Wave Trend Oscillatorの使い方と設定完全ガイド

WaveTrend Oscillator(以下WT)は、WT1とWT2の2本の線で、価格が最近の平均からどれだけ離れたかを見る指標です。初期設定は、Channel Length(ESAとDの期間)が10、Average Length(WT1の期間)が21です。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足333,913本(2016年1月〜2026年10月)を測りました。WT1がWT2を抜ける「交差」は1,000本あたり148.8回で、交差の4本後に価格が交差の向きに進んだ割合は49.6%でした。ランダムの範囲(49.5〜50.4%)に入り、交差の向きに進むとは言えませんでした。

目次

WaveTrend Oscillatorとは|2本の線で価格の位置を見る指標

USD/JPYの1時間足96本のローソク足の下に、WaveTrendのWT1とWT2を並べ、交差した足に印を付けたチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの1時間足96本(日本時間の2026年3月3日0時から4日間)に、WT1とWT2を並べた図。

WT1とWT2の見方

WTは、LazyBearさんが公開した、TradingView用のスクリプトで広まった指標です。MT4・MT5の標準のインディケータには入っていません。価格が最近の平均から上へ離れるとWT1が上がり、下へ離れると下がります。WT2は、WT1を4本の単純平均でならした線で、WT1より少し遅れて動きます。

図は、USD/JPYの1時間足96本に、初期値(10と21)のWTを並べたものです。青い線がWT1、オレンジの線がWT2です。この4日間で、WT1は−67から75の間を動きました。水平線は、買われすぎ・売られすぎの目安として使われる60と−60です。

交差と帯の中の交差

この記事で「交差」と書くのは、WT1がWT2を下から上へ抜けた足(買い)と、上から下へ抜けた足(売り)です。前の足でWT1がWT2以下で、その足でWT1がWT2より上になった足を、買いの交差としています。売りはその逆です。交差の足を1件と数えました。

「帯の中の交差」は、買いの交差で、その足のWT2が−60以下のもの、売りの交差で、その足のWT2が60以上のものです。買われすぎ・売られすぎの水準で交差した足にあたります。図の4日間では、交差が13回あり、帯の中の交差(紫の丸)が3回、それ以外(黒のひし形)が10回でした。

アドバイス

WTは、WT1とWT2の2本の線だよ。図の4日間は、交差が13回で、そのうち帯の中が3回だったね。

WaveTrendの計算式|6つの値を順に出す

WaveTrendの平均価格・ESA・D・CI・WT1・WT2を、上から順に計算する流れと各期間を並べた図
出典: LazyBear版WaveTrendの式と、シストレ.COMで配布しているWaveTrend_systreの初期値。WTの計算の流れ。

計算の流れ

WTは、次の順に計算します。「平均価格」は、足ごとの(高値+安値+終値)÷3です。ESAは、平均価格を10本のEMA(指数平均)でならした値で、最近の平均の位置を表します。Dは、「平均価格−ESA」の絶対値を、同じく10本のEMAでならした値で、平均からの離れ方の平均的な大きさを表します。

CIは、(平均価格−ESA)÷(0.015×D)です。0.015は、CCIの式にも出てくる定数です。価格の差をDで割るので、価格の単位が消えます。WT1は、CIを21本のEMAでならした線、WT2は、WT1の4本の単純平均です。EMAは、直近の値ほど重く扱う平均で、期間nのときの重みは2÷(n+1)です。

水準の線|60と53

LazyBear版のTradingViewのスクリプトには、買われすぎの水準が60と53、売られすぎの水準が−60と−53の4本あります。外側の60と−60が、よく目安にされる線です。配布しているWaveTrend_systreは、60と−60、それに0の水平線を引きます。この記事では、60を中心に数え、53は比較として数えています。

アドバイス

WT1は、CIを21本でならした線だよ。WT2は、そのWT1を4本で平均しただけだね。

WaveTrendの設定|TradingViewとMT4・MT5の項目と初期値

WaveTrendの設定項目を、変わる所・TradingViewの名前・MT4とMT5の名前・初期値で対応させた表
出典: LazyBear版WaveTrendと、シストレ.COMで配布しているWaveTrend_systre。設定項目と計算の対応。

TradingViewで出す方法

  1. チャートの上にある「インジケーター」を押します。
  2. 検索欄に「WaveTrend」と入れ、作者がLazyBearのものを選びます。
  3. チャートに出たら、設定(歯車のマーク)を開き、Channel LengthとAverage Lengthを確かめます。

