エルダー インパルスシステム完全解説!初心者でも使えるトレード手法

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エルダー インパルスシステム(Elder Impulse System)は、13期間EMAの傾きと、MACDヒストグラムの傾きを重ね、両方が上向きなら緑、両方が下向きなら赤、それ以外は青で足を塗るインジケーターです。一般には、赤の足では新しく買わず、緑の足では新しく売らないために使うとされます。シストレ.COMが自社運用のMT4/MT5環境で蓄積したtickデータ(Dukascopy・5通貨ペア・2016〜2025年)で計測したところ、色だけで売買するルールは、コスト後のPF(プロフィットファクター)が1時間足で0.86、4時間足で0.95、日足で0.96と、どの時間足でも1を超えませんでした。この記事では、色の決まり方、見方、使い方、設定、MT4・MT5への入れ方を、計測値つきで解説します。

目次

エルダー インパルスシステム(Elder Impulse System)とは|2つの傾きで足を緑・赤・青に塗る指標

インパルスの色の決まり方を示した2行2列の図。13EMAの傾きが上でMACDヒストグラムの傾きも上なら緑、どちらも下なら赤、食い違うと青になる
インパルスの色の決まり方(13EMAの傾きと、MACD(12,26,9)ヒストグラムの傾きの組み合わせ)

エルダー インパルスシステムの意味|色は2つの「傾き」で決まる

エルダー インパルスシステムは、トレーダーのAlexander Elder氏が、2002年の著書『Come Into My Trading Room』で紹介した手法です。足ごとに、2つの傾きを見ます。1つは13期間のEMA(指数平滑移動平均線)の傾き、もう1つはMACD(12,26,9)のヒストグラム(MACDからシグナルを引いた値)の傾きです。傾きは、1本前の足と比べて上か下かで決めます。

両方が上向きなら緑、両方が下向きなら赤、食い違えば青です。1本前と同じ値のときは「上」にも「下」にも数えないので、青になります。EMAは価格の向き、ヒストグラムは勢いの向きを表すので、「向きと勢いが揃っているか」を1色で見る仕組みです。

エルダー インパルスシステムの出典と、確認できていないこと

色の定義(13期間EMAとMACD(12,26,9)ヒストグラムの傾き)は、StockChartsのChartSchoolなどの解説で同じ形を確認しています。StockChartsの解説は、この手法をElder氏の著書『Come Into My Trading Room』のものとしています。使い方は「緑でないときは買いの形を見送り、赤でないときは売りの形を見送る」と説明されています。この記事では原典のページまでは確認していません。以前の版にあった書籍の出版年やページ数、投資情報サイトの年版を示す出典は、確認できなかったので削除しました。

エルダー インパルスシステムの設定値は、13EMAとMACD(12,26,9)

一般に紹介される設定は、EMAが13期間、MACDが短期12・長期26・シグナル9です。この記事の計測も、特に断らない限りこの値を使っています。設定を変えたときの結果は、後の章で示します。

アドバイス

緑は「どちらも上」、赤は「どちらも下」、食い違いは青。まずはこの決まりを覚えようね。

エルダー インパルスシステムの見方|緑・赤・青の意味と、色の出方の実測

ユーロドル日足70本のローソク足を、インパルスの緑・青・赤で塗った図。黒線は13EMAで、下段にMACDヒストグラムが同じ色で並ぶ。緑22本、青26本、赤22本
EUR/USD日足・70本(2023年9月ごろから)。ローソク足と下段のヒストグラムをインパルスの色で塗り、黒線は13EMA。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

緑・赤・青の意味|向きと勢いが揃っているか

緑は、EMAが上向きで、ヒストグラムも上向きの足です。上昇の向きと勢いが揃っている状態と説明されます。赤は、その逆で、どちらも下向きの足です。青は、2つが食い違う足で、向きと勢いが揃っていない状態です。

図は、ユーロドルの日足70本です。緑22本、青26本、赤22本で、3色がほぼ同じ数だけ出ています。色が変わる場所は、価格の山や谷の少し後になります。EMAもMACDも、過去の値から計算するためです。

