
MT4のOCO注文は標準機能にない|公式ヘルプの注文の種類で確認

MT4で選べる注文は6種類でOCOはない
MetaQuotes公式のMT4ヘルプの注文の種類にある注文は、成行の買いと売り、待機注文のBuy Limit・Buy Stop・Sell Limit・Sell Stopの6種類です。OCOという注文はありません。OCOは、2本の注文を1組にして、片方が約定したらもう片方を自動で取り消す注文のことです。MT4にはこの組を作る機能がないため、2本の待機注文は、それぞれ別の注文として動きます。
MT5のヘルプにもOCOの語はない
MT5のヘルプの取引の実行のページでも、OCOという語は見つかりませんでした。待機注文は、MT4の4種類にBuy Stop LimitとSell Stop Limitを足した6種類です。確認したのはこのページだけで、ほかのページやブローカーが独自に付けた機能は確認していません。
S/LとT/Pは、OCOと別の機能
S/LとT/Pは、保有中のポジションに付ける決済の設定です。ポジションは、S/LかT/Pの価格に届くと自動で決済されます(ポジションの決済)。買いのポジションはBid、売りのポジションはAskが水準に届いたときです。S/LとT/Pはサーバー側で動くため、端末の電源が切れていても働きます。
OCOは、まだ約定していない2本の注文をつなぎます。S/LとT/Pは、約定したあとの1つのポジションを決済します。そのため、逆指値2本のうち片方が約定したら、もう片方が消える、という動きは、S/LとT/Pでは作れません。

アドバイスMT4にOCOはないんだ。逆指値を2本置いて、片方が約定したらもう片方を自分で消すことになるよ。S/LとT/Pは、約定したあとの決済の設定だから別ものだよ。
MT4のOCO注文の代わりに逆指値を2本置く方法|新規注文から発注して手で削除

新規注文の開き方
待機注文を出すときは、新規注文のウィンドウを開きます。ヘルプには、メニューの「ツール」から「新規注文」を選ぶ・F9キーを押す・気配値表示やターミナルの右クリックメニューから「新規注文」を選ぶ・気配値表示で通貨ペアをダブルクリックする、のどれでも開けると書かれています(待機注文の発注)。上の画面は、ツールメニューから開いたところです。
チャートから出す方法もあります。チャートの右クリックメニューにある取引のサブメニュー(英語表記はTrading)から、待機注文を選びます。右クリックした位置が現在値より上ならBuy StopとSell Limit、下ならBuy LimitとSell Stopが選べます(チャートからの取引)。
Buy StopとSell Stopを2本置く
OCOの代わりには、現在値の上にBuy Stop、下にSell Stopを置きます。新規注文のウィンドウで待機注文を選び、Buy StopかSell Stopの種類と価格を指定して発注します。価格が動いて、逆指値の水準に届いたほうが約定してポジションになり、もう片方は待機注文のまま残ります。
待機注文には期限(Expiry)を付けられます。期限になっても約定しなかった注文は、自動で削除されます。ただし、期限は10分より先にする必要があります。

片方が約定したらもう片方を削除する
片方が約定したら、残った待機注文を削除します。ターミナルの取引タブで、待機注文の行を右クリックして「注文変更または取消」を選ぶか、行をダブルクリックすると、注文を管理するウィンドウが開きます。ここで削除のボタンを押すと消えます(待機注文の削除)。
この削除は、OCOのようには自動で行われません。2本とも約定してしまう場合があることは、次の節の測定で数字にしています。
アドバイス置くのは2本、消すのは手作業だよ。期限は10分より先にしないと入らないから気をつけてね。
MT4のOCO注文の決済に使うS/LとT/P|設定・変更・削除の方法

S/LとT/Pの入れ方
S/LとT/Pは、新規注文のウィンドウと、あとから開く注文の管理ウィンドウの両方で入れられます。値を0にすると、そのS/LやT/Pは設定していない状態になります(ポジションの変更)。上の画面は、S/Lが156.000、T/Pが158.000の例です。現在値との差を入れて、下段にコピーするボタンを使うと、現在値からの幅で水準を入れられます。
S/LやT/Pを現在値に近づけすぎると、変更のボタンが押せなくなります。その場合は、現在値から離して、もう一度変更します。
あとから変える・消す場所

