通貨ペアの種類と選び方|メジャー・クロス・エキゾチックの違いと14ペアの実測

FX currency pair

通貨ペアは、2つの通貨を組み合わせた取引の単位で、米ドルと主要7通貨を組み合わせたメジャー、米ドルを含まないクロス(マイナー)、新興国の通貨を含むエキゾチックの3種類に分けるのが一般的です。この記事では、BIS(国際決済銀行)の2025年調査と、Dukascopyのティックから作った足(2023〜2025年の平日778日、メジャー7ペア・クロス7ペアの14ペア)で、取引量・値幅・スプレッド・相関を測りました。世界の現物取引で最も多いのはEUR/USD(19.6%)で、USD/JPY(16.2%)と合わせて35.7%です。1日の値幅の中央値は、価格に対して0.40%(EUR/GBP)〜0.88%(AUD/JPY)で、メジャーとクロスの範囲は重なりました。

目次

通貨ペアとは|USD/JPYの読み方と基軸通貨・決済通貨

2025年10月から12月までのUSD/JPYの日足ローソク足で、1ドルの値段が円で上下した値動きを示したチャート
USD/JPYの日足(2025年10〜12月)。出典: Dukascopyのティックから作った足。

通貨ペアの表記の読み方

FXは、ある通貨を売って別の通貨を買う取引で、その組み合わせが通貨ペアです。USD/JPYなら、左のUSD(米ドル)が基軸通貨、右のJPY(円)が決済通貨(クォート通貨)で、1米ドルの値段が円でいくらかを表します。2025年12月31日のUSD/JPYの終値は156.67円で、これは1ドルが156.67円という意味です。買い注文は左の通貨を買って右の通貨を売る取引で、売り注文はその逆です。

値動きの単位pips

通貨ペアの値動きは、pips(ピップス)で数えます。円を含むペアは0.01円が1pip、それ以外のペアは0.0001が1pipです。図の2025年10〜12月(66営業日)のUSD/JPYは、日足の安値が146.59円、高値が157.89円で、約11円(約1,130pips)の幅で動きました。値動きの大きさが通貨ペアごとに違うことは、あとの節で測ります。

アドバイス

USD/JPYは「1ドルが何円か」だよ。左が基軸通貨、右が決済通貨。円ペアは0.01円が1pipだね。

通貨ペアの種類|メジャー・クロス・エキゾチックの違い

メジャー・クロス・エキゾチックの3種類について、組み合わせる通貨と代表的な通貨ペアの例を並べた表
通貨ペアの3つの種類。出典: 一般的な分け方で作成。

メジャー通貨ペア

メジャーは、米ドルと主要7通貨(円・ユーロ・ポンド・豪ドル・NZドル・加ドル・スイスフラン)の組み合わせで、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/USD・NZD/USD・USD/CAD・USD/CHFの7ペアです。米ドルが入るペアは、ドルストレートとも呼ばれます。個別のペアはUSD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・AUD/USDの記事で説明しています。

クロス通貨ペア(マイナー)

クロスは、米ドルを含まない主要通貨どうしの組み合わせで、EUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY・EUR/GBP・EUR/AUDなどです。円を含むペアはクロス円と呼ばれます(ドルストレートとクロス円の違い)。クロスを「マイナー」と呼ぶ会社もあり、メジャーとマイナーの範囲は会社によって違います。個別のペアはGBP/JPYの記事にあります。

エキゾチック通貨ペア

エキゾチックは、主要通貨と新興国の通貨の組み合わせで、USD/MXN(メキシコペソ)・USD/ZAR(南アフリカランド)・USD/TRY(トルコリラ)などです。取引量が少ないとは限りません。BISの2025年調査では、USD/MXNが世界の現物取引の1.8%で、クロスのEUR/GBP(1.5%)より多くなっています。この記事の値幅とスプレッドの測定は、メジャーとクロスの14ペアで、エキゾチックは含みません。