計測の条件

シストレ.COM編集部が、自社運用のMT4/MT5環境で蓄積したtickデータ(Dukascopy)から1時間足を作り、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/JPY・USD/CHFの5通貨ペア、2016年1月〜2025年12月で計測しました。4時間足と日足は、1時間足から作っています。日足は、日本時間の17時を1日の区切りにしました。起動直後の本数は除き、1時間足の5通貨ペア合計は約30.9万本です。

売買は、色が決まった足の次の足の始値で約定し、スプレッドは時間帯ごとの実測平均を、入りと出の平均で1取引ごとに差し引いています。PFは、勝ちの合計÷負けの合計です。以下の数字は、この条件の中での結果です。

3色の出現割合は、どの時間足でもほぼ同じ

インパルスの3色の出現割合を示した積み上げ棒グラフ。1時間足は緑31%・青40%・赤29%、4時間足は31%・39%・29%、日足は33%・37%・30%で、通貨ペアごとでも大きな差はない
5通貨ペア・2016〜2025年。上は時間足ごと、下は1時間足の通貨ペアごと。四捨五入のため合計が100にならない行があります。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

1時間足では、緑が31%、青が40%、赤が29%でした。4時間足は31%・39%・29%、日足は33%・37%・30%で、時間足が変わっても、割合はほとんど変わりません。青は4割前後あるので、全体の約6割の足には、緑か赤の色が付きます。

同じ色が続くのは平均3本足らず

インパルスの同じ色が続く長さを時間足ごとに比べた2段の棒グラフ。上段は1本で別の色に変わる割合で、1時間足は緑38%・青45%・赤39%。下段は5本以上続く割合で、緑21%・青18%・赤19%
5通貨ペア・2016〜2025年。1回の色の連続の長さ。左から緑・青・赤の棒。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

1時間足で、同じ色が続く長さの平均は、緑が2.9本、青が2.8本、赤が2.8本でした。1本で別の色に変わる割合は、緑が38%、青が45%、赤が39%です。5本以上続くのは、緑が21%、青が18%、赤が19%だけです。足ごとに見ると、前の足と色が変わる割合は、1時間足で35%、4時間足で35%、日足で36%でした。「色が長く続くのがトレンド」と言えるほど、色は安定していません。

緑から赤へ、直接変わることは少ない

1時間足でインパルスの今の色から次の足の色への移り変わりを示した3行3列の図。緑のまま続くのが65%、赤のまま64%、青のまま65%で、緑から赤へ直接変わるのは11%、赤から緑は12%
1時間足・5通貨ペア・2016〜2025年。今の色から見た次の足の色の割合(%)。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

1時間足で、緑の次の足も緑なのは65%、赤の次も赤なのは64%、青の次も青なのは65%でした。緑から赤へ直接変わるのは11%、赤から緑へ直接変わるのは12%で、多くは青を挟みます。4時間足でも、同じ色のまま続く割合は緑66%・赤65%で、日足でも緑67%・赤66%と、ほぼ同じです。

アドバイス

色は3本ほどで変わることが多いんだね。1本の色だけで判断すると、振り回されそうだよ。

エルダー インパルスシステムの使い方|赤では買わず、緑では売らない「禁止ルール」

インパルスの一般的な使い方を3色で示した図。緑は買いを検討し売りは見送る、青はどちらも可、赤は売りを検討し買いは見送る。右に1時間足での出現割合として緑31%、青40%、赤29%
一般的な使い方と、5通貨ペア・1時間足・約31万本(2016〜2025年)での色ごとの出現割合。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

赤では買わず、緑では売らない

エルダー インパルスシステムは、一般に「売買の合図」ではなく、「やってはいけない側を教えるフィルター」として紹介されます。赤の足では新しく買わず、緑の足では新しく売りません。青の足は、どちらも禁止しません。つまり、色は「買う理由」ではなく、「見送る理由」を示す使い方です。