保有中のポジションのS/LとT/Pは、ターミナルの取引タブでポジションを右クリックして「注文変更または取消」を選ぶか、S/LやT/Pの欄をダブルクリックして変えます。ポジションを自分で決済するときは、右クリックメニューか、行のダブルクリックから行います(ポジションの決済)。
チャート上で動かす方法もあります。端末の設定で「Show trade levels」をオンにすると、チャートの水準線をドラッグして、S/LとT/Pを変えられます(チャートからの取引)。

トレーリングストップは端末で動く
トレーリングストップは、S/Lを現在値に追いかけさせる機能です。S/LやT/Pとは違い、サーバーではなく端末で動くため、端末の電源が切れている間は働きません(トレーリングストップ)。
アドバイスS/LとT/Pは約定したあとの決済、トレーリングストップは端末が動いている間だけ働くよ。水準を現在値に近づけすぎると変更できないよ。
MT4のOCO注文を雇用統計の前に使うと|逆指値2本が両方約定する割合を測定

測定の条件
雇用統計の発表の1分前に、その時点のAskの上へBuy Stop、Bidの下へSell Stopを、同じ幅X pipsで置いたことにして、値動きを後から追いました。雇用統計は、米東部時間の8時30分(日本時間で夏時間の期間が21時30分、冬時間の期間が22時30分)に発表されます。幅Xは10・20・30pipsの3通りです。買いの逆指値はAskが水準以上、売りの逆指値はBidが水準以下になったら約定とみなしました。
測った範囲は、2016年1月〜2025年9月の、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USDの3ペアです。雇用統計の発表日は117日で、1件を1通貨ペア×1日と数えるため、351件です。見る時間は、発表の1分前から発表後30分までを基本にして、発表後5分と60分までも測りました。
比べる対照は、雇用統計の日以外の金曜の同じ時刻(米東部時間8時30分)で、391日・1,173件です。対照にも、同じ置き方、同じ数え方を使いました。雇用統計の発表日は、米労働統計局の決まりを当てはめて日付を求め、発表直後1分の値幅が直前の1分平均の15倍以上あることを、ティックで確かめました。
実際の2日
±20pipsで、実際の2日を見ます。1つ目は、2024年7月5日のUSD/JPYです。発表の直後に価格が上へ跳ね、買いの逆指値が約定したあとで、下へ戻って売りの逆指値にも届きました。Dukascopyのティックでは、発表の約2秒後に買いの逆指値、約38秒後に売りの逆指値が約定しました。

2つ目は、2025年6月6日のUSD/JPYです。発表の直後に価格が上へ跳ねて、買いの逆指値だけが約定しました。発表の約2秒後に約定し、発表後30分までに売りの逆指値には届きませんでした。

どちらも発表時刻の日本時間は21時30分で、グラフの横軸は発表からの経過(分)です。この2日は例で、平均的な動きではありません。
約定の割合は、雇用統計の日に大きく変わる
発表後30分までの結果です。±20pipsでは、雇用統計の日351件のうち、片方だけ約定が256件(72.9%)、両方約定が58件(16.5%)、どちらも約定せずが37件(10.5%)でした。対照の1,173件では、片方だけ約定が340件(29.0%)、両方約定が17件(1.4%)、どちらも約定せずが816件(69.6%)です。

幅を広げると、両方約定は減ります。雇用統計の日の両方約定は、±10pipsが36.5%、±20pipsが16.5%、±30pipsが6.0%でした。対照は、9.0%、1.4%、0.1%です。ただし、幅を広げると、どちらも約定しない割合は増えます。雇用統計の日で、±10pipsが0.3%、±30pipsが32.8%でした。
通貨ペア別に、±20pipsで発表後30分までに両方約定した割合を見ます。雇用統計の日は、USD/JPYが17.9%(21件/117日)、EUR/USDが16.2%(19件/117日)、GBP/USDが15.4%(18件/117日)で、3ペアの合計は58件です。対照は、USD/JPYが2.6%(10件/391日)、EUR/USDが0.5%(2件/391日)、GBP/USDが1.3%(5件/391日)で、合計は17件です。

