
FX取引手法の種類|保有時間で分けた4つ

スキャルピングとデイトレード
スキャルピングは、松井証券の用語解説で、ポジションを保有している時間が数秒〜数分と短く、1日の間に数十回のトレードを重ねるのが特徴とされています。デイトレードは、同じ解説で、保有するポジションを当日中に反対売買するトレードスタイルです。野村證券のFXの解説では、スキャルピングは超短期売買、デイトレードは短期売買と呼ばれています。
スイングトレードとポジショントレード
スイングトレードは、野村證券の用語解説で、数日から数週間ポジションを保有して利益を確定する短期投資の手法とされています。松井証券の解説も、数日から数週間にわたって保有する取引手法としています。ポジショントレードは、野村證券のFXの解説で、長期売買に分類されています。
この記事で測る7つの長さは、手法の目安に次のように対応します。5分と15分はスキャルピングからデイトレードにかけて、1時間・4時間・1日はデイトレード、1週間・4週間はスイングトレードにあたります。ポジショントレードは4週間より長い保有なので、測っていません。各手法の詳しい解説は、スキャルピング・デイトレード・スイングトレード・ポジショントレードの記事にあります。
アドバイス手法は保有時間で4つに分かれるよ。次の節で、5分から4週間までの値幅とスプレッドを測ったよ。
FX取引手法ごとのコスト|保有時間別の値幅とスプレッドを測った結果

保有時間ごとの値幅
測り方です。5通貨のDukascopy のティックから、1分ごとのbid(売値)の始値・高値・安値・終値を作り、5分・15分・1時間・4時間・1日・1週間・4週間の区切りにまとめました。5分から4時間まではUTCの時刻で区切り、1日は日本時間の7時から翌7時まで、1週間は日曜のUTC20時(日本時間の月曜5時)から次の日曜まで、4週間はその1週間を4つ続けたものです。区切り1つを1件と数えます。区切りの中の1分足が、その長さの中央の本数の半分に満たないもの(市場が閉まっている時間にかかる区切りなど)は除きました。
値幅は、区切りの中の高値と安値の差です。始値→終値は、区切りの最初と最後のbidの差の大きさで、上がっても下がっても同じに数えます。1 pipsは、USD/JPY・EUR/JPY・AUD/JPYでは0.01円、EUR/USD・GBP/USDでは0.0001ドルの動きです。
USD/JPYの値幅の中央値は、5分が3.8 pips、1時間が14.3 pips、1日が83.3 pips、1週間が198.2 pips、4週間が413.8 pipsでした。始値→終値の動きの中央値は、どの長さでも値幅の中央値の4割前後(39〜43%)です。件数は、5分が804,005件、4週間が141件で、長い区切りほど少なくなります。5通貨では、1日の値幅の中央値が、EUR/USDの69.8 pipsからEUR/JPYの95.9 pipsまでの範囲でした。1日の値幅は、デイトレードの記事で測った日本時間7時区切りのUSD/JPY(83 pips)と同じ値です。
スプレッドが値幅に占める割合

スプレッドは、買値と売値の差です。買って売る(または売って買い戻す)1往復で、スプレッド1回分を払う計算になります。スプレッドの説明はFXのスプレッドの記事にあります。ここでは、Dukascopy の足ごとの平均スプレッドの中央値を使いました。USD/JPYが0.39 pips、EUR/USDが0.30 pips、GBP/USDが0.87 pips、EUR/JPYが0.74 pips、AUD/JPYが0.72 pipsです。取引する会社のスプレッドとは違います。
このスプレッドを、同じ通貨の値幅の中央値で割ると、5分では5通貨で9.9〜20.7%でした。1時間では2.7〜5.6%、1日では0.4〜0.9%、1週間では0.2〜0.4%です。5分で最も低いのはEUR/USDの9.9%、最も高いのはGBP/USDの20.7%で、同じ5分でも通貨で2倍ほど違います。長い区切りでは、値幅が大きくなる分、スプレッドの割合は小さくなりました。
動きがスプレッド以下の足の割合

中央値の比べ方のほかに、区切りごとに、始値から終値までの動きがスプレッド1回分以下だったものを数えました。向きが合っていたかどうかではなく、動きの大きさだけを見ています。5通貨を合わせると、5分では4,036,585件のうち20.1%、15分では11.8%、1時間では5.9%、4時間では2.9%、1日では1.0%でした。1週間は2,825件のうち0.3%、4週間は705件のうち2件(0.3%)です。短い区切りほど、動きがスプレッド以下で終わる区切りが多くなります。
1日の取引回数とスプレッドの合計