アドバイス

米ドルが入ればメジャー、米ドルなしの主要通貨どうしがクロス、新興国の通貨が入るとエキゾチックだよ。

通貨ペアの取引量|BIS調査2025で見た上位14ペア

BISの2025年調査で、世界の現物取引に占める割合が大きい通貨ペアの上位14を並べた横棒グラフ
世界で取引量が多い通貨ペア。出典: BIS 3年ごとの調査2025年版の詳細表。

取引量の順位

BISが3年ごとに行う調査の2025年版(2025年4月・1日平均)では、世界の現物取引(スポット)は1日あたり2兆9,518億ドルです。1位はEUR/USDで19.6%、2位はUSD/JPYで16.2%、3位はUSD/CNYで8.9%、4位はGBP/USDで6.4%でした。上位2ペアで35.7%、図の14ペアを合わせると78.5%です。

この順位は、ユーロ・米ドル・円を片側に持つ組み合わせの詳細表から作りました。図の14ペアのうち、米ドルを含むのは12ペアで、含まないのはEUR/GBP(1.5%)とEUR/JPY(1.3%)です。取引全体で見ても、米ドルは取引の約9割の片側にあります。

メジャーとクロスの取引量

メジャー7ペアは、すべて図の14位以内に入りました。NZD/USDは1.5%で13位で、クロスのEUR/GBPと同じ割合です。順位は調査のたびに変わり、2025年4月の1か月のデータです。

アドバイス

取引量の1位はEUR/USD(19.6%)で、2位がUSD/JPY(16.2%)。上位14のうち12ペアに米ドルが入っているよ。

通貨ペアの値幅|14ペアの1日の動きを2023〜2025年で測った結果

メジャー7ペアとクロス7ペアについて、1日の高値と安値の差の中央値を価格に対する割合で並べた横棒グラフ
通貨ペアの1日の値幅。出典: Dukascopyのティックから作った足(2023〜2025年の778日)。

測り方

メジャー7ペアとクロス7ペアの計14ペアを、Dukascopyのティックから作った足(2023年1月〜2025年12月)で測りました。1日はニューヨーク17時区切り(日本時間では夏時間の期間が6時、冬時間の期間が7時)で、平日778日です。1日の値幅は、中値(売値と買値の真ん中)の高値と安値の差で、778日の中央値を使います。価格の水準が違うペアを比べるため、値幅を終値で割った%も並べました。

ペアごとの値幅

%で最も大きいのはAUD/JPYの0.88%(86pips)、次がNZD/USDの0.86%(52pips)、AUD/USDの0.84%(55pips)、USD/JPYの0.83%(121pips)です。最も小さいのはEUR/GBPの0.40%(35pips)で、EUR/CHFが0.44%(43pips)、USD/CADが0.48%(67pips)でした。pipsで最も大きいのはGBP/JPYの143pipsで、EUR/GBPの35pipsの約4倍です。

%の範囲は、メジャー7ペアが0.48〜0.86%、クロス7ペアが0.40〜0.88%で、重なりました。メジャーかクロスかだけでは、値幅の大きさは決まりません。値幅の考え方はボラティリティの記事にまとめています。

アドバイス

1日の値幅は、AUD/JPYの0.88%からEUR/GBPの0.40%まで。メジャーもクロスもこの範囲に混ざっていたよ。

通貨ペアのスプレッド|1日の値幅に占める割合を14ペアで測った結果

14の通貨ペアについて、スプレッドの中央値が1日の値幅の中央値の何%にあたるかを小さい順に並べた横棒グラフ
スプレッドが1日の値幅に占める割合。出典: Dukascopyのティックから作った足(2023〜2025年の778日)。

スプレッドとは

GBP/USDの20秒間のティックで、買値と売値の2本の線の間がスプレッドとして色で示されたチャート
売値と買値のティック。出典: Dukascopyのティック(GBP/USD、2025年12月10日12時0分から20秒間・UTC)。

