
ユーロドルとは|世界でいちばん取引される通貨ペア

ユーロドルの意味とユーロの始まり
ユーロドルは、1ユーロが何米ドルに当たるかを表す通貨ペアです。ユーロは1999年1月1日に始まり、現金(紙幣と硬貨)は2002年1月1日から使われています。ECB(欧州中央銀行)の公式ページによると、2026年10月29日の時点で、EU加盟27か国のうち21か国がユーロを使っています。
BISの調査では、2025年4月の世界の外国為替取引は、1日平均で9兆5,955億ドルでした。そのうちユーロドルは2兆333億ドルで、割合は21.2%です。2位はドル円の14.3%、3位はドルと人民元の8.1%、4位はポンドドルの7.6%でした。ユーロドルは、2022年の調査に続いて1位です。
取引額の割合の移り変わり

同調査の6回分で、ユーロドルの割合を並べると、2007年が27.7%、2013年が24.1%、2016年が23.1%、2019年が24.0%、2022年が22.7%、2025年が21.2%でした。2007年から2025年までに6.5ポイント下がっています。ドル円は、2007年が14.3%、2013年が18.3%、2016年が17.8%、2019年が13.2%、2022年が13.5%、2025年が14.3%です。割合は下がっていますが、2025年も、ユーロドルはドル円の約1.5倍の割合でした。
アドバイスユーロドルは、世界の外国為替取引の2割ほどを占めているよ。割合は2007年の27.7%から21.2%まで下がっているんだね。
ユーロドルの値幅|1日の中央値は69.9pips

1日の値幅の測り方と年ごとの違い
1日は、ニューヨーク時間の17時で区切った月曜から金曜の1日です。日本時間にすると、米国の夏時間中は朝6時、標準時間中は朝7時が区切りです。1日の値幅は、その日の高値(bid)から安値(bid)を引いた値で、1pipsは0.0001です。足が18本未満の日は除き、2,808日を数えました。
2,808日の中央値は69.9pips、平均は76.9pipsで、平均が中央値より大きいのは、値幅が大きい日が数日あるためです。中央値を年ごとに見ると、2016年が80pips、2017年が74pips、2018年が80pips、2019年が49pips、2020年が76pips、2021年が60pips、2022年が95pips、2023年が71pips、2024年が56pips、2025年が74pips、2026年が57pips(10月27日まで)です。最も大きいのは2022年、最も小さいのは2019年でした。2022年は、ECBが7月27日に預金ファシリティ金利をマイナスから0%へ上げた年で、月末の値も9月に0.9801まで下がりました。値幅が大きい年と金利が動いた年が重なりましたが、ここで測ったのは値幅だけで、原因とは言えません。
1日の値幅の分布

2,808日のうち、半分の日は、値幅が51.6pipsから92.8pipsの間に入りました。値幅が小さいほうから10%の日は39.3pips未満、大きいほうから10%の日は121.5pips以上です。50pips未満の日は645日(23.0%)、60pips台が最も多く388日(13.8%)、120pips以上の日は296日(10.5%)でした。最も小さい日は18.5pips、最も大きい日は516.2pipsです。
100pips以上動いた日

1日の値幅が100pips以上の日は、2,808日のうち564日で、割合は20.1%です。年ごとでは、2022年が45.8%で最も多く、2019年が5.8%、2021年と2024年が7.7%、2026年が11.3%でした。100pips以上動く日は、年によって、ほとんどない年から半分近い年まで開きます。
最も大きく動いた5日

2,808日のうち、最も大きく動いたのは2016年6月24日の516.2pipsで、次が2016年3月10日の395.7pips、2016年11月9日の392.5pips、2025年4月3日の341.5pips、2020年3月19日の326.8pipsでした。上位5日の値幅は、中央値の69.9pipsの4.7〜7.4倍です。この5日の原因は調べていないので、何が起きた日かはここでは書きません。
曜日と月ごとの違い

曜日ごとの中央値は、月曜が62.0pips、火曜が68.2pips、水曜が73.0pips、木曜が74.8pips、金曜が72.9pipsでした。各曜日とも560日前後あります。月曜の日は、日曜夜の週明けから月曜のニューヨーク17時までなので、ほかの曜日と同じ長さではありません。

月ごとの中央値は、最も大きい3月が81.3pips、最も小さい10月が63.1pipsで、差は18.2pipsです。1月が75.1pips、6月が74.4pips、9月が65.3pipsでした。11月と12月は10年分、1月から10月は11年分のデータで、年によるばらつきも大きいため、月の違いは偶然の影響も受けます。
アドバイス1日の値幅は、中央値が69.9pipsだったよ。ただ、100pips以上の日も20.1%あって、年によって大きく違うんだね。
ユーロドルの動く時間帯|日本時間では夜に値幅が大きい

