リスクリワードレシオとは?勝率との損益分岐表と計算方法|FX5通貨で測った結果

FXリスクリワード比率の 計算方法とは? 簡単に理解できる計算式

リスクリワード(リスクリワードレシオ・RR比)は、利確の幅が損切りの幅の何倍かを表す比率です。損切り50pips・利確100pipsなら1:2で、勝率が33.3%を上回ると、1回あたりの期待値はプラスになります(スプレッドは除く)。この記事では、Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足(2016年1月〜2026年10月)を測りました。直近20本の高安で損切りと利確を決めた668,957件を、計画リスクリワードで6つに分けると、損切りより先に利確に届いた割合は、損益分岐の勝率を2.2〜3.8ポイント下回りました。1件あたりの平均損益は、スプレッドを入れると6つとも−0.089〜−0.012Rのマイナスでした。

目次

リスクリワードとは|損失と利益の比率の意味

USD/JPYの1時間足のローソク足に、買った価格と損切り、利確の位置を重ねて、リスクリワードの幅を示したチャート
出典: Dukascopy のティックから作った足。USD/JPYの1時間足に、買った価格・損切り・利確の幅を重ねた図。

リスクリワードの計算式と書き方

リスクリワード(RR)は、利確までの幅を損切りまでの幅で割った値です。リスクは損切りで失う額、リワードは利確で得る額にあたります。損切りが50pips、利確が100pipsなら、100÷50=2で、「1:2」と書きます。この記事では、損切りを1としたときの利確の大きさを「1:2」のように書き、計算では2を使います。

1:2は、損切り1回で失う額の2倍を、利確1回で得る設計です。リスクリワードは1回ごとに決まる値で、勝率とは別のものです。勝率は、取引のうち利確になった割合を指します。

実際のチャートで見るリスクリワード

図は、USD/JPYの1時間足で、日本時間の2025年6月25日12時に買った例です。直近20本の安値144.51を損切り、高値145.41を利確にしました。入る価格はaskの144.81で、損切りまで30.0pips、利確まで59.4pipsなので、リスクリワードは59.4÷30.0=1.98、およそ1:2です。入った足を含めて6本目の足で、利確に届きました。

この例は、直近の高値と安値を、損切りと利確の目安にした場合の1回です。1回の結果から、リスクリワードの良し悪しは分かりません。多数の件で測った結果は、4つ目の節に載せています。

アドバイス

リスクリワードは、利確の幅を損切りの幅で割った値だよ。図の例は、59.4÷30.0で1:2に近かったね。

リスクリワードの計算方法|pipsと金額で求める

入る価格150円、損切り149.5円、利確151円の買いで、pipsと金額からリスクリワード1:2を求める計算の表
出典: 計算の例。米ドル/円の買いで、損切りと利確の幅からリスクリワードを求める表。

pipsで計算する

pipsで計算するときは、入る価格から損切りまでと、利確までを、それぞれpipsにして割ります。円ペアの1pipsは0.01円、EUR/USDなどは0.0001です。入る価格が150.00円、損切りが149.50円、利確が151.00円なら、損切りは50pips、利確は100pipsで、100÷50=2、リスクリワードは1:2です。

金額で計算する

金額では、損切りで失う額と、利確で得る額を割ります。米ドル/円を1万通貨買うと、1pipsは100円です。上の例では、損切りが−5,000円、利確が+10,000円なので、10,000÷5,000=2で、同じく1:2です。通貨数を変えても、損切りと利確の幅が同じなら、リスクリワードは変わりません。

スプレッドを入れた実質リスクリワード

USD/JPYなど5通貨の2025年のスプレッドで、利確を損切りの2倍に置いたときの実質リスクリワードを損切りの幅ごとに並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足の2025年のスプレッド。5通貨の実質リスクリワードを損切りの幅ごとに並べた表。

買うときはask、決済はbidなので、スプレッドの分だけ、損切りは大きく、利確は小さくなります。損切りの幅と利確の幅を、チャートの価格(bid)から測ると、実質のリスクリワードは、(利確の幅−スプレッド)÷(損切りの幅+スプレッド)です。

