
原油取引とは|WTIとブレントの違い・取引時間・MT4/MT5の設定

原油取引のしくみ
原油取引は、原油の価格が上がるか下がるかを予想して売買する取引です。FX会社では、先物の価格に連動するCFD(差金決済取引)として、MT4・MT5から取引できる会社があります。先物そのものを持つわけではなく、買った価格と売った価格の差額を損益として受け取ります。
WTIとブレント
- WTI原油は、米国で産出される原油で、CMEグループのニューヨーク商業取引所(NYMEX)で先物が取引されています。先物1枚は1,000バレルで、価格が0.01ドル動くと10ドルの損益です(CMEのWTI先物の仕様)。
- ブレント原油は、北海で産出される原油で、ICE(インターコンチネンタル取引所)で先物が取引されています(ICEのブレント先物)。
この記事の測定には、WTIを使いました。Dukascopyの原油(LIGHTCMDUSD)は、WTI先物に連動するCFDで、先物の限月(期限)が切り替わる日は、価格が飛ぶことがあります。値幅はどれも中央値で見ており、飛んだ日の影響は小さくしています。ブレントは使っていません。
CFDで取引するメリットとデメリット
- メリットは、先物を直接取引するより小さい金額から始められることと、MT4・MT5で為替と同じ画面で売買できることです。
- デメリットは、証拠金を使うため、価格が逆に動いたときの損失も同じ倍率で大きくなることです。レバレッジの考え方はレバレッジの記事で説明しています。
- 銘柄の名前、スプレッド、限月の切り替えの扱いは、会社ごとに違います。
取引時間と日本時間
CMEのWTI先物は、日曜の夕方から金曜の夕方まで、東部時間の17時〜18時の1時間を除いてほぼ24時間取引されます(CMEの取引時間)。日本時間では、夏時間の期間が6時〜7時、冬時間の期間が7時〜8時が休止です。FX会社のCFDは、会社ごとに取引時間が違います。
EIA(米国エネルギー情報局)の週間石油統計は、標準では東部時間の水曜10:30に発表されます(祝日などの週は例外があり、EIAの発表予定で確かめられます)。日本時間では、夏時間の期間が水曜の23:30、冬時間の期間が木曜の0:30です。米国の夏時間は3月の第2日曜から11月の第1日曜までで、日本時間のずれがその間だけ変わります。
MT4・MT5での設定と表示
MT4・MT5に対応したFX会社では、原油を、WTIやUSOILなどの名前の銘柄として取引できる場合があります。名前は会社ごとに違います。
- 気配値表示(マーケットウォッチ)を開き、原油の銘柄を探します。銘柄が見えないときは、右クリックして「すべて表示」を選びます。
- 原油の銘柄を右クリックして「チャート表示」を選びます。
- 新規注文の画面で、ロットと、損切り・利確の価格を入れて発注します。
銘柄の仕様(1ロットが何バレルか)、スプレッド、証拠金、限月の切り替えの扱いは、会社ごとに違うため、取引前に、その会社の取引条件で確認します。EAで自動売買する場合は、EA始め方ガイドが参考になります。
アドバイス日本時間は夏と冬で1時間ずれるよ。EIAは夏が23:30、冬が翌0:30だよ。
原油の時間帯ごとの値幅|日本時間の夜22時台が最大

30分ごとの値幅
米国が夏時間の期間(1,541日)の日本時間で、30分の高値と安値の差(値幅)の中央値を並べました。単位はセントで、100セントが1ドルです。
22:00から始まる30分が51.0セントで最も大きく、22:30が49.3セント、23:00と23:30が48.0セント、24:00が46.2セントと、22:00〜24:00から始まる5区間が46.2〜51.0セントでした。東部時間では9時台です。一方、8:00・8:30・13:00・13:30から始まる4区間は、9.2〜10.0セントでした。27:00(翌3:00)から始まる30分は40.0セントで、前後より大きい山があります。この原因は、測っていません。
EIA発表を含む23:30の区間は48.0セントで、その前後と大きな違いはありませんでした。EIAの発表は水曜だけで、この図は全曜日を合わせた中央値です。水曜だけを取り出した結果は、次の節に載せています。
米国が冬時間の期間(804日)は、東部時間にそろえると、日本時間が1時間遅くなります。23:00〜25:00から始まる5区間が42.0〜46.2セントでした。
アドバイス原油は、日本時間の夜22時台〜24時台が大きく動いたよ。朝や昼の約5倍だね。
原油のEIA発表の値動き|水曜10:30は火曜・木曜の約2倍

