
IFD・OCO・IFO注文とは|7つの注文の違いを一表で比べる

IFD・OCO・IFOは基本の注文を組み合わせたもの
成行・指値・逆指値は、1つの注文で完結する基本の注文です。IFD・OCO・IFOは、この基本の注文を組み合わせます。IFDは、新規注文と、その決済注文を1つ組にします。OCOは、2つの注文を同時に出し、片方が約定するともう一方を取り消します。IFOは、IFDの決済の部分をOCOにした注文で、新規・利確・損切りを一度に出せます。トレール注文は、逆指値の価格が有利な方向へ動いていく注文です。
呼び名はFX会社で少し違い、IFOはIFDOCOやIF-OCOと呼ばれることもあります。取り扱う注文の種類もFX会社ごとに違うため、使う会社の画面で確認してください。
3つの問いで注文を選ぶ
注文を選ぶときは、次の3つを順に考えます。1つ目は、今の価格ですぐ入るのか、価格が届くのを待つのか。すぐ入るなら成行、待つなら指値か逆指値です。2つ目は、入ったあとの出口を決めておくのか。決めておくなら、決済を1つだけ組むIFDか、利確と損切りの両方を組むIFOです。3つ目は、保有中のポジションに、利確と損切りの両方を置くのか。置くならOCOです。取引手法に合わせた注文の考え方は、FXの取引手法の記事も参考にしてください。
アドバイス成行・指値・逆指値が基本だよ。IFD・OCO・IFOは、その基本を組み合わせた注文なんだ。
IFD・OCO・IFO注文の基本|成行・指値・逆指値の違い

成行注文
成行注文は、価格を指定せず、今の価格ですぐ約定させる注文です。買いはask(買値)、売りはbid(売値)で約定します。すぐ入れる代わりに、注文を出した時の価格と約定した価格がずれること(スリッページ)があります。詳しくはスリッページの記事にまとめています。
askとbidの差(スプレッド)が広がっている時間に成行で入ると、そのぶん不利な価格で入ることになります。広がる例として、米雇用統計の前後を測りました。

計測の条件です。対象は、2021年1月〜2025年11月の米雇用統計58回と、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの5通貨ペアで、計290件です。発表は米東部時間の8:30で、日本時間では夏時間の期間が21:30、冬時間の期間が22:30です。各時間帯のスプレッド(askとbidの差)の中央値を出し、同じ週の火〜木の同じ時刻を平常時として、何倍かを求めました。
倍率の中央値は、発表の直前60秒が2.0倍、発表〜10秒が3.7倍、10〜60秒が2.0倍、1〜5分が1.4倍でした。発表〜10秒で2倍以上に広がった割合は85%です。通貨ペアごとの中央値は、USD/JPYが平常時の0.7pipsから2.8pipsに、EUR/JPYが1.1pipsから7.2pipsになりました。この数字はティックのaskとbidの差で、FX会社が表示するスプレッドとは一致しません。
指値注文
指値注文は、今より有利な価格を指定する注文です。買いは今より下、売りは今より上に置きます。ドル円が150円のとき、149.50円の買いや150.50円の売りが指値です。MT4/MT5ではBuy Limit・Sell Limitにあたります。指定した価格まで届かなければ約定しません。届くまでにかかる時間は、後の節で測っています。
逆指値注文
逆指値注文は、今より不利な価格を指定する注文です。買いは今より上、売りは今より下に置きます。ドル円が150円のとき、150.50円の買いや149.50円の売りが逆指値です。MT4/MT5ではBuy Stop・Sell Stopにあたります。上抜けの動きに乗って入るときや、保有中のポジションの損切りに使います。
アドバイス今の価格より有利なら指値、不利なら逆指値だよ。雇用統計の直後は、スプレッドが平常時の3.7倍まで広がっていたね。
IFD・OCO・IFO注文のIFD|新規と決済を1組にする

IFDの流れ
IFD(イフダン)は「If Done」の略で、新規注文が約定したら、あらかじめ決めた決済注文が有効になる注文です。図の例では、149.50円の指値買いが約定したあと、150.50円の指値売りで決済します。決済に使えるのは、指値か逆指値の1つです。
決済は1つだけ
決済注文は1つなので、利確の指値と損切りの逆指値を同時には置けません。決済を逆指値にして、損切りだけを組むことはできます。利確と損切りの両方を置きたいときは、次のIFOを使います。
アドバイスIFDは、入口と出口を1つずつ組にするよ。出口が1つだけなのが、IFOとの違いなんだ。
IFD・OCO・IFO注文のOCO|片方が約定したら、もう一方を取り消す