買うか売るかは、別の方法(移動平均線の向き、価格の水準、上位足の方向など)で決めます。インパルスは、その候補が「向きと勢いに逆らっていないか」を確かめる係になります。

押し目・戻りの見方|緑から青を挟んで緑に戻る

上昇の途中で、緑から青を挟んで再び緑に戻る形は、押し目の目安として紹介されます。下降なら、赤から青を挟んで赤に戻る形が、戻り売りの目安です。ただし、これが有利なタイミングかどうかは、この記事の計測では確認できませんでした。結果は、後の章で示します。

上位足で向きを決め、下位足で色を見る

日足や4時間足の色を見て大きな向きを決め、1時間足の色でタイミングを探す使い方も、よく紹介されます。上位足が緑なら、下位足では売りを見送る、という考え方です。この使い方の成績も、後の章で測っています。

アドバイス

インパルスは「やらない理由」を教えてくれる道具。買う理由は、ほかで探そうね。

エルダー インパルスシステムの検証|色だけで売買した10年の成績

緑で買い赤で売る色だけの売買のPFを、時間足と青の扱い別に並べた横棒グラフ。コスト後は1時間足で青手仕舞い0.86・青持ち越し0.91、4時間足は0.95と0.98、日足は0.96と0.94で、すべて1未満
5通貨ペア・2016〜2025年。緑で買い・赤で売りの色だけの売買のPF。青で手仕舞い=青のあいだは持たない、青は持ち越し=反対の色が出るまで保有。次の足の始値で約定、スプレッドを差し引き。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

色だけで売買すると、コスト後のPFは1を超えない

「緑で買い、赤で売る」という、色だけのルールを10年分計測しました。損切りは置いていません。青のあいだは持たない場合、1時間足は取引数65,284回、勝率31.1%、コスト前のPFは0.97、コスト後のPFは0.86で、1取引の平均は−1.03pips(誤差の目安±0.17pips)でした。コストは1取引あたり平均0.85pipsで、コスト前から、すでに負けています。

時間足取引数(青は手仕舞い)PF(コスト後)
1時間足65,2840.86
4時間足16,3350.95
日足3,1890.96

計測条件:USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/JPY・USD/CHFの5通貨ペア合計、2016年1月〜2025年12月、緑で買い・赤で売り・青は手仕舞い、次の足の始値で約定、スプレッドを差し引き。シストレ.COM自社計測です。PF(プロフィットファクター)は、総利益÷総損失です。

4時間足は、コスト前のPFが1.02(勝率34.4%)で、コスト後が0.95、1取引の平均が−0.67pipsでした。日足は、コスト前が0.99、コスト後が0.96です。青を持ち越し、反対の色が出るまで保有する場合は、1時間足が0.91、4時間足が0.98、日足が0.94で、どちらの扱いでも1は超えませんでした。

色のあとの値動きは、どの色もほぼゼロ

インパルスの色ごとに、その後の値動きの平均を時間足別に示した3段の棒グラフ。1時間足の24本先は緑+3、青−1、赤+1で、どの色も0に近く、色の向きと値動きの向きは一致しない
5通貨ペア・2016〜2025年。先の終値との差の平均(ATR14の1%を1とした値・上向きが+)。棒の線は95%の幅。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

色ごとに、その足から先の終値までの動きを、ATR14(直近14本の値幅の平均)に対する比で平均しました。1時間足で24本先は、緑が+3、青が−1、赤が+1(ATR14の1%を1とした値)で、緑のあとが上がり、赤のあとが下がる、という関係は見えません。4時間足と日足も、−3〜+9の間にあり、日足の赤は20本先で+9と、色の意味と逆向きに動いています。

インパルスの色ごとに、先の終値が今より高かった足の割合を時間足別に示した3段の棒グラフ。どの色も48.7〜53.6%で、50%の破線の近くに集まり、緑が赤より高いという関係は見えない
5通貨ペア・2016〜2025年。先の終値が今の終値より高かった足の割合(%)。破線が50%。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

