

ロットとは|1ロットの通貨数と1pipsの金額

ロットの意味と、損益の出し方
ロット(Lot)は、注文するときの数量の単位です。損益は、通貨数に動いた幅をかけて出ます。契約サイズが10万通貨の銘柄なら、1ロットはUSD/JPYで10万通貨です。1円動くと10万円、1pips(0.01円)動くと1,000円の損益になります。0.1ロットは1万通貨で、1pipsが100円。0.01ロットは1,000通貨で、1pipsが10円です。
ドルが後ろにつく通貨ペア(EUR/USDやGBP/USD)は、1pipsが0.0001ドルです。1ロットなら1pipsで10ドルの損益になり、円に直すには、そのときのUSD/JPYのレートをかけます。たとえばUSD/JPYが157.493円なら、10ドルは約1,575円です。この記事の計算は、とくに断りがなければ、契約サイズが10万通貨の場合です。
会社や口座で1ロットの通貨数が違う
「1ロット」が何通貨かは、世界で一つに決まっているわけではありません。会社や銘柄ごとに決まります。公式の説明で確認できた例を並べます。
| 区分 | 1ロットの通貨数 | 確認先 |
|---|---|---|
| MT4・MT5 | 銘柄の契約サイズで決まる | 「仕様」の契約サイズ |
| DMM FX | 1万通貨 | DMM FXの公式ページ |
| SBI FXトレード | ロットの単位なし(通貨数で指定) | SBI FXトレードの公式ページ |
表の1ロットの通貨数は、2026年10月29日に各社の公式ページで確認した値です。同じ「1ロット」でも、DMM FXの1万通貨と、契約サイズが10万通貨の銘柄とでは、USD/JPYが1円動いたときの損益が10,000円と100,000円で、10倍違います。0.1ロット・0.01ロットのように小数で指定する場合も、基準になる通貨数が違えば、実際の数量も変わります。「ミニロット」「マイクロロット」という呼び名もありますが、何通貨かは会社の説明で確認します。
MT4・MT5で契約サイズを確認する
MT5では、気配値表示で銘柄を右クリックして「仕様」を開くと、契約サイズ(Contract size)が表示されます。取引を始める前に、使う銘柄の契約サイズを見ておくと、ロットと通貨数の対応を取り違えません。説明は、MetaQuotesのMT5ヘルプ(Market Watch)にあります(2026年10月29日確認)。ゴールドや株価指数などの銘柄は、通貨ペアと契約サイズが違うので、銘柄ごとに確認します。

アドバイス1ロットが何通貨かは、会社と銘柄で決まるよ。取引の前に、仕様を見て確かめよう。
ロットの計算方法|必要証拠金とレバレッジ

取引額と必要証拠金の計算
取引額は、通貨数に為替レートをかけた金額です。必要証拠金は、その取引額をレバレッジで割った金額です。USD/JPYが157.493円(2026年10月26日の終値)のときの、1ロット(10万通貨)の計算は次のとおりです。
取引額 = 100,000通貨 × 157.493円 = 15,749,300円
必要証拠金(25倍)= 15,749,300円 ÷ 25 = 629,972円
必要証拠金(100倍)= 15,749,300円 ÷ 100 = 157,493円
ロットが10分の1になれば、取引額も必要証拠金も10分の1です。0.01ロット(1,000通貨)なら、取引額は157,493円で、25倍の必要証拠金は6,300円(6,299.72円を切り上げ)、100倍は1,575円です。必要証拠金は、注文を出すために預けておく金額です。損益が出るかどうかとは別の数字で、含み損がふくらむと、口座に残る金額が減ります。
レバレッジの上限は国内で25倍

国内の会社で個人が取引する場合、レバレッジの上限は25倍で、必要証拠金は取引額の4%以上です。金融先物取引業協会(FFAJ)の規則で、2011年8月1日から適用されています(FFAJ「お客様向け」、2026年10月29日確認)。海外の会社は、レバレッジも契約サイズも、会社や口座ごとに決まっています。口座の仕様で確かめてから、ロットを決めます。
MT5での通貨ペアの証拠金の式は、ヘルプの外国為替の証拠金の説明にあります(2026年10月29日確認)。
アドバイス必要証拠金は、取引額÷レバレッジだよ。ロットを10倍にすると、証拠金も10倍になるね。
ロット別の1日の損益の振れ幅|5通貨・2016〜2026年を測定