決済に使う
OCOは「One Cancels the Other」の略です。2つの注文を同時に出し、片方が約定すると、もう一方が自動で取り消されます。決済に使う場合は、150円で買ったポジションに、151円の指値売り(利確)と149円の逆指値売り(損切り)を同時に置きます。どちらかが約定すれば、もう一方は消えます。利確幅と損切り幅の比は、リスクリワードと呼ばれます。
新規に使う
OCOは、新規注文にも使えます。151円の逆指値買いと149円の逆指値売りを同時に置くと、上へ抜けた場合は買い、下へ抜けた場合は売りで入れます。片方が約定すると、もう一方は取り消されます。「OCOは保有中のポジション専用」という説明を見かけますが、新規にも決済にも使えます。
アドバイスOCOは「どちらか1つ」の注文だよ。決済にも新規にも使えるんだ。利確と損切りのどちらが先に届くかは、あとで測ったよ。
IFD・OCO・IFO注文のIFO|入口から出口までを一度に置く

IFOの仕組み
IFOは、IFDにOCOを組み合わせた注文です。新規注文が約定したあと、利確と損切りの2つの決済注文が有効になり、どちらかが約定すると、もう一方が取り消されます。新規・利確・損切りの3つを最初に決めておけるため、チャートを見続けなくても、入口から出口までが進みます。
実際のレートで見る
図は、実際のドル円のレートに、IFOの設定を重ねた1回の例です。日本時間の2025年1月22日6:00に、注文を出したと考えます。そのときの中値155.522円から15pips下の155.372円に新規の指値買いを置き、そこから30pips上の155.672円に利確、15pips下の155.222円に損切りを置きました。新規は9:45に約定し、10:28に利確が約定しています。
これは1回の例で、損切りに先に届く場合もあります。どちらに先に届くかの割合は、後の節で測っています。
週末をまたぐとき
週末をまたいで残っている注文は、月曜の取引開始の価格で約定することがあります。楽天証券のFXのヘルプには、IFOを週末にまたいだ場合は、月曜の始値で約定し、スリッページが出ることがあると書かれています。
アドバイスIFOは、新規・利確・損切りを最初にまとめて決める注文だよ。図の例では、新規から43分で利確に届いたんだ。
IFD・OCO・IFO注文と並ぶトレール注文|逆指値が有利な方向へ動く

トレール注文の仕組み
トレール注文(トレーリングストップ)は、逆指値の価格を、価格の動きに合わせて有利な方向へ動かす注文です。買いの場合は、高値が更新されるたびに逆指値の価格が上がります。価格が下がっても、逆指値は下がりません。決めた幅だけ戻ったところで決済されます。
実際のレートで見る
図は、実際のドル円で、トレール注文の動きを重ねた1回の例です。日本時間の2025年2月18日9:00に、成行で買いました(ask 151.446円)。逆指値は、高値(bid)の15pips下に追随させています。上昇が続いたあいだ逆指値は上がり続け、14:23に152.069円の逆指値で決済されました。追随の幅や相場の動きによって、結果は変わります。
MT5での動き
MetaQuotesのMT5のヘルプによると、トレーリングストップは、取引サーバーではなく、パソコンなどの端末側で処理されます。端末が動いていない間は、追随しません。ポジションを右クリックして設定し、1つのポジションに設定できるのは1つです。損切り(S/L)と利確(T/P)は、FX会社のサーバーに保存されます。
アドバイストレールは、高値を追って逆指値が上がっていく注文だよ。MT5では端末側で動くから、端末を閉じている間は追わないんだ。
IFD・OCO・IFO注文のMT4/MT5での置き方|待機注文とS/L・T/Pで作る

