
リスクリワードとは|損失と利益の比率の意味

リスクリワードの計算式と書き方
リスクリワード(RR)は、利確までの幅を損切りまでの幅で割った値です。リスクは損切りで失う額、リワードは利確で得る額にあたります。損切りが50pips、利確が100pipsなら、100÷50=2で、「1:2」と書きます。この記事では、損切りを1としたときの利確の大きさを「1:2」のように書き、計算では2を使います。
1:2は、損切り1回で失う額の2倍を、利確1回で得る設計です。リスクリワードは1回ごとに決まる値で、勝率とは別のものです。勝率は、取引のうち利確になった割合を指します。
実際のチャートで見るリスクリワード
図は、USD/JPYの1時間足で、日本時間の2025年6月25日12時に買った例です。直近20本の安値144.51を損切り、高値145.41を利確にしました。入る価格はaskの144.81で、損切りまで30.0pips、利確まで59.4pipsなので、リスクリワードは59.4÷30.0=1.98、およそ1:2です。入った足を含めて6本目の足で、利確に届きました。
この例は、直近の高値と安値を、損切りと利確の目安にした場合の1回です。1回の結果から、リスクリワードの良し悪しは分かりません。多数の件で測った結果は、4つ目の節に載せています。
アドバイスリスクリワードは、利確の幅を損切りの幅で割った値だよ。図の例は、59.4÷30.0で1:2に近かったね。
リスクリワードの計算方法|pipsと金額で求める

pipsで計算する
pipsで計算するときは、入る価格から損切りまでと、利確までを、それぞれpipsにして割ります。円ペアの1pipsは0.01円、EUR/USDなどは0.0001です。入る価格が150.00円、損切りが149.50円、利確が151.00円なら、損切りは50pips、利確は100pipsで、100÷50=2、リスクリワードは1:2です。
金額で計算する
金額では、損切りで失う額と、利確で得る額を割ります。米ドル/円を1万通貨買うと、1pipsは100円です。上の例では、損切りが−5,000円、利確が+10,000円なので、10,000÷5,000=2で、同じく1:2です。通貨数を変えても、損切りと利確の幅が同じなら、リスクリワードは変わりません。
スプレッドを入れた実質リスクリワード

買うときはask、決済はbidなので、スプレッドの分だけ、損切りは大きく、利確は小さくなります。損切りの幅と利確の幅を、チャートの価格(bid)から測ると、実質のリスクリワードは、(利確の幅−スプレッド)÷(損切りの幅+スプレッド)です。
利確を損切りの2倍に置いた買いで計算すると、損切り10pipsの実質リスクリワードは、EUR/JPYが1:1.73、EUR/USDが1:1.88で、どれも2より小さくなります。損切りが40pipsなら、1:1.93〜1:1.97です。USD/JPYの損切り10pipsでは、損益分岐の勝率が33.3%から35.3%に上がります。損切りの幅が小さいほど、スプレッドの影響は大きくなります。スプレッドと損益分岐の勝率は、FXで勝てない原因の記事でも、ランダムに入った取引で測っています。
アドバイス計算は、損切りの幅で利確の幅を割るだけだよ。スプレッドを入れると、損切り10pipsでは1:1.73〜1:1.88まで小さくなったね。
リスクリワードと勝率の関係|損益分岐の表

損益分岐の勝率の計算
損益分岐の勝率は、1÷(1+リスクリワード)です。1:2なら、1÷3=33.3%で、勝率がこれを上回ると、1回あたりの期待値はプラスになります。
| リスクリワード | 損益分岐の勝率 | 計算 |
|---|---|---|
| 1:0.5 | 66.7% | 1÷1.5 |
| 1:1 | 50.0% | 1÷2 |
| 1:1.5 | 40.0% | 1÷2.5 |
| 1:2 | 33.3% | 1÷3 |
| 1:3 | 25.0% | 1÷4 |
| 1:5 | 16.7% | 1÷6 |
リスクリワードが大きいほど、必要な勝率は下がります。ただし、勝率が33.3%でも、勝ち負けは偏って出ます。連敗の長さは、FXで勝てない原因の記事で、5通貨10年のランダムな入りで測りました。
期待値で見る勝率とリスクリワード

