
通貨ペアとは|USD/JPYの読み方と基軸通貨・決済通貨

通貨ペアの表記の読み方
FXは、ある通貨を売って別の通貨を買う取引で、その組み合わせが通貨ペアです。USD/JPYなら、左のUSD(米ドル)が基軸通貨、右のJPY(円)が決済通貨(クォート通貨)で、1米ドルの値段が円でいくらかを表します。2025年12月31日のUSD/JPYの終値は156.67円で、これは1ドルが156.67円という意味です。買い注文は左の通貨を買って右の通貨を売る取引で、売り注文はその逆です。
値動きの単位pips
通貨ペアの値動きは、pips(ピップス)で数えます。円を含むペアは0.01円が1pip、それ以外のペアは0.0001が1pipです。図の2025年10〜12月(66営業日)のUSD/JPYは、日足の安値が146.59円、高値が157.89円で、約11円(約1,130pips)の幅で動きました。値動きの大きさが通貨ペアごとに違うことは、あとの節で測ります。
アドバイスUSD/JPYは「1ドルが何円か」だよ。左が基軸通貨、右が決済通貨。円ペアは0.01円が1pipだね。
通貨ペアの種類|メジャー・クロス・エキゾチックの違い

メジャー通貨ペア
メジャーは、米ドルと主要7通貨(円・ユーロ・ポンド・豪ドル・NZドル・加ドル・スイスフラン)の組み合わせで、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/USD・NZD/USD・USD/CAD・USD/CHFの7ペアです。米ドルが入るペアは、ドルストレートとも呼ばれます。個別のペアはUSD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/USDの記事で説明しています。
クロス通貨ペア(マイナー)
クロスは、米ドルを含まない主要通貨どうしの組み合わせで、EUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY・EUR/GBP・EUR/AUDなどです。円を含むペアはクロス円と呼ばれます(ドルストレートとクロス円の違い)。クロスを「マイナー」と呼ぶ会社もあり、メジャーとマイナーの範囲は会社によって違います。個別のペアはGBP/JPYの記事にあります。
エキゾチック通貨ペア
エキゾチックは、主要通貨と新興国の通貨の組み合わせで、USD/MXN(メキシコペソ)・USD/ZAR(南アフリカランド)・USD/TRY(トルコリラ)などです。取引量が少ないとは限りません。BISの2025年調査では、USD/MXNが世界の現物取引の1.8%で、クロスのEUR/GBP(1.5%)より多くなっています。この記事の値幅とスプレッドの測定は、メジャーとクロスの14ペアで、エキゾチックは含みません。
アドバイス米ドルが入ればメジャー、米ドルなしの主要通貨どうしがクロス、新興国の通貨が入るとエキゾチックだよ。
通貨ペアの取引量|BIS調査2025で見た上位14ペア

取引量の順位
BISが3年ごとに行う調査の2025年版(2025年4月・1日平均)では、世界の現物取引(スポット)は1日あたり2兆9,518億ドルです。1位はEUR/USDで19.6%、2位はUSD/JPYで16.2%、3位はUSD/CNYで8.9%、4位はGBP/USDで6.4%でした。上位2ペアで35.7%、図の14ペアを合わせると78.5%です。
この順位は、ユーロ・米ドル・円を片側に持つ組み合わせの詳細表から作りました。図の14ペアのうち、米ドルを含むのは12ペアで、含まないのはEUR/GBP(1.5%)とEUR/JPY(1.3%)です。取引全体で見ても、米ドルは取引の約9割の片側にあります。
メジャーとクロスの取引量
メジャー7ペアは、すべて図の14位以内に入りました。NZD/USDは1.5%で13位で、クロスのEUR/GBPと同じ割合です。順位は調査のたびに変わり、2025年4月の1か月のデータです。
アドバイス取引量の1位はEUR/USD(19.6%)で、2位がUSD/JPY(16.2%)。上位14のうち12ペアに米ドルが入っているよ。
通貨ペアの値幅|14ペアの1日の動きを2023〜2025年で測った結果