先の終値が今より高かった足の割合も、どの色・どの先の本数でも48.7〜53.6%の中でした。1時間足で次の足が上がったのは、緑のあとが48.7%、赤のあとが52.5%で、色の意味と逆に、わずかに傾いています。差は小さく、売買の根拠にできる大きさではありません。

年別・通貨ペア別でも、1を超え続けたものはない

青を持ち越す色だけの売買のコスト後PFを、1時間足・4時間足・日足で年別に並べた折れ線グラフ。1時間足は10年とも1未満で0.79〜0.99、日足は2023年0.62から2024年1.44まで大きく上下する
5通貨ペア・2016〜2025年。青は持ち越しの色だけの売買の、コスト後PFの年別の値。凡例は、その年の損益(pips)の合計がプラスだった年数。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

青を持ち越す売買で、年別に見ると、1時間足は10年とも1未満(0.79〜0.99)でした。4時間足は4年、日足は5年でプラスでしたが、日足は2023年が0.62、2024年が1.44と、年によって大きく上下します。「日足・4時間足が安定する」とは言えない結果です。

青を持ち越す色だけの売買のコスト後PFを、5通貨ペアと3つの時間足で比べた横棒グラフ。ドル円は1時間足1.05・4時間足1.02・日足1.05で1を超え、スイスフランは1時間足0.74と低い
2016〜2025年。青は持ち越しの色だけの売買の、通貨ペア別のコスト後PF。次の足の始値で約定、スプレッドを差し引き。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

通貨ペア別では、1を超えたのは、ドル円の3つの時間足(1時間足1.05・4時間足1.02・日足1.05)と、豪ドル円の4時間足(1.04)、スイスフランの日足(1.01)だけでした。ドル円の1時間足は、8,208取引で+4,063pipsです。ただし、これは10年・1通貨ペアの結果で、ほかの通貨ペアでは再現していません。スイスフランの1時間足は0.74でした。

アドバイス

色だけで売買すると、どの時間足でも負けたよ。インパルスを売買の合図にするのは、やめたほうがよさそうだね。

エルダー インパルスシステムの設定|EMA13・MACD(12,26,9)と、変えたときの結果

インパルスのEMA期間とMACDの設定を6通りに変えた1時間足の売買のPFを、コスト前(灰)とコスト後(青)で並べた横棒グラフ。コスト後は0.85〜0.87で、標準のEMA13・MACD12-26-9は0.86
5通貨ペア・2016〜2025年・1時間足。緑で買い・赤で売り・青は手仕舞い。先頭が標準の設定。次の足の始値で約定、スプレッドを差し引き。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

設定を6通りに変えても、結果は変わらなかった

「おすすめの設定」を探している方は多いのですが、結論から言うと、設定を変えても、1時間足の色だけの売買は、コスト後のPFが0.85〜0.87の中にとどまりました。計測したのは、標準のEMA13・MACD(12,26,9)、EMAを8・21・34に変えた3通り、MACDを(8,17,9)と(24,52,18)に変えた2通りです。

標準の設定は、取引数65,284回でコスト前のPF0.97・コスト後0.86でした。MACDを(24,52,18)にすると、取引数は53,699回に減り、コスト後のPFは0.87でした。取引数が減っても、1を超える設定はありませんでした。「世界標準が最も安定」と言える根拠も、「変えると弱くなる」と言える根拠も、計測では確認できませんでした。

時間足ごとの違い|長い足ほど1に近いが、1を超えない

1ペア・1年あたりの取引回数は、1時間足が1,306回、4時間足が327回、日足が64回です。スプレッドは、どの時間足でも1取引あたり0.85〜0.92pipsかかります。コスト前の1取引の平均は、1時間足が−0.18pips、4時間足が+0.25pips、日足が−0.43pipsで、コストを引くと、どれもマイナスです。長い足ほどPFが1に近いのは、回数が少なく、コストの合計が小さいためと考えられますが、利益が出る水準には届いていません。

