囲50.0〜53.5%)でした。70以上に入ったあとに下がった割合は、12本後が49.7%(範囲46.8〜49.8%)、24本後が48.4%(範囲46.7〜49.7%)です。4つのうち3つは範囲に入り、24本後の30以下だけが、範囲より0.6ポイント下でした。
範囲は90%なので、偶然でも外れることがあります。また、隣り合う足は似た動きをするので、実際のぶれは、この範囲より広くなります。30以下で上がる、70以上で下がるという偏りは、この測定では見えませんでした。
アドバイス30以下に入った12本後に上がった割合は52.3%、70以上のあとに下がった割合は49.7%だったよ。どちらも範囲に入っているね。
Ultimate Oscillatorのダイバージェンス|サインの回数とそのあとを実測

サインの数
安値と高値は、前後5本で最も低い(高い)足としました。60本以内で隣り合う安値(高値)の組を数え、条件を重ねています。買いは、隣り合う安値の組が20,575組、そのうち価格が安値を更新したのが9,808組、UOが安値を切り上げたのが3,641組、1つ目の安値でUOが30以下だったのが519組、サインが出たのが458回です。売りは、20,272組、10,237組、3,902組、760組、689回です。
1,000本あたりのサインは、買いが1.4回、売りが2.1回でした。条件を重ねるほど、数は大きく減ります。通貨ごとのサイン数は、買いがUSD/JPY78回、EUR/USD115回、GBP/USD108回、EUR/JPY80回、AUD/JPY77回、売りが177回、93回、130回、142回、147回です。
サインのあとの動き

サインの足の終値から、12本後と24本後の終値を比べました。買いのサイン(458回)で上がった割合は、12本後が54.4%(範囲47.8〜55.4%)、24本後が55.2%(範囲47.9〜55.6%)です。売りのサイン(689回)で下がった割合は、12本後が47.6%(範囲45.1〜51.4%)、24本後が48.9%(範囲45.1〜51.3%)でした。
4つとも、ランダムの範囲に入りました。買いは全ての足の割合(51.6%)より約3ポイント高く、売りは全ての足の割合(48.3%)に近い結果です。件数が458回と689回と少ないため、範囲が広く、差があるとは言えませんでした。買いの上がった割合が高めに出た理由は、測っていません。
アドバイスダイバージェンスのサインは、1,000本あたり買い1.4回、売り2.1回だったよ。そのあとの割合は、4つとも範囲に入ったね。
Ultimate OscillatorとRSI・ストキャスティクスの違い

どれくらい似ているか
同じ足で計算した値どうしの相関係数は、UOとRSI(14期間)が0.74、UOとストキャスティクス(%K・14期間・なまし無し)が0.78、RSIとストキャスティクスが0.82でした。UOはどちらとも似ていますが、RSIとストキャスティクスの組み合わせよりは、少し離れています。
細かさ
線が上向きから下向き(またはその逆)に変わった回数は、1,000本あたり、UOが516回、RSIが513回、ストキャスティクスが534回です。UOはRSIより滑らか、とは言えず、ほぼ同じ細かさでした。3つの期間を混ぜても、向きが変わる回数はRSIと変わりません。
この記事で測ったのは、30や70に入る回数・居続ける本数・そのあとの価格の向き・ダイバージェンスの回数です。売買の損益、損切りや利確の幅、勝率、ほかの指標との組み合わせ、通貨ごとの違いの理由は測っていません。
アドバイス向きが変わる回数は、UOが516回、RSIが513回で、ほぼ同じだったよ。相関は0.74だったね。
要点
・UOは、7・14・28本の割合を4:2:1で混ぜた0〜100の指標。配布ファイルの初期値も7・14・28
・5通貨の1時間足333,913本で、30以下に入る回数は1,000本あたり6.7回、70以上は9.2回。居続けた本数の中央値は1本
・30以下に入った12本後に上がった割合は52.3%、70以上に入った12本後に下がった割合は49.7%で、ランダムの範囲とほぼ同じ
・ダイバージェンスのサインは、1,000本あたり買い1.4回・売り2.1回。そのあとの割合は、4つともランダムの範囲に入った
・UOとRSIの向きが変わる回数は、516回と513回でほぼ同じ
・MT5の公式ヘルプのオシレーター一覧に、UOは入っていません。MT4は確認できていません
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ほかの指標との組み合わせ
Ultimate Oscillatorのよくある質問
Ultimate Oscillatorとは何ですか?
3つの期間を混ぜた0〜100の指標です。ラリー・ウィリアムズが作りました。
MT4・MT5に最初から入っていますか?
MT5の公式ヘルプの一覧には、ありません。MT4は確認できていません。見当たらなければ、配布ファイルを入れてください。
期間は7・14・28のままでよいですか?
ほかの期間は測っていません。ウィリアムズの設定も、配布ファイルの初期値も7・14・28です。
30以下で買い、70以上で売りでよいですか?
入っただけでは、偏りは見えませんでした。ウィリアムズの規則は、ダイバージェンスが出発点です。
ダイバージェンスのサインは、どれくらい出ますか?
1時間足で、1,000本あたり買い1.4回、売り2.1回でした。5通貨の合計で、買い458回・売り689回です。
Ultimate Oscillatorのまとめ
Ultimate Oscillatorは、買い圧力と真の値幅から出した7・14・28本の割合を、4:2:1で混ぜた指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、30以下に入る回数が1,000本あたり6.7回、70以上が9.2回で、居続ける本数の中央値は1本でした。10本以上居続けたのは、30以下で0.6%、70以上で1.3%です。
30以下・70以上に入ったあとの割合も、ダイバージェンスのサインのあとの割合も、ランダムの範囲とほぼ同じでした。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。RSIの基本はRSIの記事にまとめています。
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