設定項目と初期値

設定は2つです。Channel Length(配布版ではChannelLength)は、ESAとDの期間で、初期値は10です。Average Length(配布版ではAvgLength)は、WT1の期間で、初期値は21です。WT2の4本は、設定項目にありません。TradingViewには、このほかに60・53・−60・−53の水準を変える項目もあります。

配布しているWaveTrend_systreでは、WT1が青、WT2がオレンジ(MT4)か赤(MT5)の線です。水平線は、60・0・−60です。

設定を変えたときの性質

WaveTrendの設定を10・21、7・21、14・34、10・14に変えたときの、60以上の割合と1,000本あたりの交差の回数の表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、設定ごとの帯にいる割合と交差の回数。

設定を、10・21(初期値)、7・21、14・34、10・14の4つにして、1時間足の性質を数えました。数えたのは、WT1の絶対値が60以上の足の割合と、1,000本あたりの交差の回数です。各通貨の最初の600本は、計算の助走として除き、5通貨で333,913本です。

60以上にいる割合は、10・21が11.6%、7・21が4.7%、14・34が9.3%、10・14が20.6%でした。1,000本あたりの交差は、148.8回、168.3回、122.1回、159.3回です。ESAとDの期間を10から7にすると、60以上の割合は減り、交差は増えました。10・14は、60以上の割合が最も大きい設定でした。どの設定が良いかは、測っていません。

アドバイス

初期値の10・21は、60以上が11.6%で、交差は1,000本あたり148.8回だったよ。設定で回数も帯の割合も変わるね。

WaveTrendの時間足|足の本数で数えると交差の回数は近い値

WaveTrendの15分足・1時間足・4時間足について、53以上と60以上にいる足の割合と、1,000本あたりの交差の回数を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の時間足別の帯にいる割合と交差の回数。

時間足ごとの帯と交差の回数

初期値の10・21で、15分足・1時間足・4時間足を数えました。4時間足は、1時間足を世界標準時の0・4・8・12・16・20時(日本時間の9・13・17・21・1・5時)の区切りでまとめた足です。足の数は、15分足が1,344,482本、1時間足が333,913本、4時間足が84,087本です。

WT1の絶対値が60以上の足の割合は、15分足が10.4%、1時間足が11.6%、4時間足が11.6%でした。53以上は、18.6%、20.4%、20.7%です。1,000本あたりの交差は、151.7回、148.8回、144.1回で、数は203,929件、49,690件、12,119件でした。足の本数で数えると、時間足が違っても近い値です。

変わるのは、交差と交差の時間の間隔です。1,000本を交差の回数で割り、足の長さをかけた平均は、15分足が約1.6時間、1時間足が約6.7時間、4時間足が約27.8時間でした。

同じ4日間を3つの時間足で並べる

USD/JPYの同じ4日間のWaveTrendを、15分足・1時間足・4時間足の3段に並べ、交差の位置にひし形の印を付けた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)。USD/JPYの同じ4日間(日本時間の2026年3月3日0時から)を、3つの時間足で並べた図。

図は、USD/JPYの同じ4日間のWTを、3つの時間足で並べたものです。この4日間の交差は、15分足が66回(足384本)、1時間足が13回(足96本)、4時間足が4回(足24本)でした。同じ期間でも、時間足を長くすると、交差の回数は少なくなりました。

アドバイス

交差の回数は、足1,000本あたりで148.8回だったよ。1時間足では、平均で約6.7時間に1回だね。

WaveTrendの使い方|交差のあとに進んだ向きを測った結果

WaveTrendの交差の4本後と12本後に、価格が交差の向きに進んだ割合を、帯の中と外に分けてランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、交差のあとに交差の向きへ進んだ割合。

帯の中と外の交差のあとの向き

5通貨の1時間足で、交差の足の終値から4本後・12本後の終値が、交差の向きにあった割合を数えました。買いの交差なら上、売りの交差なら下です。交差は49,690件で、買いが24,843件、売りが24,847件でした。4本後・12本後の足がない最後の数件は除くので、件数は4本後が49,686件、12本後が49,678件です。

比べる範囲は、価格の動きを並べ替えて、100回数え直して出しました。各足の「前の終値から、高値・安値・終値までの差」の3つ組を、足の単位で並べ替え、同じ数え方で割合を出して、下から2.5%〜上から2.5%の範囲にしています。並べ替えで、値動きの大きさが続く性質や、上げ・下げが続く性質は消えます。範囲は、足の順番に意味がないときの割合のばらつきです。