測り方
メジャー7ペアとクロス7ペアの計14ペアを、Dukascopyのティックから作った足(2023年1月〜2025年12月)で測りました。1日はニューヨーク17時区切り(日本時間では夏時間の期間が6時、冬時間の期間が7時)で、平日778日です。1日の値幅は、中値(売値と買値の真ん中)の高値と安値の差で、778日の中央値を使います。価格の水準が違うペアを比べるため、値幅を終値で割った%も並べました。
ペアごとの値幅
%で最も大きいのはAUD/JPYの0.88%(86pips)、次がNZD/USDの0.86%(52pips)、AUD/USDの0.84%(55pips)、USD/JPYの0.83%(121pips)です。最も小さいのはEUR/GBPの0.40%(35pips)で、EUR/CHFが0.44%(43pips)、USD/CADが0.48%(67pips)でした。pipsで最も大きいのはGBP/JPYの143pipsで、EUR/GBPの35pipsの約4倍です。
%の範囲は、メジャー7ペアが0.48〜0.86%、クロス7ペアが0.40〜0.88%で、重なりました。メジャーかクロスかだけでは、値幅の大きさは決まりません。値幅の考え方はボラティリティの記事にまとめています。
アドバイス1日の値幅は、AUD/JPYの0.88%からEUR/GBPの0.40%まで。メジャーもクロスもこの範囲に混ざっていたよ。
通貨ペアのスプレッド|1日の値幅に占める割合を14ペアで測った結果

スプレッドとは

通貨ペアには、買うときの値段(買値・ask)と売るときの値段(売値・bid)があり、その差がスプレッドで、取引のたびに払うコストです。図は、2025年12月10日12時0分(UTC、日本時間21時)からの20秒間のGBP/USDで、価格は13回更新され、スプレッドは0.6〜1.0pipsの間で動きました。スプレッドは時間とともに変わり、会社ごとにも違います。詳しくはスプレッドの記事にまとめています。
14ペアのスプレッドと値幅の割合
スプレッドは、1分ごとの最後のティックの売値と買値の差で、ニューヨーク16〜18時の時間を除いた中央値です。値幅の中央値に対する割合が最も小さいのは、EUR/USD(0.3pips)とUSD/JPY(0.6pips)で、どちらも0.5%でした。最も大きいのはEUR/AUDで、2.5pipsが値幅の2.4%にあたります。これはDukascopyの値で、取引する会社のスプレッドとは違います。
割合の範囲は、メジャー7ペアが0.5〜2.1%、クロス7ペアが0.9〜2.4%です。NZD/USD(2.1%)のように、メジャーでもクロスのAUD/JPY(0.9%)より大きいペアがありました。BISの取引量で1位と2位のEUR/USDとUSD/JPYは、スプレッドの割合も最小の0.5%でした。
アドバイススプレッドの割合が小さいのは、EUR/USDとUSD/JPYの0.5%だよ。大きいのはEUR/AUDで2.4%だったよ。
通貨ペアの相関|14ペアの動きが同じ向きか逆向きかを測った結果

相関係数の読み方
相関は、2つの通貨ペアの動きが同じ向きか逆向きかを表す数字で、+1に近いほど同じ向き、−1に近いほど逆向き、0に近いほど関係がありません。日足の終値の前日比(対数)で計算し、図では100倍した整数で表しました。日数は777日です。
相関が高いペアと低いペア
最も高いのはAUD/USDとNZD/USDの+0.88で、EUR/JPYとGBP/JPYが+0.87、EUR/USDとGBP/USDが+0.80でした。最も低い(逆向きに動く)のはEUR/USDとUSD/CHFの−0.78です。USD/JPYとEUR/USDも−0.53と逆向きでした。
同じ通貨を含むペアでも、相関が低い組み合わせがあります。EUR/USDとEUR/JPYは+0.21、GBP/USDとGBP/JPYは+0.28でした。この相関は2023〜2025年の値で、期間が違えば変わります。相関の高い2つのペアを同じ向きに持つと、似た値動きを重ねて持つことになります。複数ペアの運用はEAの複数通貨ペア運用の記事、通貨ごとの強さの見方は通貨強弱の記事にあります。
アドバイス+0.88はAUD/USDとNZD/USDの相関、−0.78はEUR/USDとUSD/CHFの相関だったよ。同じ通貨が入っていても、相関が低いペアはあるね。
通貨ペアの選び方|値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5項目