測った条件
ロットを変えると、損益の額が同じ割合で変わります。では、1日のうちに、価格はどれだけ動くのか。Dukascopy のティックから作った1時間足(bid)で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYを測りました。期間は2016年1月4日〜2026年10月26日です。1日は、ニューヨーク17時から次の17時までで、平日だけを数え、1時間足が20本に満たない日は除きました。結果は、どの通貨も2,807日です。1ロットは10万通貨で、ドルが後ろにつく通貨ペア(EUR/USD・GBP/USD)の円換算には、その日のUSD/JPYの終値を使っています。
測ったのは2つです。1つ目は、1日の値幅(その日の高値と安値の差)です。2つ目は、日の最初の足の始値で買った(売った)場合に、その日のうちに最大でどこまで逆行したかです。買いは「始値−安値」、売りは「高値−始値」で、損切りも決済もしない前提の、含み損の最大値です。買いと売りを1件ずつ数え、通貨ごとに5,614件(2,807日×2)です。
1日の値幅を円にする

USD/JPYの1日の値幅は、中央値が83.7pipsでした。1ロットなら83,700円、0.1ロットなら8,370円、0.01ロットなら837円の幅です。5通貨のpipsは、69.9pips(EUR/USD)〜96.6pips(EUR/JPY)の間でした。円にすると、1ロットで79,800円(AUD/JPY)〜115,679円(GBP/USD)になります。ドルが後ろにつく通貨ペアは、1pipsの円がUSD/JPYのレートで変わるため、pipsの順番と円の順番は同じになりません。
始値から逆行した最大幅

USD/JPYで、逆行した最大幅の中央値は35.1pipsで、1ロットなら35,100円です。90%の件は、111.9pips以下でした。この90%値は、1ロットで111,900円、0.1ロットで11,190円(10万円の11.2%)、0.01ロットで1,119円(1.1%)です。90%値が10万円を超えたのは、1ロットで5通貨のうち4通貨(USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY)です。AUD/JPYだけが99.4%で、10万円を下回りました。この4通貨では、含み損が10万円を超えた件が1割以上ありました。0.01ロットなら、5通貨とも90%値は10万円の1.0〜1.4%でした。
この数字は、損切りも決済もせずに持った場合の、含み損の最大値です。実際には、その前に会社のロスカットで決済される場合があります。ロスカットの水準は会社ごとに違います。
期間による違い

USD/JPYの2,807日を、年で3つに分けました。逆行した最大幅の90%値は、2016〜2019年(1,037日)が89.2pips、2020〜2022年(780日)が98.2pips、2023〜2026年(990日)が141.4pipsです。2023〜2026年は、2016〜2019年の約1.6倍でした。0.1ロットの90%値は、8,920円、9,820円、14,140円です。中央値は、31.9pips、29.5pips、47.0pipsでした。同じロットでも、期間によって、1日の逆行の大きさは変わります。
測っていないこと
この節で測ったのは、日の始値で持った場合の、含み損の最大値です。損切りを入れた場合の損益、スプレッド、スワップ、ロスカット、時間帯ごとの違い、売買の損益は測っていません。測った期間の振れ幅が、これからも続くとは限りません。
アドバイス0.1ロットのUSD/JPYで、逆行の90%値は8,920円から14,140円まで、期間で変わったよ。
ロットの決め方|損切り幅から逆算する