4本後は、全ての交差が49.6%(49,686件)で、範囲は49.5〜50.4%でした。帯の中の交差(60)は49.7%(5,427件)で範囲は48.3〜51.1%、帯の外の交差は49.5%(44,259件)で範囲は49.6〜50.4%、53の帯の中は50.0%(8,811件)で範囲は48.5〜50.9%です。帯の外の交差だけが、範囲の下端より0.1ポイント下でした。

12本後は、全ての交差が49.9%(49,678件)で範囲は49.7〜50.3%、帯の中(60)が50.8%(5,424件)で範囲は48.8〜51.0%、帯の外が49.8%(44,254件)で範囲は49.6〜50.3%、53の帯の中が50.8%(8,808件)で範囲は49.0〜50.9%でした。8つの割合は49.5〜50.8%にあり、50%から大きく離れたものはありません。帯の中の交差は、60で5,429件(買い2,452件・売り2,977件)あり、並べ替えた価格でも5,171〜5,449件でした。

4時間足の向きで分けた結果

1時間足の交差を、4時間足のWaveTrendと同じ向きか逆向きかで分け、交差のあとに進んだ割合をランダムの範囲と並べた図
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足の交差を、4時間足の向きで分けた結果。

1時間足の交差を、その時点で確定している最後の4時間足のWTの向きで分けました。4時間足でWT1がWT2より上なら上向き、下なら下向きです。買いの交差で上向き、または売りの交差で下向きなら「同じ向き」、それ以外は「逆向き」です。

4本後は、同じ向きが49.6%(19,294件)で範囲は49.2〜50.6%、逆向きが49.5%(30,392件)で範囲は49.3〜50.6%でした。12本後は、同じ向きが50.1%(19,290件)で範囲は49.3〜50.7%、逆向きが49.7%(30,388件)で範囲は49.3〜50.5%です。4つとも範囲に入り、4時間足と同じ向きの交差のほうが進みやすいとは言えませんでした。

件数は、逆向きが同じ向きより多くなっています。並べ替えた価格でも、同じ向きの割合は38.4%(実際は38.8%)でした。件数の偏りは、並べ替えた価格でもほぼ同じように出るので、価格の並びによるものではありません。

交差は安値から何本あとに出るか

交差の足が、直近24本の最安値や最高値から何本あとにあったかを、交差の足と全部の足で比べた折れ線グラフ
出典: Dukascopy のティックから作った足(bid)、2016年1月〜2026年10月。5通貨の1時間足で、交差の足が直近の安値・高値から何本あとかの分布。

買いの交差が、直近24本の最安値をつけた足の何本あとに出たかを数えました。売りの交差は、直近24本の最高値からです。0本は、その足自身が安値(高値)という意味です。比べる相手は、全部の足を同じ方法で数えたものです。

交差の足は、安値(高値)の1〜4本あとが36.7%で、全部の足の16.8%の2倍以上でした。安値の足そのものに出た交差は2.0%で、全部の足の10.2%より少なくなりました。交差は、安値の足そのものには少なく、1〜4本あとに集まっていました。

交差の足が、安値から戻した幅は、ATR(14期間)で測ると、中央値が2.21でした。全部の足の中央値は2.26で、近い値です。交差の足は、安値から高値のほうへ戻したあとの足で、戻りの幅は、ふだんの足と変わりませんでした。

ほかの指標との組み合わせ

ATRは、値動きの大きさを測る指標です。この記事の戻り幅のように、値動きの大きさを単位にすると、通貨ペアが違う数字を同じ物差しで比べられます。ATRの使い方はATRの記事にあります。RSIはRSIの記事、MACDはMACDの記事にまとめています。

ダイバージェンスは、価格が高値(安値)を更新したのに、指標が更新しない状態です。ダイバージェンスの記事に、見方をまとめています。この記事では、WTのダイバージェンスと、ほかの指標との組み合わせの成績は測っていません。測ったのは、WTの交差の回数と、そのあとに価格が進んだ向きです。

アドバイス

交差の4本後に交差の向きへ進んだ割合は、全部で49.6%だったよ。範囲は49.5〜50.4%で、50%を含んでいるね。

WaveTrendのMT4・MT5での入れ方|ZIPの中身と手順

WaveTrendのファイルをMT4とMT5に入れる5つの手順と、置くフォルダの違いを並べた表
シストレ.COMで配布しているWaveTrend_systreを、MT4とMT5に入れる手順。