USD/JPYのスプレッド(中央値0.39 pips)を、1日に10回払うと3.9 pips、30回払うと11.7 pipsです。1日の値幅の中央値83.3 pipsに対して、4.7%と14.1%にあたります。1回だけなら0.4 pipsで、0.5%です。回数が増えるほど、1日の値幅のうちスプレッドで消える部分が増えます。これは掛け算の計算で、損益ではありません。1日に数十回の売買を重ねるスキャルピングでは、この合計が大きくなります。
測っていないこと
この記事で測ったのは、区切りごとの値幅と、スプレッドとの比です。売買の損益、勝率、損切りや利確の幅、スワップポイント、手数料、取引会社ごとのスプレッド、スプレッドが広がる時間帯、4週間より長い保有は測っていません。1分足の値幅とスプレッドは1分足スキャルピングの記事、通貨ペアの特徴は通貨ペアの記事で測っています。
アドバイススプレッドの割合は、5分で9.9〜20.7%、1日で0.4〜0.9%だったよ。短い手法ほど、回数が増えると効いてくるね。
FX取引手法の選び方|時間・回数・損失額を決めてから検証する

選ぶ前に決める3つ
1つ目は、見られる時間です。スキャルピングは保有が数秒〜数分なので、取引している間は画面を見ている必要があります。数日〜数週間保有するスイングトレードは、決めた時刻に画面を見る形にもできます。自分が画面を見られる時間に、保有時間が収まる手法へ絞ります。
2つ目は、1日の取引回数です。回数にスプレッドを掛けると、1日に払う合計が出ます。前の節のUSD/JPYでは、1日10回で3.9 pips、30回で11.7 pipsでした。取引する通貨ペアと会社のスプレッドで同じ計算をして、1日の値幅に対する割合を確かめます。
3つ目は、1回の損失額です。1回で失ってよい金額を円で先に決め、損切りの幅から取引量を逆算します。たとえば、USD/JPYを1万通貨で取引すると、1 pipsの動きは100円です。損切りを20 pipsに置くと、損失は2,000円になります。
検証のしかた
決めた手法は、過去の価格で試すバックテストと、デモ口座や少額で実際の相場に当てるフォワードテストで確かめます。バックテストには、この記事で計算したスプレッドを入れて、取引回数が多い手法ほど影響が出る点を織り込みます。成績の見方の1つに、プロフィットファクターがあります。計算の仕方は、プロフィットファクターの記事にまとめています。
アドバイス手法を選ぶ前に、見られる時間・回数・損失額の3つを決めておこうね。決めたあとで、検証して確かめよう。
要点
・FX取引手法は、保有時間で4つ。スキャルピングは数秒〜数分、デイトレードは当日中、スイングトレードは数日〜数週間、ポジショントレードは長期売買(用語解説の目安)
・5通貨の足(2016年1月〜2026年10月)で、USD/JPYの値幅の中央値は、5分が3.8 pips、1日が83.3 pips、1週間が198.2 pips
・スプレッドが値幅の中央値に占める割合は、5分で5通貨とも9.9〜20.7%、1日で0.4〜0.9%
・始値→終値の動きがスプレッド以下だった区切りは、5通貨を合わせて、5分が20.1%、1時間が5.9%、1日が1.0%
・USD/JPYで1日に払うスプレッドの合計は、10回で3.9 pips(1日の値幅の4.7%)、30回で11.7 pips(14.1%)
・測っていないのは、売買の損益、勝率、手数料、取引会社ごとのスプレッド、4週間より長い保有
FX取引手法のよくある質問
FX取引手法は何種類ありますか?
保有時間で分けると4つです。スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードです。
初心者に向いている手法はどれですか?
向き不向きは測っていません。測ったのは、保有時間ごとの値幅とスプレッドの比です。
スキャルピングはスプレッドの影響が大きいですか?
測った範囲では、短いほど大きくなりました。5分では値幅に対して9.9〜20.7%、1日では0.4〜0.9%です。
どの手法が一番利益が出ますか?
損益は測っていません。手法ごとの成績は、使う通貨ペア・損切り幅・取引会社のスプレッドで変わるため、自分の条件で検証してください。
手法はどうやって選べばよいですか?
先に3つ決めます。見られる時間、1日の取引回数、1回の損失額です。
FX取引手法のまとめ
FX取引手法は、保有時間でスキャルピング・デイトレード・スイングトレード・ポジショントレードの4つに分けられます。Dukascopy のティックから作った5通貨の足(2016年1月〜2026年10月)では、スプレッドが値幅の中央値に占める割合が、5分で9.9〜20.7%、1日で0.4〜0.9%でした。始値→終値の動きがスプレッド以下だった区切りも、5通貨を合わせて、5分の20.1%から1日の1.0%へ減りました。
手法を選ぶ前に、見られる時間・1日の取引回数・1回の損失額の3つを決め、検証でスプレッドを入れて確かめてください。損益や勝率は測っていません。手法ごとの詳しい内容は、1分足スキャルピング、15分足トレード、4時間足の手法、ポジショントレードの記事にあります。
この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













