
ブロードニングフォーメーション(拡大型)とは|高値が切り上がり安値が切り下がる形

形の条件と別名
ブロードニングフォーメーションは、高値が前の高値より高く、安値が前の安値より低くなっていく形です。高値を結んだ線と安値を結んだ線が、右へいくほど開くため、拡大型と呼ばれます。値動きの幅が広がっていく様子が、メガホンの口に似ているため、メガホンパターンとも呼ばれます。同じ形をべつの名前で扱った記事に、メガホンパターンの記事と拡大型三角形の記事があります。
この記事では、高値と安値を3つずつ、合わせて6つの転換点で判定します。高値3つが切り上がり、安値3つが切り下がるものを、対称型と呼びます。
実例|EUR/USDの4時間足
図は、EUR/USDの4時間足の対称型です。高値の転換点は2024年1月18日4時(UTC)の1.09068、1月23日4時の1.09163、1月24日12時の1.09324で、切り上がっています。安値の転換点は1月18日12時の1.08468、1月23日12時の1.08217、1月26日4時の1.08129で、切り下がっています。6つの転換点が出そろい、形が確定したのは1月26日8時の足です。そこから8本目の1月29日12時の足の終値が1.07974で、下の線の外へ出ました。その10本後の終値は1.08162で、出た向き(下)とは反対に上がっています。定義に素直に当てはまる例を選んだもので、ほかの形の動きを代表するものではありません。
アドバイス拡大型は、高値と安値が3つずつ、どんどん外へ広がる形だよ。ほかの名前はメガホンパターンだね。
ブロードニングの種類|対称型・上向き型・下向き型

対称型
高値3つが切り上がり、安値3つが切り下がる形です。上の線は右上がり、下の線は右下がりで、2本の線はだんだん開きます。いちばん素直な拡大型で、この記事でも対称型を中心に測りました。
上向き型と下向き型(ブロードニングウェッジ)
高値も安値も同じ向きに動きながら、幅が開く形です。高値3つと安値3つがともに切り上がり、上の線のほうが急なものが上向き型、ともに切り下がり、下の線のほうが急なものが下向き型です。この記事では、どちらも線の間の幅が、6つ目の転換点の位置で、1つ目の位置の1.5倍以上に開いたものだけを数えました。ブロードニングウェッジは、この上向き型・下向き型にあたる呼び名として使われます。
アドバイス上向き型と下向き型は、傾きがあるぶん、ただの上昇や下降と見分けにくいよ。幅が1.5倍以上に開いたものだけ数えたんだ。
ブロードニングと三角保ち合いの違い|線が開くか閉じるか

線の向きが逆
三角保ち合いは、高値が切り下がり、安値が切り上がって、2本の線が右へ閉じていく形です。この記事では、同じ6つの転換点の測り方で、高値3つが切り下がり安値3つが切り上がるものを収束型と呼び、拡大型と比べました。収束型は300件で、対称型の198件より多く見つかりました。三角保ち合いの見方は、三角保ち合いの記事にあります。
確定後の値幅
形が確定した足のあとの20本で、1本ごとの値動きの幅の平均が、確定した足を含む前20本の何倍だったかを測りました。中央値は、対称型が0.95倍(5〜95%の範囲は0.91〜0.97倍)、収束型が1.11倍(範囲1.07〜1.16倍)です。幅が前より増えたのは、対称型が39.4%、収束型が64.2%でした。6つの転換点のどの並びでも(形を問わず)、確定した足ごとに同じ測り方をすると、中央値は1.00倍、増えたのは49.9%です。対称型は、形の確定後に値動きが小さくなる方向、収束型は大きくなる方向に偏っていました。理由までは測っていません。
アドバイス拡大型は線が開く形、三角保ち合いは線が閉じる形だよ。確定後の値幅は、対称型が前の0.95倍、収束型が1.11倍だったよ。
ブロードニングの見つけ方と出た回数|転換点の決め方と数え方