アドバイス

設定を変えても、PFは0.85〜0.87のまま。数字をいじる前に、使い方を考えたほうがよさそうだよ。

エルダー インパルスシステムと組み合わせる指標|移動平均・上位足・RSIの実測

色だけの売買に条件を足した1時間足のPFを、コスト前(灰)とコスト後(青)で並べた横棒グラフ。色だけ0.86、20SMAと同じ側0.86、4時間足も同じ色0.88、4時間足が逆でない0.85、RSIが50の内側0.84で、すべて1未満
5通貨ペア・2016〜2025年・1時間足。緑で買い・赤で売り・青は手仕舞いに、左の条件を足した結果。取引数は基準65,284回、4時間足も同じ色29,902回、RSI19,343回。次の足の始値で約定、スプレッドを差し引き。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

条件を足しても、コスト後のPFは1を超えなかった

1時間足の色だけの売買に、条件を足して計測しました。価格が20期間の単純移動平均線と同じ側にあるときだけ持つルールは、取引数58,038回でコスト後のPFが0.86、上位の4時間足も同じ色のときだけ持つルールは、29,902回で0.88でした。4時間足が逆の色でないときだけ持つルールは0.85、RSIが50の内側(買いなら50未満、売りなら50超)のときだけ持つルールは0.84でした。

4時間足も同じ色のルールは、コスト前のPFが1.00まで上がり、取引数も半分以下に減りますが、コストを引くと0.88で、負けです。条件を足すほど「トレンドに乗れる」とは言えない結果です。

移動平均線のクロスは、禁止側の色ではほぼ起きない

20・50EMAのクロスの足の色を、向きとの関係で3つに分けた積み上げ棒グラフ。1時間足は向きに合う色が70%、青が30%、禁止側は0.4%だけで、4時間足も同じ割合
5通貨ペア・2016〜2025年。20EMAと50EMAのクロスの足の色で仕分け。クロスは1時間足5,764回・4時間足1,527回。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

「赤では買わない、緑では売らない」を、移動平均線のクロス(20EMAが50EMAを上抜けたら買い・下抜けたら売り)に当てはめました。1時間足のクロス5,764回のうち、買いが緑・売りが赤と向きに合う色だったのが4,026回(69.8%)、青だったのが1,715回(29.8%)、禁止側の色だったのは23回(0.4%)だけでした。4時間足でも、1,527回のうち禁止側は6回(0.4%)です。

クロスの瞬間は、EMAの向きが変わる直前後なので、禁止側の色にはほとんどなりません。このため、移動平均線のクロスで入る場合、禁止ルールが働く場面はほぼありませんでした。青のクロスを見送ればよかったかどうかも、1時間足の1取引の平均が、向きに合う色で+0.6pips(±2.8pips)、青で+2.5pips(±4.0pips)と、誤差の範囲内で、差は確認できませんでした。

押し目と転換、上位足の色で仕分けても大きな差は出ない

1時間足で新しい色が出てから6本先の動きを、押しと転換、上位足の色の6通りで比べた横棒グラフ。平均はどれも−0.09〜+0.02の範囲で0に近く、誤差の線が0をまたぐ
5通貨ペア・2016〜2025年・1時間足。青でない色が新しく出た足の、6本先の終値の動き(ATR14比・色の向き)。直前の青でない色が同じなら押し、逆なら転換。上位足は4時間足。棒の線は95%の幅。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

緑から青を挟んで緑に戻る形(押し)と、逆の色から変わる形(転換)を分け、さらに4時間足の色で3つに分けて、6本先の動きを測りました。色の向きにそった動きの平均は、押しで上位足も同じ色なら+0.019(12,946件)、上位足が青なら−0.058(8,939件)、上位足が逆の色なら−0.089(968件)でした。転換は+0.023、−0.015、−0.017で、どれも0に近く、誤差の線が0をまたぎます。「押し目は有利」「上位足が同じ色なら有利」と言える差は、ありませんでした。