見る時間を変えても、傾向は同じです。±20pipsの両方約定は、雇用統計の日が、発表後5分までで9.7%(34件/351件)、30分までで16.5%(58件/351件)、60分までで23.1%(81件/351件)でした。対照は、0.3%(4件/1,173件)、1.4%(17件/1,173件)、2.4%(28件/1,173件)です。

結果の読み方と、測っていないこと
件数の内訳は、下の表のとおりです。雇用統計の日は351件、対照は1,173件で、片方だけ・両方・どちらも約定せずの合計は、幅ごとに、どの行も件数と一致しています。割合は四捨五入のため、合計が100%にならない行があります。

この測定には、次の限りがあります。まず、価格が水準に届いたかだけを数えていて、実際の約定価格、スリッページ、スプレッドの広がり、損益は測っていません。次に、対照の391日には、雇用統計以外の指標が同じ時刻に出た金曜が含まれます。発表直後の動きが大きい金曜が97日あり、これを除いた294日(882件)では、±20pips・30分までの両方約定は2件(0.2%)でした。ただし、動きで除くと結果が循環するため、本文の対照は391日の全部です。
もう1つ、雇用統計の日は、発表直後に価格が大きく動きます。2本の逆指値が、発表の1分前の価格を基準にして置かれているため、発表前の動きも含みます。OCOがあれば、2本とも約定する状態は起きないので、この16.5%は、OCOがないことの影響の大きさの目安です。
アドバイス雇用統計の日は、±20pipsで6回に1回ほど、2本とも約定したよ。普通の金曜は70回に1回くらいだよ。損益は測っていないから、勝てるかどうかは別の話だよ。
MT4のOCO注文が通らないとき|Invalid S/L or T/Pと変更ボタンが押せない原因

水準が現在値に近すぎるとき
S/LやT/P、待機注文の価格が現在値に近すぎると、注文が通らなかったり、変更のボタンが押せなかったりします。ヘルプには、S/LやT/Pが現在値に近すぎると、変更のボタンがロックされると書かれています(ポジションの変更)。現在値から離して、もう一度変更します。
エラー表示のInvalid S/L or T/Pも、水準が現在値に近すぎるときに出ます。対処は、ストップレベル以上に離すことです。
待機注文の期限は10分より先
待機注文の期限(Expiry)は、10分より早くは設定できません。期限を付けるときは、10分以上先にします。期限になっても約定しなかった注文は自動で削除されます(待機注文の発注)。
最小距離は銘柄ごとに違う
現在値からの最小距離は、ストップレベルといい、通貨ペアごと・ブローカーごとに決まります。気配値表示で通貨ペアを右クリックして、通貨ペアの仕様(英語表記はSpecification)を開くと、ストップレベルがポイントで表示されます(気配値表示のヘルプ)。ストップレベルの内側には、S/LもT/Pも待機注文も置けません。
新規注文が通らない原因は、ほかにもあります。この記事で確認したのは、水準が近すぎる場合と、期限が10分より前の場合です。それ以外の原因は、確認していません。
アドバイスエラーが出たら、まず現在値からの距離と期限を見てね。最小距離は通貨ペアごとに違うから、仕様の画面で見られるよ。
MT4のOCO注文の代用で気をつけること|両方約定を減らす工夫