転換点の決め方
高値と安値の転換点は、ジグザグで決めました。高値をつけたあと、終値が直近14本の値動きの幅(高値と安値の差、または前の終値からの離れ幅の大きいほう)の平均の2倍以上、高値から下がった足で、その高値を転換点として確定します。安値は反対です。確定した足の時点までの値動きだけで決めるので、あとから見直して形が変わることはありません。確定した直近6つの転換点(高値と安値が交互)を調べ、上の条件に当てはまる型に分けます。同じ転換点を2つの形に使わないよう、形が重ならない数え方にしました。
2本の線は、高値の1つ目と3つ目、安値の1つ目と3つ目を通る直線です。目で見て引く線は人によってずれますが、この数え方では同じ値動きなら同じ線になります。
出た回数
2016年1月〜2026年10月の5通貨ペアで、対称型は1時間足で157件、4時間足で35件、日足で6件、合計198件でした。通貨ペアごとでは、USD/JPYが27件、EUR/USDが43件、GBP/USDが49件、AUD/JPYが35件、USD/CHFが44件で、合計は198件です。年ごとでは、2023年が30件で最も多く、通年で最も少ないのは2022年の10件でした(2026年は10月までで9件)。198件を約10.8年で割ると、5通貨・3つの時間足を合わせて1年に約18件です。1時間足だけなら、1通貨あたり1年に約3件にあたります。
上向き型は729件、下向き型は778件で、対称型の3.7〜3.9倍でした。ただし、上向き型・下向き型には幅が1.5倍以上に開くという条件を付けていて、条件が対称型と同じではありません。日足の対称型は10年あまりで6件しか見つからず、日足だけで傾向を測るのは難しい件数です。
アドバイス対称型は、5通貨・3つの時間足を合わせても10年あまりで198件だったよ。思ったより少ないんだ。
ブロードニングはどちらの線から抜けるか|上の線か下の線か

50本以内に出た向き
形が確定した足の次から50本以内に、終値が最初に、延ばした線の外へ出た向きを数えました。対称型198件は、上の線の外が44件、下の線の外が41件、出なかったのが113件(57.1%)です。出たもののなかでは、上が51.8%でほぼ半々でした。出るまでの本数は、中央値で12本です。上向き型729件は、上が92件、下が524件、出ずが113件で、下の線から出たのが71.9%です。下向き型777件は、上が600件、下が82件、出ずが95件で、上の線から出たのが77.2%でした(形の確定後50本が揃った777件。778件のうち1件は50本分のデータがありません)。
上向き型・下向き型の偏りは、線の距離で説明できる
上向き型が下の線から、下向き型が上の線から出やすい偏りは、予想ではなく、線の位置から来ていました。形が確定した足の終値から、延ばした上の線と下の線までの距離を、直近14本の値動きの幅の平均を単位にして測ると、中央値は次のとおりです。上向き型は、上の線まで3.30、下の線まで2.19で、下の線が近いのは67.1%(上の線が近いのは32.9%)。下向き型は、上の線まで2.10、下の線まで3.22で、上の線が近いのは73.0%です。対称型は、上の線まで3.36、下の線まで3.90で、上の線が近いのは55.6%でした。近い線に先に届くため、上向き型は下、下向き型は上から出た件数が多くなります。
アドバイス対称型は、上と下がほぼ半々で、半分以上が50本以内に出なかったよ。上向き型と下向き型の偏りは、線が近いほうに先に届くからだね。
ブロードニングの線を抜けたあとの動き|出た向きへ続いたか

出た向きへ続いた割合
線の外へ出た足の終値から、10本後と20本後の終値が、出た向きにさらに進んでいた割合を測りました。比べる相手は、5通貨・3つの時間足の足から、1組あたり20,000本の足と向き(上か下か)を無作為に選んだもので、10本後が50.0%、20本後が50.2%です。対称型(出た85件)は、10本後が43.5%(5〜95%の範囲は35.3〜52.9%)、20本後が49.4%(範囲41.2〜57.6%)で、どちらも範囲に50%が入ります。上向き型(616件)は50.0%と50.3%、下向き型(682件)は50.1%と47.9%でした。下向き型の20本後は、範囲が44.9〜51.0%で、上の端が50%に近いものの、50%を含んでいます。
転換点の決め方を変えても
転換点を決めるときの「2倍」を、1.5倍や3倍に変えて、対称型を数え直しました。1.5倍では300件で、出た155件のうち、同じ向きに続いたのは10本後が43.9%、20本後が49.7%です。3倍では103件で、出た43件のうち、10本後が34.9%、20本後が48.8%でした。20本後は、どの決め方でも50%前後で、10本後は50%を下回る数字が続きましたが、出た件数が少なく、範囲は広いままです。
アドバイス線を抜けたあとに、同じ向きへ続いた割合は、対称型の20本後で49.4%だったよ。無作為の足は50.2%だね。
ブロードニングの使い方|測れたことと、判断に使うときの注意