発表の5分足
EIAの発表がある水曜(290回)と、同じ週の火曜・木曜(計580回)を比べました。米国の祝日がある週は除いています。東部時間10:30の5分足の値幅の平均は、水曜が47.1セント、火曜・木曜が23.6セントで、約2倍でした。発表の5分前(10:25)は、水曜が16.7セントで、水曜のほうが小さい時刻です。10:35は33.1セントと、発表のあとも大きい状態が続きます。
10:30の5分足の値幅を、その前の1時間(9:30〜10:25)の5分足の平均で割った倍率は、水曜の中央値が2.2倍、火曜・木曜が0.9倍でした。水曜の例は、2025年7月16日です。10:30の5分足の値幅が39.6セントで、290回の中央値(41.3セント)に最も近い日です。
30分で見た曜日の違い

東部時間10:30からの30分の値幅は、水曜が平均79.7セント(中央値67.8セント)、火曜が55.7セント(43.0セント)、木曜が58.6セント(45.8セント)でした。290週のうち、水曜が火曜と木曜のどちらよりも大きかったのは65%です。3日が同じ条件なら、水曜が最大になる確率は3分の1(33%)なので、水曜が大きい傾向はあります。水曜が火曜・木曜の平均より大きかったのは81%でした。
測ったのは値幅だけで、上下どちらに動くかや、発表後に取引して利益が出るかは測っていません。スプレッドはFX会社ごとに違うため、発表の時間帯に取引する場合は、その会社の条件を事前に見ておきます。
アドバイスEIAの発表がある水曜10:30は、火・木の同じ時刻の約2倍動いたよ。向きは測ってないよ。
原油の1日の値幅とリスク管理|中央値は1バレルあたり1.97ドル

1日の値幅
東部時間の17時から翌17時までを1日として、月〜金に始まる1,445日で、1日の高値と安値の差の中央値は1バレルあたり1.97ドルでした。始値に対する割合では、中央値が2.9%です。
年ごとの中央値は、2019年が1.44ドル(206日)、2020年が1.64ドル(207日)、2021年が1.89ドル(206日)、2022年が3.80ドル(207日)、2023年が2.28ドル(207日)、2024年が1.82ドル(207日)、2025年が1.60ドル(205日)で、日数の合計は1,445日です。2022年は、始値の中央値が92ドルと、7年の中で最も高い年でした。値幅の大きさは、年によって2倍以上違います。
CMEの先物1枚(1,000バレル)で考えると、1.97ドルは1,970ドルの値幅です。同じ原油でも、年や時期で1日の動く幅が違うため、損切りの幅は固定せず、そのときの値幅を見て決める必要があります。値幅の考え方はボラティリティの記事にまとめています。
損切りと利確
損切り(ストップロス)は、損失がここまで広がったら決済する価格を、取引の前に決めておくことです。利確(テイクプロフィット)は、利益を確定する価格です。どちらも、上で測った値幅を基準にすると、決めやすくなります。例えば、1日の値幅の中央値が1.97ドルのときに、損切り幅を0.2ドルにすると、中央値の値幅の約1割にあたります。
資金管理
1回の損失を、資金の一定の割合(1%など)までと決める方法があります。例として、資金が10,000ドル、1回の損失の上限を1%(100ドル)、損切り幅を1ドルとすると、持てる量は100バレル分です(100ドル÷1ドル)。損切り幅を2ドルに広げると、同じ上限なら50バレル分になります。損切り幅が広いほど、持てる量が小さくなります。
分析の使い方
テクニカル分析は、チャートの形や移動平均線などで、売買のタイミングを見る方法です。ファンダメンタル分析は、需給や在庫統計などの情報から、価格の向きを考える方法です。どちらも、この記事では取引の損益を測っていません。使う場合は、過去のデータで自分で確かめてください。
アドバイス1日の値幅は、中央値で1.97ドルだったよ。2022年は3.80ドルと、2019年の2倍以上だったね。
原油の影響要因|USD/CADとの相関は−0.30、OPECと在庫統計も