利確を損切りの2倍に置いた買いで計算すると、損切り10pipsの実質リスクリワードは、EUR/JPYが1:1.73、EUR/USDが1:1.88で、どれも2より小さくなります。損切りが40pipsなら、1:1.93〜1:1.97です。USD/JPYの損切り10pipsでは、損益分岐の勝率が33.3%から35.3%に上がります。損切りの幅が小さいほど、スプレッドの影響は大きくなります。スプレッドと損益分岐の勝率は、FXで勝てない原因の記事でも、ランダムに入った取引で測っています。

アドバイス

計算は、損切りの幅で利確の幅を割るだけだよ。スプレッドを入れると、損切り10pipsでは1:1.73〜1:1.88まで小さくなったね。

リスクリワードと勝率の関係|損益分岐の表

リスクリワードが大きいほど、損益分岐に必要な勝率が下がることを示した曲線のグラフ
出典: 計算の図。リスクリワードごとの、損益分岐の勝率を結んだ曲線。

損益分岐の勝率の計算

損益分岐の勝率は、1÷(1+リスクリワード)です。1:2なら、1÷3=33.3%で、勝率がこれを上回ると、1回あたりの期待値はプラスになります。

リスクリワード損益分岐の勝率計算
1:0.566.7%1÷1.5
1:150.0%1÷2
1:1.540.0%1÷2.5
1:233.3%1÷3
1:325.0%1÷4
1:516.7%1÷6
計算の表。スプレッドは入れていません。

リスクリワードが大きいほど、必要な勝率は下がります。ただし、勝率が33.3%でも、勝ち負けは偏って出ます。連敗の長さは、FXで勝てない原因の記事で、5通貨10年のランダムな入りで測りました。

期待値で見る勝率とリスクリワード

勝率30%から60%と、リスクリワード1:0.5から1:3を組み合わせたときの、1回あたりの期待値を並べた表
出典: 計算の表。勝率とリスクリワードごとの、1回あたりの期待値。

期待値は、勝率×(1+リスクリワード)−1で、損切り1回分(1R)を単位にした、1回あたりの平均損益です。勝率40%・1:2なら、0.4×3−1=+0.2Rです。1:2の取引を100回行うと、平均で+20Rで、損切り1回が1万円なら20万円のプラスになる計算です。

勝率が60%でも、1:0.5なら0.6×1.5−1=−0.1Rで、マイナスです。勝率が30%でも、1:3なら+0.2Rで、プラスです。ただし、これは勝率とリスクリワードが決まっているときの計算で、勝率を保ったままリスクリワードを広げられるとは限りません。次の節で、測った結果を載せています。

勝率を上げるか、リスクリワードを上げるか

期待値の表で、勝率40%・1:1(−0.20R)を起点に比べます。勝率を10ポイント上げて50%にすると、期待値は+0.20R増えて0.00Rです。リスクリワードを1:1から1:2に上げると、+0.40R増えて+0.20Rになります。

ただし、リスクリワードを広げると、利確に届く割合は下がります。測った結果では、計画リスクリワードが1以上1.5未満の区分で、損切りより先に利確に届いた割合が42.6%、3以上の区分では10.7%でした。

アドバイス

損益分岐の勝率は、1:2で33.3%、1:3で25.0%だったね。リスクリワードを広げると、必要な勝率は下がるけれど、届く割合も下がるよ。

リスクリワードを測る|直近20本の高安で決めた計画RRの結果

計画リスクリワードを6つに分けて、件数と、損切りより先に利確に届いた割合、損益分岐の勝率、損切りの幅を並べた表
出典: Dukascopy のティックから作った足。5通貨の1時間足で、計画RRごとに利確が先になった割合を並べた表。

測り方

Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足336,913本(2016年1月〜2026年10月、bid)を使いました。足の始値で、買いと売りを1件ずつ想定します。買いの損切りは直近20本の安値、利確は直近20本の高値で、売りはその逆です。

計画リスクリワード(計画RR)は、入る価格から利確までの距離を、損切りまでの距離で割った値です。入る価格が直近20本の高安の外にあり、距離が0以下になる件は除き、計668,957件になりました。買いはask(bid+スプレッド)で入ってbidで決済し、売りはbidで入ってaskで決済します。スプレッドは、通貨ごと・年ごとのティックの、askとbidの差の中央値です。