待機注文にS/LとT/Pを入れる
MT5のヘルプにある待機注文(Pending Order)の種類は、Buy Limit・Buy Stop・Sell Limit・Sell Stop・Buy Stop Limit・Sell Stop Limitです。IFD・OCO・IFOという名前の注文はありません。新規注文の画面(MT5ではF9)で、注文の種類を待機注文にして、価格と、S/L・T/Pの欄を入れると、IFOに近い形になります。MT4のヘルプにも、待機注文が約定したあとは、入れたS/LとT/Pが自動で適用されると書かれています。
置き方の手順
- 新規注文の画面を開き、通貨ペアを選びます。
- 注文の種類を待機注文にして、Buy Limitなどを選びます。
- 新規の価格を入れます。
- S/L(損切り)とT/P(利確)の価格を入れます。片方だけなら、IFDに近い形になります。
- 注文を出します。
保有中のポジションにS/LとT/Pの両方を入れておけば、利確と損切りのOCOに近い形です。MetaQuotesのヘルプの注文の種類には、新規注文どうしをOCOにするものがありません。また、S/LやT/Pが今の価格に近すぎると、エラーになります。
アドバイスMT4/MT5では、待機注文にS/LとT/Pを入れるのがIFOに近い形だよ。S/Lだけ、T/Pだけなら、IFDに近い形になるんだ。
IFD・OCO・IFO注文の利確と損切りを測る|先に届くのはどちらか

計測の条件
対象は、USD/JPY・EUR/USD・GBP/USD・EUR/JPY・AUD/JPYの5通貨ペアで、2021〜2025年です。月〜木(UTC)の毎正時に、買いと売りを1回ずつ成行で入れたと考えて、1回の注文を1件と数えました。計246,868件です。入った価格から、利確を決めた幅、損切りを決めた幅だけ離れた価格に、先に届いた方を数えています。見る期間は24時間です。買いはask、売りはbidで入り、決済はその反対側の価格で判定しています。入ったときのスプレッドの中央値は、0.3〜1.0pipsでした。
図の「利確10 損切り10」は、利確が10pips、損切りが10pipsという意味です。同じ1分のうちに両方に届いた分は0.2%以下で、図には出していません。売買の損益は測っていません。
先に届いた割合
利確が先に届いた割合を大きい順に並べると、利確20 損切り40が61.7%、利確20 損切り20が46.6%、利確10 損切り10が44.2%、利確40 損切り40が39.9%、利確40 損切り20が28.6%でした。損切りが先に届いた割合は、同じ順に31.9%、52.2%、55.6%、42.3%、65.3%です。利確幅が損切り幅の2倍(利確40 損切り20)だと利確が先の割合は28.6%、半分(利確20 損切り40)だと61.7%、同じ幅だと39.9〜46.6%でした。
同じ幅の組み合わせでも、損切りが先の割合の方が大きくなりました。利確と損切りの差は、10pipsずつで11.4ポイント、20pipsずつで5.6ポイント、40pipsずつで2.4ポイントです。この計測は、買いをask、判定をbidで見ているため、スプレッドのぶん、利確までが遠くなります。24時間たっても決まらなかった割合は、利確40 損切り40で17.7%、利確20 損切り40で6.3%、利確40 損切り20で6.0%、利確20 損切り20で1.2%、利確10 損切り10で0.0%でした。どの設定が有利かは、この計測からは言えません。
決着がつくまでの時間

「決着」は、利確か損切りのどちらかに届いたことです。利確10 損切り10は、1時間で59.1%、4時間で90.3%が決着しました。利確40 損切り40は、1時間で4.2%、4時間で23.3%、24時間で82.3%です。幅を広げるほど、決着までに時間がかかります。通貨ペアごとの中央値は、次の表のとおりです。
| 利確・損切り(pips) | USD/JPY | EUR/USD | GBP/USD | EUR/JPY | AUD/JPY |
|---|---|---|---|---|---|
| 10・10 | 34 | 81 | 45 | 27 | 40 |
| 20・20 | 130 | 281 | 179 | 113 | 160 |
| 40・20 | 204 | 404 | 280 | 180 | 250 |
| 20・40 | 217 | 417 | 306 | 201 | 287 |
| 40・40 | 366 | 631 | 512 | 347 | 475 |
表の数字は、入ってから決着までの時間の中央値(分)です。計測の条件は前の節と同じで、24時間以内に決着した分だけで出しています。決着しなかった分がある利確40 損切り40などでは、中央値は実際より短く出ます。10pips・10pipsの設定でも、EUR/USDは81分、EUR/JPYは27分と、通貨ペアで差がありました。短い時間で何度も入る手法はスキャルピングと呼ばれます。
アドバイス同じ幅でも、損切りが先に届く割合の方が少し大きかったよ。利確40 損切り20だと、利確が先は28.6%だったんだ。
IFD・OCO・IFO注文の新規に使う指値|約定するまでの時間を測る