日本時間の時刻ごとの値幅
平日の1時間足の高値と安値の差を、日本時間の時刻ごとに並べ、中央値を出しました。ニューヨークや欧州の時刻は、夏時間と標準時間で日本時間とのずれが変わるため、米国の夏時間中の1,867日と、標準時間中の949日に分けています。欧州と米国は夏時間の切り替え日が数週間ずれるため、その期間は、欧州の時刻が日本時間で1時間ずれます。
図の「9時」は、日本時間の9時から10時までの1時間です。24時間全体の中央値は、夏時間中が10.6pips、標準時間中が11.0pipsでした。朝は7時台まで下がり、日本時間の9時台と10時台に、約10pipsの小さな山があります。夕方は、夏時間中が16時台に17.5pips、標準時間中が17時台に18.5pipsまで上がり、深夜は夏時間中が23時台の21.1pips、標準時間中が0時台の23.4pipsです。
値幅が大きい時間と小さい時間

夏時間中に大きいのは、日本時間の23時台が21.1pips、21時台が19.5pips、22時台が19.2pipsで、小さいのは7時台の5.3pips、8時台の5.5pips、6時台の5.7pipsです。標準時間中に大きいのは、0時台が23.4pips、23時台が20.7pips、22時台が19.9pipsで、小さいのは7時台の6.3pips、8時台の6.6pips、13時台の6.7pipsでした。最大と最小の差は、夏時間中が約4倍(21.1と5.3)、標準時間中が約3.7倍(23.4と6.3)です。
ECBの記者会見の時刻
ECBの公式ページでは、政策金利を決めたあとの総裁の記者会見が、現地の14:45 CET(中央ヨーロッパ時間)から始まると案内されています。日本時間にすると、欧州の夏時間中が21:45、標準時間中が22:45で、上で値幅が大きかった夏時間中の21時台、標準時間中の22時台と重なります。ただし、会見や指標の発表日だけを取り出した値幅は測っていないので、時間帯の値幅が大きい理由が発表だとは言えません。
アドバイス1時間の値幅は、日本時間の7時台がいちばん小さくて、夜から深夜が大きいよ。夏と冬で時刻が1時間ずれることに気をつけてね。
ユーロドルと金利|ECBと米国の政策金利の差

ECBと米国の政策金利の動き
ユーロドルでは、ユーロ圏のECBと、米国のFRBの政策金利が、材料としてよく見られます。図のECBの線は預金ファシリティ金利で、2022年7月27日にマイナスから0%へ上がり、2023年9月20日に4.00%になりました。2024年6月12日から下がり、2025年6月11日に2.00%、2026年6月17日に2.25%、9月16日に2.50%です。米国の線はFF金利の誘導目標の上限で、2023年7月27日から2024年9月19日まで5.50%でした。
図の灰色の線は、ユーロドルの月末の値です。2022年9月末に0.9801まで下がり、2016年1月から2026年10月27日までの月末値で最も低くなりました。金利の線とレートの線は同じ図に並べただけで、金利差がレートを動かすかどうかは、この記事では測っていません。
政策金利の現在地(2026年10月29日確認)

2026年10月29日に確認した水準は、ECBの預金ファシリティ金利が2.50%、米国の誘導目標が3.75〜4.00%です。ECBは9月16日に2.25%から、米国は9月17日に3.50〜3.75%から、それぞれ引き上げました。米国の上限とECBの差は1.50ポイントです。FOMCの10月27〜28日の会合のあとも、FRBの変更表に新しい行はありません。ECBの10月29日の理事会の結果は、確認した時点では反映されていません。
FOMCの会合は、2026年は年8回です。ECBの会合日程は、ECBの公式カレンダーで確認できます。米国の政策金利の変更はFRBの変更表、ECBの政策金利はECBの公表ページにあります。政策金利は変わるので、取引の前に最新の値を確認してください。FOMCの見方はFOMCの記事、米国の雇用統計は雇用統計の記事にまとめています。
アドバイスECBの預金金利は2.50%、米国の上限は4.00%で、差は1.50ポイントだよ。値は2026年10月29日に確認したもので、変わることがあるよ。
ユーロドルとほかの通貨ペア|値幅と連動を比べる

1日の値幅を比べる
比べた相手は、ユーロドルと同じ米ドルが入るポンドドルとドル円、ユーロが入るユーロ円の3つです。1日の区切りと値幅の出し方は、ユーロドルと同じです。pipsは円の通貨ペアが0.01、ほかが0.0001で、割合は、値幅をその日の終値で割った値の中央値です。
全期間の中央値は、ユーロドルが69.9pips、ポンドドルが93.8pips、ドル円が83.7pips、ユーロ円が96.6pipsで、ポンドドルはユーロドルの約1.3倍です。2025年は、ユーロドルが74.1pips(0.65%)、ポンドドルが84.7pips(0.64%)、ドル円が121.5pips(0.81%)、ユーロ円が116.1pips(0.68%)でした。2025年は、価格に対する割合で見ると、ユーロドルとポンドドルはほぼ同じで、ドル円が最も大きくなりました。通貨ペアごとにpipsの大きさが違うため、値幅は、割合も並べて比べるほうが誤解がありません。ポンドドルはポンドドルの記事、通貨ペア全体の選び方は通貨ペアの記事にまとめています。
日々の動きの連動

