
ギャンとは|MT4で使える3つのオブジェクトの違い

3つのオブジェクトの違い
MT4には、ギャンの考え方で線を引くオブジェクトが3つあります。ギャンラインは、2点を決めて45度の線を1本引きます。ギャンファンは、1点から角度の違う線を扇状に引きます。ギャングリッドは、2点を決めて、45度の線で作る格子を引きます。点の数と線の説明は、MT4ヘルプの「線のツール」 と、MQL4の資料(ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッド)で確かめました。
MetaQuotesのヘルプは、ギャンが1×1(45度)の線を重要と考えたと説明しています。価格がその線の上にあれば強気、下にあれば弱気とみて、上昇トレンドでは支えになる線、割れたら転換の目印になる線と考える、という説明です。この記事の計測は、この「割れる」を数えたものです。
1×1とは|傾きはチャートの縮尺で変わる
1×1は、時間が1つ進むあいだに、価格も1つ進む線です。ただし、MT4ヘルプによると、チャートでは横軸(時間)と縦軸(価格)の1単位の画素数がふつうは違い、1対1のスケールにすると同じ値になります。つまり、1つの価格が何pipsにあたるかは、縮尺しだいです。同じ1×1の線でも、縮尺を変えれば、1本あたりのpipsは変わります。
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アドバイスギャン系は3つ。点の数と、引かれる線が違うよ。1×1の傾きは、縮尺で変わるから注意してね。
ギャンラインの描き方|MT4のメニューと2点の指定

メニューからギャンラインを選ぶ
チャートを開き、メニューの「挿入」から「ギャン」を選ぶと、右にギャンライン(L)・ギャンファン(F)・ギャングリッド(G)が出ます。ギャンラインを選ぶと、マウスの形が線を引く形に変わります。
2点を指定して線を引く

始めの点でクリックし、そのままドラッグして、終わりの点で離します。線は2点を通る方向に引かれます。

引いたあとは、線を選ぶと四角いマークが出ます。マークは、オブジェクトを動かしたり、描く条件を変えたりするためのものです(MT4ヘルプのオブジェクトの操作)。マークを動かして、線を目当ての価格に合わせます。
プロパティの3つのタブ
線を選んで右クリックし、プロパティの項目(公式ヘルプでは「Properties…」)を開くと、3つのタブがあります。

「全般」タブでは、名前・説明・色と線のスタイル・「背景として表示」を決めます。画面の例では、名前が「Gann Line 19747」、色が青でした。

「パラメーター」タブには、2点分の時間、価格、スケールの欄があります。画面の例では、時間が2024.09.30 08:00と10:00、価格が141.61851、スケールが-13.56でした。ギャンラインの傾きは、角度とスケールで決める方法と、2点目の座標で決める方法のどちらでもできます。角度やスケールを変えると、2点目の座標は自動で決まり直されます(MQL4の資料)。

「表示選択」タブは、線をどの時間足に出すかを決めます。画面の例では「すべての時間足に表示」にチェックが入っていました。外すと、1分足・5分足・15分足・30分足・1時間足・4時間足・日足・週足・月足を個別に選べます。
アドバイスギャンラインは、メニューで選んで2点をドラッグ。傾きは、プロパティの「パラメーター」タブで直せるよ。
ギャンファン・ギャングリッドの描き方|点の数と傾きの決め方