MT4の入れ方

  1. ダウンロードしたZIPを展開し、MT4フォルダの中の WaveTrend_systre.ex4 を取り出します。
  2. MT4の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選び、「MQL4」の中の「Indicators」に、ex4ファイルを置きます。
  3. ナビゲーターの「インディケータ」を右クリックして「更新」を選ぶか、MT4を再起動します。
  4. 「挿入」から「インディケータ」「カスタム」を選び、WaveTrend_systreをチャートに出します。

MT5の入れ方

MT5も手順は同じで、違うのは取り出すファイルと置くフォルダだけです。ZIPのMT5フォルダの中の WaveTrend_systre.ex5 を取り出し、「ファイル」の「データフォルダを開く」から「MQL5」の中の「Indicators」に置きます。そのあと、ナビゲーターで更新し、「挿入」「インディケータ」「カスタム」から表示します。

ダウンロードと使うときの注意

ZIPには、MT4用のex4ファイルとMT5用のex5ファイルが、それぞれのフォルダに入っています。ex4はMT4用、ex5はMT5用なので、入れる先を間違えないでください。表示すると、入力の初期値は、ChannelLengthが10、AvgLengthが21です。この記事の10・21は、この初期値と同じ設定です。

シストレ.COM会員なら無料でダウンロードできます。このインジケーターは、シストレ.COMの登録口座で使えます。認証が行われていない口座では使えません。無料配布のサンプルです。商用利用・再配布はできません。

アドバイス

ファイルの置き場所は、MT4がMQL4、MT5がMQL5のIndicatorsだよ。置いたあとは、更新を忘れないでね。

要点
・WTは、WT1とWT2の2本の線の指標。初期値は、Channel Length(ESAとDの期間)が10、Average Length(WT1の期間)が21
・5通貨の1時間足333,913本で、交差は1,000本あたり148.8回。15分足は151.7回、4時間足は144.1回で、足の本数で数えると近い値
・交差の4本後に交差の向きへ進んだ割合は49.6%(範囲49.5〜50.4%)。帯の中(60)は49.7%(範囲48.3〜51.1%)で、50%を含む
・4時間足と同じ向きの交差も49.6%(範囲49.2〜50.6%)で、範囲に入った
・交差は、直近24本の安値(高値)の1〜4本あとが36.7%で、全部の足の16.8%の2倍以上
・測っていないのは、売買の損益、勝率、ダイバージェンス、ほかの指標との組み合わせ

WaveTrendのよくある質問

WaveTrend Oscillatorとは何ですか?

WT1とWT2の2本の線で、価格が最近の平均から離れた度合いを見る指標です。LazyBearさんのTradingView用スクリプトで広まりました。

初期設定の数字はいくつですか?

10と21です。10はESAとDの期間、21はWT1の期間で、WT2は4本の平均です。この記事の数え方は、全て初期値の10・21です。

線が交差したら、交差の向きに進みますか?

5通貨の1時間足では、進むとは言えませんでした。4本後に交差の向きへ進んだ割合は49.6%で、ランダムの範囲に入りました。

時間足を変えると、交差の回数は変わりますか?

足の本数あたりでは、近い値です。1,000本あたり、15分足151.7回・1時間足148.8回・4時間足144.1回でした。時間の間隔は、足が長いほど開きます。

MT4とMT5のどちらでも使えますか?

どちらでも使えます。ZIPに、MT4用のex4とMT5用のex5が入っています。

MT4・MT5に最初から入っていますか?

入っていません。標準のインディケータにはないので、配布ファイルを入れて使います。

WaveTrendのまとめ

WTは、価格が最近の平均から離れた度合いを、WT1とWT2の2本の線で表す指標です。Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、333,913本)では、初期値の10・21で、交差が1,000本あたり148.8回ありました。15分足と4時間足でも、1,000本あたりの交差は151.7回と144.1回で、近い値でした。

交差の4本後に、交差の向きへ進んだ割合は49.6%で、ランダムの範囲(49.5〜50.4%)に入りました。帯の中(60)の交差も、4時間足と同じ向きの交差も、同じでした。測っていない売買の損益や、ほかの指標との組み合わせは、自分のデータで確かめてから使ってください。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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