カナダドルとの相関
カナダは原油を産出する国で、原油が上がるとカナダドルが買われる、と言われます。USD/CADは、下がるとカナダドルが強い(米ドルが弱い)ことを表します。そこで、原油の1日の変化率と、USD/CADの1日の変化率の相関係数を測りました。相関係数は、−1に近いほど反対に動き、0は関係がないことを表します。
全期間(1,432日)の相関係数は−0.30で、原油が上がった日にUSD/CADが下がる、弱い反対の関係でした。2つが反対に動いた日は61%です。年ごとに見ると、2021年が−0.46、2022年が−0.30、2024年が−0.23、2025年が−0.06で、年によって差があります。
原油が前日比で1%より上がった日(489日)は、USD/CADが下がった日が63%で、平均の変化は−0.16%でした。原油が1%より下がった日(415日)は、USD/CADが上がった日が66%で、平均は+0.17%です。原油の変化が±1%以内の日(528日)は、USD/CADが下がった日が47%でした。3つの日数の合計は1,432日で、全期間では下がった日が49%です。
どの年も相関係数は0より小さいものの、2025年は−0.06とほぼ関係がありませんでした。原油の値動きだけから、カナダドルの動きは決められません。前日比で3割前後動いた極端な1日は、計算から除いています。
OPECプラス・在庫統計・地政学
原油の価格は、世界の需要と供給で動きます(EIAの解説)。EIAは、世界の経済成長が原油の需要を左右する大きな要因の1つと説明し、OPEC(石油輸出国機構)が加盟国の生産目標を決めることで、供給と価格に影響できるとしています。
- OPECプラスの生産方針: 産油国の会合で生産目標が決まります。最新の発表は、OPECの公式サイトで確かめられます。
- 米国の原油在庫: EIAが毎週水曜に発表します。発表時刻はEIAの発表予定のとおりで、この記事の測定では、発表の5分足が火曜・木曜の約2倍でした。
- 地政学リスク: 産油地域の情勢や制裁などの出来事です。いつ起きるかは決まっていないため、発表予定から先に調べることはできません。
- 米ドルとの関係: 原油はドルで取引されます。この記事では、カナダドルとの相関だけを測りました。
これらのうち、日時が決まっているのは、EIAの在庫統計とOPECの会合です。会合の日程と在庫統計の発表日は、トレードの前に確認します。
アドバイス原油が上がると、USD/CADは下がる日が多かったよ。2025年は相関がほとんどなかったね。EIAとOPECの予定は公式サイトで見てね。
要点
・夏時間の期間の日本時間で、30分の値幅(中央値)は22:00〜24:00から始まる5区間が46.2〜51.0セントで最大、8:00・8:30・13:00・13:30は9.2〜10.0セント
・水曜の東部時間10:30(EIA発表)の5分足は、同じ週の火曜・木曜の約2倍(47.1セントと23.6セント・290週)
・EIAの標準の発表は東部時間の水曜10:30で、日本時間は夏時間の期間が23:30、冬時間の期間が翌0:30
・1日の値幅の中央値は1バレルあたり1.97ドル(1,445日)。2022年は3.80ドル、2019年は1.44ドル
・原油とUSD/CADの相関係数は全期間で−0.30(1,432日)。2025年は−0.06
・測ったのは値幅と相関だけで、売買の損益は測っていません
原油取引のよくある質問
原油はどの時間帯が一番動きますか?
夏時間の期間は、日本時間の22時〜24時台です。30分の値幅の中央値が46.2〜51.0セントで、冬時間の期間は1時間遅くなります。
原油の1日の値幅はどれくらいですか?
中央値は1バレルあたり1.97ドルです。2019〜2025年の1,445日の結果で、年によって1.44〜3.80ドルでした。
原油はどんな取引スタイルに向いていますか?
向くスタイルは測っていません。値幅は時間帯と年で大きく変わるため、スタイルに合う時間帯の値幅を先に確かめてください。
原油の値動きに影響する要因は何ですか?
OPECの生産方針、米国の在庫統計、地政学リスク、世界の経済成長などです。EIAの解説では、需要と供給が価格を決めるとされています。
EIAの原油在庫統計は日本時間の何時に発表されますか?
夏時間の期間は水曜23:30、冬時間の期間は木曜0:30です。東部時間の水曜10:30が標準で、祝日の週は変わることがあります。
初心者でも原油取引はできますか?
口座があれば取引できます。先に1回の損失の上限を決め、損切り幅から取引量を計算してから始めてください。
原油取引のまとめ
Dukascopyのティックから作った足で測ると、WTI原油は、夏時間の期間の日本時間22:00〜24:00から始まる30分の値幅が、中央値で46.2〜51.0セントと最も大きくなりました。水曜のEIA発表(東部時間10:30)の5分足は、同じ週の火曜・木曜の約2倍で、1日の値幅の中央値は1バレルあたり1.97ドルです。
原油とUSD/CADの相関係数は全期間で−0.30で、年によって−0.06〜−0.46と差がありました。測ったのは値幅と相関で、売買の損益は測っていません。実際に取引する前に、損失の上限と損切り幅を決めてください。
この記事はFXの情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。原油のCFDには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
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⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