ギャンファンは1点、ギャングリッドは2点
ギャンファンは、MT4ヘルプによると、点を1つ指定すると、そこから角度の違う線が出ます。ギャングリッドは、ギャンラインと同じく2点を指定し、45度の線で作る格子になります。どちらも、メニューの「挿入」→「ギャン」から選びます。傾きは、プロパティのスケールで変えます。MQL4の資料には、スケールを変えると、ファンやグリッドの線の傾きが変わると書かれています(ギャンファン・ギャングリッド)。
傾きの目安|1本あたり何pipsか
MQL4の公式資料のサンプルでは、スケールを「1本あたりのpips数」としています。そこで、次の計測では、傾きを「直近24本の値幅(高値-安値)の平均」の0.05倍・0.1倍・0.2倍に決め、小・中・大と呼びました。図は、その傾きが1本あたり何pipsになるかです。24本の値幅の平均の中央値は、USD/JPYが16.3 pipsで、小が0.8、中が1.6、大が3.3 pipsです。通貨によって値動きの大きさが違うため、同じ係数でも、pipsは通貨ごとに変わります。
アドバイスファンは1点、グリッドは2点だよ。傾きは、スケールで変えられるよ。
ギャンラインの使い方|安値の谷から引いた線が割れるまでの本数を測った結果

測り方|谷・傾き・割れるの数え方
5通貨の1時間足(336,913本)で、前後20本の中でいちばん安い足を「谷」とし、その安値から右上へ1×1の線を引きました。谷は20本後にならないと確かめられないので、20本後の足を「確認の足」とし、その次の足から本数を数えます。線の傾きは、確認の足の時点の「24本の値幅の平均」に、小0.05倍・中0.1倍・大0.2倍をかけた値です。終値が線を下回った足を「割れた」とし、確認の足から何本目かを記録しました。最大240本まで見ています。
1件は、1つの谷と1本の線の組み合わせです。確認の足の終値がすでに線以下だった谷は、数えていません(小234件・中1,056件・大3,381件)。データの終わりで240本見られない谷も、数えていません。1×1の線は、MT4では縮尺で傾きが変わるため、ここでは係数で傾きをそろえました。ほかの縮尺やほかの時間足では、結果は変わります。
図の例|3本の線が割れた順番
図は、USD/JPYの1時間足で、日本時間の2026年8月12日18時の谷(安値158.575円)から線を引いた1件です。確認の足は13日14時で、そこから数えて、傾き大が4本目、中が24本目、小が31本目に割れました。急な線ほど早く割れています。この例は、3本とも図の中で割れる場面から選んだ1件で、全体の代表ではありません。
結果|24本以内に割れた谷の割合

24本以内に割れた谷の割合は、小が44.3%、中が63.8%、大が89.9%でした。割れるまでの本数の中央値は、小が30本、中が16本、大が6本です。240本まで見ても割れなかった谷は、小が6.4%、中が0.4%、大が0.0%でした。傾きが急なほど、早く割れます。