発表の直前に置くかどうか
前の節の結果から、雇用統計の前に逆指値を2本置くと、2本とも約定する割合が、普通の金曜より高くなることがわかります。2本とも約定すると、OCOがない分、片方を消す前に両方がポジションになります。避けたい場合は、発表前に置かず、発表後に価格を見て置く方法があります。
置く場合は、幅を広げると、両方約定は減ります。ただし、どちらも約定しない割合が増えます。雇用統計の日の30分までで、±10pipsはどちらも約定せずが0.3%、±30pipsは32.8%でした。
片方が約定したらすぐ削除する
片方が約定したら、すぐに残りの待機注文を削除します。削除は手作業です。削除するまでの間に、もう片方の水準に届くと、両方がポジションになります。
置いたまま離れるときは期限を付ける
置いたまま端末から離れるときは、期限(Expiry)を付けておくと、期限になった待機注文は自動で削除されます。期限は10分より先にします。
EAなどでの自動化は、この記事では測っていない
毎回手で消したくない場合に、EAなどで自動化する方法があります。この記事では、EAでの動きは測っていません。
アドバイス発表の直前は、2本とも約定する割合が普通の日よりずっと高いよ。置くなら幅を広げて、約定したらすぐ片方を消そうね。
要点
・MT4のOCO注文は標準機能になく、注文は成行の買いと売り、待機注文4種類の6種類。MT5のヘルプの取引の実行のページにも、OCOの語はない
・S/LとT/Pは、保有中のポジションに付ける決済の設定で、新規の2本の注文はつなげられない
・代用は、Buy StopとSell Stopを2本置き、片方が約定したらもう片方を手で削除する。期限は10分より先
・S/LやT/Pが現在値に近すぎると、Invalid S/L or T/Pが出て、変更のボタンも押せない
・雇用統計の前に±20pipsの逆指値を2本置くと、発表後30分までに両方約定した割合は16.5%(351件中58件)。対照の金曜は1.4%(1,173件中17件)
・両方約定は、±10pipsが36.5%、±30pipsが6.0%。幅を広げると減るが、どちらも約定しない割合は0.3%から32.8%に増える
・損益、スリッページ、スプレッドの広がりは測っていない
MT4のOCO注文のよくある質問
MT4にOCO注文はありますか?
ありません。MT4のヘルプにある注文は、成行の買いと売り、Buy Limit・Buy Stop・Sell Limit・Sell Stopの6種類で、OCOは含まれません。代わりに、Buy StopとSell Stopを2本置き、片方が約定したらもう片方を手で削除します。
MT5にはOCO注文がありますか?
MT5のヘルプの取引の実行のページに、OCOの語はありませんでした。待機注文は、Buy Stop LimitとSell Stop Limitを含む6種類です。確認したのはこのページだけで、ブローカーが独自に付けた機能は確認していません。
S/LとT/Pを両方入れると、OCOになりますか?
なりません。S/LとT/Pは、保有中のポジション1つに付ける決済の設定で、どちらかに届くとポジションが決済されます。まだ約定していない2本の注文を、つなげることはできません。
MT4でポジションを決済する方法は?
ターミナルの取引タブでポジションを右クリックするか、行をダブルクリックして決済します。S/LとT/Pを入れておくと、価格が水準に届いたときに自動で決済されます。
MT4で新規注文が通らないのはなぜですか?
この記事で確認できた原因は、水準が現在値に近すぎることと、待機注文の期限が10分より前であることです。S/LやT/Pが近すぎるとInvalid S/L or T/Pが出て、変更のボタンも押せなくなります。ストップレベル以上に離し、期限は10分以上先にします。それ以外の原因は、確認していません。
雇用統計の前に逆指値を2本置くと、両方約定しますか?
±20pipsで、発表後30分までに両方約定した割合は16.5%でした。雇用統計117日・3ペアの351件のうち58件です。対照の金曜は、1,173件のうち17件で、1.4%でした。損益やスリッページは測っていません。
MT4のOCO注文のまとめ
MT4のOCO注文は標準機能になく、注文は成行の買いと売り、待機注文4種類の6種類です。S/LとT/Pは、保有中のポジションを決済する設定で、OCOとは別の機能です。代用するときは、Buy StopとSell Stopを2本置き、片方が約定したらもう片方を手で削除します。期限は10分より先にします。
Dukascopyのティックで、雇用統計の1分前に逆指値を2本置いた場合を測ると、±20pipsで発表後30分までに両方約定した割合は、雇用統計の日が16.5%(351件中58件)、対照の金曜が1.4%(1,173件中17件)でした。幅を広げると両方約定は減り、±10pipsは36.5%、±30pipsは6.0%です。損益、スリッページ、スプレッドの広がりは測っていないため、実際に使う前は、自分の口座で確かめてください。
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