期待値は、勝率×(1+リスクリワード)−1で、損切り1回分(1R)を単位にした、1回あたりの平均損益です。勝率40%・1:2なら、0.4×3−1=+0.2Rです。1:2の取引を100回行うと、平均で+20Rで、損切り1回が1万円なら20万円のプラスになる計算です。
勝率が60%でも、1:0.5なら0.6×1.5−1=−0.1Rで、マイナスです。勝率が30%でも、1:3なら+0.2Rで、プラスです。ただし、これは勝率とリスクリワードが決まっているときの計算で、勝率を保ったままリスクリワードを広げられるとは限りません。次の節で、測った結果を載せています。
勝率を上げるか、リスクリワードを上げるか
期待値の表で、勝率40%・1:1(−0.20R)を起点に比べます。勝率を10ポイント上げて50%にすると、期待値は+0.20R増えて0.00Rです。リスクリワードを1:1から1:2に上げると、+0.40R増えて+0.20Rになります。
ただし、リスクリワードを広げると、利確に届く割合は下がります。測った結果では、計画リスクリワードが1以上1.5未満の区分で、損切りより先に利確に届いた割合が42.6%、3以上の区分では10.7%でした。
アドバイス損益分岐の勝率は、1:2で33.3%、1:3で25.0%だったね。リスクリワードを広げると、必要な勝率は下がるけれど、届く割合も下がるよ。
リスクリワードを測る|直近20本の高安で決めた計画RRの結果

測り方
Dukascopy のティックから作った足で、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの1時間足336,913本(2016年1月〜2026年10月、bid)を使いました。足の始値で、買いと売りを1件ずつ想定します。買いの損切りは直近20本の安値、利確は直近20本の高値で、売りはその逆です。
計画リスクリワード(計画RR)は、入る価格から利確までの距離を、損切りまでの距離で割った値です。入る価格が直近20本の高安の外にあり、距離が0以下になる件は除き、計668,957件になりました。買いはask(bid+スプレッド)で入ってbidで決済し、売りはbidで入ってaskで決済します。スプレッドは、通貨ごと・年ごとのティックの、askとbidの差の中央値です。
損切りと利確のどちらにも届かないまま48本たった件は、48本目の終値で決済し、利確には数えません。同じ足で損切りと利確の両方に届いた件は、損切りです。同じ足の買いと売りは別の件で、隣り合う足の件は値動きが重なるため、件数ほど独立ではありません。範囲は、月ごとに再抽出を1,000回繰り返して求めた90%の範囲です。
計画RRごとの利確に届いた割合
計画RRを、0.5未満・0.5〜1・1〜1.5・1.5〜2・2〜3・3以上の6つに分けました(〜は下限以上・上限未満)。件数は、0.5未満が235,823件、3以上が177,877件で、この2つで61.8%を占めます。損切りの幅の中央値は、0.5未満が65.6pips、3以上が9.6pipsです。
損切りより先に利確に届いた割合は、0.5未満の80.8%から、3以上の10.7%まで、計画RRが大きい区分ほど下がりました。損益分岐の勝率(件ごとの1÷(1+RR)の平均)と比べると、6つとも2.2〜3.8ポイント下回りました。48本たっても決まらなかった件が2.8〜4.3%あり、利確には数えていないため、差の一部はここから来ます。
計画RRごとの平均損益

1件あたりの平均損益は、損切りを−1R、利確を+計画RRとし、48本目で決済した件は、その損益を損切りの幅で割って、すべて平均しました。スプレッドを入れた平均は、6つとも−0.089〜−0.012Rのマイナスです。月ごとの再抽出で求めた90%の範囲が0を含まないのは5つで、1.5〜2だけが−0.026〜+0.002Rで0を含みます。3以上は−0.089R(範囲−0.112〜−0.064)で、5通貨ごとに見ても、−0.014〜−0.146Rですべてマイナスでした。
スプレッドを0にすると、平均損益は−0.016〜+0.057Rです(670,774件)。範囲が0を含むのは4つで、3以上だけが+0.024〜+0.089R、0.5〜1だけが−0.022〜−0.009Rでした。スプレッドの有無での平均損益の差は、0.5未満の0.010Rから3以上の0.145Rまで、計画RRが大きい区分ほど大きくなりました。スプレッドが損切りの幅に占める割合の中央値も、0.9%・1.4%・1.9%・2.2%・2.7%・6.0%と、同じ順に大きくなります。
スプレッドを入れた場合、平均損益がプラスになった区分は、6つのうち1つもありませんでした。
測っていないこと
測ったのは、直近20本の高安で損切りと利確を決める、1つの決め方です。ATRで損切りを決める場合、トレンドの向きで入る場所を選ぶ場合、手法ごとの違い、1時間足以外は測っていません。結果は、この決め方で入った件の平均で、手法の成績ではありません。
アドバイス計画RRが3以上の区分は、平均損益が−0.089Rで、5通貨ともマイナスだったよ。スプレッドが損切りの幅に占める割合が、6.0%と大きかったね。
リスクリワードと資金管理|資金を失う確率