図は、確認の足から96本後までに、線が割れずに残った谷の割合です。3本とも、本数が増えるほど残る割合は下がり、傾き大は、30本後に6.2%、72本後に0.4%まで減ります。薄い帯は、足の順番を入れ替えた足を20回作ったときの、最小から最大の範囲です。
通貨ごとの結果|傾き中
| 通貨 | 谷の数 | 実際の足 | 並べ替えの範囲 |
|---|---|---|---|
| USD/JPY | 909件 | 60.9% | 57.1〜62.5% |
| EUR/USD | 915件 | 65.6% | 60.5〜65.4% |
| GBP/USD | 903件 | 65.2% | 59.5〜65.7% |
| EUR/JPY | 895件 | 62.3% | 59.2〜64.0% |
| AUD/JPY | 892件 | 65.0% | 57.4〜63.6% |
計測条件: 上の表は、Dukascopy のティックから作った足(bid)の1時間足、2016年1月〜2026年10月で、傾き中(24本の値幅の平均の0.1倍)の結果です。数字は、確認の足から24本以内に終値が線を割った谷の割合です。並べ替えは、足の動きを年ごとに入れ替えた足を20回作ったときの、最小から最大です。
実際の足が並べ替えの範囲の上にあった通貨は、EUR/USD・AUD/JPY の2通貨です。下にあった通貨はありませんでした。
結果の読み方|並べ替えで確かめたこと
足の順番を入れ替えると、足の大きさや形は残り、トレンドや値幅のかたまりなど、並びから出る性質が消えます。並べ替えた足でも、傾きが急なほど早く割れました。24本以内に割れた割合は、小が43.1〜45.8%、中が60.6〜63.1%、大が86.3〜89.7%の範囲です。急な線ほど早く割れるのは、線の作りから出ることで、5通貨の値動きの性質ではないと言えます。
実際の足と並べ替えた足の差は、小では範囲の中でした。中は範囲の上端より0.7ポイント、大は0.2ポイント高く、実際の足のほうが、わずかに早く割れました。説明できていないのは、この小さな差です。何から出たか(トレンドの続き方や、値幅のかたまりなど)は、測っていません。並べ替えは20回なので、範囲の外側がどこまで広がるかも分かりません。大は、確認の足で線の上にあった谷だけを数えるため、谷の数が2,189件で、並べ替えた足の2,403〜2,516件より少なくなりました。理由は測っていません。
測っていないこと
この記事で測ったのは、線を引いてから終値が割るまでの本数です。割れたあとの値動き、売買の損益、勝率、損切りや利確の幅は測っていません。ギャンファンとギャングリッド、谷以外の点から引いた線、1×1以外の角度、1時間足以外の時間足、5通貨以外も測っていません。どの傾きの線が使えるかは、この結果からは言えません。
アドバイス傾きが急だと、早く割れたよ。並べ替えた足でも同じだったから、線の作りの差だね。割れたあとは測っていないよ。
要点
・MT4のギャン系は、メニューの「挿入」→「ギャン」から選べる3つ。ギャンラインは2点、ギャンファンは1点、ギャングリッドは2点を指定する
・傾きは、プロパティの「パラメーター」タブのスケールで変える。MQL4の資料では、スケールは1本あたりのpips数
・1×1の傾きは、チャートの縮尺しだいで、1本あたりのpipsが変わる
・5通貨の1時間足336,913本で、安値の谷から引いた線は、傾き小・中・大で、24本以内に44.3%・63.8%・89.9%が割れた
・足の順番を入れ替えた足でも、急な線ほど早く割れた。実際の足との差は、中と大でわずか
・測っていないのは、割れたあとの値動き、売買の損益、勝率
ギャンのよくある質問
ギャンラインとギャンファンの違いは何ですか?
指定する点の数と、引かれる線が違います。ギャンラインは2点で45度の線を1本、ギャンファンは1点から角度の違う線を何本も引きます。
MT4でギャンを描くメニューはどこですか?
メニューの「挿入」→「ギャン」です。開くと、ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの順に並びます。
ギャンの線の傾きは、どこで変えますか?
線を選んで右クリックし、プロパティの「パラメーター」タブにある「スケール」で変えます。MQL4の公式資料では、スケールは1本あたりのpips数とされています。チャートの縮尺を変えても見た目の傾きは変わります。
ギャンの線を、すべての時間足に表示できますか?
できます。プロパティの「表示選択」タブで「すべての時間足に表示」にチェックを入れます。画面の例では、チェックが入っていました。チェックを外すと、1分足から月足までを個別に選べます。
ギャンラインを割ったら、反転しますか?
この記事では測っていません。測ったのは、線を引いてから終値が割るまでの本数です。割ったあとの値動きや損益は、測っていません。
ギャンのまとめ
MT4のギャン系オブジェクトは、メニューの「挿入」→「ギャン」から選べる、ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの3つです。ギャンラインとギャングリッドは2点、ギャンファンは1点を指定し、傾きはプロパティのスケールで変えます。1×1の傾きは、チャートの縮尺で変わります。
Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足(2016年1月〜2026年10月、336,913本)で、20本の安値の谷から引いた線は、傾きが急なほど早く割れました。24本以内に割れた割合は、小が44.3%、中が63.8%、大が89.9%です。足の順番を入れ替えた足でも同じ向きで、実際の足との差は、中と大でわずかでした。割れたあとの値動きや損益は測っていないため、自分のデータで確かめてから使ってください。MT4そのものの入手は、MT4のダウンロードの記事にまとめています。
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