連動は、1日の終値の変化率(対数の差)を使った相関係数で出しました。+1は同じ向き、−1は逆向きに動いたことを表します。全期間で、ユーロドルとポンドドルが0.66、ドル円が−0.46、ユーロ円が0.35でした。
年ごとに見ると、ポンドドルは2019年の0.46から2026年の0.86まで、年によって変わっています。ドル円は−0.32(2019年)から−0.66(2025年)の範囲で、どの年もマイナスでした。ユーロ円は2018年の0.64から、2024年に0.10、2026年に0.16まで下がっています。2026年は10月27日までのデータです。連動の強さは年で変わるため、過去の値を、これからもそのまま続くとは見なせません。
アドバイスポンドドルとは同じ向きに、ドル円とは逆向きに動く日が多かったよ。ただ、強さは年によって変わるんだね。
ユーロドルのメリットとデメリット|測った数字で整理

数字から見えるメリット
メリットとして数字で言えるのは、取引額の大きさです。BISの調査で、世界の外国為替取引の21.2%を占め、通貨ペアの1位でした。もう1つは、1日の値幅が、ポンドドル(全期間93.8pips)より小さい69.9pipsで、2025年は割合でポンドドルとほぼ同じだったことです。ユーロとドルは、ECBと米国の政策金利という、公表日程の決まった材料があり、FOMCは2026年は年8回あります。
数字から見えるデメリットと測っていないこと
デメリットとして数字で言えるのは、動く時間が偏ることと、大きく動く日があることです。日本時間の6時台から8時台は、1時間の値幅の中央値が夏5〜6pips、冬6〜7pipsしかなく、100pips以上動いた日は全体の20.1%、最大は516.2pipsでした。時間と値幅が合わないと、思った動きが出ない時間に注文を置くことになります。
スプレッドやスワップは、会社や口座、時期で違い、この記事では測っていません。ユーロドルが安全に取引できる、初心者向けだと言える数字も、測っていません。取引を始める前に、使う口座の表示で、スプレッドとスワップを自分で確認してください。
アドバイスユーロドルは、取引額が多い通貨ペアだよ。ただ、動く時間と大きく動く日があることは、数字で確かめておこうね。
要点
・BISの2025年4月の調査で、ユーロドルは世界の外国為替取引の21.2%を占める1位(2007年は27.7%)
・Dukascopy のティックから作った足の2,808日(2016年1月〜2026年10月27日)で、1日の値幅の中央値は69.9pips、半分の日は51.6〜92.8pips
・100pips以上動いた日は564日(20.1%)、最大は2016年6月24日の516.2pips
・1時間の値幅の中央値は、日本時間の7時台が最小(夏5.3pips・冬6.3pips)、夜から深夜が大きい(最大は夏21.1pips・冬23.4pips)
・政策金利は2026年10月29日の確認で、ECBが2.50%、米国の誘導目標が3.75〜4.00%、差は1.50ポイント
・ポンドドルとは日々の動きが同じ向き(0.66)、ドル円とは逆向き(−0.46)。連動の強さは年で変わる
・測っていないのは、スプレッド・スワップ・売買の損益
ユーロドルのよくある質問
ユーロドルとは何ですか?
ユーロと米ドルの通貨ペアです。1ユーロが何米ドルかで表します。BISの調査では、世界の外国為替取引で最も割合が大きい通貨ペアでした。
1日にどれくらい動きますか?
中央値は約70pipsですが、日によって大きく違います。測った2,808日では、半分の日が約52〜93pipsの間に入り、5日に1日は100pips以上動きました。
どの時間帯によく動きますか?
日本時間の夜から深夜です。朝の7時台は小さく、夏は23時台、冬は0時台が最大でした。夏時間と標準時間で、時刻が1時間ずれます。
スプレッドは狭いですか?
この記事では測っていません。スプレッドは口座や時間帯で変わるため、取引する口座の表示で確認してください。
ユーロドルは何に影響されますか?
影響の大きさは測っていません。よく見られる材料は、ECBとFRBの政策金利です。日々の動きでは、ポンドドルと同じ向き、ドル円と逆向きになる日が多くありました。
ユーロドルのまとめ
ユーロドルは、BISの2025年4月の調査で、世界の外国為替取引の21.2%を占める、取引額が最も大きい通貨ペアでした。Dukascopy のティックから作った足(2016年1月〜2026年10月27日、2,808日)では、1日の値幅の中央値が69.9pips、100pips以上動いた日が20.1%でした。1時間の値幅は、日本時間の7時台が最も小さく、夜から深夜に大きくなります。
政策金利は、2026年10月29日の確認で、ECBが2.50%、米国が3.75〜4.00%です。値幅も連動も年によって変わるため、ここで出した数字は目安として使い、スプレッドやスワップ、損益は、自分の口座とデータで確かめてから使ってください。値幅と時間帯は、日本時間で数えた数字です。
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