アドバイス

どの組み合わせも、コスト後はマイナスだったよ。足し算するだけでは、成績は良くならないんだね。

エルダー インパルスシステムの注意点|コスト・レンジ・損切りの考え方

色だけの売買の取引回数とコストを時間足別に示した2段の棒グラフ。上段は1ペア・1年あたりの取引回数で1時間足1,306回、4時間足327回、日足64回。下段は1回あたりの損益で、スプレッドは約−0.9pips
5通貨ペア・2016〜2025年。色だけの売買(青は手仕舞い)。スプレッドは入りと出の平均。次の足の始値で約定。Dukascopyのティックからシストレ.COMが作成

色の変化が多い相場では、見送りの印としても役に立たない

色は、1時間足で3本足らずで変わります。レンジで値動きが小さいときは、緑・青・赤が短い間隔で入れ替わりやすく、色が変わるたびに売買すると、コストだけが積み上がります。上の計測のとおり、色だけで入れ替える売買は、1取引あたりコスト0.85〜0.92pipsを、色の優位性では取り返せませんでした。色の変化が多い局面は、売買を控える目安として見るのが現実的です。

損切りは、色とは別に決める

この記事の計測は、損切りを置かず、色が変わったら入れ替える条件です。実際に売買するときは、色が変わるまで待つ前に、損失が大きくなる場合があります。損切りの置き方は、色とは別に、損切りのルールで決めておいてください。値動きの大きさに合わせる方法は、ATRで解説しています。

本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的とするものではありません。FX取引は元本を失うリスクがあります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で慎重に判断してください。過去の計測結果は将来の成績を保証しません。スプレッドの影響はスプレッドの解説も参考にしてください。

アドバイス

インパルスは見送りの目安として使って、損切りは別に決めておこう。

エルダー インパルスシステムのダウンロード|MT4・MT5への入れ方

ダウンロードしたzipの中身と入れる場所を示した図。MT4フォルダのElderImpulse_systre.ex4はMQL4のIndicatorsへ、MT5フォルダのElderImpulse_systre.ex5はMQL5のIndicatorsへ入れる
配布zip(elder-impulse-system.zip)の中身と入れる場所

エルダー インパルスシステム ダウンロード(ElderImpulse_systre)

以下のボタンから、「ElderImpulse_systre」(MT4用 .ex4・MT5用 .ex5)をダウンロードできます。

zipの中にMT4フォルダとMT5フォルダがあります。MT4のex4はMT5では動かないため、使うほうのファイルを取り出してください。

MT4・MT5へのインストール手順

STEP
ダウンロードしたファイルを解凍する

上のボタンのzipを解凍すると、MT4フォルダ(ElderImpulse_systre.ex4)とMT5フォルダ(ElderImpulse_systre.ex5)が出てきます。使うほうのファイルを取り出します。

STEP
Indicatorsフォルダに入れる

メニュー「ファイル」→「データフォルダを開く」から、MT4なら「MQL4」→「Indicators」、MT5なら「MQL5」→「Indicators」を開き、ex4またはex5を移動します。MT4の基本操作はMT4の使い方にまとめています。

STEP
再起動してチャートに適用する

再起動するか、ナビゲーターで右クリックして「更新」を選びます。一覧に出たElderImpulse_systreをチャートにドラッグ&ドロップすると、設定画面が開きます。確認して「OK」を押すと、色が表示されます。

注意点として、配布版の内部の計算式や既定の設定値が、この記事で測った定義(13EMAとMACD(12,26,9)の傾き)と同じかどうかは、確認できていません。表示を確かめたうえで使ってください。

利用上の注意

  • シストレ.COMの登録口座で利用できます。認証が行われていない口座では使えません。
  • 無料配布のサンプルです。商用利用と再配布は禁止です。
  • 出所のわからない改変版は、誤作動や情報流出の恐れがあります。配布元を確認してください。
アドバイス