通貨ペアには、買うときの値段(買値・ask)と売るときの値段(売値・bid)があり、その差がスプレッドで、取引のたびに払うコストです。図は、2025年12月10日12時0分(UTC、日本時間21時)からの20秒間のGBP/USDで、価格は13回更新され、スプレッドは0.6〜1.0pipsの間で動きました。スプレッドは時間とともに変わり、会社ごとにも違います。詳しくはスプレッドの記事にまとめています。

14ペアのスプレッドと値幅の割合

スプレッドは、1分ごとの最後のティックの売値と買値の差で、ニューヨーク16〜18時の時間を除いた中央値です。値幅の中央値に対する割合が最も小さいのは、EUR/USD(0.3pips)とUSD/JPY(0.6pips)で、どちらも0.5%でした。最も大きいのはEUR/AUDで、2.5pipsが値幅の2.4%にあたります。これはDukascopyの値で、取引する会社のスプレッドとは違います。

割合の範囲は、メジャー7ペアが0.5〜2.1%、クロス7ペアが0.9〜2.4%です。NZD/USD(2.1%)のように、メジャーでもクロスのAUD/JPY(0.9%)より大きいペアがありました。BISの取引量で1位と2位のEUR/USDとUSD/JPYは、スプレッドの割合も最小の0.5%でした。

アドバイス

スプレッドの割合が小さいのは、EUR/USDとUSD/JPYの0.5%だよ。大きいのはEUR/AUDで2.4%だったよ。

通貨ペアの相関|14ペアの動きが同じ向きか逆向きかを測った結果

14の通貨ペアの日足の変化について、2つのペアの相関係数を100倍した整数で色分けして並べた表
通貨ペアの動きの相関(14ペア)。出典: Dukascopyのティックから作った足(2023〜2025年の778日)。

相関係数の読み方

相関は、2つの通貨ペアの動きが同じ向きか逆向きかを表す数字で、+1に近いほど同じ向き、−1に近いほど逆向き、0に近いほど関係がありません。日足の終値の前日比(対数)で計算し、図では100倍した整数で表しました。日数は777日です。

相関が高いペアと低いペア

最も高いのはAUD/USDとNZD/USDの+0.88で、EUR/JPYとGBP/JPYが+0.87、EUR/USDとGBP/USDが+0.80でした。最も低い(逆向きに動く)のはEUR/USDとUSD/CHFの−0.78です。USD/JPYとEUR/USDも−0.53と逆向きでした。

同じ通貨を含むペアでも、相関が低い組み合わせがあります。EUR/USDとEUR/JPYは+0.21、GBP/USDとGBP/JPYは+0.28でした。この相関は2023〜2025年の値で、期間が違えば変わります。相関の高い2つのペアを同じ向きに持つと、似た値動きを重ねて持つことになります。複数ペアの運用はEAの複数通貨ペア運用の記事、通貨ごとの強さの見方は通貨強弱の記事にあります。

アドバイス

+0.88はAUD/USDとNZD/USDの相関、−0.78はEUR/USDとUSD/CHFの相関だったよ。同じ通貨が入っていても、相関が低いペアはあるね。

通貨ペアの選び方|値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5項目

値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5項目について、見るものと14ペアでの範囲を並べた表
通貨ペアを選ぶときの5つの項目。出典: BIS調査2025とDukascopyのティックから作った足。

5つの項目の見方

通貨ペアは、次の5つの項目で選びます。値幅は、1日に動く大きさで、14ペアでは0.40〜0.88%でした。スプレッドは、取引のたびに払うコストで、14ペアでは0.3〜2.5pipsです。取引量は、世界での取引の多さで、1位はEUR/USDです。相関は、ほかのペアと同じ向きに動く度合いで、14ペアの組み合わせでは−0.78〜+0.88でした。

スワップは、持ち越したときに受け払いするお金で、2つの通貨の金利差が土台になります。買いと売りで金額が違い、マイナスになることもあります。金額は会社と日によって変わるため、この記事では測っていません。長く持つ運用の影響はEAのスワップポイントの記事にまとめています。