反転の合図として使えるか
拡大型は、反転の合図として説明されることがあります。そこで、形の1つ目の転換点の前50本の値動きを、直前の流れとして、形が確定した足から20本後の終値の向きが、その流れと逆だった割合を測りました。対称型198件は51.0%(範囲44.9〜57.1%)です。6つの転換点のどの並びでも、確定した足ごとに同じ測り方をした35,244件は50.4%(範囲50.0〜50.8%)で、差があるとは言えません。転換点の決め方を3倍にすると、対称型の割合は42.7%(103件、範囲34.0〜50.5%)、1.5倍にすると53.0%(300件、範囲48.3〜57.7%)と、向きが決め方によって入れ替わりました。反転の合図として使えるという根拠は、この測定からは得られませんでした。
判断に使うときの見方
測れた範囲で言えるのは、次の3点です。対称型は10年あまりで198件と少なく、半数以上が50本以内に線を抜けませんでした。線を抜けた場合も、出た向きに続くかどうかは、無作為の足と変わりませんでした。形が確定したあとの20本の値幅は、前の20本より小さい方向に偏っていました。売買の損益、損切りの置き方、ほかの指標との組み合わせは測っていません。線の外へ出る動きの見方は、ブレイクアウトの記事とダマシの記事にまとめています。
アドバイス対称型の確定後20本が、直前の流れと逆だった割合は51.0%で、全転換点は50.4%だったよ。形だけで決めつけないでね。
要点
・ブロードニングフォーメーション(拡大型)は、高値が切り上がり、安値が切り下がって、線が右へ開く形。メガホンパターンとも呼ばれる
・5通貨・2016年1月〜2026年10月の対称型は、1時間足157件・4時間足35件・日足6件の合計198件。1年に約18件
・50本以内に線の外へ出なかったのは113件(57.1%)。出たものは上44件・下41件
・出たあとに同じ向きへ続いたのは、10本後43.5%・20本後49.4%。向きを無作為に選んだ足は50.0%と50.2%
・確定後20本が直前の流れと逆だったのは51.0%(範囲44.9〜57.1%)。全転換点は50.4%
・上向き型は下の線、下向き型は上の線から出た件数が多い。近い線に先に届くため
・測っていないのは、売買の損益、損切り、ほかの指標との組み合わせ
ブロードニングのよくある質問
ブロードニングフォーメーションとは何ですか?
高値と安値が、ともに外へ広がっていく形です。高値を結ぶ線と安値を結ぶ線が右へ開きます。拡大型、メガホンパターンとも呼ばれます。
ブロードニングウェッジとの違いは何ですか?
高値と安値が同じ向きに動くかどうかです。対称型は高値が切り上がり、安値が切り下がります。高値も安値も同じ向きに動きながら開く上向き型・下向き型が、ブロードニングウェッジにあたります。
拡大型が出たら、相場は反転しますか?
反転しやすいとは言えませんでした。対称型198件のうち、確定後20本が直前の流れと逆だったのは101件で、割合は51.0%です。全転換点は50.4%でした。
拡大型は、上と下のどちらに抜けますか?
対称型は、ほぼ半々でした。50本以内に出たのは85件で、上が44件、下が41件です。上向き型は下、下向き型は上へ出た件数が多く、線までの距離の差が理由でした。
拡大型は、何時間足で見るとよいですか?
向き不向きは、測っていません。対称型の件数は、1時間足が157件、4時間足が35件、日足が6件と大きく違います。日足は10年あまりで6件で、傾向を測れる数ではありません。
ブロードニングのまとめ
ブロードニングフォーメーション(拡大型)は、高値が切り上がり、安値が切り下がって、線が右へ開く形です。Dukascopy のティックから作った足の2016年1月〜2026年10月、5通貨ペアで、対称型は1時間足157件・4時間足35件・日足6件、合計198件でした。50本以内に線の外へ出なかったのが113件(57.1%)で、出たのは上44件・下41件です。出たあとに同じ向きへ続いたのは、10本後43.5%・20本後49.4%で、向きを無作為に選んだ足の50.0%・50.2%と差があるとは言えませんでした。確定後20本が直前の流れと逆だったのは51.0%で、全転換点の50.4%と差がなく、転換点の決め方を変えると向きが入れ替わりました。測っていないのは、売買の損益、損切り、ほかの指標との組み合わせです。
拡大型の条件は、数値で書けます。同じ条件を自動で回して確かめたい場合は、EA(自動売買)の記事と、EAの選び方の記事があります。
この記事はFXの取引手法の情報提供で、特定の投資を勧めるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を割り込むことがあります。取引は自己責任で、リスク管理をしたうえで行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