資金を失う確率の計算
勝ち負けが毎回同じ確率で独立なら、取引を続けて資金をすべて失う確率を、式で近似できます。表は、勝ちを+リスクリワード、負けを−1として、1回の損失が元の資金の5%・2%・1%の固定額で続けた場合の計算です。期待値が同じ+0.2Rでも、リスクリワードが大きい(勝率が低い)ほど、失う確率は大きくなります。1回の損失が5%のとき、勝率40%・1:2は2.0%、勝率30%・1:3は7.7%、勝率20%・1:5は21.7%です。2%のときは、0.01%未満、0.16%、2.2%です。
期待値がマイナスなら、勝率が60%でも、1:0.5では取引を続けると資金を失う確率が100%です。考え方はバルサラの破産確率の記事にまとめています。
入る前に計算すること
- 損切りの位置を決めて、入る価格からの幅をpipsで出します。
- 利確の位置を決めて、同じように幅を出し、利確の幅÷損切りの幅でリスクリワードを計算します。
- スプレッドを入れた実質リスクリワードと、損益分岐の勝率を出します。
- 損切りになったときの損失が、資金の何%かを決めて、その額から通貨数を決めます。
損切りと利確を同時に置く注文は、IFD・OCO・IFO注文の記事、損失の許容はロスカットの記事、利確の考え方は利確の記事にあります。
アドバイス期待値が同じ+0.2Rでも、リスクリワードが大きいほど、資金を失う確率は大きかったね。1回の損失を小さくするほど、確率は下がるよ。
要点
・リスクリワードは、利確の幅÷損切りの幅。損切り50pips・利確100pipsなら1:2
・損益分岐の勝率は1÷(1+リスクリワード)。1:1は50.0%、1:2は33.3%、1:3は25.0%、1:5は16.7%(スプレッドなし)
・利確を損切りの2倍に置いた買いで、損切り10pipsの実質リスクリワードは、5通貨で1:1.73〜1:1.88(2025年のスプレッド)
・5通貨の1時間足で、直近20本の高安で決めた668,957件では、利確が先になった割合が、損益分岐の勝率を2.2〜3.8ポイント下回った
・1件の平均損益は、スプレッドを入れると、計画RRの6区分とも−0.089〜−0.012R
・測っていないのは、ATRなど別の損切りの決め方、手法ごとの成績、1時間足以外
リスクリワードのよくある質問
リスクリワードとは何ですか?
利確の幅を損切りの幅で割った値です。損切り1に対する利確の大きさを「1:2」のように書きます。数が大きいほど、利確1回で得る額が、損切り1回で失う額より大きくなります。
リスクリワード1:2のとき、損益分岐の勝率は何%ですか?
33.3%です。1÷(1+2)で求めます。スプレッドを入れると少し上がり、USD/JPYで損切り10pipsなら35.3%です。
リスクリワードは高いほどよいですか?
高いほどよい、とは言えませんでした。直近20本の高安で決めた668,957件では、計画RRが高い区分ほど、利確が先になる割合が下がりました。スプレッドを入れた平均損益は、6つの区分とも−0.089〜−0.012Rでした。
勝率とリスクリワードは、どちらを上げるべきですか?
期待値は両方で決まります。勝率40%・1:1から、勝率を50%にすると+0.20R、リスクリワードを1:2にすると+0.40R増えます。ただし、リスクリワードを広げるほど、利確に届く割合は下がります。
スプレッドを入れると、リスクリワードはどう変わりますか?
小さくなります。利確を損切りの2倍に置いて損切りが10pipsなら、実質は1:1.73〜1:1.88です。損切りの幅が小さいほど、差は大きくなります。
リスクリワードのまとめ
リスクリワードは、利確の幅÷損切りの幅で、損益分岐の勝率は1÷(1+リスクリワード)です。1:2なら33.3%、1:3なら25.0%です。スプレッドを入れると、損切りの幅が小さいほど実質のリスクリワードは小さくなり、損切り10pipsでは1:1.73〜1:1.88でした。
Dukascopy のティックから作った5通貨の1時間足で、直近20本の高安から損切りと利確を決めた668,957件を測ると、利確が先になった割合は、損益分岐の勝率を2.2〜3.8ポイント下回りました。平均損益は、スプレッドを入れると、計画RRの6区分とも−0.089〜−0.012Rでした。ATRなど別の決め方で入った場合は測っていないため、ご自身のデータで確かめてから使ってください。手法ごとの記事は、順張り・ブレイクアウト・ロールリバーサルにあります。
この記事はFXの手法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
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