損切りと利確のどちらにも届かないまま48本たった件は、48本目の終値で決済し、利確には数えません。同じ足で損切りと利確の両方に届いた件は、損切りです。同じ足の買いと売りは別の件で、隣り合う足の件は値動きが重なるため、件数ほど独立ではありません。範囲は、月ごとに再抽出を1,000回繰り返して求めた90%の範囲です。

計画RRごとの利確に届いた割合

計画RRを、0.5未満・0.5〜1・1〜1.5・1.5〜2・2〜3・3以上の6つに分けました(〜は下限以上・上限未満)。件数は、0.5未満が235,823件、3以上が177,877件で、この2つで61.8%を占めます。損切りの幅の中央値は、0.5未満が65.6pips、3以上が9.6pipsです。

損切りより先に利確に届いた割合は、0.5未満の80.8%から、3以上の10.7%まで、計画RRが大きい区分ほど下がりました。損益分岐の勝率(件ごとの1÷(1+RR)の平均)と比べると、6つとも2.2〜3.8ポイント下回りました。48本たっても決まらなかった件が2.8〜4.3%あり、利確には数えていないため、差の一部はここから来ます。

計画RRごとの平均損益

計画リスクリワードの6区分ごとに、1件あたりの平均損益をスプレッドありとなしで比べた棒グラフと90%の範囲
出典: Dukascopy のティックから作った足。計画RRごとの1件あたりの平均損益を、スプレッドありとなしで比べた棒グラフ。

1件あたりの平均損益は、損切りを−1R、利確を+計画RRとし、48本目で決済した件は、その損益を損切りの幅で割って、すべて平均しました。スプレッドを入れた平均は、6つとも−0.089〜−0.012Rのマイナスです。月ごとの再抽出で求めた90%の範囲が0を含まないのは5つで、1.5〜2だけが−0.026〜+0.002Rで0を含みます。3以上は−0.089R(範囲−0.112〜−0.064)で、5通貨ごとに見ても、−0.014〜−0.146Rですべてマイナスでした。

スプレッドを0にすると、平均損益は−0.016〜+0.057Rです(670,774件)。範囲が0を含むのは4つで、3以上だけが+0.024〜+0.089R、0.5〜1だけが−0.022〜−0.009Rでした。スプレッドの有無での平均損益の差は、0.5未満の0.010Rから3以上の0.145Rまで、計画RRが大きい区分ほど大きくなりました。スプレッドが損切りの幅に占める割合の中央値も、0.9%・1.4%・1.9%・2.2%・2.7%・6.0%と、同じ順に大きくなります。

スプレッドを入れた場合、平均損益がプラスになった区分は、6つのうち1つもありませんでした。

測っていないこと

測ったのは、直近20本の高安で損切りと利確を決める、1つの決め方です。ATRで損切りを決める場合、トレンドの向きで入る場所を選ぶ場合、手法ごとの違い、1時間足以外は測っていません。結果は、この決め方で入った件の平均で、手法の成績ではありません。

アドバイス

計画RRが3以上の区分は、平均損益が−0.089Rで、5通貨ともマイナスだったよ。スプレッドが損切りの幅に占める割合が、6.0%と大きかったね。

リスクリワードと資金管理|資金を失う確率

勝率とリスクリワードの組み合わせごとに、1回の損失が資金の5%・2%・1%のときに資金をすべて失う確率を並べた表
出典: 計算の表。勝率とリスクリワードごとに、資金をすべて失う確率を並べた表。

資金を失う確率の計算

勝ち負けが毎回同じ確率で独立なら、取引を続けて資金をすべて失う確率を、式で近似できます。表は、勝ちを+リスクリワード、負けを−1として、1回の損失が元の資金の5%・2%・1%の固定額で続けた場合の計算です。期待値が同じ+0.2Rでも、リスクリワードが大きい(勝率が低い)ほど、失う確率は大きくなります。1回の損失が5%のとき、勝率40%・1:2は2.0%、勝率30%・1:3は7.7%、勝率20%・1:5は21.7%です。2%のときは、0.01%未満、0.16%、2.2%です。