取引の長さで変わる見方

1回の取引で狙う幅が小さいほど、スプレッドが占める割合は大きくなります。短い時間で売買するなら、スプレッドの割合が小さいペアが見るべき対象になり、14ペアではEUR/USDとUSD/JPYが0.5%でした。持ち越す日数が長いほど、スワップの受け払いは積み上がります。長く持つなら、スワップと、1日の値幅に合わせた損切り幅を見ます。

最初に決めること

最初は、1〜2ペアに絞り、そのペアの値幅とスプレッドを、自分が使う会社の画面で確かめます。同じ損切り幅なら、1日の値幅が大きいペアのほうが、その幅に届きやすくなります。1日の値幅は、GBP/JPYの143pipsとEUR/GBPの35pipsで、約4倍違いました。ペアを増やすときは、相関の高い組み合わせが重ならないように選びます。

アドバイス

選ぶ項目は、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つ。最初は1〜2ペアに絞って、自分の会社の画面で確かめてね。

要点
・通貨ペアは、メジャー(米ドルと主要7通貨)・クロス(米ドルを含まない)・エキゾチック(新興国の通貨を含む)の3種類
・世界の現物取引で最も多いのはEUR/USD(19.6%)で、2位はUSD/JPY(16.2%)。BIS調査2025
・1日の値幅の中央値は、14ペアで価格の0.40〜0.88%。メジャーは0.48〜0.86%、クロスは0.40〜0.88%で重なる
・スプレッドが値幅に占める割合は、EUR/USDとUSD/JPYが最小の0.5%、EUR/AUDが最大の2.4%
・相関は、AUD/USDとNZD/USDが+0.88、EUR/USDとUSD/CHFが−0.78。同じ通貨を含んでも低いペアがある
・選ぶ項目は、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つ。スワップは会社と日で変わる

通貨ペアのよくある質問

通貨ペアとは何ですか?

2つの通貨を組み合わせた、取引の単位です。USD/JPYなら、1米ドルが円でいくらかを表し、左が基軸通貨、右が決済通貨です。

メジャー・クロス・エキゾチックの違いは何ですか?

組み合わせる通貨で分けます。メジャーは米ドルと主要7通貨、クロスは米ドルを含まない主要通貨どうし、エキゾチックは新興国の通貨を含むペアです。会社によって範囲は違います。

世界で最も取引されている通貨ペアはどれですか?

EUR/USDで、世界の現物取引の19.6%です。BISの2025年調査(2025年4月)では、2位がUSD/JPYの16.2%でした。

1日の値幅が大きい通貨ペアはどれですか?

%ではAUD/JPYの0.88%、pipsではGBP/JPYの143pipsが最大でした。2023〜2025年の中央値で、最小はEUR/GBPの0.40%(35pips)です。

通貨ペアの相関とは何ですか?

2つのペアの動きが同じ向きか逆向きかを表す数字で、−1から+1です。14ペアでは、AUD/USDとNZD/USDが+0.88、EUR/USDとUSD/CHFが−0.78でした。

通貨ペアは何を見て選べばよいですか?

値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つです。最初は1〜2ペアに絞り、自分が使う会社の値幅とスプレッドを確かめてください。

通貨ペアのまとめ

通貨ペアは、メジャー・クロス・エキゾチックの3種類に分けられます。BISの2025年調査では、世界の現物取引の35.7%がEUR/USDとUSD/JPYの2ペアでした。Dukascopyのティックから作った足の778日(2023〜2025年)では、14ペアの1日の値幅は価格の0.40〜0.88%で、メジャーとクロスの範囲は重なりました。スプレッドが値幅に占める割合は0.5〜2.4%で、相関は−0.78〜+0.88でした。

選ぶときは、値幅・スプレッド・取引量・相関・スワップの5つを見て、最初は1〜2ペアに絞ります。ペアごとの手法はFXの取引手法の記事にまとめています。

この記事はFXの情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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