計測の条件
IFDやIFOの新規注文に指値を使うと、指値の価格に届くまで、決済注文は動きません。前の節と同じ246,868件で、買いは今のaskから下に、売りは今のbidから上に、5・10・20・40pips離して指値を置いたと考えました。価格がその水準に届いた時点で約定したとみなしています。注文の順番待ちは考えていません。
届くまでの時間
24時間以内に約定した割合は、5pipsが92.6%、10pipsが85.1%、20pipsが71.0%、40pipsが47.7%でした。1時間以内では、5pipsが57.8%、10pipsが32.3%、20pipsが11.4%、40pipsが2.1%です。通貨ペアごとに見ると、40pipsの24時間は、EUR/USDの37.5%からEUR/JPYの54.8%まででした。
約定しないままになる割合
24時間たっても約定しなかった割合は、5pipsが7.4%、10pipsが14.9%、20pipsが29.0%、40pipsが52.3%です。遠くに置くほど、有利な価格で入れる代わりに、約定しないまま終わることが増えます。IFOを置いたのに動かないときは、まず新規の指値に価格が届いているかを確認してください。
アドバイス指値を遠くに置くほど、届くまでに時間がかかるよ。40pipsだと、24時間で届いたのは47.7%だったんだ。
要点
・IFDは新規と決済1つ、OCOは2つのうち片方、IFOはIFDとOCOを合わせた注文
・IFDの決済は1つだけで、損切りの逆指値にもできる。OCOは決済にも新規にも使える
・MT4/MT5のヘルプの注文の種類に、IFD・OCO・IFOはない。待機注文にS/LとT/Pを入れて近い形を作る
・MT5のトレーリングストップは端末側で動く
・5通貨ペアの246,868件で、利確が先に届いた割合は、利確20 損切り40が61.7%、利確40 損切り20が28.6%
・24時間以内に約定した指値の割合は、5pipsが92.6%、40pipsが47.7%
・米雇用統計の発表〜10秒のスプレッドは、平常時の3.7倍(中央値)
・測っていないのは、売買の損益と、どの設定が有利かです
IFD・OCO・IFO注文のよくある質問
IFD・OCO・IFOの違いは何ですか?
決済注文の数と組み方が違います。IFDは新規と決済1つ、OCOは2つのうち片方だけが約定する注文、IFOは新規に利確と損切りのOCOをつけた注文です。
IFD注文で損切りも置けますか?
利確か損切りのどちらか1つだけです。両方を置きたいときは、IFOにします。
OCO注文は新規注文にも使えますか?
使えます。上の価格の逆指値買いと下の価格の逆指値売りを同時に置く、といった使い方ができます。
MT4・MT5でIFD・OCO・IFOは使えますか?
その名前の注文はありません。MetaQuotesのヘルプの注文の種類にないためで、待機注文にS/LとT/Pを入れると、IFOに近い形になります。
IFOを置いたのに約定しないのはなぜですか?
新規の指値に価格が届いていない可能性があります。今の価格から40pips離した指値は、24時間で約定した割合が47.7%でした。
利確と損切りは何pipsにすればよいですか?
どの幅がよいかは測っていません。幅の組み合わせで、先に届く割合と決着までの時間が変わることは、この記事の計測で確認できます。
どのFX会社でも、IFD・OCO・IFOは使えますか?
会社によって違います。取り扱う注文の種類も、IFDOCOなどの呼び名も、FX会社ごとに違うため、使う会社の画面で確認してください。
IFD・OCO・IFO注文のまとめ
IFDは新規と決済1つの組、OCOは2つのうち片方だけが約定する注文、IFOはその2つを合わせた注文です。MT4/MT5には、その名前の注文はなく、待機注文にS/LとT/Pを入れて近い形を作ります。Dukascopy のティックから作った5通貨ペアの1分足(2021〜2025年、246,868件)では、利確が先に届いた割合は28.6〜61.7%で、設定の幅によって変わりました。今の価格から40pips離した指値は、24時間で47.7%しか約定しませんでした。
売買の損益と、どの設定が有利かは測っていません。注文の名前と仕組みを確かめたうえで、デモ口座などで、自分の使う会社の画面で置き方を試してから使ってください。
この記事はFXの注文方法の情報提供で、特定の取引をすすめるものではありません。FXには価格変動のリスクがあり、元本を超える損失が出ることもあります。取引は自己責任で、リスク管理を自分で決めて行ってください。
⚠ リスクに関する注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引はレバレッジ取引の特性上、預託した証拠金以上の損失が生じる可能性があります。取引の際は、ご自身の判断と責任において行ってください。詳しくは特定商取引法に基づく表記をご確認ください。