入れたら、まず過去のチャートで、色が変わった前後の価格を見てみてね。「効いている」と思い込まないことが大事だよ。

要点
・エルダー インパルスシステムは、13EMAの傾きとMACD(12,26,9)ヒストグラムの傾きが両方上なら緑、両方下なら赤、食い違えば青で足を塗る指標です。
・自社計測(5通貨ペア・2016〜2025年)では、色は1時間足で3本足らずで変わり、色のあとの値動きは、どの色もほぼゼロでした。
・色だけで売買すると、コスト後のPFは1時間足0.86・4時間足0.95・日足0.96で、設定を6通りに変えても、条件を足しても、1を超えませんでした。
・使うなら、売買の合図ではなく、赤では買わず緑では売らない見送りの目安として、別の根拠と組み合わせます。
・MT4・MT5では、配布zipのex4またはex5をIndicatorsフォルダに入れて表示します。

エルダー インパルスシステムのよくある質問(FAQ)

エルダー インパルスシステムとは何ですか?

13期間EMAの傾きとMACDヒストグラムの傾きを重ね、足を緑・赤・青の3色で塗るインジケーターです。Alexander Elder氏が2002年の著書『Come Into My Trading Room』で紹介した手法で、向きと勢いが揃っているかを1色で見ます。

緑・赤・青の意味を教えてください。

緑はEMAもヒストグラムも上向き、赤はどちらも下向き、青は食い違いです。傾きは1本前の足との比較で、同じ値のときは青になります。自社計測では、1時間足の出現割合は緑31%・青40%・赤29%でした。

エルダー インパルスシステムの売買ルールは?

一般には、赤の足では新しく買わず、緑の足では新しく売らないルールとして紹介されます。青の足は、どちらも禁止しません。買う理由ではなく、見送る理由を示す使い方で、買いや売りの判断は別の方法で行います。

おすすめの設定値はありますか?

一般的な設定はEMA13・MACD(12,26,9)ですが、最適といえる設定は見つかりませんでした。自社計測(5通貨ペア・2016〜2025年・1時間足)で6通りを試したところ、色だけの売買のコスト後のPFは0.85〜0.87で、1を超えたものはありませんでした。

どの時間足に向いていますか?

向いている時間足を決められる結果は出ませんでした。自社計測で、色だけで売買したコスト後のPFは、1時間足0.86・4時間足0.95・日足0.96と、長い足ほど1に近いものの、すべて1未満です。日足は年別に0.62〜1.44と大きく上下し、安定とは言えませんでした。

色だけで売買して勝てますか?

色だけでは勝てませんでした。自社計測(5通貨ペア・2016〜2025年)で、緑で買い・赤で売るルールは、1時間足でコスト前のPFが0.97、コスト後が0.86でした。20SMAや4時間足の色、RSIを足しても、コスト後のPFは0.84〜0.88で、1を超えませんでした。

MT4・MT5でエルダー インパルスシステムを表示するには?

配布版のElderImpulse_systreを、Indicatorsフォルダに入れて使います。zipの中のex4(MT4用)またはex5(MT5用)を、MQL4またはMQL5のIndicatorsに移し、再起動してチャートに適用します。

エルダー インパルスシステムのまとめ

エルダー インパルスシステムは、13EMAの傾きとMACD(12,26,9)ヒストグラムの傾きで、足を緑・赤・青に塗る指標です。自社計測では、色は1時間足で3本足らずで変わり、色のあとの値動きは、どの色もほぼゼロでした。色だけで売買すると、コスト後のPFは1時間足0.86・4時間足0.95・日足0.96で、設定を変えても、移動平均線や上位足、RSIを足しても、1を超えませんでした。ドル円の3つの時間足など、1を超えた組み合わせもありましたが、10年・1通貨ペアの結果で、ほかでは再現していません。インパルスは、売買の合図というより、赤では買わず緑では売らない見送りの目安として、別の根拠と組み合わせて使うのが現実的です。使う前に、通貨ペアと時間足を決めて過去のチャートで確かめ、デモ口座で検証してください。FXは元本を失うリスクがあり、過去の計測結果は将来の成績を保証しません。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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