5つの項目の見方
通貨ペアは、次の5つの項目で選びます。値幅は、1日に動く大きさで、14ペアでは0.40〜0.88%でした。スプレッドは、取引のたびに払うコストで、14ペアでは0.3〜2.5pipsです。取引量は、世界での取引の多さで、1位はEUR/USDです。相関は、ほかのペアと同じ向きに動く度合いで、14ペアの組み合わせでは−0.78〜+0.88でした。
スワップは、持ち越したときに受け払いするお金で、2つの通貨の金利差が土台になります。買いと売りで金額が違い、マイナスになることもあります。金額は会社と日によって変わるため、この記事では測っていません。長く持つ運用の影響はEAのスワップポイントの記事にまとめています。
取引の長さで変わる見方
1回の取引で狙う幅が小さいほど、スプレッドが占める割合は大きくなります。短い時間で売買するなら、スプレッドの割合が小さいペアが見るべき対象になり、14ペアではEUR/USDとUSD/JPYが0.5%でした。持ち越す日数が長いほど、スワップの受け払いは積み上がります。長く持つなら、スワップと、1日の値幅に合わせた損切り幅を見ます。
最初に決めること
最初は、1〜2ペアに絞り、そのペアの値幅とスプレッドを、自分が使う会社の画面で確かめます。同じ損切り幅なら、1日の値幅が大きいペアのほうが、その幅に届きやすくなります。1日の値幅は、GBP/JPYの143pipsとEUR/GBPの35pipsで、約4倍違いました。ペアを増やすときは、相関の高い組み合わせが重ならないように選びます。
アドバイス選ぶ項目は、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つ。最初は1〜2ペアに絞って、自分の会社の画面で確かめてね。
要点
・通貨ペアは、メジャー(米ドルと主要7通貨)・クロス(米ドルを含まない)・エキゾチック(新興国の通貨を含む)の3種類
・世界の現物取引で最も多いのはEUR/USD(19.6%)で、2位はUSD/JPY(16.2%)。BIS調査2025
・1日の値幅の中央値は、14ペアで価格の0.40〜0.88%。メジャーは0.48〜0.86%、クロスは0.40〜0.88%で重なる
・スプレッドが値幅に占める割合は、EUR/USDとUSD/JPYが最小の0.5%、EUR/AUDが最大の2.4%
・相関は、AUD/USDとNZD/USDが+0.88、EUR/USDとUSD/CHFが−0.78。同じ通貨を含んでも低いペアがある
・選ぶ項目は、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つ。スワップは会社と日で変わる
通貨ペアのよくある質問
通貨ペアとは何ですか?
2つの通貨を組み合わせた、取引の単位です。USD/JPYなら、1米ドルが円でいくらかを表し、左が基軸通貨、右が決済通貨です。
メジャー・クロス・エキゾチックの違いは何ですか?
組み合わせる通貨で分けます。メジャーは米ドルと主要7通貨、クロスは米ドルを含まない主要通貨どうし、エキゾチックは新興国の通貨を含むペアです。会社によって範囲は違います。
世界で最も取引されている通貨ペアはどれですか?
EUR/USDで、世界の現物取引の19.6%です。BISの2025年調査(2025年4月)では、2位がUSD/JPYの16.2%でした。
1日の値幅が大きい通貨ペアはどれですか?
%ではAUD/JPYの0.88%、pipsではGBP/JPYの143pipsが最大でした。2023〜2025年の中央値で、最小はEUR/GBPの0.40%(35pips)です。
通貨ペアの相関とは何ですか?
2つのペアの動きが同じ向きか逆向きかを表す数字で、−1から+1です。14ペアでは、AUD/USDとNZD/USDが+0.88、EUR/USDとUSD/CHFが−0.78でした。
通貨ペアは何を見て選べばよいですか?
値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つです。最初は1〜2ペアに絞り、自分が使う会社の値幅とスプレッドを確かめてください。
通貨ペアのまとめ
通貨ペアは、メジャー・クロス・エキゾチックの3種類に分けられます。BISの2025年調査では、世界の現物取引の35.7%がEUR/USDとUSD/JPYの2ペアでした。Dukascopyのティックから作った足の778日(2023〜2025年)では、14ペアの1日の値幅は価格の0.40〜0.88%で、メジャーとクロスの範囲は重なりました。スプレッドが値幅に占める割合は0.5〜2.4%で、相関は−0.78〜+0.88でした。
選ぶときは、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つを見て、最初は1〜2ペアに絞ります。ペアごとの手法はFXの取引手法の記事にまとめています。
この記事はFXの情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