許容する損失から、ロットを逆算する

先に、1回の取引で許容する損失額を決めます。そのうえで、損切り幅から、ロットを割り出します。式は「ロット=許容する損失額÷(損切り幅(pips)×1pipsの金額)」です。契約サイズが10万通貨で、USD/JPYなら、1ロットの1pipsは1,000円です。
口座が10万円で、許容する損失を口座の1%(1,000円)にした場合の例を、表にしました(何%にするかは測っていないので、計算しやすい値を例にしています)。損切り幅が20pipsなら、1,000円÷(20pips×1,000円)で、0.05ロットです。30pipsなら0.033ロットで、0.01刻みで切り捨てた0.03ロットを建てると、損切りでの損失は900円です。100pipsなら0.01ロットです。損切り幅が広いほど、同じ許容損失でも、ロットは小さくなります。
前の節の、日の値幅の中央値(USD/JPYで83.7pips)を損切り幅に使うと、計算上のロットは0.012で、0.01ロットを建てれば、損切りでの損失は837円です。この計算は、スプレッドとスリッページを含みません。実際の損失は、その分だけ大きくなります。
手法で損切り幅が違うと、ロットも変わる
損切り幅は、手法で変わります。上の式のとおり、損切り幅が狭い手法はロットを大きくでき、広い手法は小さくなります。手法ごとの考え方は、スキャルピング・デイトレード・スイングトレードの記事にまとめています。
自動売買(EA)のロット設定
自動売買(EA)でも、考え方は同じです。EAのロットの決め方には、おもに3つあります。
- 固定ロット: 口座の残高が変わっても、いつも同じロットで取引します。
- 残高に比例するロット: 残高に合わせて、ロットを増減します。たとえば、残高10万円につき0.01ロットなら、残高30万円で0.03ロットです。
- リスク率で決めるロット: 上の式のように、損切り幅と許容する損失から、取引ごとにロットを出します。
固定ロットは、残高が減っても1pipsの金額が変わらないため、残高に対する損失の割合は、残高が減るほど大きくなります。ロットを変えると、損益も必要証拠金も同じ割合で変わります。0.01ロットを0.1ロットにすれば、どちらも10倍です。EAの設定を変えるときは、変更後のロットで、上の計算をやり直します。
アドバイス許容できる損失額を先に決めて、そこからロットを逆算しよう。損切り幅が広いほど、ロットは小さくなるよ。
要点
・1ロットが何通貨かは、会社と銘柄で決まる。契約サイズが10万通貨なら、USD/JPYは1pipsで1,000円。DMM FXは1ロット1万通貨、SBI FXトレードはロットの単位なし
・必要証拠金は、通貨数×為替レート÷レバレッジ。USD/JPY 157.493円(2026年10月26日)の1ロットは、25倍で629,972円、100倍で157,493円
・国内の個人のレバレッジ上限は25倍(取引額の4%)。2011年8月1日から
・Dukascopy のティックから作った足(bid)、USD/JPYなど5通貨の平日2,807日ずつ(2016年1月4日〜2026年10月26日)で、USD/JPYの1日の値幅の中央値は83.7pips。1ロットで83,700円、0.1ロットで8,370円、0.01ロットで837円
・日の始値から逆行した最大幅の90%値は、USD/JPYで111.9pips。1ロットで111,900円、0.01ロットで1,119円。2023〜2026年は141.4pipsで、2016〜2019年(89.2pips)の約1.6倍
・ロットは、許容する損失額÷(損切り幅×1pipsの金額)で逆算する。測っていないのは、損切りを入れた場合の損益、スプレッド、ロスカット
ロットのよくある質問
1ロットは何通貨ですか?
会社と銘柄で違います。MT4・MT5は銘柄の契約サイズで決まり、DMM FXは1万通貨、SBI FXトレードはロットの単位がありません。取引前に仕様を見てください。
1ロットで1pips動くと、いくらの損益ですか?
契約サイズが10万通貨のUSD/JPYなら、1,000円です。0.1ロットで100円、0.01ロットで10円。ドルが後ろにつくペアは、1pipsが10ドルの損益で、円に直すときはUSD/JPYのレートをかけます。
0.01ロットの必要証拠金はいくらですか?
USD/JPYが157.493円のとき、25倍で6,300円です。取引額は157,493円で、100倍なら1,575円です。レートが動くと、この金額も変わります。
10万円の口座で、何ロットまで建てられますか?
証拠金だけを見ると、USD/JPY 157.493円で、25倍なら0.15ロットまでです。0.15ロットの必要証拠金は94,496円で、口座の大半を使います。100倍なら0.63ロットまでで、必要証拠金は99,221円です。25倍で0.15ロットを建てると、残りは5,504円です。0.15ロットは1pipsが150円なので、約36.7pipsの逆行で尽きます。測ったUSD/JPYの、始値からの逆行の中央値(35.1pips)に近い幅です。前の節の逆算で決めてください。
小さいロットなら、損失は心配いりませんか?
損失の額は小さくなりますが、なくなるわけではありません。USD/JPYの0.01ロットでも、日の始値からの逆行の90%値は1,119円でした。口座の金額に対する割合で、見てください。
ロットを増やすと、何が変わりますか?
損益の額と、必要証拠金が、同じ割合で増えます。増えるのは、利益の額だけではありません。損失の額も同じ割合で増えます。
ロットのまとめ
ロットは、取引する数量の単位です。1ロットが何通貨かは、会社と銘柄で決まるので、契約サイズが10万通貨の場合は、USD/JPYで1pips=1,000円になります。必要証拠金は、通貨数×為替レート÷レバレッジで、国内の個人のレバレッジ上限は25倍です。
Dukascopy のティックから作った足(bid)で、5通貨の平日2,807日ずつ(2016年1月4日〜2026年10月26日)を測ると、USD/JPYの1日の値幅の中央値は83.7pipsで、1ロットなら83,700円でした。日の始値から逆行した最大幅の90%値は111.9pipsで、1ロットなら10万円の口座を超え、0.01ロットなら1,119円です。ロットは、許容する損失額と損切り幅から逆算します。損切りを入れた場合の損益やスプレッドは測っていないので、自分の口座の仕様で計算し直してから使ってください。レバレッジの仕組みはレバレッジの記事、資金管理はリスク管理の記事にまとめています。
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