期待値がマイナスなら、勝率が60%でも、1:0.5では取引を続けると資金を失う確率が100%です。考え方はバルサラの破産確率の記事にまとめています。

入る前に計算すること

  1. 損切りの位置を決めて、入る価格からの幅をpipsで出します。
  2. 利確の位置を決めて、同じように幅を出し、利確の幅÷損切りの幅でリスクリワードを計算します。
  3. スプレッドを入れた実質リスクリワードと、損益分岐の勝率を出します。
  4. 損切りになったときの損失が、資金の何%かを決めて、その額から通貨数を決めます。

損切りと利確を同時に置く注文は、IFD・OCO・IFO注文の記事、損失の許容はロスカットの記事、利確の考え方は利確の記事にあります。

アドバイス

期待値が同じ+0.2Rでも、リスクリワードが大きいほど、資金を失う確率は大きかったね。1回の損失を小さくするほど、確率は下がるよ。

要点
・リスクリワードは、利確の幅÷損切りの幅。損切り50pips・利確100pipsなら1:2
・損益分岐の勝率は1÷(1+リスクリワード)。1:1は50.0%、1:2は33.3%、1:3は25.0%、1:5は16.7%(スプレッドなし)
・利確を損切りの2倍に置いた買いで、損切り10pipsの実質リスクリワードは、5通貨で1:1.73〜1:1.88(2025年のスプレッド)
・5通貨の1時間足で、直近20本の高安で決めた668,957件では、利確が先になった割合が、損益分岐の勝率を2.2〜3.8ポイント下回った
・1件の平均損益は、スプレッドを入れると、計画RRの6区分とも−0.089〜−0.012R
・測っていないのは、ATRなど別の損切りの決め方、手法ごとの成績、1時間足以外

リスクリワードのよくある質問

リスクリワードとは何ですか?

利確の幅を損切りの幅で割った値です。損切り1に対する利確の大きさを「1:2」のように書きます。数が大きいほど、利確1回で得る額が、損切り1回で失う額より大きくなります。

リスクリワード1:2のとき、損益分岐の勝率は何%ですか?

33.3%です。1÷(1+2)で求めます。スプレッドを入れると少し上がり、USD/JPYで損切り10pipsなら35.3%です。

リスクリワードは高いほどよいですか?

高いほどよい、とは言えませんでした。直近20本の高安で決めた668,957件では、計画RRが高い区分ほど、利確が先になる割合が下がりました。スプレッドを入れた平均損益は、6つの区分とも−0.089〜−0.012Rでした。

勝率とリスクリワードは、どちらを上げるべきですか?

期待値は両方で決まります。勝率40%・1:1から、勝率を50%にすると+0.20R、リスクリワードを1:2にすると+0.40R増えます。ただし、リスクリワードを広げるほど、利確に届く割合は下がります。

スプレッドを入れると、リスクリワードはどう変わりますか?

小さくなります。利確を損切りの2倍に置いて損切りが10pipsなら、実質は1:1.73〜1:1.88です。損切りの幅が小さいほど、差は大きくなります。

リスクリワードのまとめ

リスクリワードは、利確の幅÷損切りの幅で、損益分岐の勝率は1÷(1+リスクリワード)です。1:2なら33.3%、1:3なら25.0%です。スプレッドを入れると、損切りの幅が小さいほど実質のリスクリワードは小さくなり、損切り10pipsでは1:1.73〜1:1.88でした。

Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足で、直近20本の高安から損切りと利確を決めた668,957件を測ると、利確が先になった割合は、損益分岐の勝率を2.2〜3.8ポイント下回りました。平均損益は、スプレッドを入れると、計画RRの6区分とも−0.089〜−0.012Rでした。ATRなど別の決め方で入った場合は測っていないため、ご自身のデータで確かめてから使ってください。手法ごとの記事は、順張り・ブレイクアウト・ロールリバーサルにあります。

この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。

⚠ リスクに関する注意事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。

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この記事を書いた人

シストレ.COM編集部は、FX自動売買(EA)とテクニカル分析を専門とするインターネットメディア「シストレ.COM」の編集チームです。200本以上のEAのフォワードテスト結果を公開し、実際の運用データに基づいた客観的な情報を発信しています。記事の執筆・監修はMetaTrader(MT4/MT5)での実運用経験を持つスタッフが担当。

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